ポケットモンスター 〜The Legend of Master〜【完結】   作:マイマイ

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順調にバトル大会を勝ち進んでいくレイジ。
一方、カイリは突然自分の能力が勝手に発動した事が気になり、観えた未来がどんなものかを確認する事に……。


第12話 〜謎の少女と忍び寄る影〜

「――レイジ、二回戦も勝ったね!」

「その調子よ、レイジくん」

「はい、ありがとう……ございます」

試合が終わり、カグヤ達から賞賛の声を掛けて貰っているレイジ。

しかし……彼の表情はどこか浮かないものになっていた。

 

「……レイジ、どうかしたの?」

「ああ、いや……カイリ、遅いなって」

「あ、そういえば」

第1試合が終わってから服を着るために戻っただけだというのに、カイリは未だに帰ってきていない。

「別に心配しなくても大丈夫よ、あの人だってそこまで子供じゃないんだから」

「………うん」

それはレイジにだってわかっている。

だが――感じたのだ。

たった一瞬、刹那の時間と呼べるくらい些細なものだったけれど。

違和感と呼べるべき、あの力の感覚を。

 

(本当に、気のせいだったのか……?)

一度そう思うと、もはや無視する事は難しくなってしまう。

そんな時、背後から彼に声を掛ける人物が。

「ヘイ、そこのソルジャーボーイ!」

「………?」

後ろに振り向いてみると、そこには金髪の筋骨隆々の男性がにこやかに笑いながら、自分を見つめていた。

 

「ハジメマシテー、ミーの名前はマチスいいマース。

 ボーイの戦いを拝見させてもらいましたが……なかなかやりますネー。でも、そんな程度の腕ではミーには適いませんヨ」

「は、はあ……」

よくわからないが、ようするに自分は今この人に小馬鹿にされているのだろうか。

しかし、好感の持てる笑みのせいで全然そんな風には感じられない。

(この人……)

感じる、タケシやカスミと同じくらい強いオーラを。

それにマチスという名には、どこか聞き覚えがあるような……。

 

「ちょっと、いきなり失礼じゃないですか?」

レイジを馬鹿にされたと思ったのだろう、眉を潜めてマチスに食ってかかるカグヤ。

しかし当のマチスは肩を竦めるだけで、カグヤの言葉には眼中にないかのような態度を見せる。

「まあせいぜい頑張る事ですネー、このまま行けばボーイとミーは決勝で当たりますカラ。

 少しは楽しませてくれれば嬉しいですケド、まあ……ボーイではそれも難しいデスネ」

豪快に笑いながら、言うだけ言ってマチスはその場を去っていく。

……結局何がしたかったのだろうか、あの男は。

 

「〜〜〜〜っ、なんなのよあの態度!!

 レイジが弱いみたいな言い方して!! 見てなさいよー……決勝ではギタギタのボコボコにしてやるんだから!!」

「あなたが戦うわけじゃないでしょ」

冷静なヒメカのツッコミにも反応せず、1人で勝手に怒りに震えるカグヤ。

レイジとしては、別に今のやりとりなどどうでもよかったのだが。

「…………」

そんな事よりも、やはりカイリの事が気になってしまう。

いくらなんでも遅すぎる、たかだか着替えにそこまで時間が掛かるわけないのに……。

 

「レイジくん、そろそろ試合が始まるわよ?」

シロナの声で我に帰り、一度この思考を中断させる。

考えすぎだ、そう自分に言い聞かせながら……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

【カイリside】

 

「……たしか、この辺だったよな……」

 

先程の映像を頼りに、カイリは岩場へと向かって歩を進めていた。

もうレイジ達がいる会場からはだいぶ離れてしまっており、辺りには人どころかポケモンすらいない。

気のせいだと思いたかったが、あいにくと自分の力で視た未来が外れた事などない。

それに、この力が勝手に解放された理由も知らなければ。

全ての物事には何かしらの意味がある、親友であり自分の秘密を知っているレイジの言葉を反覆させながら、カイリは更に歩を進めた。

 

――そして、やはり自分が視た未来は現実だと思い知る事になる。

 

(あれは……!?)

