アルセウス様。私の知ってるカントーじゃないです   作:静かなるモアイ

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マサラタウン~始まりでまっさらな町…だったところ

ミヅキちゃんはトキワシティとマサラタウンを繋ぐ交通網の1つである、バスに乗ってマサラタウンに向かっていた。ミヅキちゃんは無事に10歳になって、法律でポケモンの所持が認められるようになったのだ。

 

「クルッポー!」

「ポッポー!!」

 

バスの窓から外を眺めれば一番道路に生息するポッポの群れが空を飛んで自由に羽ばたいている。トキワシティの街中でも野生のポケモンと遭遇することは有るのだが、やはり町から離れた道路では沢山の野生のポケモンが目撃される。か弱いポッポと言えど、大きな風や突風を起こせることは充分に可能であり…ポケモンを持たずに道路の草むらに入るのは危険だと、あのオーキド博士もレッドに話していた。

だけど、ミヅキちゃんはもうすぐオーキド博士から念願のファーストパートナーを貰う。ポケモンという大切なパートナーが一緒なら、道路の草むらや洞窟も入っても行けるだろう。

 

「ようやく…この時が来たんだ!」

 

念願のファーストパートナー、初めてのポケモンを手にする楽しみと命を預かる責任を感じてか、ミヅキちゃんは誰の目から見ても楽しそうだった。

 

「おっ!!お客さん。もうすぐマサラタウンに着くけど、歳から考えてオーキド博士からポケモンを貰うのかい?珍しいね。今じゃ地元のポケセンやスクールで初心者用ポケモンを貰うのが一般的になってきたからさ」

 

そんなミヅキちゃんをバックミラー越しに見て、運転手さんが話しかけてきた。どうやら最近ではオーキド博士からポケモンを貰うのは珍しいそうで、今では地元のポケセンやスクールで初心者用ポケモンを貰うのが一般的なようだ。

スクールはともかく、地元のポケセンでパートナーを貰うのは理解できる。そもそもオーキド博士のようなポケモン博士は各街に居るわけではないので、そういうところではポケセンで貰うのが定番のようだ。

 

「はい!!そうです!!やっぱりオーキド博士は有名人ですから!!」

「ハッハハ!!そうかい!!オーキド博士からポケモンを貰うのは、ホワイト君以来じゃないかな?あの子は特別許可証を所持してたから、ブルーさんがイッシュ地方から引き取る前からパートナーを持ってたけどね」

「特別許可証?」

 

特別許可証。前世のゲームをやり込んだだけではわからない、この世界として生きる存在ならではの単語が出てきた。その単語を知らないミヅキちゃんは首を傾げたが、運転手さんが丁寧に教えてくれた。

 

「特別許可証とは10歳未満の子供が特例でポケモンを所持できる許可証だよ。たしか、条件はジムリーダーなどのポケモンリーグ公認トレーナーの元で修行して認められた人、或いはパートナーとなるポケモンと離れると双方共に危ういなどの理由があったとかだね。詳しいことは分からないけど、事情があって10歳未満の子供が特別にポケモンを持てる資格だと思って良いよ。捕獲はたしか、ダメだった気がするけど」

 

特別許可証の話を聞いてミヅキちゃんは思う。そう言えば、ポケモンのゲームには明らかに10歳未満でありながら勝負を挑んでくるトレーナーが居たのだが、彼ら彼女たちは今思えばその特別許可証を所持していたのだろう。

 

「あの子達…そう言うことだったの!?」

「心当たりがあるのかい?さあ、見えてきたよ。あれが、マサラタウンが誇る世界のオーキド研究所さ」

 

そして、バスは遂にマサラタウンに到着する。マサラタウンで最も大きく、そして最も目立つ建物こそが世界に誇るオーキド研究所なのだ。今日もそこではオーキド博士と愉快な助手達がポケモンの研究をしながら、懸命に働いているのだろう。

 

「ありがとう運転手さん!お釣りはいらないよ!!」

「いや、ジャストだね。行ってらっしゃい」

 

