GW明けてから体調が悪くてしんどい…。
季節の変わり目が年々キツくなってる…これが年か…。
「凄いですね、沢田さん!
おじ様から日本のお祭りについて聞いてからずっと行ってみたかったんです!」
俺の目の前にいるのは神秘的な儚さと美しさを持つ『虹』を思わせる女の子…ユニが楽しそうにしながら人混みの多い所を駆け回っている。
「…ユニがこんなにも嬉しそうにしているの、初めて見るや。」
いやー、見ているだけで心が和む。
心がぴょんぴょんするってこう言うのを言うんだろうね。
「? 沢田さん?」
「…いや、ユニが無邪気に笑ってる姿を初めて見たからさ。
ついつい…ね。」
ツナがそう言うと、ユニはハッと少し浮かれて事に気づいて頬を赤らめる。
「す、すみません!」
「何でユニが謝るんだよ。
…たくっ、ユニはもっと甘えても良いんだよ。」
「え?」
「だってユニ、家に来てから気を使ってばかりじゃないか。
少しくらい本来の自分を曝け出したって良いんだよ。
家だとまだ羽目を外し辛いだろうから、せめてこういうお祭り事くらいは…楽しんだって良いんだ。」
「…ありがとう、ございます。沢田さん。」
「さっ、ユニの行きたい店に行こう。
俺が奢るからさ。」
「はいっ!」
俺はこうして、ユニと屋台を回るのだった。
ユニは賑わっている人を見ながら水風船を取ったり、人魚すくい、お面を買ったり、リンゴあめやタコ焼きを食しながら俺達は回っていた。
こうして思う事は一つ…これって、デートじゃね?
いやぁ…ほんっと人生って分からないものだ。
まさかこんな可愛い子と屋台を回れるなんて思いもしなかったなぁ。
「あれ? 沢田くん?」
そんな浮かれている俺に葉桜が声をかけて来た。
「ああ、葉桜。お前も祭りに?」
「うん。折角の祭り事だから。」
「そうか。」
「…所で沢田くん、さっき一緒に誰かいなかった?」
「ん? ああ、紹介するよ。
ちょっと待ってくれ。
………あ、ユニ! こっち!」
俺は焼き鳥を買ってきて貰ったユニに声をかける。
「沢田さん、この焼き鳥というのは凄く美味しいですね!
塩とタレ、どちらも違う味なのに…あ、お客さんですか?」
「先ずはユニ、彼女はこの前話した葉桜清楚だよ。」
「初めまして、葉桜さん。ユニと申します。」
「あっ、うん。初めまして、葉桜と申します。
えっと…確か、ユニさんは沢田くんの…。」
ここで少し振り返ろう。
少し前に葉桜のストーカー男を何とかして倒した俺達は彼女に裏社会の事情が明らかになってしまった。
裏社会の事は沈黙の掟…というより、一般の人間には怖い目に遭って欲しくないなど色々あるが、今回の一件を目の当たりにしてしまった以上は無理だと判断し、リボーンからも教えた方が良いと言われたので俺が知ってる範囲で教えたのだ。
その際、ユニという許嫁がいるって事を述べたしまったものの表向きである事を説明し忘れた。
「ああ、そうだ。
葉桜、実は俺とユニの関係なんだけど───」
「沢田さん、葉桜さん。
実はこの前の事について少しお話しをさせてもらってもいいですか?」
「え、あ、うん。」
「は、はい!」
俺達は人気の無い所へと向かう。
………その際、謎の人物が気配を殺して尾行していた事に気づかずに。
「実はこの前、葉桜さんを襲った方はヒットマンでは無く、一般人の方だったんです。」
「なん…だって…? 一般の…?」
ユニから信じられない事を告げられる。
あの出鱈目の強さだった奴が一般人…?
