真女神転生VV二次創作 牛蛇相克   作:dwwyakata@2024

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橋頭堡の確保作戦は成功。

これで一旦は大丈夫。

今度は東京で起きている問題に対処です。

手数が足りないのです。とにかく絶対的に。煌くんの苦労は続きます。





2、我が物顔で荒らす者

近年は反社に加担しているような若者を輩というらしいが、それが逃げ散っている。たまり場にしていた路地裏で何かがあったのだ。血の臭いがしている。

 

化け物。

 

そう叫んでいるやつもいた。一人は腕を食いちぎられているようだった。

 

興奮して喚いているそいつを、即座に取り押さえるミヤズ。

 

身体能力が上がっているのが分かる。

 

それどころか、即座に治療を始める。

 

煌はイチロウと即座に路地裏に。

 

其処には、今食いちぎった腕を咀嚼している、背が高い人型がいた。だが、それは人型なだけだ。

 

イチロウが恐怖の声を上げた。

 

振り返ったそいつは、体の前面が全部口になっていて、顔には申し訳程度に目鼻がついているだけだった。

 

全裸だが、これはもう。

 

人間型でありながら、人間型とは言えない。

 

即座に眷属を展開する。ミヤズは輩であろうと助けるつもりのようだ。警察が来るまでに瞬殺するしかない。

 

ヨーコは路地裏の逆側に回り込んでいる。

 

イチロウに召喚された森可成が、槍を構えて突貫する。

 

煌はそれを見つつ、即時で合一。壁を斜めに蹴って上空へ。

 

森可成に文字通り全身の口でかぶりつこうとした悪魔に、上空から雷撃をたたき込みつつ。

 

怯んだところに、森可成が気合いとともに槍をたたき込み。

 

煌も頭上から蹴りをたたき込んでいた。

 

地面にめり込む悪魔。

 

アスファルトが砕けて、悪魔も消えていく。だが、同じ悪魔が、数体。周囲から、迫ってくる。

 

今倒した悪魔から、情報を得る。

 

悪霊ピシャーチャ。

 

人肉を食うとか、姿を見ると死ぬとか言われる悪しき存在で、インド神話では度々邪悪な存在として出現する。

 

仏教では調伏されて護法神になっていることもあるようだが。

 

これは明らかに、インド神話系の調伏されていない奴だろう。

 

イチロウが生唾を飲み込む。

 

「イチロウ、まだミヤズさんは肉弾戦がそれほど出来ない。 中距離を保ってくれ」

 

「おう。 フォルネウス、ミヤズさんを頼む!」

 

「任せておけ。 お嬢ちゃんは話していて楽しいし、わしが守り抜くでな」

 

そうかそうか。

 

ミヤズが悪魔ととても丁寧に喋っているのを時々見る。

 

実際問題、あまり人によって態度を変えないのだろう。

 

機嫌や自分の感情で他人に対して態度を変える人間が大多数である事を考えると、ミヤズは立派だ。

 

三方向から、ピシャーチャが襲いかかってくる。

 

イチロウの常世長鳴鳥が鋭い声を上げて、光を放つ。それに露骨にピシャーチャ達が怯む。

 

その隙に、立て続けに二体を斬り伏せる。

 

だが、三体目が触手を素早く伸ばしてくる。それは恐ろしいほど伸びて、ミヤズを護衛していた甲斐姫に突き刺さる。

 

甲斐姫が必死に触手を切り払うが、片膝を突く。他のピシャーチャも、次々に触手を伸ばしてくる。

 

ミヤズを集中的に狙っているな。

 

森長可と煌でピシャーチャを次々に切り倒すが、それ以上の速度で湧いてきて、迫ってくる。

 

常世長鳴鳥にもピシャーチャが迫る。イチロウが持たされている霊刀で必死に斬りかかるが、それもやはりまだ悪魔を倒せるほどの力は出ていない。

 

だが、その時ヨーコが投擲した札が、横殴りにピシャーチャ達を襲い、一斉に爆発させる。

 

怯ませるのは一瞬。

 

だが、フォルネウスが氷で壁を作ってミヤズを守るには充分。

 

忌々しそうにピシャーチャがヨーコに狙いを変えようとするが、その時には煌が眷属を展開していた。

 

