ポケットモンスター 〜The Legend of Master〜【完結】 作:マイマイ
全てはラティアスを元に戻すために、彼等はポケモン達と協力し戦い始めたのだった……。
「カノン、ドラゴンクローだ!!」
刻一刻と水没していく艦内で、死闘は続いていた。
カノンとラティオスのドラゴンクローが激しくぶつかり合い――両者共に大きく吹き飛ばされる。
(くそっ、時間が足りねえ………!)
既に、水かさはカイリ達の身体を大きく越えており、カイリはフローゼルに、ミカンはエンペルトに、そしてヒメカはカグヤから預かったカメックスに乗りながら指示を出していた。
このままでは保って五分で、部屋が海水で満たされてしまうだろう。
それがわかっているからこそ、カイリもカノンも先程から全力で戦っている。
出し惜しみや後の事など考えず、フルパワーで対峙しているカノンと。
時視の力を使い、最良の未来を導くカイリ。
だが――それでもラティオスとは互角だった。
元々カノンとラティオスの力は互角ないしラティオスの方が上だ。
更にデッド化によって大きくパワーを上げているラティオスに、互角の戦いを繰り広げているだけでも、驚異的と言えるかもしれない。
しかし、このままでは勝ち負けなど関係なく自分達は死ぬ。
人間は水中では呼吸などできない、カノン達ならば可能かもしれないが……戦う事はできなくなる。
それに、早くラティオスを止めなくては…彼の身体が崩壊する。
デッド化によって秒単位でラティオスの身体は文字通り削られていく、異常なパワーを得る代償としてはあまりにも大きい。
――ラティオスから放たれるりゅうのはどう。
「はかいこうせん!!」
反応し、辛うじてラティオスの攻撃を相殺するカノンだが……。
その時には既に、カノンの眼前にはラティオスが迫っており。
「ぐっ……!?」
カノンの身体に、ラティオスのしねんのずつきがまともに命中し鋼鉄製の壁に叩きつけられる。
「カノン!!」
追い討ちを掛けるかのように放たれる、ラティオス専用技——ラスターパージ。
しかし、壁に叩きつけられたカノンが避けられるわけもなく、まともに攻撃を受けてしまった。
「う、くっ……」
傷だらけになりながらも、その瞳にはまだ戦意の色が残っている。
……自分の手で必ず兄を止める。
あの時、自分の甘さによってマスターであるカイリやレイジ達の身を危険に晒してしまった。
その事実は、カノンに大きな傷を残す。
だから、今度はその甘さを捨てなくては。
敬愛するカイリの為に、そして……昔の優しいラティオスに戻すためにも。
「絶対に……負けないんだからぁっ!!」
こんな所で、諦める事などできない―――!
「ミストボール!!」
繰り出されるミストボール。
それを避け、反撃のりゅうのいぶきを放とうとするラティオスだが。
「ギガインパクト!!」
カノンの大技であるギガインパクトが放たれ、油断していたのかまともに攻撃を受けるラティオス。
――チャンスは今しかない!!
「れいとうビーム!!」
吹き飛ばされたラティオス目掛けて放たれたれいとうビームが、彼の身体を凍り付かせていく。
これでラティオスは動けない、たとえ数秒だとしてもそれで充分だ。
「はがねのつばさ!!」
最高速度で接近してのはがねのつばさ。
だが、まだカノン達の攻撃は終わらない。
「ドラゴンクロー!!」
続いてドラゴンクローが、凍り付いたラティオスの身体を再び吹き飛ばす。
再び攻撃を仕掛けようと旋回するカノンだが、それをマスターであるカイリが止める。
「カノン、その場で止まって右によけろ!!」
「っ」
何故、という疑問が頭に浮かんだが、それより先に身体が動く。
刹那、先程までカノンが居た場所にラティオスのラスターパージが通り過ぎる。
「りゅうのはどう!!」
すかさず指示を出し、不意をついた一撃がラティオスに命中する。
(時視の力を……)
あの時、カイリは冷静に時視の力でラティオスの反撃を読み、カノンに指示を出したのだ。
攻撃を仕掛けた瞬間に反撃を受けたからか、はじめてラティオスから苦しげな声が聞こえた。
(この一撃で、終わりにしてやる………!)
