影使いの大空   作:黒ソニア

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漫画のREBORNを読んでたらアニメ観たくなって……気づいてたら書いてました(笑)。
どうかなぁ…結構設定考えたんですよ。




標的1:『運命の出会い』

 

 

 

血が流れている。

 

今、両手に付いているその血は、自分の血では無い。

 

目の前で倒れている…守りたいと思った女の子。

 

左頬に五弁花のマークが特徴で、神秘的な儚さと美しさを感じさせる…。

 

───誰よりも幸せになって欲しいと。

彼女が幸せになれる世界にしようと誓った相手だった。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

───ナ…?

 

 

「………ん……?」

 

 

全く、また変な夢を見た気がする。

 

 

───ツナ!

 

 

あんなにも血が両手に付着してるって…。

悪夢すぎるだろ…。

今日も退屈で、怠い学校生活が待ってるってのに…。

せめて夢くらい良いもん見せてくれよ。

 

 

───ツーくん!

 

 

「………後、10分。」

 

 

眠たい欲に溺れている俺は自分を呼ぶ声を聞き流して布団を被る。

 

 

「ツーくん! いつまで寝ているの!

もう8時になるわよ!」

 

「んげっ!? もうそんな時間になるのかよ!?」

 

 

自分を『ツーくん』と呼ぶのは俺の母親:沢田奈々。

そして、俺はその息子:沢田綱吉。

 

今日も俺は慌ててパジャマを脱ぎながら制服に手をかける。

 

 

「ツーくん、それ制服じゃなくて体操服よ。

また学校で恥をかくの?」

 

「げっ!? これ体操服かよ!」

 

「慌てちゃうのも分かるけど、少しでも眠気を覚ましてから着替えなさい。

朝ご飯はもう用意してあるからね。」

 

 

奈々はそう言って部屋を後にして1階へ降りた。

 

そう、この沢田綱吉はドジが多い。

中学生へと進級し、入学式を迎えた次の日に制服ではなく体操服で学校へと向かって大恥をかいた事がある。

無論、恥ずかしいエピソードはそれだけじゃ無い。

彼はボーッとする事が多く、授業中に人の話を聞いていない所もあって学校行事の避難訓練では自分のクラスが何処へ移動するとか聞いてなくて恥をかいた事や、中学最初のテストでは解答用紙の解答欄を最初から1つズレていたのに残り時間5分って時に気づいて慌てて書き直そうとしたが、結局赤点を取ったりと…。

 

中学に進級して早々、これだけのやらかしから学園では『ダメツナ』と()()()()()()

そう………呼ばれていた、過去形である。

 

 

「………ご馳走様! 俺もう行くね!」

 

「気をつけていくのよ〜。」

 

 

急いで玄関のドアを開けて学校へ駆け出して行く。

 

校門が閉まるまで後10分。

全力ダッシュで学校まで行き………ギリギリで辿り着いた。

 

校門を閉めようとした担任からは「…沢田、ギリギリだぞ」と呆れた顔をされつつ、俺は下駄箱へと走り、靴を履き替えて教室に辿り着いた。

 

 

「…あ、ダメツナがギリギリにやって来たぞ。」

 

「よせよせ、アイツはヤバい。

関わらない方が良い。」

 

「だな。中学に進級して早々色々やからしてダメツナかと思えば、な…。」

 

 

クラスメイトのコソコソ話が耳に入るが無視する。

 

一体他に何をやらかしたのかと言うならば───

 

 

「なぁダメツ………沢田。

俺、剣道部なんだけどさ、持田先輩が放課後に謝罪しに来いってさ。」

 

「えぇ…? 何で俺が…?」

 

「ちゃんと伝えたからな!

絶対に来いよ! 俺、イジメられたくないからな!」

 

 

などとクラスメイトに言われた。

 

剣道部の持田先輩とは、俺の一つ上の先輩で県大会で好成績を残している人だ。

何があったかと言えば…。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

先ず、昼休憩に自販機でお気に入りのヨーグルッチを買ってた時である。

教室に戻る途中で、クラスメイトのマドンナの笹川京子が持田先輩にしつこく言い寄られて困ってるのを感じ取ってしまい、無視するのには()()が五月蝿いので…。

 

 

「笹川さん、ウチの担任が探してたよ。」

 

 

と、適当な理由を付けて助けてあげたのだ。

笹川さんは助かったと言いたげな顔をして立ち去ったが、持田先輩には悪印象を抱かれた。

色々やらかした事からか、俺に…。

 

 

「邪魔しやがって…!

おい、お前! 今話題のダメツナだな?

放課後に体育館に来い!

