真女神転生VV二次創作 牛蛇相克   作:dwwyakata@2024

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4、動き出す邪悪

エジプト支部から日本支部へ、マンセマットが引き渡される。籠に入れられ、首だけになったマンセマットは。

 

ぼこぼこになって、口も縫い合わされていた。長広舌を振るうことさえ出来なくなってしまったのだ。

 

越水長官はそれを受け取ると、無言で処理するようにとツバメに渡す。ツバメとしても、ちょっと考える事があったので。

 

その籠を受け取ると、敢えて東京に持ち出していた。

 

ちなみに籠もマンセマットも一般人には見えない。

 

恐らくだが、縄印の生徒に。

 

マンセマットの半身となる存在がいたと見ていい。

 

敢えて縄印の生徒がいた辺りを見て回る。マンセマットはぐったりしていたが、やがて。いきなり反応した。

 

もう口が縫い合わされていて。

 

強烈に封印をかけられているから、籠から逃げることは出来ないが。

 

それでも、必死にがくがくと動く。

 

こいつか。

 

そう思って、ビルの上から、ツバメはそれを見た。

 

部屋に引きこもっている女生徒。

 

聞いている。

 

磯野上タオの親友の樹島サホリをいじめていた主犯格。いじめの証拠を映像として撮られ、即日退学になったゴミカス女。

 

退学を受けてから、新しい高校に転入も出来ず。受験前なのに何一つすることさえ許されず。

 

親も持て余し。

 

完全に引きこもりに落ち果て。

 

挙げ句タオとサホリへの恨みを拗らせ、ネットでついに過激派フェミニストになってしまい。

 

そういった連中の集まるSNSで毎日過激な書き込みをしているようだった。

 

救いようのないアホだ。

 

そしてマンセマットの半身にある意味ふさわしいと言える。

 

「どう? あっちに行きたい? 行きたい?」

 

「ー! ーーー!」

 

鬼、人でなし。

 

そんなことを言っているのだろうか。

 

貴様にだけは言われたくない。

 

そうとしか言えない。

 

カマエルのマガツヒを取り込んだ煌から聞いているが、あれらがどれだけ邪悪な陰謀を張り巡らせていたか。

 

既にツバメにも共有されている。

 

ただこのクソガキには、もう一つくらい仕置きが必要か。

 

敢えてマンセマットを可視化して、そして。

 

籠から放してやる。

 

次の瞬間、凄まじい勢いで飛び出したマンセマットは、クソガキに一直線に突入。家の壁をぶち破って、クソガキに飛びついていた。

 

スマホに飛びついて「敵」と見なした相手と論争していたクソガキは、悲鳴を上げて跳び上がる。

 

それはそうだ。

 

もはやこの世のものとは思えない代物である生首と化したマンセマットに、いきなり飛びつかれたのである。

 

絶叫するクソガキは一瞬で意識を失い、漏らしながらまた意識を取り戻し。また意識を失った。

 

マンセマットの生首を、ひょいと近くに引き戻す。

 

残念だがセーフティは何重にも貼ってある。

 

この霊的なヒモもそう。

 

マンセマットが、必死に暴れるが。もう此奴は必要ない。

 

「此処までだね」

 

「ー! ーー! ー!」

 

「じゃ、さよならー」

 

召喚したのは、アバドン。

 

体内が地獄そのものとされる大悪魔だ。

 

ツバメが従えているのは弱体化版の分霊体だが、それでも充分。ちなみにちょっとおっきなバッタ人間みたいな姿をしている。

 

そのアバドンがマンセマットをつかむと、ぽいと口に放り込む。

 

アバドンの体内は地獄そのものに直結している。

 

これからマンセマットは、彼が散々踏みにじった存在達のど真ん中に落ちることになる。そして、二度とアッシャー界どころか、アティルト界でもまともな形を保つことは出来ないだろう。

 

更に、クソガキは完全に発狂。

 

此奴の所業は既に聞いているし、何よりも反省の色など微塵もない。社会に出したところで、以降過激派フェミニストの経営するようなろくでもない団体にでも入って、暴れるだけだっただろう。

 

家に大穴が開いたこともあって、クソガキの家族が大慌てで部屋に入り込んだが。

 

既に周囲が全てまともに見えていないようで、クソガキは絶叫しながら暴れるばかりだった。あれは一生精神病院から出られないだろう。それが丁度良い報いだ。

 

とりあえず、これでマンセマットは片付いた。

 

越水長官に一通り話した後、今の実験で得られたデータを確認する。

 

間違いない。

 

マンセマットの背後にいるやつが分かった。そいつはクソガキとマンセマットが接触した瞬間、わずかだけ興味を見せた。

 

生半可なデビルサマナーだったら即座に発狂するほどの恐怖を得ていただろう。

 

ツバメもこいつはまずいと判断したほどだ。

 

とりあえず、ベテル日本支部……もはやそれも存在しないか。研究所に戻る。それから、対策を練る。

 

マンセマットの背後にいる存在について説明すると。

 

越水長官は流石に驚いたようだった。

 

「なるほど、確かに最大限拡大解釈したその存在であれば、今でも絶大な影響力を持っていてもおかしくはないな……」

 

「如何いたします? あたしとしては煌君が最低でもシヴァを仕留められるくらいでないと、戦うのは無謀と見ますが」

 

「シヴァは恐らくルドラの秘法の発動のために今苦行の途中だろう。 逆に言えば、ルドラの秘法を行う寸前に勝負を挑めば、弱体化した状態のシヴァと戦える。 生半可な相手ではないが、最悪私も出よう。 日本での戦いであれば……。 そのシヴァを倒してマガツヒを取り込めば、勝機はあるかも知れない」

 

「そうっすねえ。 それならその時はあたしも参戦するっすわ。 シヴァ戦も、その後の戦いも」

 

いずれにしても、とんでもない藪蛇だ。

 

ただ、それでも藪に蛇がいる事が分かっただけでも収穫である。

 

それも、とんでもない奴が。

 

幸い、この現在の東京は、ティアマトが守護に入ってくれたことが分かっている。シャカイナグローリーが消えるまでに創世を行うことは恐らく可能。そうすれば、東京はなんの問題もなく、誰も気付かずに、引き継げる。

 

問題は煌君だが。

 

あれは恐らくだが、座について人間を完全に辞めることを決めているし。

 

それを悲しんでいる節もない。

 

その行動をとめるつもりはない。

 

東京がまとめてなくなるよりはマシだし。他に方法もないのだから。

 

戦いである以上、犠牲なき勝利などない、か。

 

ツバメはやりきれないなと頭を掻くと。そのまま任務に戻る。

 

東京にもまた大物の悪魔が仕掛けてくる可能性がある。

 

最後の守りとして。

 

頼りないサマナー達だけでは厳しい。

 

ツバメが、東京に残り続けなければならないのだ。

 

 

 

(続)







マンセマットさんの末路です。この人は何作品かで扱いましたが、末路を書くのが楽しくて仕方がありません。

インテリ気取りの陰謀屋が足をすべらせて階段を転げ落ちる様子って、こうとてもぞくぞくわくわくしますね。

というわけで、色々と面白おかしくマンセマットさんの末路を描いてみました。ちなみにマンセマットさんの半身は樹島サホリさんをいじめていた三年生徒ですね。完全に精神崩壊したので、以降社会復帰はもう不可能です(無慈悲)。





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