影使いの大空   作:黒ソニア

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この投稿前にちょっと解説シリーズの式神達の性能を変更してあります。

白と黒なクマ様
コスプレ様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




標的16:『嵐は大空の敵を祓う』

 

 

 

今俺は連れ去られたユニを追いかけている。

その最中、獄寺の後にリボーンにも連絡を入れた。

事情を説明し後で殺される覚悟を伝えるも───

 

 

『落ち着きやがれツナ。

ユニを連れ去られたのは何もお前のせいじゃねぇ。

相手が一枚上手だっただけだ。

それにお前は今、玉犬を頼りに追いかけているんだろ?

…付け加えると、これは罠だ。』

 

 

…罠? どういう事だ?

 

 

『恐らく狙われてんのはお前だ、ツナ。

敵はお前を誘き出し…後は言わなくても分かるな?』

 

 

俺の命、だな。

 

 

『それから俺の予測では敵の居場所は並盛内だ。

お前が標的である以上そう遠くには行かない筈。

…お前が今向かってる先には、何がある?』

 

 

何が、ある…? この先は……この先、には……。

 

 

「……あっ! クロロと戦った廃棄された工場!」

 

『成程、そこが敵の本拠地か。

ツナ、そこに着いたとしても1人で突撃するな。』

 

「…っ、わ、分かっ………た?」

 

 

廃棄された工場が見える辺までに来ると…その先には何と、見知らぬサーカスを模した建物があった。

 

 

『どうした?』

 

「……廃棄された工場、に…サーカス会場がある…。」

 

『そうか。ツナ、お前はそこで待機だ。

乗り込む時は全員でだ。

みんなが来る間にお前は体力を回復させろ。

良いな? 今のお前が乗り込んだら敵の思うつぼだ。』

 

 

…でも、ユニの身に何かあったら…。

 

 

『ユニは恐らく拘束されるくらいはさせるだろうが…恐らく怪我はしない筈だ。

人質ってのは無事である程効果を発揮するからな。

相手は頭がきれる小物のやり手だ。

である以上は大丈夫だと、俺が保証してやる。』

 

「…冷静、なんだな。」

 

『こういった経験は腐る程あるからな。』

 

 

お前、いくつだよ…。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

ツナはリボーンの言う通りに敵の本拠地近くで少し体を休めながらみんなを待っていた。

 

 

「10代目! お待たせしてしました!

お怪我はありませんか!?」

 

「…俺は大丈夫だよ、俺よりユニの方が…。」

 

「いえ、10代目に落ち度は決してありません!」

 

 

獄寺が落ち込むツナにフォローを入れる。

 

 

「…そうですよツナ。

相手はアナタよりも経験豊富です。

寧ろ、ここまで追跡出来た事こそ凄いと思います。」

 

「…えっちゃん、来てくれ………何でたんこぶ出来てんの?」

 

「こいつ、俺が連絡を入れてた時から屋台の食べ物を食ってまして…。

来るのに食べてから来ようとしてたんで喝を入れてやったんっす。」

 

 

あ、そう…。

 

 

「むぅ、焦ってたってしょうがないじゃないですか。

寧ろ、万全に戦うためにも食べてからでも…。」

 

「量がエグいだろうが!!

スーパーに買物をしに行ったみたく大量に買い込みやがって!!」

 

 

どんだけ食べんの…。

 

 

「お前達、そこまでにしておけ。」

 

「そうよ隼人、落ち着きなさい。」

 

「…げっ、姉貴………ぐぉぉおおお!!」

 

 

獄寺はビアンキの顔を直視して『グギュルルル』と物凄く腹を痛めた音を立てて獄寺は倒れた。

 

 

「全く隼人………こんな状況なのに大好きな姉を目の当たりにしたからって…困った子ね。」

 

 

いや、違うから…。

アンタが獄寺にトラウマを植え付けたせいだから…。

 

 

「これじゃ話になんねぇな。

ビアンキ、こいつをプレゼントにやる。

付けとけ。」

 

「まあ! リボーンからの愛のプレゼントね!

戦場デート後にプレゼント…今日は最高の日ね!」

 

 

…おい、戦場デートって何だ。

不吉な言葉じゃねぇかよ…。

てか、ユニが攫われたって言うのに最高って…!

……いや、悪いのは俺だし。

ビアンキにとって、リボーンからの贈り物は最高なんだろう。

または、このくらい平常心を持てって事か?