たっぷり可愛がってやる…!!」

 

 

と、放課後に同じ部活の後輩を利用して俺を体育館に連行された。

 

 

「待ってたぜ? 沢田ぁ…俺の京子とのやり取りを邪魔しやがった罰は受けてもらうぜ?」

 

 

などと難癖をつけられ、竹刀を持って一方的に攻撃を仕掛けて来た。

 

俺は面倒くさいので、最低限の攻撃を受けてやり過ごそうとする。

…しかし、持田先輩はゲスなので、もっと痛い目に遭わせて俺を笑い者にさせようとし、この場で全裸になれと脅迫して来た。

 

…それを聞いてから、押さえていた力を解いて周りの声を聞く。

 

 

───あはは! ザマァ!

───いい気味! 見ててスッキリするわ!

───同情しない事も無いが、自業自得だしな!

───ダメツナには良い仕打ち!

───馬鹿はもっと恥を晒せ!

 

 

…人間とは残酷で、醜い生き物だと思い知らされる。

人前に於いては良い人ぶっているが、本心では人を見下しているのだ。

歳を重ね、大人へと成長していく過程の中、区別や上下付けてしまう生き物なのだ。

笹川京子はそういったのをしない人間ではないので、全員が全員とは言わないが、世の中の殆どが醜い人間だ。

 

まぁ、それよりも思うのは…。

 

 

「………ほんっと、気持ち悪い。」

 

 

思わず呟いてしまった。

 

 

「何だぁ? ダメツナの癖に…生意気だなぁ!」

 

 

と、持田が本気で竹刀で突撃して来る。

…これ以上は痛い目に遭いたくので、ここは力を解放する。

 

 

「おらぁあ!!」

 

「ぐほぉっ…!?」

 

 

竹刀を避けると同時に顔面に渾身のパンチを放ち、持田を殴り飛ばして気絶させたのだ。

 

説明は省くが、その後に同級生の知らない持田と仲が良いのだろう先輩達も乱戦して来たので、ボコボコにした。

 

今までダメツナだと思われていたが、この一件で俺はダメツナから『不良ツナ』に改名されたのだ。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

…とまぁ、ひょんな事を振り返っていつの間にか放課後になってしまった。

 

いやぁ…怠いよな。

いつもは早く家に帰りたいと、時間が進むのを望んでいるのに、今日の様に時間が遅くなって欲しい時に限って早くなるんだよな。

 

 

「沢田ぁあ!! さっさと顔を出しやがれ!!」

 

 

と、校門で持田達剣道部と他の知らない奴等が陣取っていた。

 

わぁ…行かないと周りに迷惑がかかっちゃうやつやんけ。

 

周りからの視線やヒソヒソ話を耳を塞いで無視し、ちゃっちゃっと下駄箱で靴へと変えて校門まで歩み、顔を包帯で巻いている持田に声かける。

 

 

「なんか用っすか、先輩。」

 

「ありまくりだ。

ここでお前を…公開処刑にする!!」

 

 

ニヤニヤと下衆な笑みを浮かべて寄って俺を囲む。

 

 

「ここにいるのはこの前お前に恥をかかされた連中だけじゃない。

高校に進学した優しい先輩達も、お前を可愛がろうとやって来てくれたんだぜ?」

 

 

突然だが、並盛中学は不良校の一つだ。

隣町の黒曜はここよりも不良校で………いや、それは今はいい。

ここも不良校という事で、ガラの悪い学生は多い。

剣道部の元OBさん達も今も不良なのかそうだったのか、汚い笑みで竹刀を持っており、それを………俺に目掛けて振り下ろす。

 

普通なら腐っても元剣道部というのもあって痛い目に遭うのは至極当たり前な結末な訳だが…。

 

 

「おらぁあ!!」

 

 

竹刀を軽く流してカウンターの顔面パンチをお返しする。

その後も攻撃される前に殴る、蹴るをしてやられる前にやる行動をとる。

 

 

「…!! こんのぉおお!!」

 

 

持田が力強く竹刀を振り回してくる。

だがそれを殴り飛ばし、持田の顔面に前よりも強烈なのをお見舞いした。

この前の殴った事もあってか、これで持田は確実に病院送りにされるだろう。

 

まぁ、やったのは俺だけど。

 

 

「これはせーとーぼーえいなので、俺はここで。」

 

 

と、悪目立ちされたくないからサッサと校門を出て家に帰った。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

サッサと帰ったのは良いが、その後に待ち受けていたのは1週間の自宅謹慎だった。

 

 

「はぁ…ツーくん、また喧嘩したの?」

 

「またって…俺、被害者なんだけど?」

 

「ツーくんだけが悪いとは言わないけど、相手を怪我させちゃったのはダメじゃない。」

 

 

嫌々に反応しながら、夜ご飯を食す俺。

 

 

「…母さんまで俺を毛嫌いするのかよ。」

 

「そんな訳ないでしょ?

