真女神転生VV二次創作 牛蛇相克   作:dwwyakata@2024

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アマノザコ戦です。

原作では最高位魔法であるバリオン系をここで初めて見ることになることも多いのではないでしょうか。

こんなに強いのに何で餓鬼に食われそうになっていたんでしょうねこの子は、と。仲魔にした後は、誰もが思うシーンですね。しかも真VVで固有スキルを貰って更に凶悪さに磨きが掛かったという。






魔境歌舞伎町
序、アマノザコの正体


越水長官に言われる。

 

しばらくは、アブディエルは放置しろと。

 

実際問題、現状ではそれが最善手だと煌も理解できる。ベテル本部に加担する理由ははっきり言ってない。

 

一神教徒に別に敵意はないが。

 

あの思想を強制されるのは御免被る。

 

ましてや創世やらが引き起こされたら、何が起こるか分からないし、東京の復興も出来ないだろう。

 

それを考えると、アブディエルに加担する理由が煌にとってもないのだ。

 

東京に対して、思い入れがあるないの問題ではなく。

 

それ以前の倫理的な問題だ。

 

大義だのいう前に、まずは目の前の問題を解決する。それが大事であり。現時点では、越水長官はそれが出来ていると煌は思う。

 

逆にアブディエルはそれが出来ていない。

 

それだけで、アブディエルに加担しない理由としては充分だ。

 

それから、手分けして動くことになる。

 

タオはまだしばらく、ツバメさんの治療に掛かりっきり。

 

タオの力は更に増しているようで、ツバメさんの回復に掛かる時間が更に早まりそうだ、ということだ。

 

ユヅルとイチロウは交代で東京に侵入してくる悪魔の撃退。タケミカヅチだけではなく、タケミナカタも加勢してくれる事になった。

 

勿論二柱は因縁の間柄だが。

 

これだけ滅茶苦茶になった状況では、戦っている場合ではないと言うことなのだろう。それもあって、二柱は協力してくれている。

 

二人にとっても、東京に侵入してくる悪魔の実力は侮れないので。それで力をつけることにもなる。

 

ミヤズはヨーコとともに遊撃。

 

煌は現時点では、魔界を回ってあちこちを調査してほしいと言われていた。

 

これはいきなり東京駅に突入すると、ベテル本部の面子を潰すことになるから、であるらしい。

 

表向きはそうだ。

 

今、世界中ががたついているとは言え、ベテル本部が持っている財界などへの影響力はとても大きく。

 

まだまだ、ベテル本部に対して公然と反発するのは避けた方が良い、というのも事情としてあるようだ。

 

今回は、新宿区に、ヨーコとミヤズとともに出向いていた。

 

あの天使達の様子。

 

明らかに何かある。

 

それもあって、調査に来ていたのだが。

 

途中で、カラス天狗が来る。

 

明らかに慌てている様子だった。

 

「見つけた! 日本支部のナホビノどの!」

 

「如何したのか」

 

「ああ、俺たちの部隊が一つ、意味不明の消息の絶ち方をしたんだ。 今、混沌の悪魔どもも天使どもも表立って動けないだろ。 それなのに、手練れもいた部隊が、一瞬でだ」

 

「……何か強力な悪魔が出たのかも知れないな」

 

その可能性は高い。

 

そもそもバアルだった悪魔が散々出現しているのだ。いつどこに何が現れてもおかしくはないだろう。

 

バビロニア神話のラフムが出現さえしているのである。

 

東京に現れる前に撃退すべきだ。

 

煌としても、その判断が出来る。

 

「分かった、調べてみよう。 場所を教えてほしい」

 

「品川の北埠頭だ」

 

「……承知した」

 

そのまま、天狗を見送る。

 

天狗達は在来妖怪だ。多少倒されても、補充はアティルト界から出来るはず。もう天狗なんか誰も信じてはいないとしても、天狗を忘れているものなど誰もいない。誰でも知っているというのは、とても大きいのだ。

 

ヨーコが相変わらず露悪的な意見を敢えて言う。

 

様子を楽しんでいるのは明らかである。

 

「危険な悪魔が出たとして、いちいち対処するのは真面目ね」

 

「今後他の悪魔と連合されると面倒だ。 スルトのような強力な魔が複数で連携して東京に攻めてきたら、取り返しがつかない。 情報が出たら即座に叩くのが論理的にも正しいと思うが」

