僕は、退屈だった。
いやもちろんこの間までは満ちていた。ネモと切磋琢磨しながらジムを巡って、ボタンと一緒にスター団の問題を解決して、ペパーと一緒にマフィティフ…そしてフトゥー博士のことを解決して。
それからも割と忙しかったんだけど……ピタッとやることがなくなってしまった。ポケモン図鑑も埋めたし、学校最強大会は別に参加しなくてもいいし。
それになんというか…僕ってバトル以外なんもない気がして。だってみんなと知り合ったのだって僕がバトル強いからだし、今までも振り返ったらバトルしかしてないし……
「…というわけなんです」
「なるほど……」
困った僕はクラベル校長に相談しに行った。なんだかんだ校長が1番親身になって話を聞いてくれると思ったから。校長は少し考えて、僕にチラシを手渡した。
「…林間学校?」
「はい、ブルーベリー学園と合同で行っている催しです。今回行くのはキタカミの里というところで、自然豊かで静かな場所ですよ」
「これでリフレッシュ、ってことですか?」
「それもありますが…ハルトさんはもうパルデアでは有名人ですからね。別の場所に行って、知らない人と交流する。そういう新鮮な体験が今のハルトさんにはいいのではないかと」
「…ありがとうございます」
正直それでこの空虚さが解決されるのかとは疑問だったけど、校長の優しさを無下にしたくないから受ける事にした。それからバスに揺られて、キタカミの里にたどり着いた。確かに自然豊かで、空気もパルデアとは違った。
…だからって、いきなり公民館に生徒を1人で行かせる?いやまあブライア先生の判断は間違ってないんだろうけど。
「あんた、誰?」
「あ、グレープアカデミーの…」
「ふうん…悪いわね、よそ者はスイリョクタウンに入れてあげないことになってるの。どうしても通りたいなら、あたしにバトルで勝ってからにしなさい」
うわあ……ヤなタイプの人だ。ネモだってもう少し節操あったのに。まあ勝つんだけど。
「ぐぬぬ……」
「ねーちゃん!何してんの!」
「あれ、この制服…グレープアカデミーの人じゃん?」
公民館から出てきたのは、バトルしたお姉さんにそっくりな男の子と……
ものすごくかわいいギャル。
「何したの、ねーちゃん」
「別に…スイリョクタウンに入る資格があるかあたしが試してあげただけよ」
「あ〜、それで負けたんだ」
「うっさい!!」
僕の目線は、一瞬で目の前のギャルに塗りつぶされた。パルデアでは見た事ないタイプの人だ……髪にピンクのメッシュ入れてるけど顔が美人だから悪目立ちしてないし。制服もアレンジしてるのかギャルらしさを邪魔してない。すごいかわいいな……
「あの…」
「あ〜ごめんね?あてぃしブルーベリー学園のスズカ!キミ林間学校の子だよね?よろしく!」
「!!」
かわいい!!
「あ、あの!!」
「ん〜?」
「初めまして、スズカさん!僕、グレープアカデミーのハルトっていいます!」
「僕と、お付き合いしてください!!」
「……えっ?」
「………へ?」
……そして、今に至る。スズカは硬直し、スグリは脳が理解を拒んだ。
ハルト
パルデアにはいないタイプのギャルに一目惚れ。
スグリ
……わや?