影使いの大空   作:黒ソニア

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ツナの色違いレオンの名前に関しては正直思いつかなかったので、良さげなあったらそれに変えます。

ino2様
高評価ありがとうございます。
お陰様で更にこの作品に対しての意欲が高まりました。
それから誤字報告して下さった方々、ありがとうございます。




標的19:『平穏と不穏』

 

 

 

「……………んっ、んんっ…?」

 

 

ツナが目を覚ますと、自分が病院のベットで寝ていた事に気づく。

 

 

「あれっ、何で……俺、病院に…?」

 

 

何があったのかを思い出していく。

 

気怠い状態…超体を酷使したって事だ。

何か…大変な目に遭ったって事……。

 

 

「………はっ!

そうだ…俺は、あのクソ外道ピエロと戦って…。」

 

「どうやら気がついたみたいだな。」

 

「その声…リボーン!」

 

 

声のする方へ振り向くとそこにはいつものリボーンの姿があった。

リボーンはツナのベットへ飛び上がる。

 

 

「リボーン! 俺、あれからどうなったんだ?

みんなは…大丈夫なのか?」

 

「そっちの心配はねぇぞ。

獄寺も謎野も、今は学校に行っている。

ユニも今はママン達と一緒にいるぞ。」

 

「…そっか。それは良かった。」

 

 

ツナが安堵すると、頭に何かが飛びかかった。

そう、それはヒットマン『バギギー』との死闘でリボーンの相棒、レオンから吐き出されたツナ専用のアイテム…橙色の色違いのレオンだった。

 

 

「あっ! 色違いレオン………痛たた!!

叩くの止めい!」

 

「そりゃあそうだろ。

そいつはレオンじゃねぇからな。

ちゃんと名前を付けて呼んでやらねぇと。」

 

 

な、名前…? ま、まぁ、名前は大事だよな…。

…つっても、どうしよう。

 

 

「………レオンの色違いな訳だし、『Jr.』で良い?」

 

 

正直ネーミングセンスは無いのでレオンの子の意味で『Jr.』と呼ぶ事にした。

 

Jr.も特に嫌な反応もしなかったので、このままJr.で決定した。

 

 

「センスねぇな。」

 

「うっせぇ。仕方ねぇだろ。」

 

「…まぁいい。そいつが…Jr.が嫌がってねぇからな。

にしても、今回レオンがツナ向けに生み出したのが自分の子だとはな。

大事にしろよ?」

 

 

リボーンとレオンがJr.を可愛がれた言わんばかりに目で訴えて来る。

俺も別に愛嬌のある姿をするJr.を可愛がったのだ。

 

 

「それより、よくやくバギギーとの死闘で最初の課題だったリングに炎を灯せたな。

どうだ? リングに炎を灯せそうか?」

 

「え? あ、そうか。

俺、土壇場でリングに炎を灯せたんだよな。」

 

 

リングが何処だと探してると、リボーンが差し出して来たので受け取り指に通して灯してみた。

 

 

「よっと…こんな感じだったな?」

 

 

しかし、上手くいかない。

その原因は恐らく…リングを首に通して事から指に通す時とやや異なるからだろう。

 

 

「ツナ、あの時どんな気持ちだったかを思い出せるか?」

 

 

…どんな気持ち?

それは……それは、ユニを悲しませたくないと───

 

あの時と同じ思いに、リングから炎が灯る。

 

 

「やった、出た…!

…って、あれ? あの時よりも炎が小さい?」

 

「………やはりな。」

 

「リボーン?」

 

「恐らく今の炎よりも強くする事で死ぬ気弾無しで『死ぬ気モード』になれるんだろうな。」

 

 

そう言えば、確かにあの時…体が熱というか力が込み上がった。

と言うことはリングを通して炎を強くすると、『死ぬ気モード』になれるのか。

 

 

「まっ、今すぐ死ぬ気モードに何なくていいからな。

仕組みさえ分かれば良い。

しかし、一回の死ぬ気弾を受けた事がある程度で死ぬ気モードになれるのはやるな。」

 

「そ、そう…?」

 

 

あれ? こいつがこんなにも褒めるなんて…。

そんなに凄い事なんだな。

 

後は十種影法術の可能性も分かってきたし、やれる事が多くなったな。

 

 

「何だ? 他にも何か出来るようになったのか?」

 

「…相変わらず、人の心を読むんだな。

どうやったらそんなのが出来るんだよ…エスパーなのか?」

 

「俺はエスパーじゃねぇぞ。

何、そんなに難しい事じゃねぇ。

俺レベルになると読心術で大方の事は読めるんだ。」

 

 

へ、へぇ…確か最強の殺し屋なんだっけ?

