いつか途切れた、音の続きを   作:いつかの音色

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 つかの間の日常回です。




あがた祭り

 

 

 斎藤先輩の一件は、晴香さんが色々と話して円満に終わったらしい。部員たちにも晴香さんが説明して、それでみんなが納得したのだから、晴香さんのリーダーシップは本人が思っているよりもすごい。

 それから少しの間は、刻一刻と爆弾が爆発するタイムリミットが迫る中、平穏に済んだと言えるだろう。

 

「香織せんぱーい! 一緒にあがた祭り行きませんか?」

 

 練習終わり、優子先輩が香織さんを祭りに誘っているのが見えた。

 あがた祭り。この辺りで毎年行われているお祭りだ。去年は晴香さんが学校の友だちに誘われたと言っていたので遠慮して、一人寂しく家で過ごした。けれど、今年は違う。

 

「晴香さん、今年のあがた祭り……」

「あっ、えっと……実は香織とあすかに一緒に行かないかって誘われてて……」

「あー……やーめときますぅ……」

 

 今年こそは一緒に晴香さんと行きたかったのに……。

 香織さんはともかく、田中先輩と私は変な空気になりそうだから、遠慮するしかない。もっと早く誘うべきだった。

 

「えー!?」

「邪魔だってさー」

「うっさい!」

 

 見れば、優子先輩は香織さんに断られたらしく、通りすがりの夏紀さんにからかわれていた。

 ふと、優子先輩と目があった。

 

「優子せんぱーい……」

「……仕方ないわ。行くわよ、倉崎」

「え!?」

 

 断られた者同士、深くは語らずに意気投合していると、優子先輩のそばを通り過ぎたはずの夏紀さんが勢いよく振り返った。

 いや、私は断られてはいないけれども。

 

「ふ、二人で行くつもり!?」

「なによ、別にいいでしょ」

「いやっ、よく、いっ……」

 

 ほんの数秒前と立場が逆転していた。

 

「私も行こっかなー。みぞれはどうする?」

「希美が行くなら、行く」

 

 と、結局そういう事になり、優子先輩、夏紀さんに加えて希美先輩とみぞれ先輩の四人と一緒にあがた祭りに行く事になった。

 

 ▼△▼△▼△

 

「はいはい! トップバッター倉崎いきます!」

 

 練習が終わり、あがた祭り当日。

 一旦解散して家で私服に着替えてから、私たちは合流してあがた祭りへ向かった。

 

 たくさんの出店が並ぶ中、最初に目についたのは射的の屋台だった。

 

「実は射的やった事なくてですね。気になってたんです。もしかしたら隠れた才能が発掘されるかも」

「どっちの方が当てられるか勝負よ」

「望むところです」

 

 優子先輩と並んで射的の銃を構える。愛用のクラリネットよりは少し重い。トランペットと同じぐらいかもしれない。

 とはいえ、そんな事は今は関係ない。勝負は勝負。出来るだけ身を乗り出して、照準を定める。狙いは奥行きが薄い箱に入ったお菓子、キャラメル。

 

 ポンッ。

 一発目は全然狙いとは違う場所に飛んでいった。

 

「あっれー?」

「ふふん、見てなさい……」

 

 優子先輩の一発目も外れた。

 

「次こそ当てます」

「こっちこそ!」

 

 ポンッ、ポンッ。

 共に外れ。

 

「ちゃんと狙ってるはずなんですけど……」

「なんで!?」

 

 結局、私も優子先輩も両方とも一発も当たらなかった。

 

「私がやってみるよ」

 

 そう言って、次は夏紀さんが挑戦。

 見事に私が狙っていたお菓子を当てた。

 

「すごい! さすが夏紀さん!」

「褒めても何も出ないよ? このキャラメルぐらいしか」

「やった」

「相変わらず倉崎に甘いわねぇ……」

 

 一つくれるとかではなく、箱ごと渡してくれたキャラメルを、一粒だけ取り出して夏紀さんに返した。夏紀さんは箱ごと丸々くれるつもりだったのかもしれないけれど、さすがにちょっと申し訳ないので。

