半端者の卒業試験   作:うしのなはのじゃ

7 / 7
前話から少し時間を戻しまして、艦娘たち目線の動きがどんな感じだったのかを書きました
前編後編か、前編中編後編になると思います


第七話

ー天龍・龍田ー

 

室内演習場では激しい剣戟の音が響き渡っている

艤装と艤装がぶつかり合い、一瞬ものうちに何十という鈍い金属音が鳴り響く

その音を出している人物の正体は天龍龍田姉妹である

 

「鈍ってきてんぞ龍田ぁっ!まだまだやれるよなぁ!」

 

「まだまだこんなもんじゃないわよぉ」

 

二人が訓練をしていると、その瞬間二人同時にピタリと動きが止まる

 

「龍田、気づいたか?」

 

「えぇ。ずいぶんと多いわねぇ」

 

「こりゃ訓練じゃなくて実戦になりそうだな。いくぞ」

 

「はぁ~い」

 

 

そこで二人が見た光景は水平線の向こうまで深海棲艦に埋め尽くされた黒い海だった

 

 

「ここまでの量はあの日以来じゃねぇか?」

 

「これは早々に片付けないといけないわねぇ」

 

「とりあえず大和に一報いれるか、どうせ許可出るだろ!龍田、出るぞ!」

 

「わかったわぁ天龍ちゃん」

 

そういって二人は狂気にも似た満面の笑みで出撃する

 

 

ー大和・電・大淀ー

私と電と大淀は執務室で書類を整理していた

演習場の使用許可や資材管理表のチェック、そのほかにも処理しなければならない書類が山積みである

提督が処理するべき書類は終わっているので、提督に頼る必要はないのだがいかんせん量が多いので手伝ってほしいと思ってしまう

そんなことを考えながら書類の整理をしていると、天龍から通信で連絡が入るとともに激しい振動と爆発音がする

 

「大和ぉ!大漁だぁっ!暴れていいよなぁっ!」

 

大漁...つまりは深海棲艦が多数襲来しているということだ

近海警備隊からの連絡は特になかったはず、通信妨害もされている気配はなかった

つまりは近海警備隊が連絡をする間もなくやられたということだろう

 

「天龍さん!可能な限りの撃滅と、近海警備隊の安否確認をおねがいします!」

 

「よっしゃぁっ!全員切り伏せてやるぜぇっ!」

 

天龍さんがそう叫ぶとその勢いのまま通信が切れてしまった

室内演習場の使用許可届に龍田さんの名前もあったので、きっと龍田さんも一緒にいるのだろう

あの二人が出撃するならある程度は持つはずだ

 

「電ちゃんは私の分の艤装の出撃準備をお願い!よどちゃんは出撃可能の全艦娘に緊急連絡をおねがい!」

 

「わかったのです!大和さんはどうするのです?」

 

「私は提督を探して報告と指揮をお願いしに行きます!」

 

「わかった!今来てる他鎮守府の艦娘にも連絡する?」

 

「そちらは館内放送で他鎮守府の提督に判断を仰いでください!」

 

「行動開始!!!!」

 

「「はいっ!!!」」

 

ー長門・島風ー

最初の爆破音から数分後、大淀から全艦娘に対しての緊急連絡と出撃要請が来た

説明によると大量の深海棲艦による強襲、近海警備隊への連絡が効かず安否不明とのこと

電波妨害のジャマーが発動されている感じはしないとのことなので、近海警備隊が即対応されてしまうほどの脅威であるということだろう

大量の深海棲艦だけならまだマシだ

問題はその量の深海棲艦をまとめ上げる指揮官がいるということ

そのレベルのやつは最低でも鬼級以上だ

一刻も早く敵を撃滅し近海警備隊の安否を確認せねばなるまい

私が急いで工廠で出撃準備をしているとすごいスピードで島風が工廠に突っ込んできた

 

「長門さん!島風と一緒に行こ!」

 

「私の速力では島風について行けないが、いいのか?」

 

「長門さんにはあれがあるじゃん!私が囮になって敵を集めるから、そこにたたき込めばはっやーいよ!」

 

「わかった、敵はかなりの量だ。出撃要請が動ける全艦娘だったことを考えるとあの技は味方も巻き込んでしまう可能性が高い。他の艦娘が巻き込まれないよう誘導も頼めるか?」

 

「わかった!」

 

「戦艦長門、出撃するぞ!続け!」

 

「しまかぜ、出撃しまーす!」

 

ー川内三姉妹ー

「聞いた?二人とも。大量の深海棲艦だって!これは夜戦ができるよ!夜戦!」

 

「那珂ちゃんの歌を聴きに来てくれた子がたくさん!今日のライブは大盛況だよー!」

 

「姉さん、那珂ちゃん、落ち着いてください。なるべく速く撃滅するんですよ」

 

この三人はある理由でとても有名である

 

ひとりは世界一の夜戦バカ忍者 川内

 

ひとりは艦隊の根性系アイドル 那珂

 

ひとりは鬼教官ならぬ姫級教官 神通

 

そんな濃い人材が集まったのがこの川内三姉妹である

 

「最近は暗部の仕事ばっかりでつまらなかったから、今日は発散するぞー!」

 

「今回の敵には私を楽しませてくれる者がいるとよいのですが...」

 

「私のダンスと歌で全員魅了しちゃうよー!」

 

まるで緊張感が感じられないが、三人とも実力は本物である

そんな感じでわちゃわちゃしていると、大淀から通信が入る

 

「皆さん!空母偵察機からの情報によると戦場は大きく分けて四つ、その戦場それぞれに鬼級の指揮官の存在を確認しています!戦闘する際は絶対に陣形を崩さないでください!敵総数は最低でも二千!flagship級の深海棲艦も多数います!再度繰り返しますが、敵の数が圧倒的なので絶対に陣形を崩さないでください!よろしくお願いします!」

 

「こりゃ早く行かないとやばそうだね」

 

「ええ。早く戦いましょう」

 

「那珂ちゃんの特大ライブ!始まるよー!」

 

そうして三人は向かっていく

各々のやりたいことを全力で成すために

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。