最寄りのバス停で降りて、ミヅキちゃんはマサラタウンの土地に降り立った。マサラタウンはトキワシティと比べると閑散としており、過疎化が進んでいると聞いている。他の町では当たり前のポケモンセンターことポケセンもなく…今では建造中ということになっている。

 

「アニメとゲームじゃポケセンなかったのに、この時代じゃポケセンが作られようとしてる!」

 

ワンリキーやカイリキー、ゴーリキーなどの力自慢のポケモン達と共に建設業の職人の皆さんが汗水垂らして、マサラタウンのポケモンセンターを作ろうと頑張っている。この調子なら、今年中にはポケモンセンターが完成しそうだ。

トレーナーとポケモンの憩いの場であるポケセンを頑張って作る人を見て、ミヅキちゃんはオーキド博士の研究所へと入っていった。

 

「状況を報告しろ!!」

 

「ラティオスが反抗期に突入しました!!」

 

「親分バンバドロがフケ(牝の馬が発情期出る生理現象。簡単に言えば荒ぶる)で大暴れしてます!!」

 

「サンダーが大暴れしてます!!サンダーを停めるため、マッシブーンの爆裂パンチの二次被害が!!」

 

しかし、研究所に入ると庭から爆音が何度も響き渡るわ、職員達が大慌てで動き回ってるわ、外を見ればサンダー、ファイヤーが大暴れしてるわ、通常個体とは違って伝説のポケモンに匹敵するフィジカルを発揮する超大型サイズの親分個体が闊歩してるわ。一言で言えば、魔境その物であった。

 

「えっ……なにこれ……えっ?準伝とバカデカイ個体が外で大暴れしてるんですけどぉぉお!!」

 

始まりの町かと思えば最終ダンジョンであるハナダの洞窟真っ青の魔境と変貌していたオーキド研究所。これも乾巧ってヤツの仕業なんだ。

 

「おお…君がミヅキちゃんじゃな?ようこそ、ワシがオーキド博士じゃ」

「貴方がオーキド博士ですね!!初めまして…えっ?…」

 

そして遂にオーキド博士とご対面したミヅキちゃんであったが…オーキド博士は爆発や衝撃に巻き込まれたのだろう、爆発アフロヘアーとなってて頬っぺたに煤が着いていて白衣がボロボロとなっていた。

 

「何があったぁぁぁあ!!」

「ホッホホ、元気な女の子じゃな。なに、レジロックとサンダー、親分エルレイドの縄張り争いに巻き込まれただけじゃ」

 

オーキド博士は何事も無かったようにそう言うが、ホロリと涙を流す。

 

「レッドのヤツがポケモン図鑑完成の為に、伝説のポケモンを含めた全種類を捕まえて預けたお陰で魔境となるし。ホワイトの野郎が『親分個体大きい!オーキドのじっちゃん喜びそう!!』とか言って親分個体を問答無用に送ってくるし…主にこの2人の好意と行為でオーキド研究所は魔境となってしまったのじゃ……ウォォォン…」

 

どうやらオーキド研究所を魔境に変えてしまった原因は2人の人物が、オーキド博士の研究の手伝いで様々なポケモンを捕まえて預けたのが原因のようだ。1人はミヅキちゃんも雑誌で見たことがあるポケモンリーグ本部(カントー)チャンピオンのレッド、もう1人はメディア関連でも見たことはないがホワイトという人物のようだ。

考えてほしい。伝説のポケモンや親分個体は想像を絶するパワーを持っており、そんなポケモンをほいほいと預ければこうもなるだろう。

 

「大丈夫ですか?なんか…その色々と」

「君は優しいの…ワシに優しい子供はぶっちゃけサトシ以来じゃ。レッド世代は全員塩対応、サトシより下の子達はホワイトを筆頭に皆塩対応じゃ」

 

オーキド博士!!久しぶりに優しくされたためか、涙をポロポロと流す。どうやら原作やアニメ以上に苦労しているようだ。

 

