影使いの大空   作:黒ソニア

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栃木県FGO様、資格者:U様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




標的12:『愛は混乱を招く』

 

 

 

驚きました。

まさか沢田さんに私の持つ力を見抜かれるとは思っていませんでした。

 

今ユニとリボーンはツナの事について述べ合っていた。

まぁといっても、割とこれは今回に限った事じゃないが。

 

 

「…いや、ある意味可笑しくはねぇ話だな。」

 

「沢田さん自体、超直感に加えて悪意を感じ取る力もあって日常生活で見抜かれたのでしょうか。」

 

「恐らくはな。お前が無意識に自分の力に悩めてる所を勘づかれたんだろう。」

 

 

確かにおじ様の言う通りですね。

 

 

「ただし、未来を見通す力までは気づいてなさそうだがな。

それで、この前の一件以来で何か見える事はあるのか?」

 

 

そう…ヒットマン:クロロがやってくる前、予知で見ました。

私が見えたのが沢田さんと獄寺さんが廃棄された工場で戦ってる所、それから沢田家にクロロの部下がやって来る所を。

 

 

「…いいえ。今の所は…。」

 

「そうか。何か見えた時は直ぐに知らせるんだぞ。

ある程度の事は俺が何とかしてやるからな。」

 

「はい。ありがとう、おじ様。」

 

「礼を言うほどじゃあねぇぞ。」

 

「…そういえばおじ様、例の…。

ヒットマン:アンビダが使用していた匣兵器…ドーピングの注射器に関しては何か分かったのですか?」

 

「…まだ何とも言えねぇな。

今現在分かっているのは、あの時の筋肉の膨張は晴属性の活性だけじゃなくそれ以外の何かが含まれていたって点だ。

その一つは間違いなく───」

 

「雲属性の増殖。」

 

「ああ。恐らくそれに間違いは無いだろう。

…問題はそれ以外の要素、使用者の末路だ。」

 

 

ボンゴレ本部からの情報では、アンビダは注射器の効果が切れてから次第に薬を決めた様に植物状態になったそうだ。

 

 

「強力な薬物を使用しているのには違いないが、それが何が使われているのか、具体的な効果が何なのか、誰が作ったのか…分からねぇ事だらけだ。」

 

「早く判明して欲しいですね。」

 

「ああ。ただそれはボンゴレ本部の者達に任せるしかねぇ。

問題はこっちだ。

早い内にリングに炎を灯せる段階に進んで貰わねぇと、そろそろ厳しい。」

 

 

今の言葉を通して、おじ様の気持ちが感じってしまった。

本格的に危機感を感じている。

 

必死にリングに炎を灯そうと頑張っている沢田さんを見る。

…私は、彼の頑張ってる姿が最近好きになってきた。

元々頑張っている人は魅力的ですが、特に沢田さんのはいつの間にか夢中になって見てしまう事がある。

そのせいなのか…沢田さんが謎野さんと仲良くなったのは良いものの、距離感が近くなっているのをみてムッと思う時があるのだ。

 

 

「…沢田さん、頑張って。」

 

 

今はそんな事よりも、懸命の沢田さんと獄寺さんの努力が実って欲しい。

私は強くそれを願った。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

土日を使った修行は新たに〝大蛇〟を仲間にしたのと、崖登りのトレーニングで軽い筋肉痛になったくらいで、本命のリングに炎を灯せなかったのだ。

 

平日も日が出てる時間が長い事から暮れるまでトレーニングとリングを灯す特訓をしていた。

 

俺も獄寺はクロロとの戦いで強者がリングを扱う恐ろしさを改めて実感して、早く扱える様にならなければと焦ってしまったのが原因なのか、成果を果たせなかった。

 

 

「焦っちゃいけないのは分かっているけど…。」

 

「焦ってしまいますよね。」

 

 

