返坂高校ボードゲーム研究部によるエロボドゲプレイ記録   作:自宅戦闘員

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人間関係カードその3

 

 

 人間関係カード。

 妹や友人、恋人やセフレなど、引いたカードに書かれた役割を演じてトークするパーティーゲームだ。

 初手から俺が乃々の性奴隷になるという危険さに俺達は戦々恐々としていた。

 意外にも、乃々が一番顔をしかめている。

 

「ゲームとしては、非常に私好みです。しかしここは久世くんの家……。ライン越えの発言をしているところをお母様に見られては彼が悲しいことになりますし、出入り禁止を言い渡されては目も当てられない」

 

 副部長の目があると大胆な発言が出来ない……とは言わないあたり、彼女もいい子ではある。

 しかし乃々は状況が状況だけに自分を曝け出すことが出来ない苦悩に苛まれているようだ。

 

「これは、ギリギリの攻防になりますね……!」 

「ごめんなさい、そんな意図はまったくなかったわ」

 

 なお来栖部長的には乃々の苦悩は想定外のご様子。

 ということで1ゲーム目始まります。

 

 

 ※ ※ ※ 

 

 

 

【1ゲーム目】

・メイン:能登乃々乃

・サブ:久世友近(乃々乃の性奴隷)

・サブ:来栖まゆ(乃々乃の家庭教師)

 

 上記の設定でロールプレイをしながら会話する。

 時間は二分。

 

 ───────────

 

 

「さあ、友近。私の前で跪きなさい」

「乃々の友近呼びなんかくすぐったいな……」

「友近、ご主人様への態度がなっていないのでは?さあ、私の奴隷ならば、相応しい呼び方というものがあるでしょう」

 

 やべえ、乃々が絶好調だ。めっちゃ笑顔やんけ。

 あとスカートで膝組んで跪くのを求めるのは止めてほしいです。

 

「くっ、くぅ……ご主人様っ。これで、いいんだろ!? くそ、借金がなければこんなこと……」

 

 正直この設定だとロールプレイが絶対ぎこちなくなるので、設定を追加。

 俺は乃々の性奴隷、ただし「借金のために心ならずも女主人に隷属する男」だ。

 多少ぎこちない物言いになっても、それは嫌々従っているから仕方ないこと、ついでに危険な発言も拒否しやすい。

 

「ええ、ええ。悪くありません。なかなか悪くありませんよっ」

 

 どうしよう、乃々のテンションがさらに上がった。

 ただ俺の意図は組んでくれたらしく少し横柄な態度でソファーに座り直す。

 

「もっとも、友近がどれだけ嫌がろうとも、友近は私に隷属すると契約を交わした。ならば友近に拒否はできません友近よ?」

「ねえ、友近が語尾になってない?」

「すみません、友近し過ぎました。こほん……なんにせよ、逆らうことを許されない。それに、あなただって楽しんでいるでしょう?」

 

 蠱惑的な笑み。

 しかし決定的な単語を使わないのは俺に対する配慮だろう。

 

「くぅ、そんな、ことは」

「ない、と言えますか? ご主人様の目を見て答えなさい、友近」

「それは……お、俺も。その、よくて……」

 

 ねえ、これなんかこういうプレイになってない?

 俺が劣勢に立たされると、満を持して来栖部長が会話に参加した。

 つーか、性奴隷の俺と女主人の乃々の会話がひどくて、家庭教師の現実っぽさが逆に浮いている感じがする。

 

「あら、乃々乃。面白そうなことをやっているわね」

「先生、今日はどうされたのですか?」

「かわいい生徒が、どうやって男性を調教しているのか確認しに来たのよ。私の教えは役に立ってる?」

「もちろんです。彼のカラダを開発できたのは、先生のご指導の賜物……あっ、金の賜物です」

 

 性奴隷調教の家庭教師とか勘弁願えません?