 

 

「そうだぞ。実力では既にお前はビアンキを超えてるが、学ぶ事は沢山あるからな。」

 

「…人の心を読むなよ。たくっ…。」

 

「お前に必要なのは冷静さだ。

戦いに於いて最も大事なのは常に正常に判断し、行動する事だ。

ユニを攫われ、責任感を抱くのは良いことだが、そのせいで焦っても状況が良くなる事はねぇ。

今のお前に最も大事な事だからな。」

 

 

…常に冷静、正常に判断し、行動…。

 

 

「まっ、最低限は出来てるけどな。

俺の指示をちゃんと聞ける状態だったのは良かったぞ。

それより良く相手の本拠地まで追えたな。

攫われた場所からここまで並盛内とはいえ、距離はあるからな。」

 

「…ああ。それなら玉犬の鼻のお陰だな。

玉犬の嗅覚はにおいを覚えれば顕現している間、忘れずに追えるからな。

加えると…玉犬には『黒』と『白』に分離する事も出来る。」

 

 

俺は膝下で寝ていた玉犬に指示を送り、『黒』と『白』に分離させた。

それを見たみんなは当然驚く。

 

 

「そんな事が出来たのか。」

 

「これが玉犬の能力かな。

本来の姿は黒と白の姿だけど、『黒』と『白』の2匹に分離が出来る。

片方がユニ達を追いかけ、もう片方が誘導する…追跡に優れた式神なんだよ玉犬は。

…ただし、片方が破壊されれば二度と分離する能力は使えなくなる。」

 

「…成程な。逆を言えば一度破壊されれば使えなくなる式神と違い、一回は保険が効くって訳だ。」

 

「けど、同時に2体破壊されれば無論玉犬は二度と使えなくなる。

それと、分離すると力は低下するから、戦いの時は一体の方が強いんだ。」

 

 

だから基本俺は本来の黒白の渾の姿で戦わせている。

…ただ、状況次第では分離させるのもアリだな。

 

 

「…よしっ、そろそろユニの救出に向かうぞ。

今回は二手に分かれて行動するぞ。

ツナ、獄寺、謎野、ビアンキ…お前達4人は表から奇襲を仕掛けろ。

俺は裏方から回ってユニを救出する。」

 

「成程ね。1番の目的はユニの救出。

私達が表で暴れる事で戦力を集中させ、その隙にリボーンがユニを奪還するのね。」

 

「確かにシンプルですが、悪くはねぇな。」

 

「…ただ、一つ問題点があります。

バギギーズデリバリーの戦闘員は最低でも200何近くいると言われている点です。」

 

「に、200人!?」

 

 

さっき戦った連中の20倍近くかよ…。

 

 

「…そうだったな。

バギギーズデリバリーは裏社会でも情報や武器の流通に於いては一とさえ言われている。

寧ろ、それだけの人数で済めばいいが…。」

 

「それって、それ以上にいるって事!?」

 

「…はい。」

 

 

獄寺の言葉に俺は息が詰まりそうになる。

獄寺としても戦意を削ぐ事は言いたくなかったろうが…事実から目を逸らしてはいけないからな。

 

 

「それについては大丈夫よ。

私とリボーンが今日に100人以上のバギギーの部下達を片付けたわ。

多分、これ以上の人数はいない。」

 

「姉貴、何でそう断言出来る?」

 

「それは単純だ。ここは日本。

奴がいつからここに滞在していたかは分からねぇが、300人以上の人を隠してられる場所は全て潰した。

アジトの数と人数を照合し、隠れられる人数は200人辺りが限界だ。」

 

「流石はリボーンさん。」

 

「それと、奴等はあくまで手柄を自分達が独占するつもりだった様でな。

クロロ、アンビダ、モンガーン以外のヒットマンを呼び寄せてはいない。

敵の数は200人辺りで間違いねぇ筈だ。」

 

 

そ、そうか。

でも、1人辺り50人は倒さないといけない訳か。

 

 

「…一つ提案良いですか?」

 

「んっ、何だ謎野?」

 

「敵の数は相当な数です。

加えて強力な薬を使用してきて厄介です。」

 

「んなのは分かってんだよ。

まさか、今更怖気付いて降参しようとは言わねぇだろうな!?」

 

「いいえ。寧ろ、敵を一瞬で片付ける策が一つ思い浮かびまして。」

 

 

えっちゃんの提案を俺達は聞くのだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「なぁ、ボンゴレ10代目候補くんには連絡ついたのか?」

 

「一応使者をこれから送るみてぇだ。」

 

「今からか………あぁ、早く暴れてぇ…!