と、俺と獄寺は自販機で俺はヨーグルッチに獄寺はお茶とそれぞれを購入しながら近況を述べた。

因みに、側にはえっちゃんもいる。

 

 

「…一度使える様になれば、感覚的に出来る様にはなれるのですが。

その一度炎を灯すのが至難な事だから厄介ですね。」

 

「…なぁ。謎野、お前はどうやって灯せたんだ?」

 

「…私の場合、最初こそ中々出来ませんでした。

けど………出来なければ、あの男は体罰をして来ましたから…。」

 

「…そうか、悪いな。」

 

 

彼女の場合、出来なければ殺される覚悟で灯せるようになったのだろう。

 

 

「とはいえ、どうしたもんですかね。」

 

「だよなぁ…。」

 

 

と、考えていたらヨーグルッチを飲み終えたのでゴミ箱にして行くと───

 

 

「きゃっ!」

 

「あっ、すみません!」

 

 

考えに集中しすぎて人にぶつかってしまったので、一先ず謝る。

 

 

「大丈夫ですよ。

……あ、キミは確か隣クラスの…。」

 

 

俺の顔を見て何か思う事がある感じだった。

流れ的に同級生なのは分かるんだが…。

 

 

「えっと、沢田です。

って、悪目立ちしてるから知らない訳ないか。」

 

 

俺は兎も角、相手の方も知らない人はいない相手だった。

 

 

「葉桜清楚です。よろしくね、沢田くん。」

 

 

そう、彼女は葉桜清楚。

同じクラスの笹川京子と共に1年で可愛い女の子の1人で、絵に描いたような文学少女で人気高い。

実際告られた数では笹川京子(彼女の場合告られてる自覚が無い)より多いと聞いた事がある。

 

 

「悪い、何か買うなら奢るよ。」

 

「え? そこまでしなくても良いよ。」

 

「良いって良いって、俺が悪いんだし。

あ、因みにオススメはヨーグルッチな。」

 

「ヨーグルッチか…偶には良いかな。」

 

 

葉桜がお金を出そうとしたが、ここは素早く俺がお金を入れてヨーグルッチを奢った。

 

 

「あ、ありがとね、沢田くん。」

 

「良いよ。兎に角ごめんよ。」

 

 

と、これ以上一緒にいると周りから迷惑がかかると思うので、獄寺達の所に向かおうとすると、葉桜が何か思う様な顔で引き止める。

 

 

「ん? どうした?」

 

「え? あ、うん……ちょっと良いかな。」

 

「良いけど…俺、もしかして自分の知らない所で迷惑かけたかな?」

 

「そうじゃないの。

…えっと、少し言いにくいのだけどね。」

 

「10代目ー!」

 

「ツナ。」

 

 

獄寺とえっちゃんが俺が遅い為にやって来た。

その際、獄寺が「テメェ10代目に何用だ?」と圧をかけるが、俺がチャップして止めさせた。

 

 

「悪い、それで何かな?

俺で何とか出来ればするけど…?」

 

「……実は───」

 

 

俺達は葉桜から相談事を聞く。

 

 

「ストーカーか…。」

 

 

まぁ、これ程の可愛い子がいれば出ても可笑しくはねぇか。

本人からすれば傍迷惑だろうが。

 

 

「それは困りましたね。

私はそう言った経験はまだありませんが、あったら傍迷惑この上ないですね。」

 

「そいつを見たのか?」

 

「えっと…気配なのを感じ取って振り向いたら…。」

 

「いたパターンか…それは厄介だな。

風紀委員には言ってるのか?」

 

「うん。実は入学してからあって、相談してからは無くなったんだけど…ここ最近またあって…。」

 

「んじゃ、次に会ったときは返り討ちにすれば良い、自分の手でな。」

 

「うん、キミは黙ってようか。」

 

 

俺が再び軽くチョップをして強制的に黙らせる。

 

 

「し、しかしですよ10代目。

何だって10代目に頼むか、気になりはしませんか?

