真女神転生VV二次創作 牛蛇相克   作:dwwyakata@2024

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妖精の楽園を守り、ミヤズをエイシェトから救って、それから。

煌は妖精の楽園の安全を確保すべく、空いた時間で周辺の安全管理に努めていました。

そこにギリシャ神話のあの神が接触してくることになります。





大戦前のひととき
序、ギリシャの神々


まだ四人、動かせない。彼らを救助するまでは、楽園にとどまってほしい。それまでにはフィアナ騎士団の戦力を整え、フィンも負傷から回復する。

 

そういう話を受けて、煌は楽園周辺の敵対勢力を排除して回っていた。

 

これは越水長官からの依頼でもある。

 

現時点で、ツバメさん。

 

十九代目葛葉ライドウに東京に引き上げてきて貰い、守りを固めている。同時に、正式にベテル本部からの通達が来た。

 

仕掛けるつもりらしい。

 

ただ、それには時間が掛かる。

 

現在、ギリシャ、北欧、エジプトの各支部が戦力を整えているらしい。ベテル本部が主軸になるとして、他にも日本支部も戦力を出すそうだが。

 

案の定足並みがそろっておらず、準備に時間が掛かっているとか。

 

東京駅近辺にいる混沌の悪魔達の勢力も相当な数に達するそうで。

 

まだまだ混沌の勢力は衰えていない事を見せつけているいう。

 

そして、越水長官としては。

 

この機に、味方を少しでも増やしたいらしい。

 

煌がフィアナ騎士団とフィンから信頼されているのは好ましいと、越水長官は言っていた。

 

確かにフィンの武勇。

 

日本側で味方につけることが出来れば、これ以上ないほど心強い。

 

それより上が幾らでもいる世界だとしても。

 

あれほどの使い手が味方にいれば、確かに大変に心強くはあるだろう。

 

楽園の方は、煌の他にはユヅルとイチロウが交代で守っている。たまにヨーコも来ているが、基本的に誰とも話さない。タオは負傷者の回復のために毎日通っていて。疲れ果てると帰っているようだった。

 

たまにタオとヨーコが話しているのを見るが。

 

ヨーコは、多少はタオを見直したらしいが。相変わらず厳しい意見ばかりを口にしている。

 

ただでさえ内実が腐っているという話の聖マリナ女学院とやらで、これははっきりいって孤立していただろうなと煌は思う。

 

ただ、孤立したところで、あれだけの女傑だ。

 

何も問題にもしなかっただろうが。

 

ともかく、今日は少し遠出だ。

 

ビル街の中に、巨大な象の悪魔がいる。前々から問題視されていた厄介な悪魔である。

 

インド神話の魔象ギリメカラ。

 

インド神話の魔王マーラの騎乗存在である。

 

フィアナ騎士団も何回か討伐をしたようなのだけれども、体格といい、何より弓矢も剣も通じないらしい。

 

妖精達の魔法では非力すぎるし、フィンの魔法は専門ではない。

 

それもあって、煌に手助けしてほしいと話が来たのだ。

 

坂を下りながら、手をかざして確認する。

 

いる。

 

二本足で立って歩いている、一つ目の黒い縞模様の象。

 

あれがギリメカラか。

 

釈迦の前に出た瞬間、膝を折って降伏したという設定があるのだが。それはそれとして、なかなかに巨大。ビル並みの大きさがある。

 

ギリメカラと言っても分霊体を多数魔界で確認できるらしく、インド神話の勢力が斥候として派遣しているそうだが。

 

あれは特別に強力な個体であり。

 

この辺りで、インド神話系の勢力がくさびを打ち込み、監視をするために配置している存在であるらしい。

 

ともかく、放置は出来ないか。

 

先に軍用無線で連絡を入れておく。連絡に出たのはイチロウだった。

 

「これからターゲットに仕掛ける。 そちらは何か起きているか」

 

「いや、特にないな。 今可成に剣の稽古をつけて貰っているんだ。 身体能力がなんぼあっても、剣も銃も使えないんじゃ話になんねえって言われてな。 それで、一から仕込んで貰ってる」

 

「それは良かった。 必ず役に立つはずだ」

 

「おう。 もっと戦力になってみせる!」

 

イチロウのモチベは高いな。

 