ここから前方に見える光景。

それは漆黒の服で全身を包んだ一組の男女が、ポケモンを出して1人の少女を追いかけている光景だった。

あきらかにおかしく、あきらかに異常だ。

少女を追いかけているのも異常だが、捕まえる為にわざわざポケモンを使うなど、一体何があったというのだろうか。

(って、見てる場合じゃねえ!!)

すぐさま走り、少女と男女の間に割って入る。

 

「えっ……?」

「…………」

突然の登場に後ろから少女の驚きの声が聞こえたが、目の前の男女はカイリの登場に驚く事なく敵意を込めた瞳で睨みつけてきた。

「おいガキ、いきなり現れて何の用だ?」

低く威圧感のある声で、ダークブルーの髪と瞳の男がカイリに問う。

殺意さえ込められている視線に内心震えながらも、カイリは男達に問うた。

 

「お前等こそ、2人がかりで女の子を追いかけ回すなんて、一体この子が何したっていうんだよ!」

「お前には関係ない、わかったらさっさとこの場から消えろ。さもないと……死ぬ事になるぞ?」

「ぅ………」

心が、凍りついていく。

今まで敵意をこの身に受けた事ないのに。

否、ないからこそわかるのだ。

この男の言葉が偽りではなく、そしてこの殺意も決して気のせいなどという事ではないということも。

だが、人はここまで明確に殺気を放てるものだったのか――

 

「別にわざわざそんな事を言わなくてもいいわよ、邪魔なら始末すればいいんだから」

片方のワインレッドの髪と瞳の女性が、更に物騒な言葉を口にする。

そこに一片の躊躇いもなく、その言葉通りカイリを始末するつもりだろう

男達のポケモン――ハブネークとゴルバットも、カイリを完全に始末する対象に変えてしまったようだ。

 

(くそ……っ)

相手は強い、それこそレイジに匹敵する程に。

おまけに2対1では、こちらに勝機など殆どないだろう。

足が震え、今すぐにその場で膝が折れてしまう程の恐怖にすら、あとどれくらい保たせられるかもわからない。

だから――カイリはすぐさま“力”を使う。

勝つ事ができないなら逃げるしかない、だが普通の方法ではとてもじゃないが逃げられない。

躊躇いなど消し、カイリはすぐさま力を解放しながら自分のポケモンをすべて場に出す。

 

「モウカザル、ゴルバットに向かってかえんほうしゃだ。

 そうしたらハブネークがポイズンテールで防いでくる、すぐさまゴルバットが噛み付こうと向かってくるから、ツタージャはつるのムチでゴルバットの左の翼を狙え。

 その後ゴルバットはバランスを崩すから、モウカザルはかえんぐるまでゴルバットをハブネークの所にぶっ飛ばすんだ。

 ツタージャはゴルバットに攻撃を当ててからソーラービームのチャージを。あのポケモン達がぶつかった瞬間にチャージが終わるから、後はあいつらの所に吹き飛ぶようにソーラービームを当ててくれ」

まるで演算装置のように素早く指示を出していくカイリ。

何故なら、こうでもしなければ力の反動によってカイリの身体が保たなくなるからだ。

 

「そうだな。ならさっさとこのガキを始末――」

「モウカザル、かえんほうしゃ!!」

先手必勝、ゴルバットに向けてかえんほうしゃを放つモウカザル。

「甘いわよ」

しかし、ハブネークがゴルバットの前に立ち、ポイズンテールでかえんほうしゃを散らしてしまった。

「ゴルバット、うるさいトレーナーを始末しろ」

命を聞き、ゴルバットがその鋭い牙を光らせながらこちらへと向かってくる。

しかし、その未来は既に見えている、ツタージャがつるのムチでゴルバットの左の翼を攻撃。

するとバランスを崩し、その場で急停止してしまうゴルバット。

 

