影使いの大空   作:黒ソニア

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さて、ツナの『嵐』の守護者は獄寺になったが…。
次の守護者は…。




標的8:『甘いものには毒がある』

 

 

 

「山本武、一般人とは思えない程の身体能力と反射神経を持っている。

お前との仲も悪くねぇし、部下に勧誘してみたらどうだ?」

 

 

学校を終え、下校中にリボーンが新たな仲間を増やす為、ツナを立派な10代目にすべくカリスマ力を上げる為に今度は自ら勧誘する事を覚えさせる為に自身が目星を付けた山本の名を上げる。

 

しかし…。

 

 

「山本をマフィアになんて絡ませない。」

 

 

リボーンの提案を否定するツナ。

それも、力強い目で。

 

 

「山本はプロ野球選手を目指してるんだ。

…マフィアなんて絡んでみろ。

山本の野球人生は終わり、一般生活にも悪影響を及ぼす。

お前からもアプローチをかけるなよ。

もし…今度山本をマフィアに勧誘でもしたら、俺は金輪際二度とマフィアに関わらないからな。」

 

 

…ツナが『沢田綱吉』として生きている限り、一生マフィアに振り回される事になる。

その為、関わらないという選択肢自体ないのだが…。

ツナが本気で山本をマフィアに関わらせたくない意志を尊重する事にした。

 

 

「そうか。まっ、それも間違いじゃねぇな。」

 

「はい。それが沢田さんの魅力だと思います。」

 

 

いつの間にか話を聞いていたユニが現れた。

よく見れば手元に買い物袋を持っていた。

 

 

「…ママンに頼まれたのか?」

 

「はい。」

 

「…お前の事をまだ知っている他所の人間はいない。

とはいえ、恐らく時間の問題だろう。

少しの間でも、平穏に暮らす為にも出来る限り1人では行動を取らない様にしろ、ユニ。

お前に何かあればアリア、それから…ルーチェに合わす顔がねぇからな。」

 

 

リボーンの奴が深刻な顔をしている。

それだけユニが大事なのは理解できたが…気になる事があるな。

とは言え、聞いた所ではぐらかされるだけだろうが。

 

 

「すみません。

おじ様や沢田さんがいるから少し、気が緩んでしまったのかもしれません。」

 

 

…ユニは俺を頼りにしてくれているのか。

 

 

「…こほんっ。ま、無事ならそれでいいんだ。

念の為、お前には発信機を持たせているしな。

(とはいえ、山本武もダメなら笹川了平に雲雀恭弥もダメだろうな。

獄寺は『嵐』…残る『雨』『晴』『雲』『雷』『霧』の5人のメンバーを早い内に目星つけたかなぁとな。

今はまだ平穏に過ごせるだろうが…。)」

 

 

リボーンはツナの肩に乗り、ツナとユニが自宅に帰宅していく中、空の…イタリアの方角を見る。

 

 

(あっちじゃ、状況がまた悪化してるみたいだしな。)

 

 

今から約5年前…リングの力が裏社会で明るめとなって流行り出し、マフィア界のバランスが崩壊した。

マフィア最強と謳われたボンゴレは、多くのマフィアとヒットマンから狙われる事となった。

最初こそボンゴレは未知の力に圧倒されたものの、ボンゴレの真髄である仲間同士の連携によって乗り越え、死ぬ気の炎を自分達の力へとし再び裏社会を君臨したのだ。

 

 

(だがそれも束の間…今度はリングの力を最大限に引き出す『匣兵器』が、またボンゴレを…いや、ジッリョネロなどのその他のマフィアを巻き込んだ。)

 

 

これにより、またもやボンゴレは窮地に追い込まれ、少し前までリボーンはイタリアから動けない状況にあった。

だが匣の力をも自らの力に変えたボンゴレは何とか優位に立てれる状況にまで立て直した。

 

その機を計らい、リボーンは9代目に頼まれていた沢田綱吉を10代目にすべく日本に向かう準備を取った。

丁度その頃、個人で交流があったジッリョネロの現ボスであるアリアから相談要請が入り、その内容が『ユニを守ってほしい』との事だった。

 

リボーンはユニを日本へ保護する様に9代目と家光、アリアを交えて話をつけて許嫁という形で避難して今に至る。

 

…そして、今。

イタリアでは少し前まで存在が示唆されていた『動物(アニマル)タイプ』の匣が各所で使用されて暴れているのだ。

動物タイプの匣は戦闘経験の無い人間でも強力な力となり、今まで底辺レベルのヒットマンが二つの名を持つ強者相手に勝ち越すイレギュラーの事態になっているのだ。

 

