影使いの大空   作:黒ソニア

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今回の敵は割と強敵です。
レベル的には…原作・アニメでのヴァリアー編のルッスーリアレベルかな。




標的9:『二つ名のヒットマン』

 

 

 

「…コイツは、モンガーンとアンビダよりも強いな。

今回リボーンがいない訳だから、死ぬ気弾をアテには出来ねぇ。

だったら…!」

 

 

ツナは犬の掌印を結び、影から玉犬を顕現させる。

 

 

〝玉犬〟…!! 最初から全開だ!」

 

「そ、それが10代目の力…!

す、すげぇ…! 俺も、負けてられねぇ!」

 

 

獄寺はボムを構える。

お手製のボムの仕様で導火線に自分の持つ嵐のリングで死ぬ気の炎を点火させようとするも…導火線には点火しなかった。

 

 

「くっそ…!! まだリングの炎を灯せねぇ…!!」

 

「クッフフ…リングを持ってても炎を自在に使えないとは、とんだ宝の持ち腐れだな。

おい道具! そいつを手短に仕留めてコッチを手伝え!」

 

 

男の指示で謎野が獄寺に攻撃を仕掛ける。

 

 

「くそっ、リング無しでもやってやる! 果てろ!」

 

 

ボムを放つが、爆発する前に蛍光灯の様な武器で受け流して獄寺に振り下ろす。

 

ツナは玉犬に引っ張られる様にして回避し、獄寺はギリギリと所をチビボムで爆発させて自身も多少は受けるが、衝撃で回避して謎野にダメージを入れる。

 

 

「ちっ、そう簡単には行かないか。」

 

 

男が溜息を吐く…と同時に相手の背後に回っていたツナと玉犬が男に攻撃をする。

しかし…直前でリングから電撃のバリアを作り出してガードする。

 

ツナは蹴りの攻撃で電撃に触れるが、全身に呪力のオーラを纏っており、感電せずにまた玉犬に引っ張られる様に回避する。

 

 

「ちっ…リングから電撃が…。

それが『雷』属性の死ぬ気の炎か。」

 

「…初めて見るのか? そうだ。

雷の死ぬ気の炎は他の属性とは違い硬度が高く、発する炎で防御壁を作る事が出来る。

それよりも驚いたぞ。

いつ動物タイプの匣を開けていた?」

 

「さあな。いつだと思う?」

 

 

こっちは匣では無いが、それを教える筋合いは無い。

 

 

「フッ、まぁいい。

モンガーン、アンビダを倒した事で良い気になってる様だが…。

私をアイツ等と一緒にされるのは不愉快だ。

この【猫爪のクロロ】の力を…見せてやる…!」

 

 

男は…クロロは雷の死ぬ気の炎を匣に注ぐ。

匣から飛び出しのが、指一つ一つに雷の死ぬ気の炎を纏った刃の付いた『猫の手』がクロロの手に装着された。

 

 

「…奴に接近するのは無理だな。」

 

「接近が無理だと悟ったか。

だが───」

 

 

クロロは音も立てずにツナの前に一瞬で現れた。

 

 

〝杓死〟っ!」

 

 

次の瞬間にツナを微塵切りにする様に『猫の手』を振り回す。

…しかし、片方を玉犬の呪力を浴びた爪で防ぎ、もう片方は俺が手首を捕まえて掌を足で押さえつける形で攻撃をギリギリの所で躱した。

 

 

「…キサマ、俺の動きを見切ったのか…?」

 

 

危ねぇ…直感で一瞬足と腕の筋肉に力が入ったの気づけなかったら回避出来んかった…!

…てか、防いだは良いがこっちも攻撃が出来ねぇな…!