「何…………!?」

驚愕の声は、男の方から放たれる。

まさか目の前のとるに足らない存在にこうまで邪魔されるとは思わなかったのか、しかしカイリ達にとっては好都合。

「モウカザル、かえんぐるま!!」

炎でその身を包み、ハブネークをゴルバットに向かって吹き飛ばすモウカザル。

空中でバランスを直そうとしていたゴルバットが避けられるはずもなく、互いに地面へと倒れ込んだ。

 

「ツタージャ、ソーラービームだ!!」

そして、ツタージャのソーラービームがまともにハブネーク達へと命中。

「うぉ―――!?」

「キャッ!!」

そのまま男達を下敷きにし、それを見届ける前にポケモン達をボールに戻し座り込んでいる少女の手を掴み走り出した。

 

「えっ!?」

「バカ、さっさと逃げるんだよ!! それともあいつらに捕まりたいのか!?」

「あっ、えっと…い、いえ!」

「なら走るぞ!!」

このまま一直線に浜辺を走ってもいずれ追いつかれる。

そう考えたカイリは、近くに生い茂っている森の中で逃げながら、街を目指す事に。

(あー、くそ。一体何だってんだよ!!)

自分の浅はかさに呆れながらも、今更考えた所で無駄なので、カイリは少女と共に森へと逃げ込んでいった。

 

………。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

「ふぅ…ふぅ……」

肩で大きく息をしながら、木の幹に身体を預ける2人。

「ま、まったく……何だってんだ」

「あ、あの……ありがとう、ございます。おかげで助かりました」

「……別にいいよ。気にすんな」

ちょっとぶっきらぼうにそう返事を返す。

 

そこで、ようやくカイリは少女の容姿を確認する事ができた。

少し暗めの赤髪を短く切りそろえ、また頭の左右にはまるで角のように髪が伸びている。

歳は自分より少し下くらいか、だが身長はあまり変わらない。

 

「私、カノンっていいます。あの……あなたのお名前は?」

「……カイリだ」

「カイリですね。……ありがとうございますカイリ、本当に助かりました」

「だからお礼なんていいよ。それよかなんでカノンは追いかけられてたんだ?」

「えっ、あ、そ、それは……」

途端に様子がおかしくなり、俯くカノン。

言いたくない理由があるのか、それとも言えない理由があるのか。

「……別に言えないならいいけどな」

だから、あまり気にしていない事を向こうにわからせる為に、カイリはそう口にした。

 

「えっ、でも……いいんですか?」

「言いたくないんだろ?なら別に言わなくてもいいよ、俺だってどうしても知りたいわけじゃないしな」

誰にだって、人に言えない秘密の一つや二つは持っている。

自分とて、ヒメカに隠し事をしているのだから……。

「……優しいんですね」

「別に。それよりさっさと街に戻るぞ、いつあいつらが追いついてくるとも限らないからな」

そう言って歩き出そうとした瞬間――視界がぼやけ頭痛が走った。

 

「っ――――」

「だ、大丈夫ですか!?」

「あ、ああ……ちょっとクラッとしただけだ」

やはりあの短時間でも、力の反動は確実にカイリの身体を蝕んでいる。

いつぞやの時のように支えられなければまともに動けないよりマシだが、それでも気分のいいものではない。

頭を振って、まだズキズキと痛む頭を無視しながら、カイリはカノンと名乗った少女と共に森の中を歩き始めた。

 

………。

 

「へぇ、ポケモントレーナーとして各地を旅しているんですか」

「ああ。夢はポケモンマスターになる事だからな。

 と言ってものんびりやってるから、まだまだ道のりは長いけど」

「でも、カイリならきっとポケモンマスターになれますよ。

 だって、こんなにもポケモン達に好かれているんですから」

ただ黙って歩き続けるのはあれなので、2人は他愛のない話で盛り上がっていた。

だが、カノンはカイリに質問するだけで、逆にカイリがカノンに質問しても適当に誤魔化されてしまう。

面白くはないが、言えない事情でもあるのだと無理矢理納得させた。

 

「でも、本当にいいんですか?」

「なにが?」

「いえ、その……私と一緒に居たら、また襲われますし……」

「んー……たしかにそうかもしんないけど、ここで「はいさようなら」なんてひどくないか?