吉祥天が、今までとは別次元の光の力をたたき込む。

 

それで、ピシャーチャの群れは、まとめて消し飛んでいた。

 

恨み言が聞こえるが、どうでもいい。

 

マガツヒになった力を吸収。

 

すぐに次がある。

 

あちこちで悪魔が出現しているのだ。イチロウ達も奮戦してくれていたが、かなり疲弊が酷い。

 

救急車が来た。

 

腕を食いちぎられた輩の状態を、ミヤズが丁寧に説明。処置も完璧だったようだ。看護師が瞠目していた。

 

警察が来たが、ベテルの息が掛かっている部署らしい。

 

どうも公安のようだ。

 

この場を引き継いでくれるというので、後を任せる。

 

煌は合一を解除すると、すぐに次に。

 

余裕があるのはヨーコだけか。イチロウもミヤズも、かなり冷や汗を掻いていた。

 

ため込んでいた魔石を渡しておく。

 

越水長官にジャンクを集めて貰い、それをギュスターヴに渡してきて、マッカに換金したのである。

 

それでギュスターヴから、回復に使えそうなものを貰ってきた。

 

それのお裾分けだ。

 

魔石を煌は飲み下して使うが、イチロウやミヤズなど、人間は手の中で割り砕く。それで力を取り込む。

 

急ぎ足で歩いて、自衛隊の車に向かう。

 

「これでもう四カ所目か?」

 

「はい。 煌先輩が来てくれて助かりました」

 

「だけど、まだ何カ所かで事件が起きてる。 急がねえと」

 

自衛官が急いでくれる。

 

手分けするのはやめた方が良いだろう。

 

というのも、ツバメさんことライドウが、立て続けに大物相手に立ち回っている。いずれも魔界の深部にいるような悪魔ばかりで、ちょっと現在の弱体化したベテル日本支部では、他に任せられる相手がいないらしい。

 

それと似たようなのが現れてもおかしくない。

 

今までイチロウ達が対処出来ていたのが奇跡に近いのだ。

 

次。

 

寂れた商店街。

 

ビルの一つを不法入国した外国人が権利関係が面倒なのを良いことに半ば占拠している。特殊詐欺の拠点であり、此処が目的地だ。既に外国人達が悲鳴を上げて逃げ出してきていて、それらは警察が逮捕して連れて行った。

 

ただ、見るからに様子がおかしい。

 

隣にサラリーマン風のスーツを着たアオガミがいて、アドバイスしてくれる。

 

「既に魔界化している。 先のピシャーチャよりもかなり手強い悪魔がいると見て良さそうだ。 出来れば回復してからの戦闘を推奨する」

 

「アオガミさん、相手の正体は分かりませんか」

 

「敦田ミヤズ、私はまだ破損している部分も多く、万全の状態ではない。 ただ、これはとても邪悪な力だ。 光の力を主体に攻めるべきだろう」

 

アオガミはミヤズ相手にも丁寧だが、フルネームで呼んでいる。

 

まだ其処まで信用していないのかも知れない。

 

ともかく、ビルに。

 

見張っていた自衛官と交代して進みながら、即座に合一。煌とイチロウで前衛になって、ビルに突入する。

 

一歩足を踏み入れた瞬間、空気が変わる。

 

これは確かに、強力な悪魔がいる。

 

奥で人間の声がする。

 

暗がりの中で、子供が繭みたいなのに包まれて、首だけでて。逆さにつるされている。呻いている子供だが、それが人間ではないことを煌は即座に見抜いていた。

 

つるしている糸を切る。

 

地面に落ちた人間に偽装した悪魔が、とても子供とは思えない悲鳴を上げていた。

 

「ぎぎゃあああああっ! ばれたかあっ!」

 

繭が膨れ上がると、ばきばきと音を立てながら、膨れ上がっていく。同時にビルの上から、多数の雑多な悪魔がなだれ込んでくる。

 

大型の悪魔はあまり展開できない。

 

だから、小型の悪魔を多数出して、それに物量であたらせる。煌も眷属の小型悪魔はたくさんいる。

 

激しい乱戦が始まる中、膨れ上がっていく悪魔は、もはや子供とは似ても似つかぬ姿になっていた。

 

巨大な肉の塊であるそれは、全身から触手を伸ばし、ふるって戦闘中の煌の眷属を一人なぎ払う。

 