今、ライフルを使う訓練をしているようである。

 

森可成も、火縄銃……先込め式マスケットが普及し始めた時代の人間だ。火縄銃の扱いは出来るだろうし、ライフルも扱えるだろう。

 

イチロウは師匠をほしがっていたからちょうど良い。

 

森可成は厳しい人物だから、徹底的にイチロウを鍛えるだろうし。イチロウはそれに答えるポテンシャルを開花しつつあるようだ。

 

いずれにしても、イチロウは自己評価よりずっと出来るようになっている。

 

イチロウのポテンシャルを低く抑えていたのは、やはりろくでもない家庭環境だということを考えると。

 

ある意味、イチロウは運がなかったのかも知れない。

 

だが、運が向いてきた。

 

後は変な輩に見込まれなければ、きっと大成できるはずだ。

 

さて、それはそれとして。

 

周囲を見回している一つ目の巨象を、斜め上から見下ろす。周囲に雑多な悪魔がいるが、それを手にしている剣で切り払い、マガツヒを吸収している。なるほど、見張りというだけじゃない。

 

いざという時は、あれが楽園に侵攻してくる訳だ。

 

確かにフィンが対処をしたいと考えるわけである。

 

「おっきいねえあれ」

 

「ああ、そうだな」

 

わーが具現化して、ギリメカラに喜んでいる。

 

煌としてはあれをどう倒すか今考え中だ。

 

悪魔の中には特定の攻撃が通用しないタイプがいる。恐らくは、ギリメカラもその一種。物理攻撃そのものが通らないのかも知れない。

 

だとするとホウキを倒した時のような、重力で倒すのも厳しいだろう。

 

考え込んでいると、側に気配。

 

振り返ると、なんだかとてもかっこいい鎧をスタイリッシュに着こなした女性が立っていた。

 

とてもりりしい雰囲気だ。

 

「あの魔象と戦うつもりか」

 

「貴方は」

 

「私は女神アルテミス」

 

「!」

 

アルテミス。煌としても警戒せざるを得ない相手だ。

 

極めて残虐な性格を持つ狩りの女神で、処女神という設定とは裏腹に非常に危険な相手である。

 

一神教などでも悪魔扱いされることがあったようだが、確かに不幸な狩人を猟犬の餌にさせたようなエピソードを聞くと、煌としても警戒せざるを得ない。

 

咳払いすると、アルテミスは言う。

 

「警戒されているのは分かる。 私の逸話から考えて当然だろうな」

 

「ああ。 それで何用か」

 

「私はあまり頭が良くないのでな。 隠すのは難しそうだし、単刀直入に言う。 公認スパイとなって、君の監視をしたい」

 

「……」

 

随分とまた、はっきり言うものだ。

 

煌も少し呆れたが、アルテミスは続ける。

 

ゼウスが、煌に着目していると。

 

アルテミスを監視役につけたがっていると。

 

勿論、アルテミスとしても最大限の助力をする。最悪、ゼウスは自分と戦うことになっても構わないと言っていたそうだ。

 

「ある程度の動向は父に情報を流すが、戦いに関しては貴方の背中を刺すような真似も、手を抜くこともしないと約束しよう」

 

「煌、判断は難しい。 此処で倒すのも手だ」

 

アオガミが言う。

 

確かにアルテミスほどの高名な神格となると、従えられるのは非常に大きい。しかも見たところ、今の煌よりも少し実力は上。

 

これで眷属となってくれるのは破格だ。

 

公認スパイというのも、古くからある話であり。

 

戦争を引き起こさないためにも、懐に公認スパイを受け入れることは良くある事だった。

 

例えば政略結婚などはそうだ。

 

古い時代の政略結婚は、外交官兼公認スパイを受け入れることを意味していた。勿論本当に愛があった場合もあるだろうが。

 

基本的には、互いの勢力に対する背信を防ぐために、政略結婚が行われ。

 

嫁ぐ者は、それを仕事と割り切っていたのである。

 

個人の自由よりも国の全体的な利益を優先しての行動だったのだ。そういう観点では、ゼウスという強大な相手に対する公認スパイを抱えるのは、判断は悪くない。

 

「分かった。 ただし戦闘で手を抜いていると判断したら、契約を解除させて貰う」

 

