超かぐや姫!~"はじまり"、祈り。そして、”はじまり”~   作:tomine1411

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《Ⅲ:ただ、その声を聞きたくて(A.D.19xx~)》
《夢を見ている。最後の、ゆめを。》


A.D.1945、夏。日本国内某所。

 

夢を見ている。そう、信じたかった。

 

- Must be dreaming, or...-

 

そうなのだとしたら、つねって起こしてほしいとすら思う。

 

- Pinch me to waking...-

 

こんな光景を起こしたのが、同じ人間なのだと信じたくなかったから。

 

こんなことを考えたのが、同じ人間だと信じられなかったから。

 

瞳は、暗く澱んでいく。

 

絶望で、暗く澱んでいく。

 

なにも、残っていなかった。

 

人間も、犬も、猫も。

 

建物も、声も。

 

おおよそすべてが、焼き尽くされた。

 

黒い雨が、降ったと聞いた。

 

きのこ雲が見えた。そう聞いた。

 

ああ。人はついに核を使ってしまった。

 

人類を容易に全滅させうる力を、手にしてしまった。

 

...絶望の音が聞こえた。

 

"わたし"は、知らなかったんだ。

 

あの豊かな時代に生まれて。

 

戦を何度経験したとしても。

 

この得も知れぬ感情(ぜつぼう)は。知らなかったんだ。

 

- いつか孤独は 癒えるだろうか-

 

いつか歌おうと思っていた、あの歌。

 

- 変わらない 何もかも-

 

変わらなかった。何も変わらないんだ。

 

ああ。死ねないこの身体が、どんなに恨めしいだろう。

 

この絶望を以てしても、私の身体も、心も消し去ることはできない。

 

「ヤチヨ...あなたなら、どうしたでしょう...」

 

つい、弱音を吐き出す。

 

長く過ごしてくるほど、こうやって弱くなっていくのだろう。

 

何度も出会いと別れを繰り返して。

 

そうやって、お別れには強くなったって思ったけど。

 

それでもずっと、悩んで行くんだろう。

 

-それも少しの 間と思おう-

 

もう一度あの子に出会うって、進み続けてきたのに。

 

...人が見えた。にじり寄る。

 

 

そうだ。あの子は花を売っていた子だ。

 

生きていたんだ。それだけで、今は少し嬉しくなる。

 

覚えられてるかわからないけど、話しかけてみる。

 

「あなたは...どこかに行かないの?」

 

少女が、答えた。

 

「私には、ここなの。」

 

..."わたし"には、理解できないのかもしれない。

 

こんなことになった場所を、諦めないということは。

 

でも、"わたし"は。ずっと、そんな人たちを見てきたんだ。

 

そんな人たちと過ごしてきたんだ。

 

幾度ともないお別れをすることになっても。

 

あの、最初の出会いから。ずっと。

 

"わたし"は、その地を去っていった。

 

でも、その歩いて行こうとする姿は。

 

今の"わたし"にも、強く刻み付けられている。

 

-そんな 八千代 越えて...-

 

 

そうして、”わたし”は生きていく。

 

悪いものを数多く見ても。絶望で心が張り裂けそうになっても。

 

《出典:Must Be dreaming / Frou Frou》

《出典:Ex-Otogibanashi / Ryo(supercell) feat.月見ヤチヨ & かぐや》

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