超かぐや姫!~"はじまり"、祈り。そして、”はじまり”~   作:tomine1411

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《また、逢えたね。》

A.D.202x。日本某所(仮想空間ツクヨミ内にて)。

 

 

 

ヤチヨchat。表向きには(というか、ほとんどの投稿は)

AIによるチャットサービス、ということになっているサービス。

 

しかし、その管理人には。ある、悩みがあるのであった。

 

 

「うぅ...彩葉からの相談が来ない...」

 

「何回悩んでるんだ、バカタレ」

 

...そう。彩葉からの、相談が来ないのである。

 

この心配性の(元)月人、この頃に彩葉が相談しに来るはずだと

ここ数ヶ月延々悩み続けてるのであった。

 

これにはFUSHIも呆れるばかりである。

 

 

...まぁ、こうしたことは過去に幾度ともなくあったわけだが。

 

 

彩葉が生まれる頃にまだ生まれてないのかと毎日行政ネットに

繋がって若干ネットを重くしてみたり。

 

彩葉の写真や動画を手に入れようとネットの海で合法的なあらゆる手段を使ってみたり。

(ストーカーでは...ない...かな?)

 

 

でも、彩葉に直接干渉しようとは思わなかった。

 

それは、この物語の結末を変えかねない行為(ハッピーエンドを貶めること)だったから。

 

でも、"わたし"は心配ではいられなかったのだろう。

 

 

 

...そういえば、この歌を作ったのは、この頃だったのだろうか。

 

「星降る海」。失いたくないもの、見失いたくないものを、もうなくさないために。

 

そんな、祈りの歌。大切な人に出会えるようにと作った、願いの詩。

 

 

-幾千の 時を巡って今 僕ら出会えたの-

 

この八千代、いやその前から。あなたの、(Reply)を聞いてから。

 

 

私は、あなたにもう一度。この場所で、出会うために。

 

この悠久とも思える時を、巡ってきたのだから。

 

...こんなに変わってしまった私を、受け入れてくれるのだろうか。

 

そんなことを想いながら、私はこの曲を作ったんだっけ。

 

 

 

-ほら 見失わないように 手を離さないで...-

 

彩葉に手が届くようになったなら。あなたを、もう二度と見失いたくはないから。

 

 

暗い未来(バッドエンド)は、もう嫌だったから。

 

-暗がりの道も 月明かりが照らすの-

 

だから、ツクヨミはどこも明るいんだ。

 

 

 

-宙、海の向こう きみのもとまで 響くように歌えるかな-

 

この歌を歌うことになったら。もし、その時にあなた(彩葉)がそこにいたのなら。

 

たとえ、正体に気づかれなかったとしても。

 

私は、それだけで。 どうしようもないほど、幸せになるんだ。

 

 

-未来へ踏み出す先も きみと心振るわせて-

 

だから、私は。

 

 

-叶うさ 今 物語を巡ろう-

 

せめて、今だけは。

 

 

ヤチヨChatからの、通知。

指定ユーザー(彩葉)が、質問を送信してきた合図。

 

 

逸る心を抑えつつ、回答を書き出す。

 

内容をFUSHIに確かめてもらって...送信。

 

 

”せめて、あなたに幸せがありますように。”

 

 

書くことは、できなかったけど。

 

せめて、ここから祈ってるよ。彩葉。

 

 

 

...でも。いつか、一緒に。物語(ハッピーエンド)、巡りたかったな。

 

 

 

《出典:星降る海 / Aqu3ra feat.月見ヤチヨ》

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