 嘘やろ、S側が二人に増えたんだが。

 俺が部長の教えを受けた乃々に性感開発されるとかどんな地獄だ。

 

「じゃあ、私もこの奴隷くんで遊ぼうかしら。あなたのものなら、私のおもちゃでもある。そうよね?」

「なっ……!?」

「そう、よね?」

 

 家庭教師様の圧が強い。

 乃々は「本当は嫌だけど師の命令は断れない」みたいな苦渋を滲ませていた。

 演技うっま。 

 

「仕方、ありません。でも、あまり無茶はしないでくださいね。もし壊したら、いくら先生でも」

「分かってるわよ。さあ、遊びましょうか。奴隷くん?」

 

 やべえ、なんかネズミを嬲って遊ぶ猫みたいな目をしてらっしゃる。

 俺は咄嗟に、逃げ道に飛びついた。

 

「おっ、俺は! ご主人様の、奴隷だ。あんたに、従う、道理はない……!」

 

 渋々従ってるのに、いつの間にか情が芽生えて乃々乃ご主人様を尊重するようになってしまった奴隷ムーブです。

 

「と、友近……?」

「あんたが言ったんだろ、俺はあんたのもんなんだ。だったら、気安く他に触らせようとするなよ」

「ええ、ええ……そうですねっ」

 

 よし、官能系から純愛系にシフトできた。

 あとは、このノリで話を続ければいい。

 少しの会話を挟み、リビングにアラームが響く。

 

「あー、二分、きちゃったわね」

 

 来栖部長が残念そうに言う。

 会話の時間は二分。やった、逃げ切った。

 

「ふぅ、助かった……」

「友近、いえ、久世くん。面白かったですよ、主人と奴隷の恋物語は私も考えていませんでした」

「そりゃよかった。正直、逃げの一手ではあったけど。乃々が加減してくれて助かったとことはあるけんども」

 

 

 もともと過激なのは控えようとしていたからか、乃々からも好評を貰えた。

 なんかすごく満足そうである。

 

「うん、イイ感じね。こんな風に進めるわよー。休憩の間に複数回出来るように、今回は“私が毎回ダイスを振る”し、“私が毎回カードを引く”わ。それでいいわよね?」

 

 俺達が頷くと、何故か悪戯っぽく部長は笑った。

 

 

 

 ※ ※ ※

 

 

 

【2ゲーム目】

・メイン:水科葵

・サブ:古池康太(葵の妹)

・サブ:能登乃々乃(葵の仲の悪い同輩)

 

 上記の設定でロールプレイをしながら会話する。

 時間は二分。

 

 ───────────

 

「えっ、ボク、乃々乃ちゃんと仲悪いの?」

「別にこのゲーム友好的な関係ばっかりじゃないわよ。盗撮犯とか下着泥棒とか匂いフェチとか、変態っぽいのは事前に抜いてあるけど」

 

 ありがとう、僕らの来栖まゆ部長。

 あなたがいるから歩き出せます明日に。

 

「つまり、俺は水科の弟を演じればいいのか?」

「何を言ってるの古池くん。妹のカードを引いたなら、妹をやるの。あなたは葵お姉ちゃんが大好きなツインテールの妹よ」

「……ぅぉぅ」

 

 俺らの中で一番マッチョな古池副部長が妹に。

 ……やばい、ちょっと楽しみかもしれん。

 部長のスタートの合図で、2ゲーム目が開始される。

 

「おっ! おねっ、お姉ぢゃあああん」

 

 まず第一声は副部長から。

 きゃるん、としたポーズを取りつつ葵の妹を演じる元柔道部。

 頑張った、超頑張った。

 彼に出来る限界の妹を引っ張ってきた。

 

「ぶほっ!? のぶっ、野太いっ!? あはははははっ!」

 

 だから笑ってあげないでください葵ちゃん、

 部長の頬もひくひくしています。

 そして一言で多大なダメージを受けた副部長は崩れ落ちる。

 

「誰か……俺を……殺せっ……!」

「うわああ、古池副部長!? 大丈夫っす、ちゃんと妹やれてましたカワイかったです!?」

「それは褒め言葉ではない……っ!?」

 

 うん、冷静に考えるとその通りだ。

 笑っていた葵も慌てて居住まいを直して演技に戻る

 

