超かぐや姫!~"はじまり"、祈り。そして、”はじまり”~   作:tomine1411

27 / 33
《Ⅶ:終わらない"未来"(あした)へ(A.D.204x~)》
《贈りたいもの。私が、ヤチヨに。》


A.D.204x。仮想空間ツクヨミにて。

 

「うーん...」

 

 

自分の部屋。机の上にスマホを置き、座る。

 

一人、静かに悩む。

 

 

彼女にしては大変に珍しい行動ではあるが、

 

彼女にとってもそうしたい理由があったのだから仕方がないだろう。

 

 

というのも、明日ライブお疲れ様会も兼ねて3人でカラオケに行くことになったのだが。

(義体の継続運用テストの面もある)

 

よく考えると、自分にあまり持ち歌がないということに気づいたのであった。

 

 

...いや、無いわけではないのだが。

 

「Reply」だって後半は自分で作詞したんだし。

 

とはいえ、である。

 

自分に届いた歌なのだから、あの曲はかぐやが歌いたがるだろうし。

 

歌える曲そのものは他にもあるのだが。

 

 

...そう。その大半が、ヤチヨの持ち歌でもあるのだ。

 

 

当たり前っちゃ当たり前ではある。

 

私がヤチヨファンなのだから、持ち歌がヤチヨのものばかりになるのも当たり前だ。

 

 

ただ、こうした場においては、些か問題になるだけであって。

 

 

一人、スマホで曲を適当に流す。

 

 

-So many times 一人でいたら-

 

-I think of you 考えてしまうの-

 

 

…この歌…以前、どこかで聞いたような…

 

 

-君以外 見えないよ-

 

-「好き」な気持ちなら 他の誰にも負ける気がしないよ-

 

 

 

…そうだ。どこかのテレビ番組だった。

 

たまたま流れていたのを聞いて、思い出せなかった曲。

 

今じゃこうやって愛する人ができたわけだけど。

 

あの頃は、そうやって楽しむ暇もなかったから。

 

 

でも、今なら。この歌の気持ちが、わかる気がする。

 

 

 

-ねぇ 今すぐに君に会いたい 素直になりたい-

 

-特別な目で 私を見てほしくて-

 

 

ずっとずっと、私は独りだった。

 

母親に啖呵を切って出ていったあの日から。

 

真実や芦花に、ずっと助けてもらってたけど。それでも私は、独りだった。

 

私には、大切だと思える人がいなかったから。

 

 

惰性で生きていた私は。

 

「愛」を失った私は、いつしか消えそうになっていたんだ。

 

 

 

こんな「愛」に気づいたのは、いつのことだったんだろう。

 

あの花火の時か。かぐやが月に帰った頃か。

 

...多分、あの花火の時だったんだろうな。離れたくない、って強く想ったから。

 

私はその想いで、強くなれたから。

 

その想いを貫いて、今。ここにいるから。

 

 

 

 

-"ありのままの君が好きだよ 本当の想いを"-

 

-"伝えたくて いつも I love you..."-

 

 

歌い始める。ずっとずっと続いてる、あなたへの愛を。

 

 

ずっとずっと続けていく。この、奇跡を。

 

《出典:キミに贈る歌 / 菅原紗由理》

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。