遊戯王ARC-V DIMENSIONAL WARS 作:白銀蟷螂
森の中を黄色い服を着た男性が疾走していた。
彼の名は三沢大地。
アカデミアに所属していた元ラーイエロー兵である脱走兵だ。
「もう少しだ。ここを突破すればアカデミアの包囲網を抜けることができる!」
次の瞬間、光線状の鞭デュエルアンカーが三沢の手に絡みついた。
「逃がさないよ、三沢先輩」
好戦的な笑みを浮かべながら姿を現したのは早乙女レイ。
脱走兵追跡部隊『
「読み通りでしたね。流石ですわ、隊長」
部下の一人である浜口ももえがお淑やかな口調で言った。
「早乙女隊長、あんな男、さっさとカード化してやりましょう」
同じく部下である枕田ジュンコがそう進言する。
「秀才なんて呼ばれていたけれど、所詮あなたはラーイエロー止まり。三沢先輩の考える逃走ルートなんてボクには手に取るように分かったよ」
愉快そうな口調で早乙女レイが告げる。
彼女はオベリスクブルー兵の中でも紫雲院素良、万丈目準と並ぶエリートだ。
「やめるんだ、レイ! 君がこんなことをすることは十代だって望んでいない!」
その言葉を聞いて早乙女レイの表情から笑顔が消えた。
「……あなたごときが十代様を語らないで」
不快感を露わにしながらデュエルディスクを起動。
剣の形状をしたカードプレートが展開される。
「くっ、やるしかないのか」
三沢がこの場から離脱するためにはデュエルで勝利する以外の道はなかった。
MISAWA / LP4000
VS
REI / LP4000
「「決闘!!」」
先攻をとったのは三沢だった。
「俺のターン!《ライトウォーター・ドラゴン》を召喚」
《ライトウォーター・ドラゴン》
効果モンスター
星4/水属性/海竜族/攻1400/守1300
このカード名はルール上「ウォーター・ドラゴン」として扱う。
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードを除外して発動できる。
デッキからレベル5以下の水・風属性の恐竜族モンスター3体を守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は恐竜族・海竜族モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
「《ライトウォーター・ドラゴン》を除外することで、デッキから《オキシゲドン》と《デューテリオン》二体を特殊召喚する!」
《オキシゲドン》
効果モンスター
星4/風属性/恐竜族/攻1800/守 800
(1):このカードが炎族モンスターとの戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
お互いに800ダメージを受ける。
《デューテリオン》
効果モンスター
星5/水属性/恐竜族/攻2000/守1400
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズにこのカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「ボンディング」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、
自分の墓地の「ハイドロゲドン」「オキシゲドン」「デューテリオン」のいずれか1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
《デューテリオン》
効果モンスター
星5/水属性/恐竜族/攻2000/守1400
「そして魔法カード《ボンディング-D2O》発動!」
《ボンディング-D2O》
通常魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の手札・フィールドの「デューテリオン」2体と「オキシゲドン」1体をリリースして発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「ウォーター・ドラゴン」または「ウォーター・ドラゴン-クラスター」1体を選んで「ボンディング-H2O」の効果扱いとして特殊召喚する。
(2):このカードが墓地に存在し、「ウォーター・ドラゴン」または「ウォーター・ドラゴン-クラスター」がフィールドから自分の墓地へ送られた場合に発動する。
墓地のこのカードを手札に戻す。
「《オキシゲドン》と《デューテリオン》二体をリリースしてデッキから《ウォーター・ドラゴン-クラスター》を特殊召喚する!!」
《ウォーター・ドラゴン-クラスター》
特殊召喚・効果モンスター
星10/水属性/海竜族/攻2800/守2600
このカードは通常召喚できない。
「ボンディング」魔法・罠カードの効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
相手フィールドの効果モンスターはターン終了時まで、攻撃力が0になり、効果を発動できない。
(2):このカードをリリースして発動できる。
手札・デッキから「ウォーター・ドラゴン」2体を召喚条件を無視して守備表示で特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
「カードを二枚セットしてターンエンド」
伏せたカードは《破壊輪》と《魔法の筒》。
最上級モンスターと強力な罠カードで盤面を固める。
「ボクのターン、ドロー。魔法カード《心変わり》発動」
《心変わり》
通常魔法
(1):相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る。
「《ウォーター・ドラゴン-クラスター》のコントロールを貰うよ」
「そうはさせない!《ウォーター・ドラゴン-クラスター》の効果発動! 自身をリリースすることでデッキから《ウォーター・ドラゴン》二体を守備表示で特殊召喚!」
《ウォーター・ドラゴン》
特殊召喚・効果モンスター
星8/水属性/海竜族/攻2800/守2600
このカードは通常召喚できず、「ボンディング-H2O」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、フィールドの炎属性モンスター及び炎族モンスターの攻撃力は0になる。
