超かぐや姫!~"はじまり"、祈り。そして、”はじまり”~   作:tomine1411

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こんばんは、Tomine1411です。
《続前:終章//ツクヨミにて》のもう一つの視点を補完したものです。
お楽しみに。 


《続前:終章//現実にて》

A.D. 2030、夏。ツクヨミ某所→現実。

 

「私は…わたしは…」

 

「ヤチヨ、もう限界だろう」

 

「….うん。お願いね、FUSHI」

 

主人(ヤチヨ)が眠りについたその時から。

 

僕の、ある意味において最後の仕事が始まった。

 

まずは、ヤチヨの生放送の代わりに過去数年の記録から最も整合性の高いものを再放送。

 

….どじょうすくい、か。その意味(二人一組)を考えると、少し心が重くなる。

 

そして、もう一つの仕込みを起動させる。

 

ツクヨミの片隅、|利用されていない領域の一部とリンクしている場所。《ある通りの片隅》

 

そこと、あのアパートに同時に機能特化の分身体(エージェント)を出現させる。

 

こういった曲芸も随分慣れたものだと思いながら、意識は彩葉に向ける。

 

…来た。メッセージ。

 

無論、主人からの指示で着信拒否しているから内容はわからない。

 

でも、気づいてくれた。ここからだ、重要なのは。

 

ツクヨミに送っていたエージェントに憑依する。

 

今は本体の権能は必要ないから、これで十分。

 

彩葉の前に、少しだけ姿を表す。

 

少しだけにしたのは。ふとした隙に、涙を流しそうだったから。

 

「あっ」 ….彩葉が、気付いた。

 

「待て、なんであんただけで!」

 

もちろん、それは。….それは。

 

あの場所。ある仕掛け(管理者空間へのゲスト付与)をした場所に、誘導する。

 

息を切らせるご主人の親友。

 

支えてやりたい。でも、今は。

 

「どこにいるか教えて!」 まだ、教えられない。

 

あの真実を知る、覚悟がなければ。

 

きっと、耐えられないだろうから。

 

「自分で探すよ」

 

つい、口に出してしまう。長く生きていると、口がすぐ出るようになってしまった。

 

僕も、主人も。

 

「バカタレ、何処を探すって?」

 

覚悟がなければ、耐えられないから。

 

「教えてくれないなら、世界中!」

 

ああ、そうだ。忘れていた。

 

その、決意に満ちた、眼。

 

こんな眼をするあなただから、僕も主人も惹かれたんだ。

 

….今なら、彼女も受け入れてくれる。だから。

 

さぁ。最後の物語を始めよう。

 

「目を開けてみろ…こっちだ!」

 

現実側のエージェントに意識を移す。ツクヨミ側のエージェントは自動撤収だ。

 

同時に、あの部屋への最短ルートを組み上げる。

 

鉄道と徒歩、それで行けるすべてのルートから最適解を組み上げる。

 

同時に、警備をしてくれている彼らにも連絡。

 

彼女の高校の名前とともに、「この学校の生徒が来ても素通りさせて」と。

 

そして、最後。 主人への、連絡。

 

スリープしている主人(ヤチヨ)を、アラームで叩き起こす。

 

この手を使うのも、随分久しぶりだけど。(体にガタが来ているのも、知っていたから)

 

でも、今日、この時だけは必要だと思ったから。

 

メッセージには、一文だけ。

 

「彩葉がこっちに気づいた。案内してる」

 

僕の苦労は、ヤチヨは知らなくてもいい。

 

これからが、主人の正念場だからだ。

 

…そうだ、一足先にあの場所へ行っておこう。

 

ひょっとしたら、また出会えるかもしれないから。

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