それもあって、ボンゴレ本部はほぼ毎日が会議三昧。

中ではリボーンをイタリアに戻す意見に、たった1人の候補者であるツナもイタリアに連れて保護というなの隔離をする意見も出ているとの事だ。

 

 

(何とか9代目と家光が圧をかけて納得させているが、状況が更に悪化でもした場合…。

最悪…ユニをアリアの元へと送り返し、ツナには自分達で戦える様にさせないとな。)

 

 

2人が笑いながら家に帰る中、リボーンは1人覚悟を強く決めた。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「はぁぁぁ……。授業って怠いな。」

 

「そうっすね。

正直、授業内容も全部頭に入ってる事だらけで受けてても退屈っすよ。」

 

 

わぁ…俺と違って頭良いんだな、獄寺。

そいやー使ってるボムが一般のダイナマイトを改良してるみたいだし、当然か。

 

 

「…俺は頭に入らなくて大変だからスゲェな。」

 

「えっ、あ…す、すみません10代目!

10代目の気持ちを汲まず…!」

 

「いやいや。頭の悪い奴もいれば良い奴もいるからな。

怠いって意味では共通してるしさ。」

 

「そうっすね。」

 

 

と、いつものように2人で弁当を食べていると…。

 

 

「…そうですね。

ただ、頭の悪い人が多い世の中ではありますよね。

他にも嫌な事が多いですし。」

 

「そうそう………って、キミ誰!?」

 

 

思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。

 

 

「テメェ、一体どこのもんだ!!」

 

「同じクラスメイトの謎野です。

クラスメイトの事くらい見分けつけるべきでは?」

 

「俺には女全員が同じに見えるからどうでもいい。」

 

「…獄寺って思ってた以上に子供ですね。」

 

「んだとゴラァ! 喧嘩なら買うぞ!」

 

「よしなよ…。」

 

 

ほら、悪目立ちしてるよ…。

というか…。

 

 

「何で…謎野さんが俺達の所へ?」

 

「…私、クラスでは浮いてるので1人なんです。

今までは1人なのが私1人では無かったのですが…1人でいた沢田さんと獄寺が一緒になり始めたので、私も混ざろうかと。」

 

「なんで俺には呼び捨てとかは置いとくとして、混ざる必要ねぇだろ!」

 

「まぁまぁ…良いよ、1人がつまんないのは理解できるし。」

 

 

謎野さん、か…。

入学時から一緒のクラスメイトだったけど、かなりの変人だ。

その理由として、もう直ぐ7月だと言うのに入学当時からマフラーを付けているって点が大きい。

それも、体育の授業にも付けたり会話も途中から成り立たなくなるなどから、同じ女子からも変人扱いされて相手にされていない。

 

 

「…所でだけど、何で謎野さんって毎日早弁したりお菓子食ったりしてるんだ?

前者は…分からなくもないけど、学校じゃ菓子は禁止されてるよ?

何で教師に怒られるの分かってて食べてるの?」

 

 

ていうか、今食ってるのもおはぎじゃね?

 

 

「これは私のお弁当です。」

 

「…声に出てた?」

 

「沢田さんは顔に出やすいので分かりやすいです。」

 

 

え? まじ?

やだ…ポーカーフェイスの練習しないと。

 

そんなこんだで、急に謎野さんが話に交わって昼休憩は終わった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

放課後、俺と獄寺…そして謎野が一緒に下校していた。

何でも謎野が来て欲しい所があるとの事で。

 

 

「…で、俺と10代目を何処へ連れて行く気だ?」

 

「もう直ぐです。」

 

「もう直ぐって……どんどん人がいない場所に来てないか?」

 

 

そのままツナと獄寺は人のいない…廃棄された工場の跡地に連れて来られた。

 

 

「…こんな人の来ねぇ場所に連れて来るって事は…お前、只者じゃねぇな?」

 

「…もしかして、マフィアの…。」

 

 

謎野は振り返る。

 

 

「マフィア…ですか?」

 

「…違う? えっと、こういう人の来ない…というか、こういう工場の跡地は普通、立ち入り禁止の看板やテープがある筈だけど。」

 

「…私はマフィアではありません。

けど…裏社会の事を知る人間です。」

 

「「…!!」」

 

 

ツナと獄寺は警戒心を向ける。

 

 

「て事は、お前…殺し屋:ヒットマンの人間か!?」

 

「…はい、そうです。」

 

 

何だって…!?

