超かぐや姫!~"はじまり"、祈り。そして、”はじまり”~   作:tomine1411

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《酒寄研の構想記録 vol.XI「かぐやの動力源」》

A.D. 204x。東京、酒寄義体研究所。

 

(注:独自設定が含まれます。)

 

「登山なぁ…」

 

「何を考えているんです所長?もしかしなくともですけど」

 

「んー?たぶん合ってるよ」

 

静かに冷や汗がする。

 

「マジですか….ってなると現状一番の問題が動力源では?」

 

念の為聞き返す。勘弁してほしいのだが。

 

「そ。だから今悩んでるわけだけど。」

 

 

現状のかぐや(アバターボディ)の動力源はリチウムイオンバッテリだ。

 

一応連続8時間程度の稼働は可能なのだが、なにせ交換ができない。

 

なんせバッテリーなんぞ危険物を入れるためにほぼ全部の

 

コンポーネントは生体保安部品の山と厳重なシーリングの塊であるからだ。

 

また、高山という独特の環境はバッテリーに対して低温低圧という

 

敵でもある状況を形作る。この研究所においてもバッテリーの

 

持続時間問題を解決する方法は研究されているが、まだ実用化が

 

済んでいないのが実情だ。(なにせ所長が別件で死んでたからね)

 

それは博士も承知の上。その上でこんな話をしてるということは

 

対応型のバッテリあたりを考えるのが普通だろうが。

 

ただ、こんな時の酒寄博士はそんなことじゃ止まらない。

 

大概の場合は直接問題を解決するだけで済むが….

 

 

「よし、核融合炉作るか」

 

「やっぱりそう来ると思ってましたよ所長!?」

 

時折こういう傍目から見てもヤバいことを言い出すから笑えないのだ。

 

さて、こういう時のためにここにはある標語がある。

 

「所長が思いついたような顔をしたらヤチヨを呼べ。」

 

つまりはまぁ、そういうことで。

 

ヤチヨ印の通報システムを静かに押す。

 

 

「せめて生体転換炉とかじゃないんです!?」

 

「だってアレ効率悪いじゃん」

 

「でも人間もそれじゃないですか!?なんでこう極端なんです!?」

 

「だって…かぐやには不便させたくないし…」

 

「それはわかってますがかぐやを国家機密の塊にしたら本末転倒でしょう!?」

 

 

これだから所長は放置できない。多分私がいなかったら

 

いつの間にか所員の胃を犠牲に完成させていただろう。

 

実際、そういうことになった例がこれまで複数件(おおむね秘匿呼称がついたやつ全般)

 

あるから笑えない。

 

 

「うーん…仕方ないし、融合炉は実証までにして生体炉メインで行くか…」

 

「だから融合炉にしようとするなって言ってるんですってば!!!」

 

「ヤチヨもそれはどうかと思うなぁ…」

 

 

…やっと通報ボタンが通じたかぁ。でもこれは…

 

「だってヤチヨもずっと動けるようにしたいから…」

 

「彩葉ぁ…」

 

ダメみたいですね。

 

 

私は静かに同僚用の業務連絡ツールに今の現状を流し込みつつ、

 

ふと思いついた文章をメモ帳に入れておく。

 

これをどうにかするには、それこそ頭数しかないだろうから。

 


 

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