 夏紀さんに貰ったキャラメルを口に放り込みながら、順番待ちをしているはずの希美先輩とみぞれ先輩に場所を譲ろうとして、違和感に気付いた。違和感というか、あの二人がいない。

 

「あの、希美先輩とみぞれ先輩は……?」

「え? さっきまでそこに……」

 

 優子先輩が周りを見渡すも、二人の姿はない。

 そもそもがお祭りの人混みだ。ちょっと離れただけでもどこにいるか分からなくなる。

 

「あちゃー、はぐれちゃったか」

 

 と、夏紀さんは暢気な構え。

 この辺りで行われる祭りとしては大きいけれど、一度はぐれたらもう会えなくなるほどの規模という訳ではない。ちょっと探せばその辺りにいるかもしれないし、最悪連絡を取ればどこかで合流するのも難しくない。

 

「みぞれが一人で離れるとは考えづらいから、希美について行ったパターンね、これは」

「探します?」

「まぁ、そのうち見つかるでしょ」

「おーい、ポテト買ってきたよポテト」

 

 噂をすればだ。

 人混みの向こうで紙コップに入ったフライドポテトを持った希美先輩が手を振っていた。よく見れば、そのすぐそばにはみぞれ先輩もいる。

 

「美味しいよ、食べる?」

「いただきまーす!」

 

 差し出されので、ありがたく一本を貰う。

 みぞれ先輩の手にもフライドポテトの入った紙コップがあった。

 

「あっちの方も色々あったよ。美味しそうなのがいっぱい。ね、みぞれ」

「うん」

 

 無事に合流出来たので、五人で出店を回っていく事になった。主に引っ張っていったのは希美先輩と優子先輩。

 

「ひさめちゃん、かき氷買う?」

「買います!」

「シロップ何にする?」

「じゃあ……ブルーハワイで!」

 

 定番の綿あめを食べたり、スーパーボールすくいをやってみたり。ある程度遊んで、希美先輩がまとめて頼んでくれたかき氷を持って、少し人混みを外れたところに出た。

 

「あぁ〜、頭がキンキンするぅ……」

「バカね。急いで食べるからそうなるのよ」

 

 明るい人混みから一転、静かで薄暗い外れへ。

 調子に乗って勢いよく食べていたら頭に痛みが。

 

「10年に一人の頭脳がぁ……」

「アンタの取り柄は別に頭脳じゃないでしょ」

「優子先輩ひどぉーい」

「やめい。アンタ実は余裕あるでしょ」

 

 キンキンする頭を押さえて痛みをやり過ごす。

 やがて痛みが引いてきて、ひと安心。まだかき氷がちょっと残っていたので、それを口の中に放り込む。

 

「またキンキンするぅ……」

「バカでしょ、アンタ……」

「あはは、おもしろいね、ひさめちゃん」

「うん、よく分からないギャグよりおもしろい」

「みぞれせんぱーい……趣味悪いですぅ……」

 

 他人の不幸は蜜の味とはよく言ったもので。普通の人とは少し感性が違うように見えるみぞれ先輩にもその言葉は当てはまるらしい。不幸というほどの事ではないけれど。

 希美先輩も、なんなら隠れて夏紀さんも普通に笑っているけれど、細かい事はよしとしよう。

 

「ふぅ……気を取り直しまして」

 

 かき氷を食べ終わり、かき氷についてくる特有の形のストローを誰もいない方へ向かって振って、水分を飛ばす。そして、口をつけて、短く勢いよく、何度か息を通す。

 

「なにやってるのよ」

「まぁまぁ、見ててください。みぞれ先輩、その串借りてもいいですか?」

 

 みぞれ先輩が買って食べた焼き鳥の串を借りて、ストローにいくつか穴を開ける。そして、ストローの片方の口を平たく潰して、折り目の谷になった部分に串を刺して切り込みを作り上下に半分に割いて完成。

