俺の名前は才羽アオイ………ただのお兄ちゃんだ! 作:妄想垂れ流し部
ミレニアムに入学してから早一か月
俺は悩みを抱えていた。その悩みとは………
「お金が欲しい…」
現在、金欠です
前に買ったスーパーBIGケーキで持ち金のほとんどを使ってしまい、財布の中身は寂しくなってしまった
「どうしようか…」
三人ででかいケーキを食べるのは楽しかったし、たくさん食べられて嬉しかったから、後悔はない
でもお金がないのはなぁ………生活費は別であるから問題はないけど、個人的に持っておきたいし…
「………何か探すかぁ」
でもどうしようか…普通にバイトするか?それともアビドスの人達みたいに指名手配犯探してみたり?
………って、そんな事できるわけないか
「………とりあえず、歩くか」
歩いてれば何か見つかるかもしれないしな
「改めて思うけど、ほんと面白い景色してるよなぁ」
歩き始めて数十分、特にこれといったものも見つからず、普通に散歩を楽しんでいた
ミレニアムの景色は前世では考えられない景色で、男心をくすぐられる
「ん?なんか騒がしいな」
ミレニアムの景色を楽しんでいたら、何かあったのか、騒がしい
「まぁ、どっかの部活が何かやったんだろ。無視無視」
ミレニアムに入学してまだ一か月だって言うのに、毎日どかしらで騒ぎが起きるので慣れてしまった
いちいち反応していたらキリがないので、こういう時は無視に限る
「………なんか、フラグみたいだな」
「そこの君!逃げてくれ!」
……………フラグ回収って、あるんだなぁ
背後からかけられた言葉に振り返ると、暴走したらしいロボとそれを追いかける生徒たちがこちらに向かって走って来ていた
とりあえず、道の端に避けてみたけど………
「なんで狙ってくるんだか…」
ロボは端に移動した俺に方向を変えて走ってきた
俺は向かってくるロボと衝突する寸前に躱し、距離をとる
………なんか闘牛みたい
「気負付けてくれ、あのロボは一度標的にした相手を潰すまで止まらないんだ」
「なんて厄介な機能つけてるんですか…」
「元は大きいゴミを潰して捨てる用の掃除ロボだったんだが、不具合を起こして、標的を潰すことを目的とするようになってしまったんだ」
「じゃああの右腕のごつい銃はなんですか?」
「あれは機関銃だ」
「………なんでそんなものつけてるんですか?」
「戦う掃除ロボ………ロマンがあるだろう?」
「……………」
どうしてくれようか
「とにかく!あのロボを心苦しいが早く壊さないといけない。今は君が標的にされている、協力してくれ」
ロマンだけかと思ったけど、ちゃんと人の事考えられるんだな…
「早くしないと、また予算を下げられてしまう…!それだけは防がなければ!」
前言撤回、アホだわ、この人
「ついてきてくれ、あのロボを壊す準備をするまで時間稼ぎをする」
「なんでこうなるんだか…」
ロボは完全に俺を標的にしている
………仕方がない
「さぁ、早くこっちに」
「その必要はない」
「?何を言って…早く逃げないとこっちに来るぞ!」
なんか巻き込まれたし、いろいろ腹立つこと言ってるけど…
「今は忙しいんだ、早く終わらせる」
「俺が壊す」
ロボは右腕が機関銃、左腕が大型のアームになっている
どちらも高火力だが、小回りは利きづらそうだ
「…!?何を言っているんだ!あのロボは見ての通りだ!一人で戦うなんて、無理だ!」
ところどころ配線も露出している、作ってる途中だったのか?
