超かぐや姫!~"はじまり"、祈り。そして、”はじまり”~ 作:tomine1411
A.D.204x。東京、酒寄義体研究所キッチンにて。
「うーん…たしかこんな感じだったような…」
拝啓、かぐやファンの皆様。
只今、私こと酒寄彩葉は途方に暮れています。
あのパンケーキ、どうやって作ってたんだっけ、と。
いや、あの待って。待ってください。
無言で後退りしないで、待って。
…かぐやに、言われたんです。
「あのパンケーキ、もう一度食べたいなぁ」って。
無論聞き返しましたよ。「…マジ?」って。
それでもってかぐやが言ったから、今ここで頭を抱えてるんですが。
…いや、我ながらアレをよく食べれてたなぁとは思うんですが。
とんと思い出せないんです。アレを、食べ物として作ってた作り方が。
当時は手癖で作ってたんだろうし、今みたいに記録する癖
もないから記録がないのも当然なんです。
とはいえ、今なら最悪数打ちすればどうにか再現はできると思ったんですが。
どうも当時、思い返してみると味覚がどうもおかしかったように感じてるんです。
…絶対、これヤチヨには言えないなぁ。
言ったら最後また人間ドックに放り込まれるし。
(待ってください所長、そんなことやって…ましたね?しかも割と自己責任のやつ)
余計なこと言わない。記録の邪魔になるでしょ?
それはともかく。
とりあえず、それっぽいものを再現できればこれはいいんです。
まぁ、かぐやのことなんで。多分あの顔するんだろうなって思うんですが。
思い出の味は、これから作っていけばいいから。
…何にやにやしてんのよ…
(別に余計なことは思ってませんよ、かわいいってだけですから)
…よし、できた。
(本当に数時間かかるとは思いませんでしたが)
…ありがとね、隅田さん(注:記録係兼消費係の女性スタッフ、後輩)。
(いやまぁ、あのパンケーキもまたいろかぐの象徴と考えれば…うぷっ)
うん。本当にごめんね?
でもまた、あの子が欲しかったことを叶えてあげられる。
あの時叶えられなかったことも、もう一度やりたいこともたくさんある。
あのお店のパンケーキも、海も、温泉も。
そのためには、かぐや達のアバターボディの改良が必要不可欠だ。
…かぐやをアバターボディに移す。
この考えが正しいのか間違っているのかを問うのは、もうだいぶ昔にやめた。
あの時、10年前にヤチヨの前で決めたから。
どんなに険しい道のりでも、私は私のためにあの子を復活させると決めた。
だから、ここまで歩いてこれた。
でも、ここからがもう一つのはじまり。
ずっと一緒に過ごしていく。遥か彼方まで。
「…クソまじい」
「頼んだのはそっちでしょ!?」
(ふふふ…)