超かぐや姫!~"はじまり"、祈り。そして、”はじまり”~   作:tomine1411

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《追憶:いつかの、出会いの時。》

(注:独自解釈を含みます)

 

A.D.19xx、???。日本国内某所。

 

”わたし”は、思い出す。最初の時を。

 

あの、誰とも出会えなかった闇の日々を。

 

「どこにいるんでしょう…ヤチヨ…出てきて…助けて…」

 

 

”わたし”は、思い出す。最初の別れを。

 

あの、どうにも飲み込めない感情を。

 

「…歌って。最後に、あなたの歌が聞きたいの。」

 

そう聞こえたから。私は歌い続けたの。

 

そう、望まれたのだから(そうするしかなかったのだから)

 

 

”わたし”は、思い出す。あの、うたわれし時を。

 

感傷に疲れていた”わたし”に、”想い”を思い出させてくれた時を。

 

“逢い見ての のちの心に くらぶれば” …

 

今では、続きも思い出せないけれど。

 

でも、大切なことは、今でも覚えている。

 

 

”わたし”は、思い出す。あの、燃え盛る城を。

 

「会いたい者がいるのだろう?」

 

その頃には、心を隠せていたと思ったのに。

 

見抜かれた。…一緒にいたいというのは、本当だったのだけれど。

 

でも、それは叶わないと知ってしまったから。

 

また失うことが、怖かった。

 

…失ってしまった後悔を、今も覚えている。

 

でも、同じだけ。その意志の強さも、覚えている。

 

 

”わたし”は、思い出す。あの、吉原の彼女を。

 

強かった。輝いていた。

 

あの強さに、惹かれたんだと思う。

 

いつだって笑っていた。

 

”ムカつくからさ、笑うんだよ”

 

どんなに辛いことがあっても、笑っていた。

 

幸せじゃなかったとしても、笑っていく強さをもらった。

 

それだけは、覚えている。

 

 

”わたし”は、思い出す。あの、文豪と過ごした日々を。

 

楽しかった。あの人の語る世界を聞くのが。

 

嬉しかった。”わたし”のことを理解してくれたことが。

 

…でも、最後にはいなくなった。

 

「君の活躍する時代を、俺も見てみたかった。」

 

最後に伝えてくれた願い。それだけは、覚えている。

 

 

”わたし”は、思い出す。あの、戦の日々を。

 

街も、空も、地面も赤く染まった。

 

血の、どす黒い赤だ。人の未来が、消えていく色。

 

何度も、何度も、戦があった。

 

その度に、出会った人も、一緒に過ごした人も、消えていった。

 

ただ、見つめることしかできなかった。

 

失われるものを、見つめることしかできなかった。

 

その後悔と悲しみだけを、今は覚えている。

 

 

”わたし”は、思い出す。大切な人のことを。

 

ずっとずっと思い出してた。

 

”あの世界”のことは、もうあまり思い出せないけれど。

 

でも、あの輝かしい日々は、大切な人(いろは)のことだけは、

 

ずっとずっと、覚えている。

 

もう一度会いたい。もう一度、話をしたい。

 

…でも、不安な私がいる。

 

私は、あの時から変わってしまった。

 

冗談を言うことも減ったし、元の笑い方も忘れてしまった。

 

この世界が、あの未来に繋がっているかどうかはまだわからない。

 

けれど、私は信じている。

 

いつか、また出会えることを。

 

出会える”明日”はまだ遠いけど。

 

でも、その先に”ハッピーエンド”があると信じて。

 

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