これは。

 

「スライムと似たようなものか。 実体化に失敗した悪魔だな」

 

「ここにいたカスどもを食らって少しはマシな状態になろうとしたのに、良くも邪魔をしてくれたなあ。 貴様等全員食らってくれる……!」

 

「煌、スライムと同じって事は、弱体化状態ってことだよな!」

 

「だが高位悪魔だ。 僕が前に出る。 皆は支援を!」

 

即時で前に出て。手刀で切りつける。触手を束ねてそれを柔軟に防いでくる悪魔。那須与一が狙撃するが、触手が即応。

 

矢で貫いたが、本体までの到達を防ぐ。

 

血を垂れ流しながらも、肉塊が膨れ上がっていく。肉塊に口と目ができ。しかも極めて無秩序だ。

 

口の中には臼歯が並んでいて、とてもおぞましかった。

 

凄まじい勢いで振るわれる触手と、またたくまに数十合渡り合う。コンクリがむき出しになっている壁床が、見る間に抉られて。コンクリの破片が吹き飛ばされる。

 

切り結んでいる間に、甲斐姫、那須与一、森可成達が、相手の雑魚を次々に切り倒しているが。

 

敵の雑魚は際限がない。

 

だが。

 

マーメイドが、完璧なタイミングで、肉塊悪魔の足下のコンクリートを液状化した。半分沈み込んだ肉塊悪魔が、触手を振るい損ねる。

 

其処に、煌が振るった刃が突き刺さる。

 

肉塊本体に突き刺さると、一気に上下左右に切り裂き。

 

更には直接光の力をたたき込んだ。

 

悲鳴を上げつつも、触手を集約して防ごうとしてくる悪魔。だけれども、その時に、勇敢に後ろに回り込んだイチロウが。

 

肉塊悪魔の後ろから、霊刀を突き刺していた。

 

「ぎゃあああああっ! お、おのれ、こんなひよっこに!」

 

肉塊悪魔の全身が、燃え上がる。

 

煌がたたき込んだ光の力と、今のイチロウの霊刀の一撃が、一気に相手の防御能力の許容量を超えたのだ。

 

更に要領よく立ち回っていたヨーコが、多数の札をたたき込み。

 

肉塊悪魔が全身爆裂。

 

体内から、ずるりと内臓みたいなのが出てきて。それを煌は容赦なく貫いていた。

 

それがとどめになり、肉塊悪魔が消えていく。

 

雑多な悪魔も、それを見て戦意を喪失。

 

ほとんどがその場でアティルト界に逃げ帰っていった。

 

ミヤズが温存していた悪魔を展開して、皆に回復の力を使ってくれる。タオほどではないが、助かる。

 

ミヤズ自身の力も上がっていて、より強力な回復の力を悪魔に使わせることが出来るようだ。

 

「イチロウ先輩、左手を見せてください」

 

「あ、ああ。 すまねえな」

 

「先の奇襲でついたんですね。 すぐに治します」

 

イチロウの左手に、ざっくり抉られた跡があった。

 

だが、名誉の負傷だ。

 

煌は無言で合一を解除。

 

後は専門のデビルサマナーと公安に任せる。出来れば龍穴で回復を入れたいが、そうもいかないか。

 

回復のために買い込んできた道具を使いながら、自衛隊の車で次に。

 

今のは邪神ナラギリ。

 

スリランカ仏教で悪魔扱いされたインド神話のガネーシャ神である。ガネーシャはそれなりに知名度があるが。

 

インドとスリランカは対立が長く、それもあって悪魔化されたのだろう。

 

情報を取り込んで見ると、ぶちぶちとナラギリが嘆くのが聞こえる。

 

ガネーシャとしてよみがえることさえ出来ればと言っているが。

 

相手が反社であろうと、理由もないのに大量虐殺するのは許されない。ましてやただの餌というのはあり得ない話だ。

 

いずれにしても、情報として取り込んだ。いずれは何かしらに活用するだけだ。

 

連絡。

 

ユヅルとタオからだ。

 

一休みしたので、合流すると言うことだ。合流地点を決めて、それで移動する。

 

それから四度、夕方までに悪魔と交戦。

 

流石にナラギリほどの強者はいなかったが、いずれも厄介極まりなかった。

 