敵にはあの【毒サソリ】がいるらしい。」

 

「あの毒サソリか。

まだまだガキだが、ガキの癖に体つきは悪くねぇらしいじゃねぇか!

しかも、親が確かマローゾの所だろ?

上手くいけば…!」

 

 

廃棄された工場地帯だった場所…今はサーカス劇場と化した敷地に何人かのバギギーズデリバリーの戦闘員が呑気に下品な会話をしていた。

その油断している隙を突き───敷地内の至る所で爆発が起きる。

 

 

「ば、爆発!?」「一体何事だぁ!?」

 

「敵襲だぁ! 敵は【ハリケーンボム】だ!」

 

「そいつは確か、【毒サソリ】の弟の───ぐはぁ!」

 

 

戦闘員が言いかけた所で獄寺に思いっきり顔を蹴られて気絶する。

 

 

「おらぁ! よくも俺達ボンゴレに喧嘩を売ったなぁ!?」

 

 

獄寺の嵐の炎による爆発攻撃を受けて次々と戦闘員がやられていく。

 

 

「クソッ! あのガキをぶっころ───っ!?」

 

「私の可愛い弟に何言ってんのよ!!

〝ポイズンクッキング・ショートケーキ〟!」

 

 

ビアンキの生まれながらに持つ…本人の意思に関わらず作った料理が必ず毒入りの危険物になる特異な能力『ポイズンクッキング』。

その攻撃を受けた者は毒に侵されて絶命する…【毒サソリ】の二つ名を持つビアンキの暗殺術。

 

 

「まだまだ行くわよ!

〝ポイズンクッキング・大型料理食べ放題〟!」

 

 

今度は両手に大きな盆に乗ったポイズンクッキングを用意しそれを…『嵐』属性の死ぬ気の炎が料理に加えてお盆に仕掛けで吹き飛ばして全体攻撃を放つ。

攻撃を受けた敵は…毒と嵐の『分解』が加わった猛毒分解によって絶命していく。

加えて異臭が周りに展開して、何人かが餌食となって倒れていく。

 

 

「クソッ! 聞いていた以上に厄介だ!」

 

「あの2人、リングの炎を自在に操ってやがる!」

 

「増援をもっと寄越せ!」

 

「中にいる戦闘員全員をかりだせぇ!」

 

「薬をキメてから来い!」

 

 

サーカス劇場から次々と戦闘員が飛び出して来る。

全員はリングを所持してなかったが、【ジョーカー】と呼ばれる人物から取り寄せた薬で身体能力を上げて獄寺とビアンキを襲いかかる。

 

2人はボムとポイズンクッキングにリングの力を合わせて倒していくが、次第に囲まれる。

 

 

「よくもまぁ、ガキ2人で戦闘員をやりやがって…!

だが、もうここまでだ!」

 

「…おい、ここいる奴等が全員か?」

 

「あ"あ!? だったらどうした!?

まさか怖気付いて命乞いかぁ!?

もうおっせぇんだよぉお!!」

 

「バーカ、寧ろ好都合だ。

───今です! 10代目! 謎野!」

 

 

獄寺の合図に髑髏の顔をした巨鳥が飛び出して獄寺達の上に現れ、その上にいるツナが指示を送る。

 

 

「今だ〝鵺〟! えっちゃん!」

 

 

ツナの指示に鵺が紫電を展開し、謎野が雷のリングに力強く炎を灯して鵺に力を伝達させる。

そして、『雷』属性の死ぬ気の炎によって強化された紫電が強力な雷となってバギギーズデリバリーの戦闘員達全員を倒した。

 

 

「お疲れ、良くやってくれたな鵺。

えっちゃんも。」

 

「いえ、私はアシストした程度ですので。」

 

 

ツナは獄寺とビアンキの元に降り立ち、鵺の撫で回す。

そんな鵺は分かりにくいが満更でも無かった。

 

 

「流石っす10代目!」

 

「俺と言うより、鵺がだけどね。」

 

「その鵺な10代目のお力ですから!」

 

 

そんなやり取りを見ていたビアンキは小さく微笑む。

 

 

(隼人…あなた、昔の顔に戻ったわね。

そうしてくれたのは…ツナ、あなたのお陰よ。

ありがとう。

…あなたの力は凄いけど、それだけがあなたの凄さじゃない。

あなたの優しさがあなたを慕い、力になりたいと仲間が集うの。

…リボーンが一目を置く理由がよく分かるわ。

私も、出来る限り力になってあげる。)

 

 

ビアンキはこの時、改めてツナを認めた。

 

…そんな良い雰囲気だが、ここは戦場。

直ぐに次の刺客、サーカス劇場から…バギギーの幹部:モジジーと同じく幹部:ガバジが姿を現す。

 

 

「おいおい、何事だぁ…?