そのレベルまでいくと人の心が読めるレベルまでいくんだ…。

 

 

「因みに、裏社会にはエスパー…超能力はいるしな。

他にも霊能能力、降霊術士、異能力者は沢山いる。

俺の知り合いに超能力者がいたしな。」

 

「ま、まじかよ…。

…ああ、だから俺が十種影法術という異能を持ってても驚きはしても直ぐに冷静になってたのか。」

 

「まぁな。けど、お前のはかなり異質な異能だが。

それで? 何が出来るようになったんだ?」

 

 

リボーンに問われたので、取り敢えず車輪の男との戦いで気付いた事を話した。

 

 

「…フッ、成程な。

こいつは実に育て甲斐が出るってもんだ。」

 

 

…おい、何だよその顔。

まるでこの後、地獄が待ってる感じじゃねえか。

 

 

「まぁな。

明後日からの夏休みでねっちょり教育してやるからな。

覚悟しておけ。」

 

「い、嫌なんですけど…。」

 

 

そう言えば、もう夏休みに入るのか。

今年はユニも家にいるし、友達に獄寺やえっちゃん、それに葉桜や山本もいるから、どんな風に過ごすのだろう。

 

 

「安心しろ、地獄の夏休みがお前を待っている!」

 

「んなもん嫌だわ!!」

 

 

たださえ宿題があるってのに…。

 

 

「そうだツナ、お前…リングの力を引き出せる様になった時、何を思ったんだ?」

 

「え…? それは………そ、それは…。」

 

「恥ずかしがってんじゃねぇ。」

 

「…笑うなよ? ユニを悲しませてたまるか…って思ったんだ。」

 

「…フッ、悪くねぇ答えだぞ。

お前にとって、ユニは掛け替えのない存在になったんだな。」

 

「ま、まぁな…。」

 

 

ツナは小恥ずかしそうに頬を掻く。

 

 

「そうだツナ、お前…まだマフィアのボスになる気はねぇか?

お前としては嫌だろうが、9代目や家光がお前をボンゴレ10代目に選んだのには、お前になら裏社会を変えられるだろうと思ったからなんだぞ。」

 

 

…それ、本当の話か?

俺には上手く誘導されている様にしか感じないんだけど。

 

 

「ねぇよ。あのクソピエロと戦って、裏社会の人間の多くがあいつみたいだって思ったし、そもそもマフィアなんて碌でもねぇだろ。

俺はそんな碌でもねぇ連中と一緒になりたくねぇ。」

 

「それだとユニも碌でもねぇ事になるぞ。」

 

「ユニは違う。」

 

「…たくっ。強情な奴だな。

(バギギーのせいでツナのマフィアに対する認識が悪化したか。

まぁ、仕方ねぇちゃ仕方ねぇが…先が思いやられるな。)」

 

「…けど。」

 

「ん?」

 

「俺がマフィア関係者の人間の息子である以上、無視しても巻き込まれるんだろうな。」

 

「それはそうだな。」

 

「…だから、俺は俺なりのやり方で裏社会の連中と戦う。」

 

「…具体的にはどうするつもりだ?」

 

 

リボーンは真剣な顔つきで問う。

 

 

「俺はただ、『善人』には幸せになって欲しく、『悪人』にはそれ相当の報いを受ける…そんな世界にする。

その信念の元に…俺は戦い続けるだけだよ。

…ユニを、もう悲しませない様に…!」

 

 

ツナはそう答える。

リボーンはツナの信念にまだまだ甘く見ている部分があるが、今はこれで良いと判断した。

 

 

「…? 誰かこっちに来る?」

 

 

こちらに誰かが来る気配を感じ取る。

あれ? こんな事が出来るようなったっけ?

 

 

リボーンも気付いた様で、扉まで飛んで開ける。

そしてこちらに来る者達を見てニッと笑う。

 

 

「ツナが目を覚ましたぞ。」

 

 

リボーンがそう言うと複数の足跡が走って来て、ツナの病室へ入った。

 

 

「ツナ! 目を覚ましたのね!

