返坂高校ボードゲーム研究部によるエロボドゲプレイ記録 作:自宅戦闘員
さて、ここからは実際のプレイの話だ。
『ゾンビパニック・インモラリティ』はショッピングモールを舞台にしたエロ系派閥構築TRPGだ。
シチュとしては「げへへ、食材が欲しかったら股を開きな!」とか「このショッピングモールの王は我、女は跪け!」をロールプレイできるってことやね。
もちろん「皆で街を脱出するんだ!」とか「ここで生活できるように改造しよう!」な派閥もある。
勝利条件は「規定ターン数を経過した段階で生き残り、最大派閥の一員でいること」。
ただしこれは「派閥の人数が一番多い」とは限らない。
そこで出てくるのが行動カード。
古池副部長のターン、彼は一枚のカードを場に出す。
「【行動・薬局の確保】を実行する。俺の派閥は、カードの効果で派閥ポイントをプラス20だ」
そう、行動カードには派閥ポイントを増加させるものがある。
最大派閥は人数でなく、もっとも派閥ポイントが高い集団のことを指すのだ。
プレイヤーの派閥ポイントは100。単純計算、俺と来栖部長が派閥を作っても、古池副部長が【薬局の確保】を6枚出せば合計ポイントでは副部長が上回る……つまり最大勢力ということになる。
また、他プレイヤーとカードを交換したターンは、食糧カード以外は使えない。
交渉で人員の派閥ポイントを得ようとすれば、陣地を拡大させるのが遅れる。
交渉を受け入れてもらえればいいが、失敗すれば単純にターンを浪費する可能性もある。
ただし、派閥ポイントは合計。同派閥のプレイヤーの行動カード分の補正は合算される。
後々のことを考えれば早い段階で派閥の人数を増やすのはアリ。
「なるほど、副部長は交渉よりもモール内の開拓を選びましたか。ならば、十分に開拓してもらったところで勧誘、というのも手ですね」
乃々乃が呟く。
敢えて放置して、しっかり陣地を作ってもらった後に勧誘するのも手。
そしてそれらの交渉はカードを使うので、水面下で何が行われているのかは分からないのだ。
派閥カードに関しては山札でなく最初に手札として全種類複数枚を配られているのでランダム性がない。本気でみんながどの派閥なのか分からないのだ。
「一応確認しますが、このゲームは進めていくと派閥カードが余ります。そのため、規定ターンの前ターンには自分の所属する派閥カードを公開・固定します。それまでは裏切りもありですから気をつけてくださいね。また、偶然の一致は同派閥とは見做されません。誰に何をしたのか、ちゃんと覚えておいてくださいね」
まあカードの種類多いし偶然の一致は低いんだけどな。大人数プレイに対応し、カードのみを販売する拡張パックがございます。
「あと、派閥カードを貰った時、それを捨てる代わりに山札から一枚カードを引けます。交渉を失敗し過ぎると相手が有利になりますよ」
よし、ルール確認。
やはりネックは裏切りおーけーな点だろう。
俺は来栖部長に【派閥・セフレ】に誘われた。が、来栖部長の派閥がセフレとは限らない。
俺を孤立させるための戦略という可能性だってあるのだ。
(……だが俺は敢えて受けた。現在俺の派閥はセフレだ。)
何故なら……乃々がいるから!
彼女はきっと悪ノリで俺からのセフレの誘いを受けてくれるはず!
そうなれば最大で三人、部長の誘いが罠でも乃々と二人の派閥がつくれる。
つまりチカ子ちゃんは、まゆ太郎の誘いに乗ってセフレとしてセッ〇スし、彼には内緒で乃々彦とも肉体関係を持ち、裏切られても大丈夫な状況を作り上げたのだ。
控え目に言ってもクソ女だなチカ子!
ちなみにこのゲーム、相手が本当に派閥に了承したかは分かりません。
拒否の場合は派閥カードを捨てるんで分かるけど、ブラフや二股のために手札に入れるケースもある。
さらにルール上は一方的にカードを一枚渡し、返礼を求めないのも許される。
そうなるとやっぱりなんも分からねえ。
もう全員敵にってオチだってあるんよ、このゲーム。
「チカ子さんのターンですよ」
乃々に話しかけられて、俺は改めてカードを見る。
そして次の作戦を立てる。
ちなみに行動順は
1.康美(古池副部長)
・現状:行動カードによる陣地拡大中。薬局、時計店カードを場に出している。
2.乃々彦
・現状:特に動きを見せず食糧保管庫に食糧チップを置く。葵とカード交換をしている。
3.葵
・現状:食糧を確保しつつ、乃々彦となにか密約を交わした様子。
4.まゆ太郎
・現状:チカ子にセフレにならないかと誘惑してきた
5.チカ子
・現状:まゆ太郎のセフレを受け入れ、乃々彦を誘惑するつもり
うん、群を抜いてチカ子がクソ(二回目)。
だがこのゾンビが蠢く街、唯一の生存区域であるショッピングモールで暮らすにはこの肢体を利用するしかないのだ……!