 

 

「10代目!!」

 

 

ツナがどう攻撃するか迷っていると、獄寺の声と共にクロロの背後に数発のボムが投げられており、クロロの爆発でダメージを与えつつ、玉犬と共にクロロから離れて獄寺と合流し、獄寺がボムで地面を爆発させて爆風を起こしてツナ達は一旦姿を眩ませた。

 

 

「…チッ!」

 

 

クロロはリングの力で身体能力を上げたものの、背後からの爆発でダメージを負った。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「大丈夫ですか…10代目?」

 

「ゴホッ……助かったよ獄寺。」

 

 

先程の爆風で軽く咳をしたが、怪我は負わなかった。

因みにいま2人は廃棄された工場の一つの中で隠れている。

 

 

「本当に助かったよ…あのままだと打つ手無かったからな。」

 

「それは良かったっす。

しかし…10代目は他に式神を有してるんですよね?

何故使われないのです?」

 

「…式神を顕現にするのには手で手影絵を作らないといけない。

片方でも使えない状態だと他の〝脱兎〟〝鵺〟〝蝦蟇〟…どれも顕現は出来ない。

付け加えると、式神は2体までしか顕現出来なくてな。

他の式神を出すには片方でも解かないといけなくなる。」

 

「そうですか。」

 

「そっちはどうなんだ?」

 

「…実を言うと、相性が悪くてこっちの攻撃は碌に与えられてません。

あの武器…蛍光灯の様な武器に雷の死ぬ気の炎を加える事で、ビームサーベルと化す様で…。」

 

「ビッ…!?」

 

 

思わず大きな声が出るが、直ぐに口を押さえた。

 

 

「…マジかよ。

スゲェや、後で俺にも使わせて…じゃなかった。

大丈夫だった?」

 

「ボムを投げても、ビームサーベルで無力化されてしまいまして。

攻撃を避けるので精一杯でした。」

 

「…戦う相手を交代すべきだな。

アイツ相手に武器の持ってない俺じゃ無理だ。

中距離を保ちながら攻撃できる獄寺に任せたい。」

 

「了解っす! 後は…どう奇襲しますかね?」

 

「それに関しては策がある。

準備は良いか?」

 

 

ツナの問いに獄寺は頷く。

そして、ツナは掌印の準備をする。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「何故さっさとあの雑魚を片付けられない…!」

 

 

クロロは謎野を躾として頭を踏んでいた。

 

 

「お前は奴と違ってリングを使っている。

リングの使える使えない奴の力の差は分かっているだろ?

たかが爆弾小僧1人に苦戦などするな…!」

 

「………はい。」

 

「全く……ど素人同然のボンゴレ10代目を殺せば、莫大な金を手にする事が出来るのだ。

さっさと殺すぞ。

…あっちの方ではどうなっている。」

 

 

クロロが謎野にスマホで連絡を取らせる。

すると次の瞬間───

 

 

「なっ…!? 大量の兎だと!?

事前に聞いてはいたが…!

これは聞いていた以上の数だぞ…!!」

 

 

ツナ達が潜んでいた工場内から大量の兎が飛び出して来た。

兎達はクロロと謎野の周りを囲み、要塞となった。

 

 

「…ほう、囲まれたか。

それもジャンプしても届かない程の高さ…。

(素人だな。敢えて空に逃げ出せる状況を作り、そこを狙わせれば良いものを。)」

 

 

などとこれまでの経験から心の中でツナ達を侮辱するが…。

兎達の隙間からボムが投げ込まれた。

 

 

「チッ、それが狙いか…!

だが、忘れたのか! 雷の炎は盾を作れる!」

 

 

クロロがそう言ってクロロと謎野がリングから雷の大きなバリアを展開する。

だが───

 

 

「何だアレは…!?」

 

 

彼等の頭上に翼を羽ばたかせる音がしていた。

見上げると兎の要塞の上には髑髏の仮面をした巨鳥が電気を纏っており、咆哮を上げてクロロ達の雷のシールドを紫電で相殺させる。

 

 

「雷のシールドを…!?