(2):このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地の「ハイドロゲドン」2体と「オキシゲドン」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
《ウォーター・ドラゴン》
特殊召喚・効果モンスター
星8/水属性/海竜族/攻2800/守2600」
「それならボクは《古代の機械猟犬》を召喚」
《古代の機械猟犬》
効果モンスター
星3/地属性/機械族/攻1000/守1000
(1):このカードが召喚した場合に発動する。
相手に600ダメージを与える。
(2):このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
(3):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、「アンティーク・ギア」融合モンスター1体を融合召喚する。
「このカードが召喚に成功した時、相手に600ポイントのダメージを与える」
MISAWA LP3400
「罠カード《破壊輪》を発動!」
《破壊輪》
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手ターンに、相手LPの数値以下の攻撃力を持つ相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その表側表示モンスターを破壊し、自分はそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。
その後、自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える。
「《古代の機械猟犬》を破壊して互いにその攻撃力分のダメージを受ける!」
MISAWA LP2400
REI LP3000
「《古代の機械猟犬》の効果による融合を警戒したんだろうけど、その程度でボクは止められないよ。《古代の機械像》を特殊召喚」
《古代の機械像》
効果モンスター
星2/地属性/機械族/攻 500/守 800
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、
(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードをリリースして発動できる。
「古代の機械像」を除く、「古代の機械巨人」またはそのカード名が記されたモンスター1体を手札・デッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。
「《古代の機械像》をリリースして《古代の機械巨人》を特殊召喚!」
《古代の機械巨人》
効果モンスター
星8/地属性/機械族/攻3000/守3000
このカードは特殊召喚できない。
(1):このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
「そして魔法カード《古代の機械融合》を発動!」
《古代の機械融合》
通常魔法
(1):自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、「アンティーク・ギア」融合モンスター1体を融合召喚する。
自分フィールドの、「古代の機械巨人」または「古代の機械巨人-アルティメット・パウンド」を融合素材とする場合、自分のデッキのモンスターも融合素材とする事ができる。
「いにしえの魂受け継ぎし機械仕掛けの猟犬どもよ! その10の首混じり合わせ混沌にして絶大なる力とならん! 融合召喚! 現れろ! レベル10! この世の全てを形無き混沌に帰す 究極破壊神!《古代の機械混沌巨人》!!」
《古代の機械混沌巨人》
融合・効果モンスター
星10/闇属性/機械族/攻4500/守3000
「アンティーク・ギア」モンスター×4
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードは魔法・罠カードの効果を受けず、相手はバトルフェイズ中にモンスターの効果を発動できない。
(2):このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃でき、守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
「バトル!《古代の機械混沌巨人》で《ウォーター・ドラゴン》を攻撃!」
MISAWA LP500
「二体目の《ウォーター・ドラゴン》に攻撃! クラッシュ・オブ・ダークネス!!」
MISAWA LP0
リアルソリッドビジョンの衝撃によって三沢の身体が宙を舞った。
「……ここまでか。だが俺は自分の選択を後悔はしてない。今のアカデミアは間違っている」
地面に転がる三沢に向けて早乙女レイがデュエルディスクから紫色の光線を照射。
それを浴びた三沢の体は崩れた後、一枚のカードとなった。
「素晴らしいデュエルでしたわ、早乙女隊長。アークエリア・プロジェクトの崇高さを理解できない男などカード化されて当然ですわ」
カードになった三沢大地を浜口ももえが嘲笑する。
「……その、隊長は今でも遊城十代のことを慕っているようですが、カード化するのに抵抗はないんですか」
一方で枕田ジュンコは複雑な心境であった。
以前は親しかった人間をカード化するというのは彼女にとっても他人事ではない。
脱走兵となった天上院明日香はジュンコの友人だった。
カード化することに全く躊躇がないと言えば嘘になる。
「カード化した人間はアークエリア・プロジェクトの燃料として使用される。だけどプロフェッサーセレナは約束してくれた。カードにした十代様をボクにくれるって。カード化してしまえば十代様はもうボクから離れることはできない」
「ひっ!」
ジュンコは腰を抜かして転倒。
失禁して下着を黄色く染めながら地面に水溜まりをつくる。
「だから必ずデュエルに勝って十代様をカード化する」
早乙女レイは頬を赤く染めながら笑顔で宣言する。
「恋する乙女は強いのよ」
その瞳には狂気が宿っていた。