いわタイプにやさしいギャル   作:三笠みくら

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ギャルの描写に解釈違いがあったらごめんなさい


うぇ〜いゼイユちゃん見ってる〜?

 

はぁ……憂鬱だなぁ。

 

おれはスグリ。キタカミの里っていう田舎出身で、今日からブルーベリー学園に入学することになった。なんかあったらねーちゃんに言えって言われてはいるけど……友達なんかもできる気しねえべ。とりあえず席に座って……

 

 

「あれ?もしかしてあてぃしの隣の席の子ー?よろしくねぃ!」

 

 

終わった……ギャルだ。

 

 

「初めましてだよね〜、あてぃしスズカ!ねね、お名前は?」

 

「あ、おれスグリ…」

 

「スグリ!よろしくねスグぴっぴ!」

 

「す、スグぴっぴ……?」

 

「ね〜、スグぴっぴはどこ出身?なんのポケモン好きとかある?好きな食べ物は?」

 

「わ、わやじゃ…」

 

「あ、いきなり質問攻めごめん。初めて話す相手だからあてぃし緊張してるわ」

 

「今ので緊張してるのか……?」

 

 

わやじゃ……ねーちゃんの読む雑誌にしか出てこないギャルだべ。でも明るいしいい子…なのかな?

 

 

「えっと、おれはキタカミの里ってとこ出身で…」

 

「キタカミの里?初めて聞くかも」

 

「あー、田舎だからなぁ。でもリンゴとか有名で美味しくて…」

 

「デジマ?あてぃしアップルパイとか大好きだし!ねね、今度キタカミのリンゴ食べさせて〜?」

 

「あ、うん、分かった…」

 

「へへ、約束ね!」

 

 

あれ?なんかいつの間に約束を結ばされている?

 

 

「それじゃ次の質問!どんなポケモン好き?」

 

「う〜ん、でもやっぱり鬼さまかな…」

 

「鬼さま?何それ、鬼っぽいポケモンてこと?」

 

「うん!キタカミの里に伝わる伝承でな……」

 

 

それからしばらく、おれは夢中になって鬼さまの話をした。3匹のともっこの話も、鬼さまのお面の話も、鬼さまに憧れてるってことも全部話した。気がつくと、目の前のスズカは真顔になっていた。あ、これダメだったやつか……?

 

 

「……ねー、スグぴっぴってさ」

 

「あ、ごめん、なんか一気に話しちゃって……」

 

「すごいね!!」

 

「……え?」

 

「だってそーじゃん、周りになんて言われても自分の憧れとか好きを貫いてるってことっしょ?まじリスペクト!あてぃしもその鬼さまに会ってみたい!」

 

「……!!うん、うん!スズカみたいな子ならいつでも!」

 

「まーじ?約束だかんね!」

 

「うん!」

 

 

スズカ……いい子だべ。おれのこと気味悪がらないし、優しいし……それに可愛いし。こんな優しい子いるんだな……

 

 

それからしばらくして

 

 

「スグ!なんかあったら連絡よこしてって言ったわよね?」

 

「あ、ねーちゃん…」

 

 

おれのクラスにも容赦無くねーちゃんは入ってくる。はぁ、せっかくスズカと話していい気分だったのに…

 

 

「ねースグぴっぴ、もしかしてこの人が…」

 

「うん、おれのねーちゃん」

 

「ん?スグ、そいつ誰よ」

 

「あ、えーと……」

 

 

なんて言えばいいんだろう、友達…は言い過ぎか。だって今日会ったばかりなのに…

 

 

「初めまして!あてぃしスグぴっぴ…じゃないやスグリくんの“友達”のスズカでっす!」

 

「!!」

 

「え、スグの友達……?」

 

「うぃっす!スグぴっぴまじいい子だし一瞬で仲良くなっちゃった!つかおねーさんまじ美人じゃん?モデルとかやってます?」

 

「アンタ…分かってるじゃない!!そうよ、あたしは誰もが振り向く絶世の美少女なんだから!それにスグの友達ねえ……ふふ、見る目もあるみたいね!」

 

「そりゃそうっしょ、あてぃし人とポケモンを見る目は確かだから、さ…」

 

「ふふ、面白いわね。…ん?スグ、どうしたの?」

 

「え、いや、おれとスズカ、友達だったんだ……」

 

「え……スグぴっぴ、嫌だった?」

 

「嫌じゃない、嫌じゃない!!ただその…おれって地元でも友達あんまいなかったから、その…嬉しくて!」

 

「えっへへー、なら良かった!ねね、スグぴっぴ。学食行かん?」

 

「うん、行く!」

 

「あっそ。仲良いなら良かったわ。あたしはネリネと学食行くから」

 

「はいは〜い、またねゼイユっち!」

 

「ぜ、ゼイユっち……?」

 

 

スズカはすごいな……あのねーちゃんともすぐ仲良くなっちまった。これがギャルの強さか……?

 

食堂にて

 

 

「………」

 

「……ねー、スグぴっぴ」

 

「……うん」

 

「ここの校長ってまじセンスないね」

 

「直球!!」

 

 

学食のメニューを見るなりスズカは真顔でそう言った。でも気持ちは分かる、学園定食なんてもうカオスだべ。ポテトは山盛りすぎるしピザはおせちみたいな分厚さしてる。

 

 

「はーあ、でもどうしよ。あてぃし地味に学食楽しみにしてたからご飯食べてきてないんだけど」

 

「え…どうしよ、じゃあ……おれと一緒にポテトさ食べる?2人なら食べれると思うし…」

 

 

しまった、ちょっと距離感が近すぎたかな?うう、よく分かんねえ……

 

 

「まぁじ!?スグぴっぴ優しい〜!しかも2人でポテトとかなんかアオハルじゃな〜い?賛成〜!」

 

「よ、よかったあ……」

 

 

入学記念でもらったBPを割り勘して、山盛りのポテトを頼んだ。わやじゃ、思った以上に多いな……

 

 

「多すぎじゃん?まじウケる。スグぴっぴ写真撮ろ」

 

「え?うん」

 

「スグぴっぴ笑顔!こう……初々しい感じで!!」

 

「ええ……難しいべ」

 

「そう気張んなくてもいいから!ほれほれ〜」

 

「あはは、くすぐらないで…」

 

パシャッ

 

「うんうん、いい笑顔!」

 

「あ、いつの間に」

 

「ささ、食べちゃお〜」

 

 

スズカと色々喋りながらポテトを食べる。なんか新鮮だ…友達と一緒に話しながら食べるごはんって、いつもより美味しい気がするべ。

 

 

「あのぅ…ちょっといいですか?」

 

「えっ?」

 

 

ポテトが半分くらいになったところで、おれたちは声をかけられた。ピンク色の、見るからにフェアリーって感じの女の子。

 

 

「えっと…」

 

「初めまして、わたしはタロ!ブルーベリー学園の2年生です!つまり先輩ですね、何か困ったことがあったらなんでも聞いてください!」

 

「よろしくお願いします…」

 

「へぇ〜、タロパイセン!めっちゃ可愛いっすね」

 

「!! ふっふふ…分かってますね。わたしは可愛いものが大好きなんです!!お2人に声をかけたのもそれが理由で……」

 

「理由って?」

 

「はい!2人とも、ぜひリーグ部に入りませんか?」

 

「「リーグ部……?」」

 

 

おれとスズカは、顔を見合わせてハテナマークを浮かべた。




スズカ
コミュ力の化け物。好きを貫く人を尊敬する。

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