「おじ様が調べた所、どうやら彼は仕事でトラブル後に退職。
その後家庭でも荒れ、ギャンブル依存症になって金銭トラブルを起こしたそうです。
その末に闇金に手を出して…。」
「裏社会に関わった、と…。
けど、それで葉桜とはどう繋がるんだ?」
「どうやら葉桜さんには下校をしてる所を見て、一目惚れしてしまったそうです。
それで…次第にストーカー行為をなさるようになってしまった様です。」
この前のストーカー男は人間的にも問題な人物だった。
…しかし、問題はヒットマンの様に気配を殺せる様な振る舞いにあの戦闘力だ。
同じ注射器でもアンビダよりも強かった所、相当にヤバい案件になってしまってるって事だ。
「なぁユニ、朝からリボーンの奴がいないけど何かしてるのか?」
「おじ様は今、並盛で薬物取引をしてるだろう場所を探っています。」
…それで、俺とユニの屋台巡りに何もしてこないのか。
いつもなら平気で茶々入れてくるだろうに。
「もしかしてビアンキもか?」
「恐らく。」
「…俺も手伝った方が良いかな。
ただ事じゃないし。」
「じゃ、じゃあ私も!
私、沢田くん達に助けられたばかりで何かしたいの!
…多分、この前の人絡みで私の事、知られてるだろうし。」
葉桜は罪悪感を抱いてるのだろう。
「葉桜、気持ちは理解できるけど…一般人の葉桜を巻き込みたくないんだ。」
「で、でも…!」
「葉桜が早く裏社会と縁の無い生活に戻してやるから、俺達を信じてくれ。」
「…」
葉桜は暗い顔をする。
…お前の気持ちは本当に分かるよ。
逆の立場だったら俺だってそうしてるだろうしな。
「…沢田くんは、どうして戦うの?」
「え?」
「沢田くんはどうしてあんなにも恐ろしい人達相手に戦えるの?
私だったら怖くて…。」
「葉桜…。」
まぁ、普通に考えたら怖がるのが当たり前なんだよな。
…そうだ、そうだよ。
だったらユニは───
「…私ね。あの一件を警察に言わずに沢田くんに頼んだのには理由があったの。」
「…?」
葉桜曰く…彼女は物心つく前までは並盛にいなかったらしい。
両親と母の伯母と共に
彼女は一度、仕事の都合から偶に会う事が出来る伯母に事情を聞いた事があった。
だが、その伯母は『大丈夫、清楚は何も知らなくてもいいの』…と一点張りで何も教えられなかった。
…ただその時の伯母の表情が強張っており、怯える様に声も震えており事情を聞かないで欲しい様子だったらしい。
それから葉桜は心配かけさせたくない思いで伯母の言う事を素直に聞いて育った。
勉学に努力を注ぎ、目立つ様な起こさずに慎ましく生活していた。
「…そんな時に、ある光景を見たの。」
「光景?」
「去年の事だよ。
沢田くんが黒曜の不良達に絡まれてる所。」
あん? 黒曜の不良に絡まれてる所…?
んなの………一体いつの事だろう。
不幸な事に何故か殆どの不良に目をつけられていたからな…。
「…違う小学校だったんだけどね。
並盛小学校の沢田とは絶対に関わるなって風潮があったから何もせずに見て見ぬフリをしてたの…。
ご、ごめんね。」
「いや、謝る事じゃねぇよ? 普通の事だと思う。」
我が事ながら悲しい事にトラブルに巻き込まれる体質なせいで…今はその不良になってしまう程に発展してしまってるしな。
「…でもね。偶々喧嘩をしてる所を目撃して、早く家に帰らなきゃって…時に…私、見えたの。」
「何を?」
「沢田くんの体から…この前、ストーカーの人相手に戦ってた黒いオーラ。」
「!?」
…そいつは妙だ。
俺の宿す『呪力』はどう言う原理かは知らないが、闘気の様に放出しなければ見えない筈だ。
これについてはユニも話した事があるから驚いていた。
「それから…かな。今まで見えなかったオーラみたいなのが、一般の人からも朧げだけど見える様になったの。
獄寺くんや謎野さんが使ってた炎の…色のオーラが。
特に、喧嘩の強い人のは。」
「…なぁ、ユニ。
死ぬ気の炎って確か、人間の誰しもが持ってる生命エネルギーなんだよな?」
「…はい。恐らく葉桜さんは死ぬ気の炎をオーラとして視認出来る特異体質の様ですね。」
世の中って不思議な事だらけだな…。
「…あ! そうか。
俺が呪力を扱って身体能力を上げ、複数人の不良相手に勝ってた所を見た事を思い出して俺に助けを求めたんだな?」
葉桜は俺の言葉に頷いた。
確かにそれなら色々と納得はいくな。
「沢田さん。」
「? ユニ?」
「葉桜さんのこれからに関してはおじ様と踏まえてよく相談しましょう。
───それより、どうやら私達は目につけられてしまってた様です。」
ユニに言われて漸く俺も気配に気づく。
建物の柱や曲がり角などから数人の…サーカスの踊り人の様な連中が下品な笑みでこちらを見てくる。
「おい、こいつ等だよな。」
「ああ違いねぇ。」
「うっひょお!