 俺は別に気にしてないから、そんな事言うなよ」

一度関わったのだ、こうなればとことん付き合うと決めた。

それに……彼女をこのまま放ってはおけないと思ったのだ。

 

「……ありがとうございます」

「んー、いや……別に気にすんなって」

「それでも、ありがとうございますです」

ふわりと柔らかい微笑を見せられ、おもわず頬が熱くなっていく。

それを誤魔化すようにカノンから視線を外し、彼女の手を握っている手の力を強めた。

(ったく……なんかヒメカやカグヤとは違うタイプだから、調子狂っちまうな……)

あまり女性に対して面識がないカイリにとって、こういう笑顔は正直困る。

それでも嫌な感じがしないのは、やはり彼女の優しさが全面に出ているからだろうか。

 

「っ、カイリ」

突然耳元で囁かれ、びくりと身体が震える。

「ど、どうした?」

「……さっきの連中が、こちらに近づいてきます」

「―――――」

おもわず、呼吸が止まってしまう。

額には汗が滲み、先程味わった恐怖と緊張が思い出されていく。

 

「――走るぞ!!」

追いつかれてはさっきみたいには逃げられない。

こうなれば、街まで休み無しで走って逃げ切るしかない。

そう思い、カイリはすぐさま足に力を入れ走ろうとするが。

 

「――あまり調子に乗らない方がいいわよ」

すぐ背後から、そんな事が聞こえたような気が、した。

 

そう思った時には、自分達に立ち塞がるように先程の連中が身構えていた。

「くっ……!」

すぐさまモウカザルとツタージャを出し、身構えるカイリだが。

「ガキ、さっさとそのポケモンを渡せ。そうすれば命だけは助けてやる」

「ふざけんな。なんでお前達に俺のポケモンを」

そこまで言いかけ――違和感を覚える。

 

(――その“ポケモン”を、渡せ?)

おかしい、連中の狙いはカノンのはずだ。

だというのに、どうして自分のポケモンを渡せなどと言うのか……。

「……どうやら、坊やは盛大な勘違いをしているようね」

やれやれと呆れながら、女は肩を竦める。

勘違い……?

何を言っているのかわからず、おもわず呆けていると。

 

「ワタシ達が言ってるのは坊や、あなたの後ろにいるポケモン―――ラティアスのことを言ってるの」

 

「………………………………は?」

理解、できない。

ヤツが何を口にしているのか、理解するのに思考が追いつかない。

 

――ラティアス

その名前ならば、トレーナーである自分でも知っている。

 

ホウエン地方に伝わる伝説のポケモン、その一匹がラティアス。

しかし、このカノンという少女がどうみても人間だ、ポケモンではない。

 

「そう見えているだけよ、ラティアスは光の屈折を利用して人間の姿に映しているだけ……まあ、そんな説明なんか必要ないわね。

 さっさとそのラティアスを置いて消えなさい、でも面倒だから始末しちゃおうかしら」

「……カノン、今のは……本当のことなのか?」

「…………」

震える声でそう問いかけても、カノンは口を閉ざし答えようとしない。

それが無言の肯定であるとわかり、カイリは混乱している自分の頭を整理していく。

つまり、このカノンという少女は人間ではなく、伝説のポケモンと呼ばれているラティアスで。

そんなラティアスを捕らえようと、この二人組は彼女を追っている。

 