「了解だ。 それであのデカブツだが……」

 

「まずは契約から」

 

「アッハイ」

 

意外とポンだなこの女神。

 

見たところ、りりしい姿ではあるのだが。文字通りの脳筋としかいえないような性格なのかも知れない。

 

本当にだますのを無理だと判断して、正直に話をしてきた可能性もある。

 

それにしてもゼウスが目をつけている。

 

アルテミスの様子からしてそうなのだろうが、ナホビノとは何者だ。短期間でこれだけの力がついていることからも、ただの神魔と合一しただけの存在ではないだろう。何か、大きな秘密がある。

 

それについては、これから調べておかなければならない。

 

契約書をろくに読みもしないで拇印を押そうとするので、アルテミスにちょっと待ったと慌てて悪魔達が突っ込みを入れる。

 

そして首をすくめたアルテミスに、鬼の形相で那須与一が契約をする時はしっかり全文に目を通せと説教までしている。

 

鬼やトロールまで呆れているのをみて、煌はなんとも言えない気分になったが。

 

半泣きのアルテミスが契約書をちゃんと読んで。しかも読んでいる途中にうつらうつらしそうになっているのを見て、本気で心配になってきた。

 

この女神、ポンを通り越してアホの子なのではあるまいか。

 

ともかく、契約を交わして、眷属になって貰う。

 

なるほど、肉弾戦が得意だが。冷気の魔法も使えるのか。

 

ならば好都合だ。

 

作戦を立てて、仕掛ける。

 

ギリメカラはクレーターのようになっている地形を巣穴にしているようである。そこなら、確かに奇襲を防ぐのは簡単だ。

 

しかし、その地形であれば。

 

攻略は可能である。

 

ギリメカラが座り込んで、剣の手入れを始めた。

 

全員が配置についたところで、攻撃開始。

 

まずはクレーターの内部に、マーメイドが大量の水を流し込み始める。それで、ギリメカラが慌てて立ち上がっていた。

 

「な、なんじゃ! わしの家が水浸しになりそうだぞ!」

 

そのまま水を大量に流し込む。

 

物理攻撃が通じないとしても、この状況ならどうか。水は比重が重く、一立方mで一トンにも達する。

 

風呂桶に水を入れて運ぶのが極めて難しいのは、それが理由だ。

 

あわあわと慌てているギリメカラ。大量の水を展開した後、マーメイドは至近から、歌声を浴びせる。

 

更には、周囲に展開したアプサラスとアルテミスが、連携して冷気の魔法をたたき込む。一気に胸当たりまで水につかっていたギリメカラが、巣穴ごと凍り付く。其処に、煌が直前まで詠唱していた、大火力の雷撃をたたき込んでいた。

 

凄まじい絶叫を挙げるギリメカラ。

 

更に水をマーメイドが流し込み、氷の魔法を連続して浴びせる。那須与一は、ギリメカラが暴れて振り回す剣を、何度も狙撃。

 

それによって、剣がマーメイドを襲うのを防ぐ。

 

だが、巨体だ。

 

氷を無理矢理ぶち割って、這い出してこようとする。

 

何度目かの大火力雷撃を入れるが、それでもまだ厳しいか。

 

更に水を流し込み。

 

凄まじい冷気をたたき込んで、立て続けに凍らせる。

 

だが、ギリメカラもやられっぱなしではない。

 

マーメイドの歌声で何度も落ちそうになりながらも、それでも根性で起きては、また暴れる。

 

それだけじゃない。

 

かっと叫ぶと、辺り全部を派手になぎ払っていた。

 

煌も含めて、皆吹っ飛ばされる。

 

アルテミスはかろうじて立っていたが、マーメイドとアプサラスは消し飛んでしまった。流石の巨体からのパワーだ。とんでもない。

 

煌は跳ね起きると、回復の魔法を自身に掛ける。倒された悪魔達の代わりに、壁役の眷属を展開。

 

バキバキに砕けた氷に下半身を封じられ、継続的に大きな打撃を受けても、まだまだギリメカラは余裕の様子で。

 

手にしている巨大な曲刀を振り回してくる。

 

トロールが体で一瞬止めるが、文字通り一瞬しか止められない。

 

体が大きすぎるのだ。

 