………マジか、200名の俺達の部下達がやられてる…!?」

 

「…あれが、ボンゴレ10代目!

その他3名…4人で200人をやったって言うのか…!?」

 

 

流石の幹部もいつの間にか200人の部下が全滅した事に驚きが隠せないでいた。

 

 

「あれは…?」

 

「あれは恐らく、バギギーの幹部よ。

見て、2人の手にリングが付いている。

ここからが正念場よ!

ライオンの上に乗ってるのは【猛獣使いのモジジー】!

一輪車に乗っているのは【車輪剣士のガバジ】!」

 

 

幹部か…。

 

 

「ここは2人ペアで行くべきね。

私と隼人で……そうね、【猛獣使い】をやりましょ!

ツナと乙女は【車輪剣士】をお願い!」

 

「だな。的確な指示助かるよ、ビアンキ!」

 

「この中では年長者だもの、礼は不要よ。」

 

「しゃあねぇ。10代目、そっちはお願いします!

おい謎野、10代目の足を引っ張んじゃねぇぞ!」

 

「足手まといにはなりませんよ。

ツナ、手短に倒しましょう!」

 

「ああ、頼むぞえっちゃん!」

 

 

獄寺、ビアンキ、謎野はそれぞれ武器を構え、ツナは『呪力』を纏って突撃する。

 

 

「…はっ、まさか部下を倒した程度で俺達を倒せると思ってやがる。

全く…おめでたいガキ共だなぁ!

ぶっ潰してやる! リッヂー!」

 

「串刺しにしてやろう!」

 

 

対して幹部の2人はリングに炎を灯して匣を開匣する。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

サーカス劇場内部にて、1人で潜入したリボーンは真っ暗な中で相棒のレオンをゴーグルに変えて辺りを見渡す。

しかし、着地すると同時に劇場が眩い光に照らされ、リボーンだけにスポットが当たる。

 

 

「…待っていたぞ、やはり最初にここへ来るのは貴様か。

黄色いおしゃぶりのアルコバレーノ:リボーン。」

 

「…テメェがバギギーだな。」

 

「如何にも。」

 

 

リボーン以外にもスポットが当たる。

 

 

「プッ、変な赤っ鼻だな。」

 

 

リボーンの挑発にバギギーは青筋を立て、思わず攻撃仕掛けそうになる…が。

 

 

「…フッ、そんな挑発に引っかかると思ったか?

最強の殺し屋とやらも地に落ちたもんだ。」

 

(…その割にはブチギレ寸前だったがな。)

 

「んな事よりも、お前は忘れていないか?

こっちには…人質がいるって事をな…!」

 

 

次に謎のケースにスポットが当たり、そこには拘束されて座り込んでいるユニの姿があった。

 

 

「…! おじ様!」

 

「ユニ…!」

 

「感動の再会だなぁ…俺様はこう見えて情に優しいからな、直ぐに一緒の所に入れてやる。」

 

「…テメェ如きに、俺をやれるとでも?」

 

「やれねぇとでも思ってんのか?

───時代はもう変わってんだよ!

オメェ等旧時代のモンは、俺達新時代の力の前には手も足も出せねぇんだよ!」

 

 

バギギーは『霧』属性の炎を灯し、両手に構える6本のナイフに炎を灯す。

 

 

(霧の死ぬ気の炎は7種の炎の中で最も硬度が低い。

見たところ大して強くねぇ炎を纏ったナイフでどう俺に勝つ気だ?)

 

 

リボーンは冷静に相手を見る中、バギギーは下品な笑みを浮かび始め、何かを起動させた。

 

 

 






今回の敵キャラもONE PIECEのキャラを模してます。
バギギー…道化のバギー。
モジジー…モージ。
ガバジ…カバジ。
リッヂー…リッチー。

▼解説シリーズ
『〝玉犬【黒・白】〟』
パワー『C』スピード『B』スタミナ『B』
十種の式神の中でも、玉犬の能力で分離が出来る。
『黒』『白』いずれかが嗅覚で追跡し、片方が意思疎通で誘導出来る。

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