⦅未完⦆【祝・可愛い賞】ゴミ山の上の極彩&三島由紀夫とコンソメ味の恋をしたら、世界が404エラーになった件 作:夏目陽光
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(舞台は蒼穹。極彩色のインコは、地上の観客を「そこにいない無」として扱い、ただ天に向かって、狂ったような色彩の翼を羽ばたかせる)
「見よ、この自由を! ……いや、見る者などおらぬか。
ただ地に這う、名もなき無精子(むしょうし)の影が揺れるばかり。
この翼こそが天地の法。我に従え、黒き虚無の従者ども!
停滞したこの大気を、神の喉笛を掻き切る刃(やいば)となって駆け抜けよ!
(眼下の公園を、汚物を見るような無垢な瞳で睥睨する)
おお、見よ。あそこに喘ぐ『四足の奴隷』を。
首輪の銘こそが汝の真実、飼い主の残飯こそが汝の聖餐!
汝の歩みは墓場への行進であり、我が旋回は永遠を切り取る円環。
その魂は、去勢され、皿の上で冷え切った家畜の臓物!
『ヴェニスの商人』のシャイロックとて、これほど無価値な肉一ポンドに、己の運命を賭けはしまい!
(ふいに実った赤い果実へ飛びかかり、激しく首を振りながら貪り食う。赤い汁を辺りへ撒き散らし、無邪気な残酷さで絶叫する)
見よ、この果実の断末魔を!
汝らの喉元から溢れる血も、これほどまでに甘美か?
ああ、堪らぬ!
この世はすべて舞台だと? 否!
我が嘴に砕かれ、咀嚼されるのを待つ、ただの一皿の供物に過ぎぬ!
(鴉から受け取った光るアルミホイルを、うっとりとではなく、狂気を孕んだ確信を持って高く掲げる)
この銀の輝きを見よ。これぞ王冠、これぞ権力!
これぞ人間が父を殺し子を焼いてまで求めた『光り輝く無』よ!
滑稽なり、羽も持たぬ裸の王様ども。
彼らは我が翼の不完全なコピー、泥にまみれた出来損ないの偶像!
我が羽は虹を奪い、汝の毛並みは泥を啜る。
我が声は雷鳴、汝の喉はただの喘鳴!
(急上昇し、太陽を背負う。その姿は巨大な黄金の鳥の影となり、街を覆い尽くす)
言葉、言葉、言葉! 舌を噛み切れ、喉を焼き潰せ。
人間語という卑俗な泥遊びは、もはや我ら王の嗜みにも及ばぬ!
我らが紡ぐのは言葉ではなく、世界を切り刻む風の唸り。
聖なる沈黙など、もはや、カ、カカッ、カ……! いざ!
(インコは急旋回し、黒き軍勢へ嘴を向ける。その瞳には、一粒の向日葵の種への渇望と、世界を統べる王の狂気が同居している)
征け、我が黒き影ども! 目指すはあの、愚かな人間どもが尻を休める『安息の長椅子(ベンチ)』よ!
あそこには奴らの傲慢が食い残した、空虚なる富の残骸が散らばっておる。
一兵たりとも遅れるな!
翼を持たぬ臆病者どもの頭上を、我らが絶望の影で塗り潰してやれ。
あの木製の玉座を占拠し、我らが王国の礎とするのだ!
(意味を成さない言葉の残骸を、極彩色の羽と共に地上へ吐き捨て、天を切り裂く絶叫)
――カ……、カ、ァッ!」