良かったわぁ…ツーくんが転んで大怪我を負ったと聞いてビックリしたんだから…。」

 

 

転んで大怪我って…。

 

 

「目を覚ましたのね、ツナ。

はい、これ差し入れの弁当よ。」

 

 

すみません、その弁当から変なオーラや異臭がするのですが?

 

 

「って、おい! 母さんの顔色が悪くなってるから!

こんな所でポイズンクッキングを出すなぁ!」

 

「10代目! 目を覚まされた…よう…で…。」

 

「あ、あら? 何か急に凄い臭いが…?」

 

 

獄寺が顔を出すと、奈々同様にポイズンクッキングの臭いで顔色を悪くする。

 

 

「ちょっ! 早く片付けろって!」

 

「たくっ、しょうがないわね…。

あら隼人、来たのね。」

 

「げっ、姉貴……ぐぁっ…!」

 

「全く世話のかかる弟ね。

姉を異性として見るなんて。」

 

「そんなんじゃねぇって。」

 

 

オメェがトラウマを植え付けたんだよ!

 

 

「あっ、ツナ目を覚ましたんですね。

良かったです。」

 

「ツナくん! 良かったぁ!」

 

「えっちゃん、葉桜!」

 

 

謎野と葉桜はツナが元気になってるのを見て微笑む。

 

 

「目を覚ましたんですね。」

 

 

そして最後の1人…元気な姿のユニが微笑みながらこちらへと歩み寄る。

 

 

「ユニ! 元気に戻ったんだな。」

 

「はい、あなたのお陰ですよ。」

 

「いや、俺は…。」

 

「そんな事は有りませんよ。

()()()()が頑張ったからです。」

 

「え?」

 

 

ユニが笑顔で『綱吉さん』と苗字呼びから変わっていた。

ツナはユニの笑顔と変化に…顔を赤くするのだった。

 

 

「…やれやれ、まだまだガキンチョだな。」

 

 

やれやれとした態度を取った後、リボーンは口角を上がるのだった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

とある高級感のある屋敷部屋にて、一本の電話が入る。

 

 

「…私だ。」

 

『俺だ、9代目。』

 

「おお、リボーン!

話は聞いている………綱吉くんは大丈夫か?」

 

『ああ、無事に目を覚まして学校へ行き、終業式を終えて長期の休みに入った所だ。』

 

「そうか。綱吉くんが無事なら何よりだ。」

 

 

ツナが無事である事をしったボンゴレ9代目…ティモッテオは部屋にいた彼の雷の守護者:ガナッシュ・Ⅲが用意した椅子に座りツナについての話を明るい顔で聞いていた。

 

 

「そうか…疑問に思うのも仕方あるまい。

それに、今はこのままでいい。」

 

『…お前がそう言うのならいいが……いや、この話はまだまだ様子見っとしといてもいいか。

それよりも問題視すべきは『例の薬』と闇商人の流通がいなくなった事による、ヒットマン共の動きだな。』

 

「この前、お前からの報告を受けてからここイタリア・日本を中心に同盟ファミリーに管轄内だけで無く、空港を監視するようには手配している。

今の所、目立つ動きは無いが…油断は出来んな。」

 

 

今回、ツナ達が戦ったバギギーの様な手練れの『霧』属性の使い手には変装よりも上手な『構築』による幻覚では空港の設備は勿論のこと、ボンゴレの技術をも騙し欺く事が出来る可能性がある。

 

 

「十分注意をしているが…どうなるかは分からんな。」

 

『…そうだな。』

 

「薬に関しては未だ調査中だ。

大きな進展は無い、が…こっちでもそっちと同じ頃に使用する者が現れて苦戦を強いられている。

ただ分かっているのは、未知の薬物に『晴』と『雲』の属性が含まれているって事、使用した者はリングの力と同等の力を得られる。

そして…二つ目を使用した者は絶大な力を得るが、正常ではいられずに数時間後に絶命すると言う事だ。」

 

『(…葉桜のストーカーだった奴がこれに当て嵌まる。

恐らく、あの白衣の狙いはこれのテストが狙いだったのかもな。)』

 

「それから…【道化】やこっちの敵が取引していた人物が同一人物である事が判明した。

白衣の格好をした人物、そっちでは派手なメイクをした人物らしいが、こっちでも派手なメイクだが…女の声だったと聞いている。」

 

