超かぐや姫!~"はじまり"、祈り。そして、”はじまり”~ 作:tomine1411
(注:独自設定が含まれます)
A.D.201x。日本某所。
この、ずっと昔より発展した街をひとり、歩く。
何者にも見られないけれど、目と耳以外は何も感じられないけど。
それでもこれは、私にとっての習慣だった。
ずっと見てきた。東京の、街並み。
懐かしいものと、見覚えのないもの。
ビルの上から、静かに眺める。
人、空、車、生き物。
幸せかどうかはわからないけど、でも。
確かにそこには、平和がある。
かつてあの人たちが願った、それが。
空に、手を伸ばす。
雨が降っていた。しとしとと降りしきる、雨。
それに、手を伸ばす。
心だけでは、外に触れることはできない。
私の心には、寂しさだけが残ってる。
街並みを、もう一度眺める。
高校生が、写真を撮ろうとしていた。
3人で、並んでいた。
「…入りたいなぁ。」
聞こえない、声を呟く。
彼女たちの後ろ、フレームに入るように。
彼女たちと同じポーズを、取ってみる。
フラッシュ。
後ろから、画面をのぞき込む。
「やっぱり、映らないかぁ。」
当然の事実。見えないものは、関われない。
ただ、それは、
私たちがまだ一緒にいられないことを、示していたから。
私の心には、今少しの憧れが残った。
まだ、触れない。
まだ、触れ合えない。
でも、私は。
少しだけ、こうやって触れられないことに。寂しさを感じる。
...私は、いつからこうやって、寂しさを感じるようになったんだろう。
FUSHIに身体を返したとき?
彼に別れを告げたとき?
…いや、たぶんどれも正解じゃない。
最初に出会ったあの子と別れたときから、
私の寂しさは、ずっと続いてるんだ。
あの男の子も、
釣り上げられて友人になった彼女も。
恋の歌を贈ってくれた彼も、
あの燃える城の中で別れた彼女も。
運命を二人で駆け抜けた彼女も、
いつも独特な世界を聞かせてくれた彼も。
あのがれきの街で出会った彼女も、
最後に出会った、あの不思議な笑い方をする彼も。
いつか、一生の別れを告げることになった。
大切なものを、数多くもらった。
でも、別れのあとはいつも後悔が残る。
いつも、私は後悔をするばかりなのだ。
だけど。止まることは、できなかった。
それは、彩葉への裏切りに等しいから。
だから、進んでいこう。