 潰した方に口をつけ、吹く。

 

「おー、笛だ」

「なんでチャルメラ?」

「分かりやすいでしょう?」

 

 私もやってみよ、なんて言って、希美先輩は自分のかき氷のストローに先ほど私が借りた串を使って私と同じようにストロー笛を作った。

 

「あれ、なんかひさめちゃんのと違うね?」

「穴の位置とかでも結構変わりますよね」

「思ったより難しいんだ。よくそんな上手く作れたね?」

「天才ですので」

 

 音が出るようにすること自体はそれほど難しくはないけれど、それを楽器としてちゃんと音階を刻めるようにしようとすると、ちゃんとした場所に穴を開ける必要がある。私は大体の場所が何となく分かるから出来るけれど、普通は適当にやっても上手くは出来ない。

 

「誰が一番上手く作れるか勝負しません?」

「アンタの一人勝ちでしょうが」

「みぞれなら出来るかも?」

「やってみる」

 

 そうして、希美先輩の期待に応えるべくみぞれ先輩はかき氷を買ってきてストローを調達した。なお、必要なのはストローだけだったので、かき氷自体は優子先輩へと贈呈された。優子先輩は綿あめの割り箸で頑張って食べていた。

 

「できた」

 

 優子先輩が食べるのを諦めて夏紀さんに押し付けたりしているのを横目に、みぞれ先輩はストロー笛を完成させた。

 奏でられた音は、ドレミファソラシドっぽく聞こえる音階を刻んだ。

 

『お〜〜』

 

 正確な事を言うとズレてはいるけれど、手作りという事を考えれば十分だろう。

 

「なんか、吹きたくなってきちゃった。フルート持ってきたら良かったなー」

 

 みぞれ先輩となんちゃってセッションをしていると、希美先輩がそんな事を言い出した。

 気持ちは分かる。私もちょっと思ったところだった。遊びとしてはおもしろいけれど、やっぱり職人が作った楽器とは違う。

 

「じゃあ、あとでうち来ます? 五人ならギリギリ入ると思いますし。フルートもトランペットもユーフォニアムもありますよ。オーボエだけないのでみぞれ先輩はクラかサックスとかを触ってみるか……なんならピアノでも……」

 

 という事で、もう少しだけ祭りを楽しんで私の家に行く事になった。

 

 ▼△▼△▼△

 

「うわー……すご……」

「楽器の圧がすごいわね……」

 

 私の部屋を見た希美先輩と優子先輩の開口一番の反応だ。夏紀さんは来た事があるので慣れたもので、みぞれ先輩は意外にも色々ある楽器を見渡してソワソワしている感じだった。

 私の両親はアンサンブルコンテストも見に来ていたので、オクテットのメンバーの事は知っている。なので、急に今からオクテットのメンバーだった先輩四人を家に連れて行ってもいいかと聞いたらすぐにオッケーをくれた。

 

「何か触ってみたい楽器とかありますか?」

「ギターにバイオリンに、電子ドラム? 手広すぎない?」

「バイオリン触ってみます?」

 

 バイオリンなんて日常生活で触る事はまずない。有無を言わさず優子先輩にバイオリンを渡した。

 

「みぞれ先輩はサックス、希美先輩はピアノ、夏紀さんはドラムで」

 

 みんなにそれぞれあまり触った事がなさそうな楽器を渡していく。

 みんなが初心者の形。優子先輩はギギーみたいな音をたてて、夏紀さんは遠慮がちにスネアドラムを叩く。希美先輩は右手で『きらきら星』を演奏し、みぞれ先輩は初サックスで普通に音を出している。

 

「なんだか、すぐにセッション出来そうですね。優子先輩がもうちょっと頑張ってくれれば」

「私だけ難易度おかしくない!? というか、なんでフレットないのよ!?」

「確かに、最初はちょっと難しいですよねー。フレットありの方が良いならギターもありますよ!」

「まぁ、ギターなら……」

 