「……そっか、よくわかったよ」

「理解が早くて助かるわ、じゃあさっさと――」

「ああ、さっさとお前達をぶっ飛ばしてやらねえとな!!」

「えっ……?」

「…………」

「俺は利口じゃねえけどよ、お前等がこいつを無理矢理自分達のものにしようっていうのはよくわかった。

 なら、俺はそんなお前等からカノンを守る!」

「カイリ、でも……!」

「いいんだよ、俺が自分で決めたんだ。お前が気にする必要なんかない。

 それによ……正義の味方気取りするつもりなんかねえけど、やっぱり見捨てるなんてカッコ悪いしそんなことしたくないんだ」

「……………」

言葉が出ない。

カイリの優しさ、カイリの決意を背中越しから感じ取り、もはやカノンには彼に対する言葉を失ってしまった。

 

「チッ……つまんねえ正義感ぶったガキはこれだから嫌いだ」

「いいじゃない。暇潰しにはなるみたいだし」

(暇潰しかよ……まあ、否定できねえけど)

相手は先程のハブネークとゴルバット、更にグラエナまで出してきた。

3対2、数の上でも単純な実力でも自分達は相手に負けている。

 

――使うしかない

 

決して1日に一回以上使わなかった時の力を使わなければ、カノンを守るどころか自分の命もここで尽きる。

相手はそれこそ道端に落ちている石ころを蹴るかのような無意識さで、自分の命を刈るだろう。

ならば、ここで使わなくてはどうしようもない。

この身に何が起ころうとも、どんなに苦しくても死ぬよりはマシだ。

そう自分に言い聞かせ、彼は力を解放し勝負を仕掛けた………。

 

【カイリside】out―――

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「っっっ」

「? レイジ、どうしたの?」

「―――――」

 

なんだ。

なんだ、これは。

なんなんだ、この胸騒ぎは。

不快感と違和感がごちゃ混ぜになった意味不明の感覚に、レイジはその場で膝をつく。

 

「レ、レイジ!?」

すぐ隣で聞こえるはずのカグヤの声も、上手く聞き取れない。

鼓動の音が直接脳に響き渡り、内なる自分が行けと命令する。

 

目を背けるな。

目を背けるな。

目を背けるな!!!

 

この感覚を感じ取り、正体を探る。

そして、前に感じたことのある違和感。

時そのものがねじ曲がるような、感覚、が。

「―――っ」

瞬間、立ち上がりレイジは会場を抜け出す。

 

「ちょ、レイジ、どこに行くの!!?」

背後から聞こえる声にも反応せず、全速力で浜辺を走っていく。

〈お父さん、今の――〉

〈父上、悪しき波動を感じ取れました!!〉

モンスターボールから抜け出し、ティナとアクセルも走りながら(ティナは浮きながら)レイジへと言葉を掛ける。

 

「ああ。その近くにカイリもいる!!」

しかも、あの力を使った状態で、だ。

あれを使っている時点で、ただごとではないというのがわかる。

(くっ……やっぱり気のせいじゃなかったんだ……!!)

あの時、もっと自分がしっかりしていれば……そう思うとやりきれない気持ちでどうにかなってしまいそうだ。

 

「レイジくん!!」

「っ、シロナさん!!」

レイジと平行して飛んでいるガブリアスの上には、シロナ達の姿が。

「乗って!!」

「はい!!」

ガブリアスの足に掴まると、すぐさま上空へと舞い上がった。

 

「いきなりどうしたの?会場はレイジくんがいなくて混乱してるわよ?」

「……感じたんです、嫌なオーラを」

〈母上、僕も悪しき波動を感じたのです〉

〈私も、嫌な気配を感じ取ったの……〉

「しかも、そこにはカイリもいる……」

「えっ……?」

レイジの言葉に、ヒメカの表情が固まった。

 

「急いでください。北北西にある森の中にいます!!」

「わかったわ。……ガブリアス、急いで!!」

一声鳴き、ガブリアスは全速力でレイジの指示した方向へと向かう。

(お願いだカイリ、無事でいてくれ………!)

 

 

 

 

To.Be.Continued...




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