ま、不味い…!! 爆弾が…!?」

 

「こいつも喰らいな! 〝3倍ボム〟!!」

 

 

雷のシールドを破壊された所を大量のボムに鵺の紫電の合わさった爆発を受けるクロロと謎野。

紫電とボムの爆発により、兎達は吹き飛ばされて解かれた。

 

巨鳥が降り立ち、乗っていた獄寺とツナが降りた。

 

 

「決まりましたね、10代目!」

 

「…だと良いがな。」

 

 

ツナはこの程度で倒せるとは思っていなかった。

その予想も当たり、煙が晴れると…血だらけの謎野と、ある程度ダメージの負ったクロロだった。

 

 

「…!?」

 

「謎野を……盾にしてたのか…!!」

 

「……やって、くれたな。

ここまでやるとは思わなかった。

…身代わりがいなければ、やられていただろう。

やっとまともに俺の役にたったな、道具。」

 

 

クロロはそう言って謎野の肩に手の刃を刺しており、役目を終えた謎野を投げ捨てた。

 

 

「テメェ…!!」

 

「キレるなガキめ。

キレているのは…この私なんだからな!!」

 

 

クロロが刃を構え…瞬時に姿が消える。

先程使った〝杓死〟だろう。

 

 

「鵺! 獄寺と一緒にそいつの相手をしててくれ!」

 

 

敵の相手を一時任せてツナは謎野に駆け寄る。

 

 

「…謎野! 謎野…!!」

 

 

少し離れた所で爆発やらが起きている中、ツナは謎野に語りかける。

そして…謎野は痛みに耐えながらも、辛うじて意識を取り戻した。

 

 

「………沢田、さん…?」

 

「…! 良かった謎野…!

目を覚ましたんだ───」

 

 

ツナの首元に彼女のビーサーベルを向ける。

 

 

「…謎、野。」

 

「……何故、私を助けるんですか?

私はこの様に、アナタの敵ですよ?」

 

「…何故だ、何であんな奴の味方でいるつもりだ!?

アイツはお前を利用してるだけなんだ!

お前の事を『道具』だって言ったんだぞ!?」

 

「……それが、何ですか?

私のような人間は珍しくありません。

…沢田さんは甘いんですよ。

甘ちゃんだから、私の作り話を信じる。

だからこの様に……私に殺されるんです。」

 

「………」

 

 

ツナは一度瞳を閉じ…力強い目で謎野を見返す。

 

 

「じゃあ、その剣で俺の首を取れば良い。」

 

「…は?」

 

「そうすりゃ、お前はアイツから道具扱いされなくなるかもしれない。」

 

「あの…! アナタは今、何を言っているのか分かってるんですか!?

殺されるって事は、死んでしまう事なんですよ!?

アナタは、死が怖くないのですか!?」

 

「…怖くねぇ訳ないだろう。

正直言ってて怖がってる俺がいる。」

 

「だったらどうして…!?」

 

「お前の…女の子1人の命を助けられるのなら、後悔は無い。」

 

「…!?」

 

 

…何を言ってるいるのだ、この男は…?

謎野はそう思わずにいられなかった。

 

 

「…何なんですか、アナタは…?

殺されるのが怖い癖に、嘘つきの私を…?」

 

「あん? 嘘なんてついてねぇだろうが、お前は。」

 

「…へ?」

 

「お前のあの話、あれ本当の事だろ?

んなもん分かってんだ。

全部が全部本当の事なのかは分からないけど、お前が助けを求めてたのは気づいてたよ。」

 

「…」

 

「…お前で良ければ、俺を信じてくれ。

お前を縛るアイツを…!

倒してくる…!」

 

 

ツナの気迫に、謎野は負けて武器を下ろす。

そして、ツナはシャツの袖を上げて気合を入れる。

 

謎野を苦しめるアイツを…!

相手を倒す為に…腹の底から強い呪力が膨れ上がる。

 

 

離れた所で獄寺は息を荒げていた。

自分の攻撃は相手には通じず、逆に相手の攻撃には鵺のフォローで直撃を免れたものの、ダメージを負ってしまっていた。

 

 

「……クソ鳥めぇっ…!