 

 

夕方に状況が一旦落ち着いたので、休憩を入れる。

 

ミヤズはハンドヘルドコンピュータを操作して、より強力な悪魔を作り出しているようだ。

 

この間煌がいないところで仲魔にしたアマビエが、なかなか優秀な回復能力を持っているようなので。

 

今は支援を出来る悪魔を専門に組んでいるとか。

 

また、甲斐姫が更に強くなりたいと言っているようで。

 

それはいずれ、状況を見ながら悪魔合体をするつもりらしい。

 

目に見えて健康になったというか、逞しくなりつつあり。最初重そうだったハンドヘルドコンピュータも、今は軽々扱っている。

 

皮肉な話だが。

 

虚弱だった体質がマガツヒを吸収することで補強されるというのは。現代医学がひっくり返る話だろう。

 

看護師志望だったミヤズがそんな状況を平気で受け入れているのは。

 

なかなかに凄い話であるのかもしれなかった。

 

「煌、少し良いか」

 

「ああ、どうした」

 

ユヅルが、寮で話しかけてくる。

 

今ベテル日本支部で解析しているらしいが、明らかに出現した悪魔達は陽動であったらしい。

 

というか、ここ数日出ているのは、全てが陽動とみて間違いないそうだ。

 

やはり浄増寺付近で何かが起きている。出来るだけ早く対策すべきだと。

 

明日、早朝に仕掛けると聞いて。頷く。

 

ただし、仕掛けるのは煌だけだ。

 

アマノザコがぽんと実体化する。

 

まあ、今は周りに誰もいないからいいか。

 

「煌ばっかり働かせて酷いね! ねっ!」

 

「抗議は分かるが、僕たちは明日その陽動戦力を叩いて回る。 本命には煌が当たるべし、という判断だ」

 

「本命って、何か行ってみて分かるかな」

 

「さあな。 ただ、何かがいるのであれば、姿を見せるだろうが」

 

後はいくつか話をして、休息にする。

 

ミヤズがかなり元気になってきていると聞いて、ユヅルは少しだけ複雑そうだった。

 

健康との代償として。

 

悪魔との戦いはあまりにも重すぎる。

 

そう感じているのかも知れない。

 

 

 

翌朝。

 

煌はアオガミとともに、まっすぐに浄増寺に向かう。浄増寺でラフムを倒した後、今は立ち入り禁止になっている。

 

まだ結界の修理などをしているらしいので、仕方がないだろう。

 

足を踏み入れると、空気がひんやりとした。

 

そして、あまりにも当たり前のように。

 

その二人が、姿を見せていた。

 

八雲ショウヘイ。それにジョカ。

 

即座に合一する煌に、八雲ショウヘイはふっと笑っていた。

 

「貴様を斬るつもりなら、とっくに仕掛けている。 そして貴様の首など、とっくに胴から離れている」

 

「……何をしに来た」

 

「そう急くでない。 どうせ東京で悪魔どもを狩ってもらちがあかぬとなり、此処に貴様が来たのであろう、ナホビノよ」

 

「確かにそれはある。 ひょっとして貴女たちの仕業か?」

 

違うとショウヘイは言う。

 

そして、視線で刺して見せた。

 

空中。

 

何もない。強いて言うなら、ずっと遠くに飛んでいる飛行機が、一筋の飛行機雲を作っているくらいだ。

 

「飛行機の方ではない。 何か見えるか」

 

「いや」

 

「まだ少し足りないか。 まあ仕方がないだろうな。 魔界で連戦して相当に力をつけたようだが、まだまだか。 仕方がない。 ジョカ、手を出すな。 軽く俺が此奴と遊んでみる」

 

「油断をするではないぞ」

 

ジョカが下がる。

 

煌は手刀を作ると、眷属達を展開。

 

周囲に人はいない。全力でやりあっても、問題はないはずだ。

 

八雲ショウヘイはすらりと日本刀を抜くと、一瞬で迫ってきた。鬼後輩とトロールを通り抜けざまに左右に斬り、更に完璧な刺突を入れてくる。

 

がっと防ぐが、とんでもなく重い一撃だ。

 

下がりつつ、跳ね上げる。

 

だが、八雲ショウヘイは以前見せたように、重力を味方にしているようだ。

 