「す、すみません! じゃない、ごめんねっ。お姉ちゃんを許して!」

「ごぉぉ、おねえ、ちゃんっ」

 

 それでも頑張って妹役をやるところを見るに、副部長もけっこうボドゲ部に染まってきたな。

 美しき姉妹愛。そこに意地悪そうな表情で「仲の悪い同輩」乃々がやってくる。

 

「あら、ずいぶん騒がしいですわね」

 

 乃々が縦ロールだった。

 髪型は変わってないけど、たぶん心とか魂とかが縦ロールになっている。

 だって手の甲を口元に持ってきて高笑いしてるからね。それはもう縦ロールお嬢様だよね。

 

「乃々乃ちゃんっ、じゃない、えーと、能登さん?」

「……葵さんは最初から名前呼びでしたから、地味に効きますね」

 

 素の乃々が微妙にダメージを負っていた。

 

「と、ともかく。あまりウルサクしないでほしいものですわね。ちょっと調子に乗っていませんこと?」

「なんだとーですわ!?」

 

 なんで葵まで語尾変わんねん。

 

「や、や、や、めてー。お姉ぢゃんを、いじめないでー!」

 

 そこで体を張るツインテール妹古池部長。

 意外とちゃんと妹してるし、必死に笑いをこらえる部長の表情筋がそろそろ死にそう。

 

「邪魔しないでくださる? 本当に躾のなっていない」

「ボクのことはどうでもいい。妹をいじめるのは許さないからね」

 

 いい具合に姉妹愛と敵対するライバル令嬢みたいになってきた。

 妹を庇いながらの葵と乃々が言い争い、それを何とか仲裁しようとする副部長といった形で話が進み二分が経過。

終わった時、副部長は精魂尽き果てていた。

 

「あー、乃々乃ちゃんと言い争うの結構きついね」

「私もです」

「ということで仲良しー」

 

 葵と乃々は互いにハグし合い友情回復中。

 その状況でもやっぱり副部長は復活できず、俺は背中をさすってあげた。  

 

「いやー、ツインテール古池くん悪くなかったわよ。じゃあサクサク行くわね」

 

 

 

 ※ ※ ※

 

 

 

【3ゲーム目】

・メイン:来栖まゆ

・サブ:古池康太(まゆが通うホストクラブのチャラ男ホスト)

・サブ:久世友近 (まゆの義父)

 

 上記の設定でロールプレイをしながら会話する。

 時間は二分。

 

 ───────────

 

 

「ちゃ、チャラ男……チャラ男、しかもホスト……」

 

 連続で訪れる苦難に項垂れておられる。

 元柔道部で生徒会、真面目系だしね。

 だが俺はこっそり耳打ち柄をする。

 

「副部長、この設定なら“まゆちゃん”って呼べますよ。あと、最初から部長は好意的な感じで話が進むはずです」

 

 俺の一言に一度固まった副部長はぎこちないながらに笑顔を作った

 

「ウィー……! いらっしゃい、今日もオレご指名っ!?」

 

 開き直って羞恥心より実利を取りに行った。

 でも古池副部長の体格で「うぃー!」やるとウェイ系っていうよりス〇ン・ハンセンだね。実際には「ユース」って言ってたそうだけど。

 

「あーん、コウくん。もちろんよー、今日もシャンパンいれちゃうー!」

「ぬぉっ! う、嬉しいぜ、まっままっまっまま、マイっ! ははは、ハニー!」

 

 おぉ、攻める攻める。

 部長がホストにドハマりした女性客、と言うのを返す形ではあるが、今の発言は古池副部長の性格を考えたなかなりの勇気が必要だったはずだ。

 乃々から「友ち、久世くんと違って簡単にハニーとは言えないタイプですからね」とさり気ない俺へのディスが入ったのが悲しかったです。

 さて、古池副部長は嬉しそうだが、俺も参加しないといけない。

 俺は、まゆの義父なので、自然と止める立場になるんだよな。

 

「まゆ、なにをしているんだ!」

「と、お義父さん!? どうしてここに」

 