 優子先輩がそう言うので、アコースティックギターを渡してみた。すると、ジャジャーンとなにやら慣れた手付きだ。

 

「ギター弾けるんですね」

「教えてって言うから私が教えたんだ。趣味程度に」

「なるほど、夏紀さんが。さすがです」

「エレキだけどね」

 

 これならいけそうだ。

 

「サックスは運指がソプラノリコーダーと同じ感じなので取っ付きやすいと思います。ドラムは、とりあえずスネアから」

 

 優子先輩は一旦おいておくとして、みんなにほとんど初めて触る楽器を渡した。これは私の持論だけれど、初めての楽器が上手く演奏出来るようになる瞬間が楽器を演奏する瞬間の中でも一、二を争えるぐらい楽しい瞬間だと思っている。せっかく楽器がたくさんあるので、その瞬間を楽しんでもらいたいと思ったのだ。

 

「さすが、みぞれ先輩。明日からサックス奏者としてもやっていけますね」

「オーボエがあるから、いらない」

「……ですね!」

 

 みぞれ先輩は飲み込みがめちゃくちゃ早かった。普段オーボエという難しい楽器を吹いているから、それに比べればまだ簡単だったのかもしれない。シングルリードとダブルリードという違いはあるけれど。

 

「そうです。ドレミまで行ったら一旦親指を持ってきてファを押さえる。下る時は逆にファまで行ったら中指をミの方に持ってくるって感じです。あとは楽譜の通りに鍵盤を押さえるだけです」

「ちょっと分かってきたかも」

 

 ピアノは、簡単な楽譜なら極論人差し指だけで演奏出来なくはないけれど、それだとあとに続かないので指遣いも意識してもらいつつ、だ。

 

「スネアとハイハットに慣れてきたら次はバスドラも追加ですね」

「頭混乱しそう……」

 

 夏紀さんはユーフォニアム、ギター、ピアノ、ドラムとこれでかなり手広く楽器に手を出した事になる。着実に音楽人としての道を歩んでくれているようで何よりだ。

 

 良い感じに温まってきたところで、何か曲をやらないかと提案した。みんな初心者だというのも考慮して、今回は『威風堂々』。長さも良い感じという事で。

 私はとりあえず優子先輩が投げ出したバイオリンで参戦した。

 

 ▼△▼△▼△

 

 オーボエ以外の楽器はあるという触れ込みで誘ったものの、実態は全く別物となった演奏会。『威風堂々』を演奏しきって、休憩。

 

「ちょっとお手洗い借りていい?」

「あ、トイレなら出てすぐ右にあるので」

「間違えたら嫌だからついてきてくれない?」

「え〜、そんな事ありますー?」

 

 優子先輩がそんな事を言うので、付き添って部屋を出た。

 

「ほんとにすぐそこですし、思い切りトイレって書いてあるのでさすがに間違えたりしないと思うんですけど……」

「ねぇ」

「はい?」

 

 部屋を出て廊下。優子先輩はトイレの前を少し通り過ぎて立ち止まった。

 

「オーディション。どう思う?」

「どう思う……っていうのは、するべきかみたいな話ですか……?」

 

 突然そんな事を聞かれるとは思わなかった。

 オーディション。するべきか、しないべきかで言えばしないべきだと思う。少なくとも、今の北宇治では。

 

「それもあるけど、それはたぶんもう変わらないから。そうじゃなくて、香織先輩のこと」

「香織さんの……」

「ソロ、香織先輩になるわよね」

「そう、ですね……」

 

 滝先生が用意してきた自由曲の『ラプソディー・イン・ブルー』にはトランペットのソロがある。コンクールのメンバーはソロも含めてオーディションで決めると宣言されているため、トランペットのソロもオーディションによって決められる事になる。

 トランペットのソロは、クラと並んで私が懸念していた一つだった。

 

「香織さんと高坂さんの間に実力的な差はほとんどないと思います」

 