斬られた鬼とトロールが片膝を突いている。

 

ちょっとばかりまずいな。

 

残像を作りつつ、左右にゆらゆらと動きながら、再び八雲が来る。足を地面につけていないとなると、これはマーメイドが地面を水にして対応するのは難しいか。切り込んできた。それをはじく。

 

対応できてはいる。

 

八雲ショウヘイも手を抜いているようには見えない。

 

短時間で追いついてきている、ということだが。

 

相手にはジョカもいる。そしてジョカの方は、全く本気を出していないとみて良いだろう。

 

三十合ほど打ち合って、弾き会う。

 

八雲をマーメイドの水が包み込むが、即座に一刀両断された。

 

その瞬間に、煌が間合いを詰める。

 

今度は大上段から斬りかかり、雷撃を入れるが。痒くもないという顔だ。そのまま回し蹴りをたたき込まれて、吹っ飛ばされる。雷撃を放ちつつ、八雲を牽制。八雲は手傷を受けている煌の眷属には目もくれず、稲妻のような突きを入れてくる。

 

日本刀でもっとも殺傷力が高い攻撃手段は突きだ。

 

両手をクロスさせて、それを必死にガードする。

 

十数メートルも下がりながら、凄まじい火花を散らす。

 

不意に無線が入る。

 

八雲ショウヘイが下がった。

 

「出ろ」

 

「……こちら夏目煌」

 

「煌くんか。 状況は確認している。 一度撤退を。 既に見えているのではないのか」

 

「……今、見えました」

 

越水長官にそう答える。

 

なんだあれは。

 

上空に、何か凄まじい力が収束している。周囲から、吸い上げているかのようだ。

 

だが、あそこに集まっているというよりは。

 

何か穴が開いていて、吸い込まれているというのが正しいように見える。

 

「ここしばらく、東京で異常に腕が良い占い師の話が話題になっている。 今別口で調べていたが、どうも巨大な術式が浄増寺に掛けられているらしく、その占い師が怪しいと浮上している。 奴をどうにか引っ張り出さないと、その術式を解除するのも難しい」

 

「あれは、マガツヒですよね」

 

「そうだ。 浄増寺近辺で体調不良者が続出しているという報告があったが、あれのせいで間違いない。 しかもこれだけの膨大なマガツヒ、下手に流れをせき止めると爆発するだろう。 それも核兵器並みの破壊力が出る。 最低限でもだ」

 

「そういうことだ。 俺達はその占い師を潰すべくこの辺りを探していたのだがな。 どうも見つからん。 そこで貴様等の拠点にハッキングまで仕掛けたが、なかなか良い情報がないようでな」

 

いけしゃあしゃあと。

 

八雲ショウヘイは何を考えている。

 

全ての神魔を斬るとか言っていたが。この行動も、その一環だというのだろうか。

 

ともかく、一度矛を収める。

 

これは、優先順位が変わった。

 

「小僧、腕を上げたな。 これからは名で呼んでやろう。 夏目煌であったな」

 

「そうか、ジョカ。 この件に関しては、共同で当たれると判断して良いんだな」

 

「そうなるのう。 八雲、かまわぬな」

 

「もとよりそのつもりだ。 俺が斬るべきは一千万都民ではなく、それを誑かす全ての神魔だ」

 

そうか。

 

ともかく、八雲ショウヘイがそのまま去って行く。流石に背中を討つ余裕はない。煌は連絡を入れつつ、ユヅル達と合流することに決める。

 

武力があっても、恐らく砂漠から一粒の砂を探し出すような事は、八雲ショウヘイには難しいのだろう。

 

それに。

 

「煌。 戦闘して気づいたことがある」

 

「はい。 僕も感じました」

 

既に、八雲ショウヘイだけなら、総力戦を挑めば勝てる。勿論相手も強くなり続けているだろうから、油断は禁物だが。

 

問題はジョカの存在だ。ジョカの力は相変わらず底知れない。まだ二段階くらい、力の上があるようにさえ感じた。

 

ともかく、今は手数を用いて情報を集めるしかない。

 

歯がゆいことだった。







また悪い事に利用される浄増寺。

原作復讐の女神編では、アマビエのイベントもあったりと、色々と忙しい場所ですね。



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