超かぐや姫!~"はじまり"、祈り。そして、”はじまり”~ 作:tomine1411
連作2品目、どうぞお楽しみください。
《ひとりぼっちのお姫様//so tiny world is mine》
B.C.????。推定地球。
この星に落ちて、2日目の朝。
いまだ救援の気配も、電波の気配すら見当たらない。
...私、世界で一人きりなのかな。
ここがどこかもわからない。今がいつかも、わからない。
それを観測する方法は、今は存在しないから。
あの歌を聴いて、もう一度会いに行きたいって思って。
思えば、そこから私は
あの時から、すべてをそのために捧げられるようになった。
あの場所に行くために、それ以外のすべてを切り捨てられるようになった。
...想定外でこうなったことは、どう考えても落ち度だけど。
"もと光る竹"の基幹システムは非常系を除いて軒並み沈黙。
非常系といっても、小動物への擬態機能と
精神生命体としての維持機能くらいしか生きていないけど。
さて、どうしたものかなぁ。
しばらくくらいなら犬DOGEと一緒に過ごせばどうにかなると思うけど。
...会いたいなぁ、彩葉。
とりあえず、できることをしよう。
悩むのは、それからでいいと思うから。
最初は...擬態機能の確認をしておこう。
何かあったとき、絶対に使う機能だろうから。
...ふんふん、人格そのものを乗せなくても
犬DOGEを乗せてその上で動けば小動物もいける、と。
...これは、擬態先を選べるオプション...かな?
ここまで作りこまれてるとは思わなかったけど、今はありがたい。
できれば陸と海の両方で動けるのがいいんだけど...
あっ、ウミウシだ。ちょっと
...意外と地上も動けるんかい。
見た目とは若干遠いけど、思ったより動けた。
想定外だけど。
とりあえず、擬態先の候補に入れておく。
次は...精神維持機能と外殻構造の確認かな。
精神維持機能は今のところ大丈夫。
精神生命体は演算機さえ持てば、割とどうにかなるのが大きい。
ただ、外殻の状況が思ったより悪かった。
非常排除系が衝突の衝撃で丸ごと消失、外殻とのデータ線もついでに断線。
これじゃ外の状況もほとんどわからないし、殻を破ることもできない。
最低限、光学系の一部が生き残っていて助かった面もあるけど。
舟の向きも変えられないこの状況じゃ、海くらいしか映ってない。
ずっと同じ景色を見てれば、月人だって飽きは来る。
そして、
...これじゃ、私は小さな籠のお姫様だ。
この舟から人間として出ることもできない、籠の中のお姫様。
すぐにでも会いたいよ、彩葉。