キサマのせいで雷のリングの力が思うように発揮出来ん…!」

 

 

お陰で力不足で獄寺を後一歩まで追い詰めても息の根を止められず、それどころか人質にも出来ない!

…と、思っていると、自分片目に呪力の籠った石が力強くぶつけられた。

 

 

「ぐっ…!? い、石…!?

ただの…石で、この私が…!?

この私が、対応に遅れた、だと…!?」

 

「テメェ、自分の実力に自惚れてんじゃねぇの?

自意識過剰も大概にしろよ、この屑野郎…!」

 

「ク…!? き、キサマ…!?」

 

「10代目! す、すいません!」

 

「謝る必要ねぇよ、獄寺。

お前と鵺のお陰で…この一発で倒せる!」

 

「…クク、一発で倒す…?

この私を倒せるなどと!

甘く見るな! ガキがぁあ!!」

 

 

先程の石を投げられた攻撃が思ってたよりも効果があってクロロが理性が飛びつつあった。

クロロはヤケになって、〝杓死〟で凄まじい速さでツナの周りを走り出す。

 

対してツナは…呪力の籠った拳を力強く地面に叩きつける。

その衝撃でクロロの足場が揺らぎ、体勢を崩した。

 

その一瞬の隙にツナがクロロに目掛けて渾身の拳を放ち、クロロは吹き飛ばされる。

しかし…ゆらゆらと立ち上がる。

 

 

「まだ…! まだ、私は…!!」

 

 

クロロは血だらけボロボロの状態で立ち上がると…。

電撃を纏った鵺の体当たりがクロロに炸裂し、倒れた。

 

 

「良くやったぞ、鵺。」

 

 

鵺はツナの元に駆け寄り、ご褒美に撫で撫でを要求してきたのでわしゃわしゃと答えてもらった。

 

 

「ぐぅぅっ…!! ど、道具…!

この私を…! 助けろっ…!!」

 

「…謎野。」

 

「………拒否します。

もう、道具扱いは懲り懲りですので。」

 

「…!!!」

 

 

クロロは倒れたままだが、凄まじい怒りを出していた。

 

 

「…ふっ、ふふ………これで勝ったと思うな。

沢田綱吉…キサマの住所は…既に割れている…!

私の部下が、今…!

キサマの家に───」

 

「それはもう片付いたぞ。」

 

「何!?」

 

 

突如リボーンが現れ、背後にいたリボーンの知り合いらしきサングラスをかけたスーツの男がぐるぐる巻きにされたものをクロロに見せつけるように落とした。

 

 

「俺がいた事を忘れたのか?」

 

「ば、馬鹿な…!! 黄色のアルコバレーノ!!

キサマが家を出たタイミングで襲わせた筈…!!」

 

「残念だが、俺はとっくに気づいてたからな。

出かけたフリをしてただけだ。」

 

「…!! 役立たずがぁあ!!」

 

「オメェがな。」

 

 

リボーンがクロロの顔面に蹴る。

凄い衝撃音がついでに響いた。

 

 

「…あの小柄の体で、俺の全力のパンチと同等って何なの?」

 

「俺はまだ3割程度しか殴ってねぇぞ。」

 

「ふぁ!?」

 

 

ツナは驚き、獄寺と謎野も驚いていた。

 

 

「ママンもユニも無事だからな。

安心しろツナ。」

 

「え……あ、うん。」

 

「それより、よく二つ名のヒットマンを倒したな。」

 

 

リボーンは強敵相手に無事乗り越えたツナ達に口角を上げて笑うのだった。

 

 

 






▼解説シリーズ
『〝鵺〟』
パワー『B』スピード『A』スタミナ『A』
十種の式神の中でも、唯一の飛行能力を持つ3メートルの体格を怪鳥。
人を乗せて飛べるだけでなく、電撃を操る事も出来る。

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