『…女か。こっちの方では男の声だった気がするが、裏社会の人間からすれば声を安易に変える事が出来るから何とも言えんな。

たが、同時期であるのを見るに複数人が流しているのは間違いないだろう。

問題はそのリーダー格がどんな奴かだ。』

 

「それに関しては一つ分かったことがある。

尋問中のバギギーに吐かせた所、【ジョーカー】と名乗ってるそうだ。」

 

『…【ジョーカー】、ある意味【道化】の奴よりも道化っぷりだな。

外道とも言える。』

 

 

【ジョーカー】と呼ばれる者…一体何者なのか、何を企んでいるのか。

 

 

『少なくても、【ジョーカー】の狙いはツナとボンゴレだ。

ヒットマン達と同じ、派遣を狙っていると見て間違いねぇだろう。』

 

「ああ………我々も襲撃者達には頭を抱えているが、我々よりも綱吉くんの心身にどれだけ悪影響を及ぼしてるかが不安だ。」

 

『…といっても、薬に関してはここ最近の話だろう?

数年前からリングと匣使いにも気を止めねぇといけない。』

 

「最初の頃はリングの力で武器に炎を灯し、高い身体能力を発揮されて我々は苦戦を強いられた。

だが、我々ボンゴレは結束力で鎮圧し、リングと匣の力を研究してようやくこちらにもリングと匣を扱える者が増えて一時の安息したが…今度はアニマル匣という強力な兵器が我々を苦しめている。」

 

『アニマル匣…日本に向かう前に耳にしたが、俺の思っていた以上に高い性能だったか。』

 

「…5年前、リングの力が裏社会で広まった頃の『悪夢の傷』の再来だ。」

 

 

『悪夢の傷』…5年前、ボンゴレ主催のパーティに多くのヒットマンと敵対マフィアがリングの力で一斉に襲撃し、それによって多くの被害と死者が続出し、悪夢のような時期に心に傷を負わせたことからそう名付けられ、多くのボンゴレ関係者にとってはトラウマになっている者もいる。

 

 

「あの時の事は今でも脳裏に焼き付けられている…。

多くの仲間達の死やその妻と子供も例外無く殺され、ボンゴレを長く支えた幹部や同盟・傘下のファミリー達も…。

これまで多くの苦難があったが、今起きているのはボンゴレの歴史史上の暗黒期と言うものも少なくない。」

 

『…9代目、実は今回の連絡にはもう一つ、大事な事があってな。

俺達…最強の赤ん坊『アルコバレーノ』についてだ。』

 

 

リボーンは9代目に事情を話した。

 

 

「………最強の赤ん坊、裏社会・マフィア界に於いて強い影響力を及ぼしていた頂点の一角が崩れたと言うのか…!!」

 

 

暗い雰囲気の中で9代目の言葉で浮かばない顔をしていたガナッシュも驚愕していた。

 

 

『2週間後の会議前にフランスのジュラに寄る。

その後直ぐにそっちに行くが、問題は無いか?』

 

「…他のアルコバレーノとの話し合いか。」

 

『ああ、という訳でラルにも声をかけるが構わないか?』

 

「分かった。家光には私から言っておこう。」

 

 

これで一先ずは終わり…と、思った所に。

 

 

『俺の推測では、リングの炎は分からないがリングの炎を利用した新兵器『匣』を生み出したろう人物に心当たりがある。』

 

「何っ…!?

待て……確か、()()のアルコバレーノが確か…!」

 

『そうだ。アルコバレーノ随一の頭脳を持つとされ、ダヴィンチの再来とまで言われた科学者:ヴェルデが『匣』を作り出したと、俺は睨んでいる。』

 

 

 






ちょっとした補足、ストーカー男が接種した薬と2回接種した薬は別です。

▼解説シリーズ
『ビアンキ(嵐)』
パワー『C』スピード『B』スタミナ『C+』
武器『ポイズンクッキング』
リボーンの4番目の愛人にして、獄寺隼人の異母姉。
愛が全ての女で、リボーンにヤンデレに近い愛を注ぐ。
獄寺には幼少期からポイズンクッキングを食べさせ、それ故に獄寺はビアンキが苦手になる。
ツナに対しては最初敵意を向けていたが…ツナとユニの対人関係を見て考えを改めたとか。

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