 

「私も先輩に同意します。 支援はします」

 

頷く。

 

ヨーコも、それなら納得がいく意見だと、面白そうに頷いていた。

 

いずれにしても、少しずつ活動範囲を広げて、龍穴も見つけている。一度東京に戻って、越水長官と話す。

 

行き先をちゃんと告げるのは、報連相の基本だ。

 

煌もそれくらいはきちんとする。

 

「品川北埠頭か。 こちらでも安全が確認された地域には、うちのデビルサマナーを派遣して、調査をさせている。 だが、あの辺りはどうも激しい力が渦巻いているようで、偵察に出した悪魔が戻ってきていないという話だった。 主戦場から外れているから優先度は下げていたが、調査してくれるというのなら頼む」

 

「分かりました」

 

「ユヅルくん。 同行を頼む。 ヨーコくんは、イチロウ君と組んで東京の方を頼む。 またどこかの国の邪神が出現の兆候を見せていてな。 今自衛隊に人払いをして貰っている。 すぐに実体化するだろうから、現地に向かって対処を頼む」

 

「分かりました」

 

ヨーコが行く。

 

ユヅルはミヤズに問題はないかと聞いて、問題ないと結構塩対応されて渋面を作っていた。

 

ユヅルは煌を信頼してくれているが、やはりそれでも心配になるらしい。

 

ミヤズは身を守るすべもどんどんうまくなってきていて、自衛官の師範から柔道も習い始めたようだ。

 

筋がいいらしく、どんどん動けるようになっているらしい。

 

これはマガツヒを大量に吸収している事もあるが。

 

元々眠っていた能力が、短期間に受けた膨大な刺激によって、覚醒しているのかも知れない。

 

周りが見る目がなかった。教育して引き出せていなかっただけ。

 

越水長官の、デビルサマナーになってもらおうという判断は大正解だった訳だ。

 

それはそれとして。

 

越水長官が、恐らくは人間ではないことも、ほぼ確定している。イシュタルもそれを指摘していた。

 

そろそろ正体を明かしてくれるかも知れない。

 

いずれにしても、今回も油断は出来ないだろう。

 

魔界の品川区に出る。

 

いくつかある龍穴のうち、品川の北埠頭に近いものを利用したが。

 

出るなり異様な気配があった。

 

これは。以前交戦したベルフェゴールや、更にはモロクすらもしのぐのではあるまいか。

 

無言で吹き付けてくる力を遮る。

 

「なんだこれは……」

 

「猛気だ」

 

ユヅルに答えたのは、大獄丸である。

 

猛気とは、気の中でももっとも純粋に破壊的なものだという。それが、まき散らされている。

 

というか、この辺りに前に来た時と、地形が違う。

 

ユヅルが、ハヤタロウを具現化させると。ハヤタロウが、即座に断言していた。

 

「皆どの、この先にいるのはアマノザコだ」

 

「!」

 

「アマノザコは明らかに様子がおかしかった。 今までもずっとだ。 煌、気をつけることを推奨する」

 

「分かりました。 確かに異様な気配、どこかアマノザコに近い気がしますね」

 

最大限の警戒を。

 

そう皆に促して、進む。

 

台風みたいな風だと、酒呑童子が大喜び。吹き付けてくる猛気とやらは、波が激しくて。不意に止まったと思ったら、凄まじい風が吹いてきたりと、極端だ。

 

悪魔が飛んでくる。

 

アイトワラスだ。ただ、イチロウの手持ちの個体ではないが。

 

「あ、あんた達、逃げろ! この先にちびっこい悪魔がいるんだが、天使の部隊をさっき一瞬でミンチにしちまったんだ!」

 

「それは和装の悪魔ではなかったか」

 

「うん、あ、ああ、そうだな。 この国の古い服装だったと思う! 速く逃げろ! 巻き込まれたら多分死ぬぞ!」

 

言うことは言ったからなと、それだけ捨て台詞を吐いて、アイトワラスが逃げていく。

 

進んでいくと、地形がえぐれている。

 

この破壊力、生半可なものではない。

 

煌は眷属を展開しておく。

 

「風の力というよりも、これは暴風雨、或いは台風に近いわねえ」

 

アナーヒターがぼやく。

 