こう言うのって、教師や警察に言いませんか?」

 

 

ま、まぁ、そりゃあ…確かに。

 

 

「えっと……ごめんなさい。

沢田くん、前に校門で剣道部の持田先輩達相手に喧嘩強かった所を見て、つい…。

ごめんなさい、やっぱりここは警察に───」

 

「いや、手伝ってやるよ。

同じ並中生だったら圧かければ収まるだろうし。

…どうも2年や3年も俺と関わりたく無さそうだからさ。」

 

「…ありがとう、沢田くん。」

 

「ツナが手伝う様でしたら私も。

同じ女子としても無視はしにくいので。」

 

「サンキュ。獄寺は?」

 

「10代目の右腕として無論手伝います。」

 

「ほいよ。って事で暫くは一緒に下校する事になっちゃうけど…いいか?」

 

「うん。ただ…私図書委員の仕事があるから、遅くなっちゃうけど…。」

 

 

おおう…そうか。

まぁ、しゃーないやな。

一度約束しちまったからな。

 

 

「…分かった。ただ今日一旦は家に帰って事情を説明してから来るから安心してくれ。」

 

「うん。本当にありがとう。

やっぱり…沢田くんって、みんなが言うような悪い人じゃないね。」

 

「…今のやり取りで決めつけるのは止めておけ。」

 

 

念の為に釘を刺して置く。

葉桜が「え?」と言った瞬間に昼休憩の終わりのチャイムが鳴る。

 

 

「一先ず、放課後にまた。」

 

 

と、俺達はそれぞれの教室に戻るのだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

放課後…俺は一旦家に帰ってリボーン達に事情を説明する。

 

 

「そうか。まっ、今週は様子見てやれ。」

 

「沢田さんもお気をつけて下さい。」

 

「うん、ありがとうユニ。」

 

 

2人からも了承を得ると───

 

 

「気をつける事ね。」

 

 

昨日…リボーンの愛人の1人(らしい)、ビアンキが俺に釘を刺してきた。

 

彼女は愛するリボーンに会うべくイタリアからやって来た。

…俺のせいでリボーンが日本に滞在している事から、俺を暗殺(恐らく半分本気で半分は冗談と思われる…(願望))しに来たが、何だかんだあって家に居候する事となった。

 

因みに、彼女の愛に関して…ツナは裏表の無い真正面から愛してる事から好印象だが、相手がリボーンである事や変な重い愛な事からやはり変人扱いとなった。

更には獄寺の姉と聞いて顎が外れそうになった。

 

 

「ビアンキ、もしかしてそのストーカーに何か思う事があるのか?」

 

「私がリボーンを愛してるのが分かるでしょ?」

 

「うん。お腹いっぱい。」

 

「…で、愛を信念にしてる私だからこそ女の勘で分かるの。

そのストーカーから異常な予感がするってね。」

 

 

…ビアンキとは昨日知り合った仲だが、彼女が俺を案じている事は理解できた。

 

 

「うん、気をつけて行くとするよ。」

 

 

と、返事して家を出た。

 

 

「…おじ様。」

 

「リボーン。」

 

「ああ、念の為に俺も様子を見てくる。

ビアンキ、ユニとママンを頼むぞ。」

 

「ええ、任せて。」

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「2人共、待たせた。」

 

「いえ、全然待ってませんよ。」

 

「もぐもぐ……私はおはぎを買いに行ってたので大丈夫です。」

 

 

2人と合流し、そろそろ葉桜が下校する時間になったので並中に向かう。

 

 

「…今の所、変な奴は見かけないっすね。」

 

「ああ…だが。」

 

「はい、変な空気を感じます。」

 

 

みっちゃんは元々裏社会で生きてきたからこそ分かるのだろう。

…ビアンキも気をつけろって助言して来たから本格的に気をつけねぇとな。

 

…と、気を引き締めてる内に校門から葉桜が出て来た。

 

 