 高坂さんは上手い。香織さんと並ぶぐらいに。

 滝先生が『ラプソディー・イン・ブルー』を選んだ結果としてオクテットのメンバーへの贔屓を疑われるという未来を予想したけれど、だったらオクテットのメンバーではない高坂さんが選ばれたら上手く収まるのかというとそうではない。

 香織さんは恐らく贔屓を疑われたとしてもその上で選ばれた事を祝福される。それぐらい、部内で人気がある。信仰を集めていると言い換えてもいい。

 

「音のタイプがちょっと違うので、並べたら違いは出ると思います。でも、技術的な話なら同じぐらい。もうどっちが上かは好みの問題な気がします」

「本当に?」

「本当ですよ。疑うなんてひどぉーい」

「信じてるわよ。だから聞いてるの」

 

 香織さんが選ばれると思いたい。

 恐らく、高坂さんがソロで選ばれたら私がクラのソロに選ばれた場合よりも話が拗れる。相手が香織さんでなくても、同じ実力なら三年生の方が丸く収まる。滝先生だって、それは分かっていると信じたい。

 

「……ごめん。アンタもソロの事あるのに」

「いえ、私はたぶんもう引き返せないところまで来てるので。でも、何かあったら助けてくださいね?」

 

 私は色んな意味で目立ち過ぎている。ヒロネさんが常に私を上に立てるように扱ってくれているのもそうだし、一年生の合同コソ練もそうだし、個人練の時に色んな人にアドバイスしているのもそう。

 実際にその時になってみないと分からないところはあるけれど、これだけ実力含めて見せている身で辞退するとか下手に吹くなんて事は出来ない。これで目立たない一年生ならまだしも、私の場合、ソロを降りたらヒロネさんを起点にクラリネットパートが崩れる。

 そうなってしまうと音楽として成り立たなくなるので、他のパートからどう思われても私は辞められない。あちらを立てればこちらが立たずとはまさにこのこの事で、どうやっても全て丸くは収まらない。

 三年生優先という制度があればそんな事で悩まなくても済んだのに。

 

「じゃあ、先に戻ってますね?」

「うん、ありがと」

 

 高坂さんの場合は私ほどではないし、実力も拮抗しているのだから、香織さんが選ばれた方が丸く収まると思うけれど。

 私にはせめて少しでも穏便に済んでくれるように願う事しか出来ない。

 

 ▼△▼△▼△

 

 そして、あっという間にオーディションの日が訪れた。

 オーディションはパートごとに、三年生から順番に一人ずつ音楽室で行われる。

 

「次、倉崎さんだよ」

「うん、ありがとう」

 

 音楽室には、滝先生と松本先生が待ち構えており、真ん中に椅子と譜面台が一つずつ置かれているだけだった。

 

「クラリネット一年、倉崎ひさめです」

「どうぞ、座ってください」

 

 滝先生に促され、椅子に座って譜面台に楽譜をセットする。

 

「それではまずは……」

「滝先生」

 

 曲の全てを吹いていたら何十人もいるこの部活でオーディションなど終わらないので、基本的に指定された部分を吹く事になる。滝先生がその部分を指定しようとする声を遮った。

 

「なんでしょう?」

「このオーディションをする理由を、聞いてもいいですか」

「それはもちろん、全国大会に行くためです」

「全国大会……は、良いとして。音楽に必要なのは技術だけじゃないって事は分かってますよね」

「おい、倉崎。オーディション中だぞ。私語は慎め」

「……すみません」

 

 松本先生に止められたので、引き下がる。これ以上は押し問答になりそうだった。

 

 そして、指定された場所の演奏。ソロのパートも含めて私は吹ききった。

 





 ○『きたみなみ公園オクテット』メンバー
 主人公の働きによって原作よりも実力が上がっている。

 ○鎧塚みぞれ
 主人公は希美しか見ていないと思っているが、一緒に練習してアンサンブルコンテストに出た事で、オクテットメンバー(特に積極的に絡んでくる主人公)にはそれなりに親近感を持っている。
 
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