だとすると、暴風神か。

 

天空神の一部は、暴風雨を司ることがある。マルドゥークなどもそうだ。こういった神々は荒々しい災厄と、その後の豊穣を約束したりもするが。いずれにしても、その荒々しさが優先されることが多い。

 

近づいていくと、見えてきた。

 

頭を抑えているのは。やはりアマノザコだ。

 

「アマノザコちゃん!」

 

あまり接点はなかったが、東京駅近辺での戦いで、しばらくは顔を合わせることがあったミヤズが呼びかける。

 

アマノザコは頭を抑えているが、目がらんらんと輝いており、凄まじい風を変則的に体から吹きだしている。

 

それでも、こちらには気づいたようだった。

 

「煌……? 後ミヤズとユヅル……?」

 

「そうだ。 一体何があった」

 

「わ、わからな、いんだ。 天狗に、あたいが……なんだったかわかんないけ、ど。 なんだかだって、言われて。 それで、何か押し込まれて、それから……! あ、溢れる力が、抑えきれないよ!」

 

これはまずいな。

 

アマノザコは江戸時代に作られた創作神格だが、そもそも素戔嗚尊が吐き出した猛気から生じたとか、山を投げるとか、凄まじい武勇を強調する逸話が残されている。

 

今まで非力そうに見せていたアマノザコだが、どう考えてもその逸話とは一致していなかった。

 

あれが、恐らくは。

 

本来の姿だ。

 

「こ、煌! 助けて! あたい、このままだと、何もかも、壊しちゃうよ!」

 

「わかった。 力をぶつけてこい。 全て吐き出せ」

 

「え……」

 

二人に頷く。

 

ミヤズは頷くと、即座に防御強化の支援魔法を連続してかけ始める。ミヤズ自身が魔法をもう使えるし、仲魔も強くなってきている。効果は以前と比較にならない。

 

ユヅルも大獄丸を中心に、大型の悪魔を並べて壁にする。煌も塗り壁や酒呑童子を並べ、更にアナーヒターとマーメイドに、水で壁を作るように指示。

 

すっと手刀を作って、戦いの姿勢を見せる。

 

それを見て、アマノザコが、凄まじい金切り声を上げていた。

 

台風は、観測史上の最大風速で70m/s程度、瞬間最大風速だと90m/s近いものが出たことがある。

 

その規模の風となると、鉄筋をへし折ることがあるほどの危険なものだ。

 

だが、既にこちらは、そんなことを片手間にやる悪魔とやりあってきたのである。

 

凄まじい勢いで突貫してくるアマノザコ。

 

喚き散らしながら、地形を粉々に吹き飛ばしつつ襲いかかってくる。

 

だが、煌は印を切ると同時に、眷属達の力を増幅。

 

ミヤズの強化してくれた魔法とともに、アマノザコのとてつもない突貫を、正面から受け止める。

 

激しい衝撃波が前後左右を襲い、地形を滅茶苦茶にする。

 

これが都心で起きていたら、千人以上が瞬時に命を失っていただろう。

 

びりびりと、全身が強烈な負荷を挙げる。だが、後方でユヅルもミヤズも、耐えてくれている。

 

水の壁を蹴散らしながら、暴風が襲ってくるが。

 

まだまだ。

 

すっと印を切り、暴風をコントロール。

 

この間のイシュタル戦で言われて、アオガミが気づいたらしいのだ。やはり、風は煌の味方であるのだと。

 

ならばコントロールも出来る。

 

突撃してきたアマノザコを、受け止めつつ、風を受け流す。暴風はまるでミサイルが炸裂したように、辺りを破壊しまくるが。

 

それでも、煌はずり下がりながら、耐える。

 

眷属が次々消し飛ぶ。スクラムを組んでいた河童達も、悲鳴を上げながら吹っ飛ぶ。

 

だが、それでもまだまだ。

 

スルトやイシュタルに比べれば、この程度の力。

 

無言で押し込む。

 

アマノザコは、もはや猛獣そのものの雄叫びを上げながら、更に圧力を掛けてくる。風速90m/sというのは、時速に直すと300㎞を越える。

 

自動車などで走行中に窓を開けていると、空気抵抗のすさまじさがよく分かるが。それでも300㎞の風を浴びた者はあまりいないだろう。

 