ヒットマンの人間が…どうして…。

 

 

「俺の、命か…?」

 

「…正確に言えば、元々私は裏社会の生活に嫌気をさして平凡と言われてるジャッポーネに来たんです。」

 

「…? どう言う事なんだ、謎野。」

 

「…少し、話しましょうか。

私は…ヒットマンに育てられた人間です。」

 

 

曰く…彼女は孤児の人間だった。

自身を産んだ親は知らず、気づけば外国の貧しい人間の集う裏路地で立っていた。

何でここにいるのか、ここまで育った経緯も思い出せない。

 

そんな中だが…お腹が空いていた。

けど、ボロボロの格好で何も持たない自分が食糧を手にするのは無理だった。

 

しかし…ある時、幼い子供達に食べ物を恵もうと謎の大人が現れた。

自分やそれ以外の身寄りの無い子供は空腹により、まんまとその大人に着いてった。

 

…だが、連れて行かれた先は見知らぬ地下。

 

 

『空腹を満たしたければ、存在価値を示せ。』

 

 

そう言われて、集められた子供達は大人に指示された…ナイフを持って肉食の猛獣と戦えたの事だった。

両側共に飢えており、子供と猛獣の殺し合いが勃発した。

 

時間が経ち…1人だけ、血だらけの部屋で生きていた者がいた。

それが、後の謎野だった。

 

謎野には裏社会に生き延びる素質があった。

子供の殆どが猛獣に噛みつかれ、喰われる中…謎野は生存本能により、ナイフを猛獣の目、頭と刺し…襲われそうになったら、壁を利用して回避する。

武器が無くなった場合、死んだ子供のナイフを使って再び猛獣を斬りつける。

戦闘の中、猛獣の弱点を理解し…猛獣を殺し…次々と殺していった。

 

そして……遂に猛獣を全て殺し尽くした。

 

大人は笑い、謎野に最低限の食事を用意する。

疲労と空腹のあまり、大人に付いて行こうとするが…一瞬、血だらけで既に死んでいる死体達を見て、足が止まるも…彼女は生きる為に殺し屋として生きていかざるを得なかった。

 

その後も彼女は生きていく為に、自身の主人である大人の指示に従い殺して殺して殺した。

生きていく為とはいえ、見知らぬ人物を殺すのには何度も躊躇った。

中には裕福な家庭、心優しき人物と…。

何度も手が止まる度に大人は自身に躾と称して体罰を加え、1週間食事を与えなかった。

彼女にとって食事は唯一の生き甲斐にして、心の安らぎだった。

 

生きていく為に心を殺し続けた。

生きていく為に才能を無理矢理こじ開けた。

 

全ては生きる為に、死にたくないから…。

 

…この大人(この男)に処理されない為にも。

 

 

「そして…数ヶ月前、あの人は言いました。

日本の並盛という場所にボンゴレ10代目:最後の候補がいると。

年齢は私と同じで、中学校に通っていると。

それで私は情報収集の為に並盛中学校に入学しました。

…まさか本当にいたとは思いませんでした。

都合が良すぎて慎重になって今日まで様子を見てましたから。」

 

 

…成程。確かに標的がまさか同じクラスメイトになってただなんて、そんな都合のいい話ってそう無いよな…。

 

 

「確信を持てたのは獄寺です。

アナタとアンビダがこの学校にやって来て、戦闘した所を目撃。

そして、沢田さんはあの最強の赤ん坊(アルコバレーノ)と顔見知りでアンビダを倒したのも確認したので───」

 

「そこまででいい。」

 

 

いつの間にかツナと獄寺の背後からスタスタと歩み寄って来る。

変な形をした模様が特徴の執事のような格好をした男が現れた。

 

 

「道具は黙って主人の言う事だけ聞いていれば良い。」

 

「…! コイツ…!」

 

「…10代目、そっちは任せます。」

 

「獄寺…? どうし───っ!?」

 

 

謎野の方を見ると、瞳には光が無く。

ただ、ツナ達の背後に現れた男の子傀儡人形の様に蛍光灯に電気が走った武器を構えていた。

 

…その頃、沢田家の前に顎に縞模様の変なのを付けたハート型のサングラスを付けた男が嫌な笑みを浮かべていた。

 

 

 






今更ですが、敵ヒットマンキャラ…モンガーン、アンビダ、そして今回の敵もONE PIECEのキャラをイメージしてます。
モンガーン…斧手のモーガン。
アンビダ…金棒のアルビダ。
そして今回のは百計のクロです。
因みに最後のはその部下のジャンゴです。

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