「ということで、乃々彦さんこれを受け取って」
「……ち、チカ子さん。では、お礼にこれを」
お、食糧カード。
これはいざという時のために手札にとっておこう。
状況的にはこんな感じだ。
※ ※ ※
「よかったぜ、チカ子ちゃん」
私はまゆ太郎さんの強引な誘いに体を許した。
やはり経験の差だろうか。そういう行為(ボドゲ)に不慣れな私は彼の手管に翻弄され、昂り達してしまった。
はしたない……でも、このショッピングモールで弱い私が生き残るためには、こういう手段をとらざるを得ない。
そうだ、一度性行為をしてしまったなら、二度目も同じ。
私は乃々彦さんの元へ行った。
マジメな彼は、私の来訪に特別な意味を見出していなかったようだ。
だからこそ、服を脱ぐ。
「ち、チカ子さん!?」
動揺する彼を抱きしめ、私は耳元で囁く。
「お願いします、抱いてください……」
男に縋りつく哀れな女。
私はほとんど無理矢理乃々彦さんの唇を奪った。
そのままベッドに押し倒す。最初は動揺していた彼も性欲には勝てなかったらしい。私の体を想うがままに貪った。。
彼は行為の後、食糧をくれた。これは私の命綱だ。
体で得た報酬。なぜか私は流れる涙を止められなかった。
※ ※ ※
チカ子ぉ……。
お前さぁ、もっとやり方考えろや。
で、ゲーム上はカード交渉を行ったので、俺はカードを引いても使えない。
そのまま古池副部長のターンに。
「うーむ。すまん、誰か行動カードを持ってないか。食糧と交換してくれ」
騙し合い前提のゲームで超正直!
乃々もちょっとびっくりしてる。
でもそっか、ルール上は別にこれもいいのか。
「康美ちゃん、俺あるよ。食い物があるんならくれよ」
「お、助かる、まゆ太郎さん。……はぁ!? ち、違うぞ!? これ、提案カードじゃないか!?」
「あっはっはぅ! だめよー古池くん、このゲームで相手を信じちゃ」
そして来栖部長によるボドゲの洗礼。
副部長のいいカードを懐に入れて、いらないやつを押し付けおった。
まゆ太郎も危険な男である。
「では私は……【提案・作業の手伝い】ですね。自分以外の対象のプレイヤーは、山札から2枚カードを引いてください。チカ子ちゃんです」
お、セッ〇スのお礼かな?
この行動を見るに、乃々彦は俺のセフレ派閥になってくれたと考えてもいいだろう。
有難くカードをいただこう。
「乃々彦さん、ありがとう」
「おいおい、乃々彦って呼んでくれよ。チカ子」
一度寝たら俺の女扱いしてきたぞ乃々彦。
マジメそうに見えたけど、やっぱり男ってベッドを共にしたら態度って変わるのね。(童貞並みの感想)。
「うーん、ボクは……さっき交渉したからカード出せてないしなぁ、よし、行動カード。【お菓子売り場の確保】だよ。派閥ポイント10、もしも食糧保管庫が尽きていた場合このカードを廃棄してリタイアを回避できるよ」
続く来栖部長も行動カードで陣地を広げる。
ここからはしばらく見に回ることになるか。
そうして数ターン、仕掛けたのは意外にも古池部長だった。
「水科、カードを渡す」
「ボク? これは、うーん……?」
副部長はなにを渡した?
もともと葵は乃々彦にカードを渡していた。これが派閥だったとしても、乃々乃の雰囲気でなんとなく俺と組んだことを察しているだろう。
だとすると、副部長と派閥を組みなおす可能性もある。
(……なんか、葵と副部長がセフレとかすっごいやだ!)
信じてますよ、あなたは【派閥・街からの脱出メンバー】ですよね?
そうだと言ってくれ。
「どうしよっかなぁ。うん、受け取りますね。ええと、返すのは」
「ああ、受け取ってくれたならそれでいい」
「そうなんですか? じゃあ、遠慮なく」
なんだ、なにが起こった。
派閥カードだったら葵は副部長と組んだ、でも葵は乃々乃と密約を交わしているから、最終的に乃々乃派閥を選ぶという線もまだ消えていない。
「では、私は行動カードで陣地を広げつつ、食糧カードで保管庫にチップを置きますね。カードがだいぶ減りました。しばらくは待ちでしょうか」
「じゃあボクだ」
そう言うと葵は最初から用意されてる派閥カードを漁り始めた。
そこら辺がまだ手慣れていない点だ。
お目当てのカードを得た葵は一度自分の手札に加えてシャッフル。
俺を見てにこっと笑ったかと思うと。
「はい、チカちゃん交渉だよ!」
渡されたカードは【派閥・街からの脱出メンバー】。
やはり、副部長は葵に派閥を持ちかけてきた。
そして葵が三人目を求めたのだろう。
俺の選択は。