「ミヅキちゃんはポケモンを手にしたら進路はどうするのかね?」

「一先ず、母からは学校に通うようにと言われました」

「最近は学校に通う子供が多いの~。レッドの世代は全員学校に通わず初年度からリーグ本戦に出場し、レッドなんてそのままチャンピオンになったからの。

サトシの世代はサトシとシゲルは大成したが、他の子はリーグ本戦も果たせず苦労してるそうだ。ホワイトの世代は……うん、言わなくていいや」

「ホワイトって人の世代何があったの!?まさか、超落ちこぼれ!?」

「違う!!その真反対じゃ!!あの子はやりすぎるから、知った子達のやる気をへし折ってしまうのじゃ!!ゲフンゲフン!!とにかく、ホワイトやレッドなどのイレギュラーはともかく、サトシのように初年度からリーグ出場は目標にするのは良し。じゃが、焦りは禁物だ。世間一般で天才と呼ばれるエリートトレーナーでさえ、バッジを揃えてリーグ本戦出場には数年かかる。自分のペースで良いから、良きトレーナーを目指しなさい」

 

オーキド博士の言う通り、トレーナーに成ってから初年度でその地方のバッジをシーズン中に全て集めきり、リーグ本戦に出場するのは一部の例外だけ。

大半のトレーナーはポケモンを手にすると、最初の3年ほどでポケモンとの接し方を学び、共に切磋琢磨して数年で漸くリーグ本戦に出れるかどうかと言えるだろう。なにせ、ジムバッジを全て揃えるのだけでも大変なのだから。

 

「さあ、この子達が君の初めてのポケモンだ。好きな子を選びなさい」

 

オーキド博士はそう言うと、同じく爆発アフロヘアーとなった従業員を呼び、その従業員が3匹のポケモンを連れてきてくれた。

 

「カゲ!!」

 

尻尾に炎を灯したヒトカゲ。

 

「ダネフシ!!」

 

背中に蕾を背負ったフシギダネ。

 

「ゼニゼニ~」

 

二足歩行の亀であるゼニガメ。

 

「さあ、どれにするのじゃ?」

 

選べるのは1匹だけ。ミヅキちゃんが選ぶのはもう既に決めている。

 

「もう決めてます!フシギダネです!!」

「ダネダネ~!!」

 

ミヅキちゃんはフシギダネを選んだ。これで晴れて、ミヅキちゃんはトレーナーデビューである!!

 

「おめでとう!これで君は今日からポケモントレーナーじゃ!!

ところでミヅキちゃん。君は学校に通うとのことだが、何処の学校かな?」

「母が言うにはセキエイ学園です」

 

セキエイ学園、その名前を出した瞬間…オーキド博士は哀れみを抱いた目でミヅキちゃんに同情し、従業員の方々は顔面蒼白になったり、ミヅキの今後の心労を思って涙を流した。

 

「そうか…セキエイ学園か。良い学舎じゃよ…ホワイトに振り回されなかったら。教員達も皆優秀じゃ…ホワイトと筋肉の化身スグリにボコボコにされとったけど。生徒も皆優秀じゃ…ホワイトの才能に嫉妬した上級生が闇討ちしようとしたが、ホワイトのコライドンが放ったゴッドフィンガー喰らってたけど。校外学習も豊富で充分フィールドワークやジム巡り、コンテスト巡りも出来る……その校外学習で数日以内にバッジコンプリート、コンテストグランドスラム為し遂げたヤヴェーの居るけど」

「「「「頑張れよミヅキちゃん!!ホワイトの野郎は中等部だから最短3年間最大6年間は大変だけど!!」」」」

 

そしてミヅキちゃんの門出を祝うように、親分マルマインが盛大に大爆発を披露してくれた!!頑張れミヅキちゃん!!頑張れ新入生と新社会人!!出会いの春が始まるぞ!!




ミヅキちゃん。リコと共にセキエイ学園(半分魔境化)に入学。

ツッコミ増やす?

  • 増やしてくれ…増やしてくれぇ!
  • ミヅキよ。目指せポケモン界のツッコミ柱
  • もういっそ、全員ボケてしまえぇぇ!!
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