最近のガキは色々とマセてるなぁ。」
「…じゅるり。たぎってきたぁ…!」
…気色悪ぃなぁ。
「おい、あそこの娘。
あの娘は確か…名前なんだったか?
キモオタクの奴が自慢げに言ってた奴だ。
こりゃ思ってたよりも上物だぁ。」
「なぁなぁ、もうそこの生意気なクソガキなぶってホテルに行こうぜ?」
「ああ。にしても日本も良いトコだよなぁ。
ボンゴレもよぉ…ずりぃよなぁ…。
───こんな楽しい事を黙っててやってんのってよぉお!!」
ナイフを持ってツナ達に襲いかかって来た。
「リボーン、どう?」
「ああ、恐らくあの建物だな。」
物陰に隠れて廃棄された大きな建物を見ているのはリボーンとビアンキ。
2人はボンゴレ関係者と共に捜索して薬を売買してるだろう場所を突き止めた。
「…悪いな。本当なら、お前と獄寺はイタリアで守られる筈だったんだが。」
「変な気遣いは結構よ、リボーン。
私も、隼人も…ただじっと守られてるなんてタチじゃないもの。
リボーン達からすればまだまだ子供だけど、これでもマフィアの娘よ。
いつ何時も襲われる覚悟は出来てるわ。
…それに、ツナの前に現れた時にも言ったじゃない。
危険なスリリングな戦場でまた一緒に戦いましょって。」
「…フッ、悪くねぇ答えだぞ。」
リボーンはニッと笑った…が。
「とはいえ、敵はツナ達を追い詰めた謎の薬を大量に持っている筈だ。
いくらお前もリングの力を引き出せるからといっても、足元を掬われたら終わりだぞ。」
「大丈夫よ。」
ビアンキがリボーンに指に通しているリングを光らせる。
「私のポイズンクッキングとリングの力が有れば、足元を掬われる前に餌食になってるわ。」
ビアンキの覚悟にリボーンは緑色の変わったカメレオンを銃に変え、目がキララと光る。
「そうか。ならよし。
丁度、回収班も到着したみたいだしな。」
リボーン達が振り返った所に車を手配したボンゴレ関係者が手を挙げていた。
「よしっ、行くぞビアンキ。
久しぶりの戦場でのデートだ。」
「いいわね。思わず張り切っちゃうわ!」
2人は戦場へと飛びかかる。
ある空港にて、派手なメイクをしていた人物が誰かに連絡を取っていた。
「本当に宜しかったのですか?
試験品はまだ数があります。
いくらあのアルコバレーノがいるのはいえ、自分ならば───」
言いかけた所を口を止め、次第に謝り出した。
「…すみません。アナタの言う通りです。
ええ、あのアルコバレーノ…。
黄色いおしゃぶりを持つリボーン。
ボンゴレ9代目が最も信頼するとされる最強の殺し屋。
この前は運良く生き延びましたが、次はありません。
ここで撤退し…
派手なメイクをした人物は荷物を颯爽とまとめ上げる。
「…全ては、ボンゴレを壊滅させる為。
私の…我々の人生を狂わせたボンゴレを終わらせる為に。」
自分にそう言い聞かせ、飛行機の時刻となって日本を発った。
早く色んな匣を出したい欲が…!
その為にも投稿を頑張らなきゃ…。