まぁ、今はそんな事どうでもいい
あのロボの対処法は分かった、あとは実行に移せばいい
俺はロボに向かって走り出す
「あっちょっと!」
ロボは俺に向けて右腕の機関銃を向けて撃ってくる
連射力は凄まじいが、命中力が悪い
これなら、走りながらでも、捌ける
「ちょっあれ何してんの!?」
俺は弾丸の雨を潜り抜け、ロボの足元まで来た
近づいたことで、左腕の大型アームが振り下ろされる
「危ない!」
振り下ろされるアームに手を添えて、少しずらして躱す
振り下ろされた先の地面には小さいクレーターが出来ていた
「………当たれば終わりか」
だが、幸い動きが遅いおかげで躱すことは難しくない
これなら、攻撃に出れる
俺はアームと胴体の結合部分に見えている配線を掴み、千切る
「あぁ!千切った!」
これで左腕は使えない
次の行動に移そうとしたとき、ロボが機関銃を振り回す
もう、銃として使うのはあきらめたらしい
大型アームならまだしも、それ以外なら受け止められる
俺は振り回される機関銃を受け止めると、そのまま掴み根本から千切る
「機関銃も!?」
「………これでいいか」
ロボの脚を払い、倒す
そのまま胴体を踏む
「作製中で良かった」
装甲の隙間に向けて力を籠め、装甲に穴をあける
そのままロボの重要そうな部分を踏み潰していく
「止まったな」
いくつか潰した後、ロボは動かなくなった
「あぁ…せっかく作ったのにぃ…」
「仕方がない、暴走させた我々の責任だ…」
「うぅ…私達のロマンがぁ…」
「データは取ってある、また作って、もうこんなことがないようにしよう」
「「ウタハ先輩…!」」
「…………帰っていいですか?」
「ちょっと部員達と話したいことがあるんだ、待っててくれ」
「………早くしてくださいね」
「あぁ、ありがとう」
「ウタハ先輩、話したい事って何ですか?」
「あぁ、あの少年についてなんだがな…」
「?あの人ですか?特にこれといった特徴はないと思うんですけど…」
「私達のロボを一人で壊した時点で結構特徴になると思うけど」
「あ、確かに」
「………その、ロボの倒し方についてなんだが…二人はどう思う?」
「んー…腕を狙うのではなく、配線を千切りに行ったのは合理的だなって思いました」
「私は、機関銃を突っ切っていたのがヤバって思いました」
「そうだ、あの少年、命中率が低いとはいえ機関銃の弾幕を捌ききる動体視力と精密性、配線を狙う観察眼と分析力、それに何より、ロボの振り回しを止めた怪力。こんな事が出来るのは、キヴォトス中を探しても、そういないだろう」
「確かに…」
「でも、それがどうしたんですか?確かにすごいですけど…」
「そこでだ、こんな優秀な人材、逃すのは惜しいと思ってね」
「まさか…勧誘するんですか…!?」
「確かに…彼がいれば、もしまたロボットが暴走しても、すぐに止められるし、重い物もいちいちロボを動かさなくても、彼に頼んで運んでもらえれば、その間に私達は準備が出来る…」
「でも、あんまり機械には詳しくなさそうですよ?最後も、どれを壊せばいいか探ってたみたいですし」
「そこは後々教えて行こうと思う。それに、彼には機械の根幹よりも、動作確認や耐久テストなどの方面で手伝ってもらおうかと思う」
「なら、私は賛成ですけど…」
「どうやって勧誘するんですか?」
「そこは………実践あるのみだ!」
何か話し込んでるな…
………ウタハ先輩か…どっかで聞いた事があるような、ないような………
「すまない、待たせてしまった」
「ん?…あぁ、話は終わったんですか?」
「あぁ、待たせてすまない」
「それで、俺に何か用ですか?」
「単刀直入に聞く、エンジニア部に入ってくれないかい?」
「………?」
「君の能力は高い、ぜひエンジニア部でその力を発揮してほしくてね」
「俺、機械に詳しくないですけど…」
「問題ない。君には機械の動作確認や荷物運び、他の部員のサポートをして欲しいんだ」
「………」
「ダメだろうか…?」
どうしたものか………エンジニア部は、原作に出てくるって事しか知らないし、原作でどんな活躍をしたかも知らないからどう接するのがいいか知らないんだよな…
時計じかけの花のパヴァーヌ編でどんな役割なのか知らないけど…俺が知らないって事は中心に関わるわけではないのか?それとも重要な役割を持ってるのか?
「………………」
「どっどうしよう…すごく悩んでるよ」
「とっとにかく、アピールしないと!」
「え、えっと…エンジニア部は毎日が楽しいよ!」
「そうそう!やりたいが出来る!ロマンを現実にするために日々奮闘できる、みんなが笑顔な部活だよ!」
「例えば、最近なら空を飛んでみたいって子がジェットパックの研究をしてたよ!」
「おぉ、空を飛ぶ?」
「…!そうそう!空を自由に飛ぶために研究してたよ!一昨日に第一号が完成したところだったし!」
「おぉ…!」
「まぁ、結局爆発しちゃったんだけど…」
「おぉ…」
「ちょっ!」
「え?あ…!」
「えーっと…あ、後ね!依頼されて機械を作ることもあるし、作った機械が売れる事もあるよ!」
「………依頼って、報酬が出てるってことか?」
「そうそう!依頼された機械を作ったら、報酬が出るし、依頼じゃなくても、売ってお金になる事があるよ!」
「お金になるか………」
「どっどうかな!?」
「悪い要素はないと思うんだけど…」
「私からも、お願いだ」
………………まぁ、仮に関わることがあっても引っ込んでればいいか
「じゃあ、入ってみようかな」
「「やったー!!!!」」
「ありがとう、これからよろしく頼むよ」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「私は二年の白石ウタハだ」
「俺は一年の才羽アオイです」