お母さんはツーくんの味方よ?」

 

 

嘘偽りの無い母さんの本心にちょっとウルッとしちゃう俺。

何があっても、母さんは俺の味方であってくれるのが、こんなにも嬉しいとは。

 

 

「あ、そうそう! ツーくんに報告があるの!」

 

「ん? 何? 転校とか?」

 

「ううん、何と…お父さんか連絡が来たのよ!」

 

 

キャッと嬉しそうにする母さん。

ウチの母さんは父さんと相思相愛なので幾つになってもラブラブなのだろう。

 

いやー……親のこういうのってキッツイっすわ、うん。

 

 

「へぇ…帰って来るとか? 説教しに。」

 

「説教なんてしないわよ。

偶々今日の事を聞いたから一応報告したけどね?

『ツナも中学生になったんだ。

ちょっとしたヤンチャもしてしまう年頃なんだ。

俺も、そんな時期があったさ。』

…ですって!」

 

「へー。」

 

「帰って来ては欲しいけどね。

どうも、更に仕事が忙しくなって帰って来れなさそうなの。」

 

 

俺の父さん:沢田家光は海外で働いている。

母さん曰く、泥の似合う男とか何とか。

 

 

「へー、そうなんだ。

ま、忙しいのは仕方ないか。」

 

「ツーくんは寂しくない?」

 

「忙しいならしょうがないんじゃ無い?

俺は平気だけど、母さんは寂しいんじゃない?」

 

「ちょっとはね。

でも、家もこれから明るくなるから平気よ!」

 

「? 誰か来るの? 父さんの親戚とか?」

 

 

実は俺、爺ちゃん婆ちゃんとか知らないんだよね。

こういうのって他の所でもあるもんなのかな?

 

 

「ううん、何とね───ツーくんに『許嫁』が出来たの!」

 

「へー、そうなんだー。」

 

 

ズズッと味噌汁を啜る俺。

へー、許嫁かー、へー、ふーん…───

 

 

「ぶふぅぅぅぅっ!? 許嫁ぇ!?」

 

 

思わず啜っていた味噌汁を吐き出してしまう。

うっへぇ…鼻まで苦しい…。

 

 

「大丈夫? ツーくん?」

 

「だ、大丈夫だよ……ってか、マジで言ってる?」

 

「本当よ?」

 

「………いつもの父さんの悪ふざけとか、酔っ払いの適当とか?」

 

「あの人がこんな大事な事を適当にするわけ無いでしょ?」

 

「………許嫁ってさ、確か親公認な話であって、母さんは知ってた話なの?」

 

「ううん、さっき知ったばっかりよ。

何でも相手はお父さんの友人の知り合いの子で、お父さんもその知り合いの人と直接話し合って決まったらしいのよ。」

 

「何じゃそりゃ…もうこの時点で適当じゃないか。」

 

「どうも家の方だとゴタゴタとしてて、暫くウチに住まわせて欲しいって。

許嫁って言うのも、ウチに住んで生活して、仲良くなったらそこまで発展してくれも良いよーって話でそうなったみたい。」

 

 

何だそりゃ…適当すぎるでしょ…。

 

 

「明後日の日曜日にウチに来るって!」

 

「え? 本当に来るの?」

 

「あ、そうそう! これも忘れてたわ!

何でも、そのお父さんの友人さんがツーくんの家庭教師をやる為にウチに来るそうよ!」

 

「はぁ!? もー、そういう適当話を信じるのも大概にしときなって母さん。

もうメチャメチャだよ?

どうせ父さんが海外で変なキノコかなんか食ってへんな設定を語ってたんだよ。」

 

 

呆れながら言って俺はご飯を完食し、「ご馳走様」をした後風呂に向かうのであった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

そんなこんだでいつの間にか明後日が経った。

 

日曜というのもあってツナは寝ていた。

しかしその日の朝はいつもの様に母親に起こされるのでは無く───

 

 

「…きて、下さい。もう朝の9時ですよ。」

 

「………んっ?

9時って……まだ全然寝れ───え?」

 

 

その声は聞き慣れた母親の声では無く、この家で所か聞いた事の無い人のだった。

 

目を擦り、眠気も覚まして前を見る。

そこにいたのは───

 

黒髪のおかっぱ尻尾の髪型をし、左頬に五弁花のマークのある美少女だった。

 

 

「き、キミは…?」

 

 

ツナが聞くと、目の前にいる美少女は太陽のように眩しい笑顔で応える。

 

 

「初めまして、沢田綱吉さん。

私はユニと申します。

今日からお世話になります。」

 

「え、え? そ、それってまさか…!?」

 

 

ユニと名乗る女の子は頬を少し赤く染める。

 

 

「はい。アナタの許嫁です。」

 

 

この日、運命の歯車は大きく動き出すのだった。

 

 

 






今作の主人公:不良ツナ(12)
身長体重誕生日は原作と一緒。
違う点は目つきが鋭く、喧嘩強い。
それ故に性格も異なる。
本来の学力は赤点ギリギリ平均30点台。

『十種影法術』を持っているが、まだ描写が無い。
次回で使う予定。

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