「ごめんね。沢田くん、獄寺くん、謎野さん。」

 

「いいさ。」

 

 

そう告げて葉桜を家まで連れて行く。

 

 

「所で獄寺くんは沢田くんをどうして10代目って呼ぶの?」

 

「え?」

 

 

…しまったな。獄寺が俺を『10代目』と呼ぶ理由についての言い訳を考えて無かった。

 

 

「あ? 10代目が10代目だからだ。」

 

「?」

 

「…より一層分からなくなったと思いますよ。」

 

「うっせぇ、10代目は10代目なんだよ!」

 

「はぁ…獄寺は女性相手に優しくする前に色々と…。」

 

 

謎野か背後から気配を感じ取る。

 

 

「…なぁ、えっちゃん。」

 

「…はい、後ろにいますね。

見事な気配の殺し…どうやら葉桜さんのストーカーは並中生では無く…。」

 

 

みっちゃんは振り向いて…武器を取り出して構える。

 

 

「ヒットマンの様です。」

 

「「!?」」

 

 

俺と獄寺は驚愕しつつ、警戒心を向ける。

 

 

「え? え? 沢田くん? 獄寺くん?

謎野さん、それって…?

それにヒットマンって…。」

 

「…すみません葉桜さん。

これから私達がする事などは他言無用でお願いします。」

 

「え? それって…?」

 

「…出てきたらどうなんですか?」

 

 

えっちゃんが声をかけても隠れているストーカーに…武器の先端に雷の炎を集約させ、それを弾丸の様に放った。

 

 

「え? い、今のって…? え?」

 

「…お前、そんな事が出来たのか?」

 

「こんなので驚いてるようじゃ駄目ですよ、獄寺。

それより…来ますよ。」

 

 

道角から、大柄のアニメのキャラクターの服を着た…というよりザ・オタクを体現した様な身なりを整えていない不潔な男が現れた。

 

 

「…なぁ葉桜、こいつとは面識あるか?」

 

「え? えっと…ううん、全く知らない人、だよ…。」

 

 

1人だけ全く状況が飲み込めていない葉桜は困惑している。

 

 

「…ふひひ、ふひひひ…駄目じゃないか、清楚ちゃん。

僕とキミとのデートに余所者を巻き込んじゃぁ…。」

 

「見た目と一緒で随分頭がイカれてやがる。」

 

「ふひひ…イカれてるなんて酷いなぁ…。

僕と清楚ちゃんは付き合ってるんだ、余所者が口出ししないでくれかな?」

 

「あ、あの…私、アナタの事なんて知りませんし、当然付き合っていません。

だ、だから…付き纏ってストーカー行為をするの、止めてください!」

 

 

清楚は混乱してる中でも、本来の目的であるストーカー行為を止めてもらう様に必死に説得する。

しかし…。

 

 

「…酷いよ、酷いよ清楚ちゃん!

ぼ、僕はこんなにもき、キミを愛しているのに!

キミは拒絶するって言うのかい!?」

 

 

…あーうっぜぇ。

見ているだけで吐き気がヤバい。

ほら、葉桜は凄く困惑してるし。

 

 

「…たくっ、ゴチャゴチャとウゼェなぁお前。」

 

「…は?」

 

「『は?』じゃねぇよ、一方的に迷惑かけてる奴が被害者面すんな。」

 

 

苛立ってツナが殺気を向ける。

 

すると…男は奇声を上げ始め、ポケットから…以前、アンビダが使っていた注射器に似たものを取り出して首に刺した。

 

すると…。

 

 

「僕と清楚ちゃんの愛を邪魔する者はぁああ!

みんなみんなころころころぉぉおおお!!!」

 

 

男は奇声を上げると…上半身が膨れ上がって服が破れ、血管が心臓の様に蠢くムキムキな体へと変貌した。

 

 

 






敵キャラが筋肉モリモリのマッチョマンの変態になるのはある意味定番だよね…。

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