鬼が金棒で曲刀を殴りつけるが、一瞬で吹っ飛ばされていた。

 

塗り壁が行く。

 

体に曲刀が食い込むが、自身が壁となる塗り壁だ。曲刀をそのまま受け止め、体を切り裂かれながらも、数秒食い止める。

 

その間に煌はアルテミスとともに、連続して雷撃と冷気をたたき込む。ギリメカラがぐらつく。

 

そこに、ダメ押しのジャターユと、天使部隊に出て貰う。

 

天使部隊が上空から連続して光の力をたたき込み。

 

これが明確に効く。

 

目を閉じて呻くギリメカラの巨大な刀を、ジャターユがつかむと、上空に引っ張り上げる。

 

「ああ、わしのシャムシエルが! おまえさんジャターユだな! 老人をよってたかっていじめて楽しいか!」

 

「悪いがおまえさんはか弱い老人ではないのでな。 それに私も老人だ」

 

「そ、そういえばそうじゃった!」

 

「とどめを!」

 

煌は頷くと、試す。

 

力を収束させ、突貫。

 

曲刀を諦めて手を離したギリメカラが、両手で叩き潰そうとしてくるが。それより早く、全速力で突貫。

 

アルテミスが、それに併せて、冷気で霧を作り出し、ギリメカラの視界を潰す。

 

ギリメカラがばんと手を合わせて潰しに来たが。塗り壁が。その手の間に入って、1秒半だけ稼いだ。

 

塗り壁が押しつぶされる瞬間に。巨大な手の間を抜け。

 

ギリメカラの目に、既に煌は肉薄していた。

 

光の力を手刀に収束。

 

目を一息に貫く。

 

凄まじい悲鳴が上がって。ギリメカラの内側から、光がほとばしる。

 

手を神剣そのものと化す大技。

 

そしてその力は光そのものであり、闇の権化であるギリメカラにはてきめん。ただし、巨体だ。

 

目を確実に潰せるタイミング以外では、仕掛けられなかった。

 

「お、おのれ、老人をいじめたこと、後悔するぞ! のぎゃああああああああっ!」

 

爆散。

 

ギリメカラが吹っ飛び、膨大なマガツヒが降ってくる。

 

悪魔達の被害は甚大だ。すぐに回復の力を天使達にも使って貰う。ジャターユには、即座に実体化を解除して貰った。

 

「勇敢で荒々しい戦い方だ。 女のような顔をしているのに、想像以上にたくましいな!」

 

「顔はあまり関係がないと思う」

 

「そうか! だが気に入ったぞ!」

 

アルテミスの何も考えていない様子が、色々と煌には頭が痛い。

 

眷属にしてみて分かったが、アルテミスは本来の状態じゃない。ひょっとするとローマ神話の神格の影響でも受けているのか。

 

アルテミスのローマ神話での対応神格はディアナ、或いはダイアナである。

 

これはアルテミスと同じような狩りの女神だが、同時に純潔を代表し、更には女性の出産を助ける神でもある。

 

いずれにしてもローマ神話によってお行儀が良くなり、ギリシャ神話時代のような冷酷な残虐女神ではなくなったのだが。

 

ともあれ、回復のために戻る。

 

戻る途中で、視線を感じた。

 

アオガミが警告してくるが。

 

そいつは、その警告が終わらぬうちに、姿を見せる。

 

子供のような背格好の、幼い姿の女神だ。頭に月桂樹のものらしい冠を身につけ、手には稲穂を持っている。

 

衣装はいわゆるトーガにサンダルであり、ギリシャ系の神格に見えるが。

 

「おぞましい邪悪な象を退治されましたわね。 ハーヴェスト! 実に素晴らしい稲穂ですわ。 私からの祝福です。 素直に受け取ってくださいまし」

 

降り注ぐ回復の力。小柄な女神が使った魔法の力だ。

 

これは、タオと同等か、それ以上ではないのか。

 

実体化を解除したアルテミスが告げてくる。

 

デメテル様だと。

 

デメテル。オリンポス十二神の一角であり、ゼウスの姉の一人。豊穣を司る、かなりの大物神格だ。

 

「ありがとう、かなり楽になった。 僕は夏目煌。 それで、何か用だろうか」

 

