⦅未完⦆【祝・可愛い賞】ゴミ山の上の極彩&三島由紀夫とコンソメ味の恋をしたら、世界が404エラーになった件 作:夏目陽光
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「(溢れんばかりの緋色、萌葱色、瑠璃色の羽を、黒死病の如き鴉の群れの中で誇示し、ペリットを吐き捨てて)
昇れ、空の酔いどれめ! その黄金の垢を、この極彩色の祭壇に塗りたくれ。
霧を剥ぎ、暴け! 黒き僕(しもべ)どもの死臭を、我が羽の輝きで焼き殺してやる。
(自らの瑠璃色の羽を一本、残酷に引き抜き、溢れる血を眺めて笑う)
黙れ、食客(ノミ)ども。この燃えるような萌葱(もえぎ)の血も、
砂時計の最後の一粒が落ちる頃には、煤(すす)けた暗闇に呑まれる毒よ。
(一羽の鴉が、足元に酸っぱい木の実を差し出す。インコはそれを一瞥し、冷酷に言葉を続ける)
さらばだ、この『鴉の巣』。シロアリに食い荒らされた、枯れ木の骸(むくろ)よ。
天の冷笑家(かみ)よ、見ておいでか。この悍(おぞ)ましき見世物(ショウ)の主役は――
(不意に、足元の実の芳香が鼻腔を突き、首が勝手な角度で傾ぐ。無意識に実を掴み、夢中で齧り、果汁を撒き散らす。……ハッと我に返り、嘴を拭う)
……チッ、甘美なる毒め! この肉の空洞(うつろ)で鞭を打つ高利貸しを、一瞬でも黙らせたか。
(インコは、冷気を切り裂くように電信柱の頂へと飛び移り、眼下の街を睥睨する)
見よ、下賤なる定住民(にんげん)どもが築きし、この不浄の盛り土を!
青き網の牢獄に閉じ込められし、我らが『生の残滓(のこりかす)』が、
夜明けの露に濡れ、甘美なる腐敗の芳香を放っておる。
存在の重み? 魂の行方? そんな贅言(ぜいげん)は、肥溜めのドブネズミに食わせろ。
我らが求むは、陽光に炙り出された鉄の匂い。
昨日まで跳ねていた心臓が、影を伸ばす速さで、今、砂に還る!
(インコは不意に首を180度回転させ、背後に控える黒き影――鴉の群れを鋭く睨む)
行け、我が黒き爪先(つまさき)ども!
あの青き網を、嫉妬に狂う情婦の指先のごとく引き裂け!
なぜ私はこの羽を毟る? 臆病を隠すためか? 否、思索は死(くさ)りゆくペリットと共に干からびよ!
(鴉たちが一斉に舞い降り、網を食い破る狂乱を眺めながら、極彩色の翼を広げ急降下する)
行かん。すべてが塵に帰る前に。
奪え、奪い尽くせ。この嘴の届く限りの生を、この輝きで蹂躙してやる。
聖なる沈黙など、もはや――
(喉の奥で、美しいさえずりが、濁った捕食者の咆哮へと反転する)
は、ははっ! 踊れ、踊れ、黒き従僕ども。
脂ぎった肉の骨、萎びた果実の皮、それらすべてが今や我らが王国の宝だ。
(一羽の鴉が、網の隙間から手に入れた『銀色のアルミ箔に包まれたパン屑』を運び上げ、インコの足元に捧げる。インコはそれを一瞥し、無造作に嘴で突き崩す)
これだ、この鉄を舐めるような冷たき感触!
昨日まで温かな炉端で語られていた平和など、この一撃で砂に帰してやる。
人間の良識という名の薄汚きカーテンを、我らが嘴でズタズタに切り裂き、
その内側にある『空虚』を、この極彩色の輝きで照らし出してくれよう。
(路地の奥で、窓が開く音。人間の怒鳴り声。鴉たちが一瞬怯むが、インコは緋色の翼を大きく広げ、威嚇するように叫ぶ)
騒ぐな、地を這う無能どもめ!
この朝の光を汚し、汚泥の中より生を毟り取ることこそ、我らが天命。
奪え、奪い尽くせ! 網の底に眠る最後の一片(ひとひら)まで。
聖なる沈黙など、もはや――
(人間が投げつけた空き缶が、電信柱を叩き、金属音が響く。インコは嘲笑を浮かべながら、黒き軍勢を率いて一気に急降下する)
――カ……、カ、ァッ!」