その自然の猛威が、今牙を全力で剥き。

 

研がれた牙で、かみ砕こうとしてきているのだ。

 

「ぎぎゃあああああああああっ!」

 

アマノザコの叫びとともに、更に圧力が増す。

 

煌が天使達を展開。天使達を展開したのは、風を受け流させるためだ。それに、である。

 

ドミニオンだった天使が、イシュタルを撃破した後ついに転化した。

 

上級三位ソロネ。

 

ソロネを中心として、気流を操作して、可能な限り反らす。それが出来るだけの力が、今はある。

 

塗り壁が吹っ飛ばされそうになるのを、酒呑童子が食い止める。

 

大獄丸が前に進み出て。煽る。

 

「どうした創作神格! この俺はそんな風では吹き飛ばんぞ!」

 

「そうだ。 アマノザコ、もっと仕掛けてこい! 何をされたかは知らないが、もっと吐き出せ!」

 

「煌ぅあああああああらあああっっ!」

 

アマノザコが喚き、更に爆発的な風が辺りを襲う。

 

もはやこれは台風を通り越えている。

 

だが、それでも。

 

魔界で起きて良かった。

 

そうとしかいえない。

 

更にずり下がるが、それでも。見えた。此処が底だ。煌は一気に力を振り絞ると、アマノザコを押し上げる。

 

これは一種の相撲だ。

 

そいて、ついに力が抜けきった瞬間。

 

アマノザコを捕まえて、地面にたたきつけていた。

 

むぎゅっとアマノザコが悲鳴を上げた時。

 

辺りはクラスター弾の絨毯爆撃でも受けたかのような有様とかしていた。ぴたりと風が止まる。

 

揺り戻しもない。

 

無事か。

 

叫ぶが、ミヤズとユヅルは、それぞれ大獄丸と巴御前が暴風の盾になって無事。

 

煌の眷属はほとんどやられてしまっていたけれど、恐らくはわざと壁になった塗り壁を酒呑童子が盾にして、マーメイドとアナーヒターを守ってくれていた。

 

「うはー……気持ちいい……全部吐き出したよ……」

 

恍惚たる様子のアマノザコにちょっと呆れる。まるで温泉で溶けているかのようである。

 

とにかく手当からだ。

 

ミヤズとユヅルを連れて、龍穴に。アマノザコは、ひょいと姿を見せたわーが抱えて連れて行く。

 

まあ、この戦いでは、アマノザコに力を出し尽くさせる事が大事だった。だから、わーが脅かす必要はなかった。

 

「ザコちゃん、大丈夫?」

 

「うん、すっきり。 あたい親とかいないのに、なんだか親に背負われてる気分……」

 

「あははは。 私みたいな子供に背負われてるのに?」

 

「んー」

 

龍穴について、手当を開始する。此処も魔界だ。油断するのは危険だろう。

 

ともかく、話を聞かないとまずい。

 

回復を進めていくと、アマノザコが、煌、と手を差し伸べてきた。

 

「眷属になるよ。 その代わり、あたいを守ってほしい」

 

「……そうか。 どうして天狗に追われていて、何をされたのかは分かるか?」

 

「うーん、わからない。 でも、本当。 なんだか、あたいあんまり細かい昔の事覚えていないんだ」

 

「そうか」

 

その割に、どうも15世紀末くらいに世界のルールが変わったみたいな妙なことを知っていたが。あれは前に越水長官の言っていた、一神教による創世と無関係とはとても思えない。

 

それより後に創作されたアマノザコがどうしてそれを知っている。

 

不可解ではあるが、今は受け入れるしかない。

 

嘘をついている様子はないな。

 

契約書を作って、契約をする。

 

その間に、ミヤズがテキパキと回復を進めていた。ミヤズは既に制服で動いておらず、自衛隊から支給されたジャケットを着ている。これにツバメさんが仕込んだ防護用の札を織り込んでいるらしく、戦闘でもかなり耐えられるそうだ。一方ユヅルは制服のままだが、これは身体能力に自信があるから、かもしれない。ただ制服は、大物とやりあう度にあちこち破損しているが。

 

「なんだか凄く幸せなんだ。 煌、あたい、追い回されてずっと怖い思いしてた。 今後はしっかり守ってよ」

 

「君はそれだけの力がある。 ともに戦うことを選んでほしい」

 