「ふふふ、煌様というのですね。 貴方を見込んで頼みがありますわ。 私は豊穣の神デメテル。 私はこの砂漠だらけの魔界を、豊かな沃野にするのが使命ですの。 あの妖精達の園のように」

 

「それは素晴らしい事だが、それならばこの辺りから沃野にしていってはどうだろうか。 悪魔達の性格も少しはおとなしくなるのでは」

 

「ノンノン、そうは行きませんでしてよ。 この辺りの沃野を狙う恐ろしい魔王がいますの。 まずはそういった邪悪な存在を打ち倒すことからですのよ。 残念ながら私には其処までの力はありません。 回復と守りに特化したのが私ですから」

 

それはどうだろうか。

 

そもそもデメテルは、ギリシャ神話における大戦であるティタノマキアやギガノトマキアでも、他のオリンポスの神々とともに戦っているはずだ。

 

具体的な戦闘の描写に関しては後代の文献によるものが主体だが、それも含めてギリシャ神話である。

 

少なくともか弱い神などではあり得ない。

 

ただ、帰る途中に襲われると厳しい状態だったのも事実だ。

 

話だけは聞くことにする。

 

ただアルテミスがやたらに警戒しているのも事実だが。

 

「具体的に魔王というのは何者で、どこにいるのか」

 

「ハーヴェスト! きちんと退治する決意はあるのですね! 素晴らしいですわ!」

 

「褒めてくれるのはありがたいのだが、それは何者で、どこにいるのか説明してほしい」

 

「分かりましたわ。 思念を送りましてよ」

 

即座に場所が送られてくる。テレパシー程度、お手の物と言う訳だ。

 

映像には覚えがある。天王洲アイル近くの首都高残骸付近か。近くに山がそそり立っていて、通る時にこんなに地形がおかしくなったのかと困惑した記憶がある。其処にちょうど降臨したところだという。

 

そして、悪魔の名前はベルフェゴール。そう聞いて、思わず無言になる。

 

かなりの高名悪魔だ。一時期七つの大罪に数えられていたこともある大物。近年ではトイレに座る悪魔のイメージが強いが、古くは姿は一定していなかったそうである。

 

そしてこの悪魔の特徴は、一神教で徹底的に嫌われた存在。中東で崇拝された多数の神々。つまりバアルの一角だったということである。

 

バアルというとカナンの主神が有名だが、実際には中東にてあがめられたあまたの神々の事だ。古くには中東では日本で神様というくらいの感覚で、「バアル」という言葉が使われていた。

 

一神教は古くは中東のローカル信仰であったから、周囲のバアルは全て敵だった。カナンの主神バアルは、一神教に影響を大きく与えた存在でもあり、余計に敵として排斥しなければならなかった。よって、一神教は念入りにバアルを、いやバアル達を片っ端から悪魔に貶めた。実は大物天使の多くも元はバアルであり、何より一神教の神すらも本来はバアルの一柱だったのだが。ともかく、そうして貶められたバアルの一人が、ベルフェゴールだ。

 

これは厄介な相手だ。もしも楽園を狙っているのだとすると、確かに倒さなければならないだろう。

 

まず、無線で連絡を取る。

 

一度戻ってから、フィンと相談する必要もあるだろう。

 

「頑張って倒してくださいまし。 若き稲穂よ」

 

「善処する」

 

さて、厄介だ。

 

出来ればユヅルやイチロウ、タオの力も借りたい。ただ、デメテルの思惑が読めないこともある。

 

うかつには、動けなかった。







※ギリメカラ

スリランカで悪魔化されたインド神話の象です。仏教ではマーラ様の乗り物として知られていて、仏陀の前に出た瞬間膝を突いて降伏するというとても情けない逸話が知られています。

メガテンでは常連のオートキラー。毎回物理攻撃を反射する能力持ちで、特に悪魔の正体が最初分からないSJ系統では本当に危険な相手でした。姿は二本足で立っているタイプと四つ足の普通の象のパターンがありますが、基本的には一つ目のしましまの象ですね。

真Vでも登場しましたが、首をじょうろにされるという素敵な扱い……

更には真VVでマーラ様との間に追加された悪魔会話は爆笑ものであり、スタッフからの愛が感じ取れます。


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