 あからさまに驚いた顔を見せる。

 ところで、まゆは既婚者なのか? それとも親の再婚だろうか。

 

「な、なんの用なのよ。急に出てきて、いきなり父親面しないでくれる?」

「いいから、帰るぞ。ホストクラブなんて、来るもんじゃない!」

 

 部長の想定だと急にできた義父と上手くいってなくて、癒しをホストのコウに求めた感じかな。

 なら俺はちょっと強引にでも店から引き離そうとする義父だ。

 

「まゆさん。もし俺のことが原因でストレスを感じているのなら、申し訳ない。だけど俺も君のお母さんと別れるつもりはないんだ。だから、話し合って妥協点を探そう。この程度なら我慢できるっていうポイントを」

「妥協点ってあたりが久世くんよね」

「急に素に戻るの止めてもらえません?」

 

 多少気は抜けたけど、義父としてはやっぱり放っておけない。

 だが当然ながらホストは邪魔をする。

 

「ウィーっ! お義父さん、ちょっと待てよぉ!」

 

 大変だ、チャラ男への解像度が低すぎて掛け声が「うぃー」しかない。

 

「ま、まゆちゃんは、ウチの大事なお客様だぜぇ? ま、まずは話を聞いてくれよ。何か事情が、だな」

「コウくん……!」 

「オレぇは、客をぅ、守るぜぇ?」

 

 もう完全にまゆちゃんを庇ってる。

 ホストだけど通い詰めてくれるお客に惚れた……みたいな雰囲気を出しつつ、部長との会話を楽しんでるだけだな、これ。

 

「ホストが立ち入らないでもらえるかな。これは家庭の事情というものだ」

「親だからってなんでも許されると思っては……お、思わないんだぜぇ?」

 

 言葉遣い危うくなってますぜ? そしてそれはそう

 後半は俺と副部長の争いになった。

 が、ここから激突っていうところで制限の二分が来てしまった。

 終了すると、思い切り息を吐く副部長。来栖部長とお喋りする目的があっても、チャラ男役は結構負担が大きかったみたいだ。

 

「やー、ホスト副部長とか珍しいものが見れました」

「言ってくれるな、頼むから……」

「私も、けっこうよかったと思うかな。イイ男だったわよ、古池くん」

「そ、そうか?」

 

 お目当ての女性からの褒め言葉で、ちょっと持ち直した。

 わりと現金な方である。

 

「そろそろ休憩も終わりね。これで最後にしましょうか」

 

 言いながら、ニヤリと笑う部長。

 その意味は分からないけれど、ダイスロール。

 ラストゲームの役割は、 

 

 

・メイン:久世友近

・サブ:水科葵(友近の疎遠になった元恋人)

・サブ:来栖まゆ(友近の憧れのお姉さん)

 

 

 なんか微妙に演じにくいものになった。

 

「えー、チカちゃんの恋人?」

「元、な? らーぶらーぶ、じゃなくて気まずっ、みたいな感じ」

「ボクらに気まずかったことなんて……なくもないね? おふろの」

「よーし、葵ちゃん黙ろうか。残ったお菓子包んであげるから」

「わーい」

 

 中学生まで一緒にお風呂入ってた情報とか部活の皆に聞かせられない話過ぎる。

 お互い流石にこれ以上はヤバいってタイミングで「そろそろ止めようか」と切り出したのは確かに気まずかった。

 

「ラストに面白い役を引いたわねー? 久世くんと葵が疎遠になって、その間に久世くん好みのお姉さんタイプが空いた居場所にするりと忍び込む、みたいな?」

「言い方」

 

 ただ、このお題は前のラーメン屋での話を思い出してしまう。

 実際葵と疎遠になって、俺に親しい女性ができるのも全然あり得る。もちろんその逆で、葵に彼氏ができるってこともあるだろう。

 それを意識させる、微妙に重い役割だった。

 

「さあ、それじゃいきましょうか」

 

 俺らの葛藤なんて無視して、部長が号令をかける。

 これがラストゲームだ。

 

 ……しかしうまくバラけるもんだな? ここまで一回もメインも役割も被らなかった。

 

 

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