「あ、そっか。 なんだか少し力の制御を思い出した気がするし、やって見る。 守られるよりも、一緒に歩くのを選ぶべきなのかな」

 

「それが思想的にも健全だ」

 

応急処置終わり。

 

一度東京に戻る。

 

越水長官に説明。今まで東京ではほとんど具現化しなかったアマノザコを、眷属として呼び出す。

 

越水長官は、一瞬だけその姿を見てえっという顔をしたが。

 

或いはこれは、何か知っているのではないのだろうか。

 

「凄まじい戦闘をまたこなしてきたようだったな。 もう何人か出すべきだったか。 明確な反省点としておこう。 皆、先に休憩を取ってくれ。 いくつか得られた情報がある。 それらを順にこなしてほしい」

 

「分かりました」

 

煌は先に話だけ聞かせて貰う。

 

ギュスターヴに回復さえして貰えれば、そこまで消耗は激しくないから、である。

 

越水長官が説明してくれた。

 

まず、これから恐らく創世を狙うベテル支部が、水面下の争いを加速させる可能性が高いという。

 

それは煌も感じる。

 

ギリシャ支部は接近してきている。他の支部だって、何を考えているか分からないのだ。

 

「その中で異質なのがエジプト支部とインド支部だ。 どちらも強大な支部だが、エジプト支部は完全に様子見を決め込んでいる。 インド支部は良くない噂があってな。 ルドラの秘法とよばれる世界に大破壊を引き起こす秘術を使うつもりでいるらしい」

 

「名前だけは聞いたことがあります」

 

ルドラというのは古くは神格で、後にシヴァと同一視された。その性質はシヴァと同じく、破壊とその先の再生である。そして現在では、ルドラとは儀式となり、破壊と再生を行うものとなっている。

 

シヴァは破壊の神として名高いが、基本的に既存のものを破壊して新しいものを作るという観点の破壊だ。それは決して、何も考えずに全て壊し尽くすようなものではないのだが。

 

現代を行き詰まっていると判断するのなら。

 

一度人間という生物を、アティルト界から壊滅させるような事をしでかしてもおかしくはない。

 

「だが、主力となるアバタールが複数倒れてヴィシュヌが力を弱め、更にはインドでは現在ムスリムとヒンドゥーが激しい争いをしていることから、シヴァが簡単にルドラの儀式を行うことは難しい。 逆に言えば、その前にシヴァさえとめてしまえば、その間はインド支部は無害と言うことだ」

 

「……」

 

「今、インド支部から接触があった。 恐らくこちらの力を見定めるつもりだろう。 グルルという悪魔がいる」

 

グルル。これまたスリランカで悪魔化されたインド神話の存在で、インド神話で屈指の強者であるガルーダ神を、悪魔として解釈した存在だ。

 

スリランカとインドは長年対立を続けていたこともある。こういった存在は実に多いのである。インドでもスリランカの民を羅刹なんて存在にしているのでおあいこではあるのだが。

 

「グルルが現在、インド支部の拠点近くで攻撃を繰り返しているそうだ。 これを仕留めた場合、インド支部は日本支部に敵対しないと話が持ち込まれた」

 

「グルルはガルーダを悪魔として解釈した存在であると聞いています。 魔界にいるのであれば、東京に侵入する前に仕留めるのが正解でしょうね」

 

「その通りだ。 休憩が終わり次第、当たってほしい」

 

「分かりました」

 

風は日本支部にむいてきているが。

 

これは恐らくだが、インド支部にとっても利がある話だから、振ってきたのだとみて良いだろう。

 

恐らくシヴァのルドラの儀式を邪魔させないため、あらゆる不安要素を排除するつもりなのだ。出来れば煌と相打ちにでもなってくれれば重畳とでも思っているのか。

 

いずれにしても、複数の勢力が既に東京駅近辺の戦闘から、思惑を外し始めている。ただアリオクとチェルノボグと踊り狂っているのは、アブディエルだけ。ある意味、哀れな話なのかも知れなかった。







かくしてアマノザコは仲魔入りです。

此処からは一皮むけたアマノザコは、煌の支援をする献身的なサポートに徹します。

風魔法のスペシャリストとして、とにかく力強い存在ですからね。

暴風神とは相性が良いのです。

まあある意味当然ではあるのですが。



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