最後の攻撃を仕掛けるため、カイリはカノンへと指示を出しそして。
「カノン、フルパワーでりゅうせいぐんだ!!」
カノンから放たれた、都合二十近いりゅうせいぐんが、一斉にラティオスへと向かっていく。
これまでの連続攻撃により、ダメージを負ったラティオスはりゅうせいぐんの攻撃をまともに受け、海水の中へと落ちていった―――
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「や、やったな……カノン」
力の反動による頭痛に耐えながら、カノンに労いの言葉を投げかけるカイリ。
カノンも、肩で大きく息をしながらもカイリに笑みを返す。
(……後は、モンスターボールでラティオスをゲットすれば……)
それで、デッドボールの呪縛から逃れる事ができるはずだ。
しかしラティオスはカノンの攻撃によりダメージを負っている、早くゲットしてどこかで休ませてあげなくては。
そう思い、カイリはフローゼルに海中に沈んだラティオスの元へと向かうよう指示を出し。
――凄まじい衝撃が、カノンに襲いかかった光景を視界に捉えてしまった。
「カ、カノン……?」
「う、ぁ……!? そ、そんな……」
そんな馬鹿な、驚愕に満ちた表情を浮かべながらカノンは。
何事もなかったかのように、自分へと攻撃を仕掛けてきたラティオスに視線を向けた。
「じ、冗談じゃねえ……あ、あれだけの攻撃を受けて何で平然としていられるんだよ………!」
紙一重で避けられていたわけじゃない、ちゃんとこの目でカノンの攻撃が命中したのが見えた。
それなのに、ラティオスにはダメージらしいダメージが……。
「――じこさいせい」
「――――」
ぽつりと呟かれたカノンの言葉で、カイリの思考は凍りつく。
(ラティオスは、じこさいせいまで……)
「くっ、ぁ……」
「カノン、お前もじこさいせいで回復を――」
「――できません」
「えっ……」
「私は、じこさいせいは使えないんです……」
「――――」
絶望的な状況。
あれだけのダメージをすべて回復させたラティオスと、殆どの力を使い果たしたカノン。
勝敗は、既に目に見えている。
(――いや、違う)
まだ勝敗は決まっていない、決めてはならない。
カノンは何が何でも自分が兄を止めると決意したのだ、ならばマスターである自分が最後の最後まで諦める事などできるわけがなかった。
……信じてると、レイジは言った。
自分達なら必ずラティオスを助けれると、信じてくれた。
なら――どうして諦める事ができようか。
(まだ、手はある!!)
頭痛で痛む頭も、ラティオスに対する恐怖心も知らない。
今はただ……。
「カノン、早くこっちに来るんだ!!」
ただ、自分にできる事をするだけだ―――!
「は、はい!!」
ラティオスの攻撃を紙一重で避け、すぐさまカイリの元へ戻るカノン。
それと同時に、カイリの手がカノンの身体に触れる。
「えっ……?」
「――時よ。我が命に従え!!」
力ある言葉。
未来を視る『時視の力』とは違う、カイリが新たに目覚めた能力。
『時戻しの力』が、カノンの身体を包み込んだ。
カノンの周りの『時』が戻り——彼女の傷は跡形もなく消えてしまう。
「へ、へへ……数十分程度の時間しか戻せない欠点があるけど、こういう使い方、なら……」
「マスター!?」
「わ、わりぃ……この力って時視より体力を食うんだよ……だから、なるべく使うわけにはいかなくてな。
だけど、今のお前を助けるには、これしかねえからな……」
「マスター……」
「カノン、最後まで諦めるなよ。
俺は絶対に諦めねえぞ、お前もお前の兄貴も必ず助ける。
――その為に、俺はここにいるんだからよ」
「…………」
息をするのも苦しそうだというのに、カイリの瞳には確かな決意の光が強く宿っている。
命を懸けて、彼は自分達を救おうとしてくれているのだ。
(………なのに、私は)
自分が恥ずかしくなった。
けれど、そんな自分にもまだやれる事がある。
カノンは、ゆっくりとラティオスへと向き直り、口を開く。
「兄さん、私はいつだって弱かったよね。
兄さんと2人で暮らしていた時も、いつも私は兄さんに助けてもらってばかりだった……。
今だって、決意したくせに心のどこかで兄さんと戦いたくない自分が、こうやって甘さを招いてしまった」
カイリと共に行動するようになっても、自分の甘さだけは変わらなかった。
戦いたくない、できる事なら話し合いで。
そんな気持ちばかりが先行して、守りたいと思った人達も守れなかった。
今だってそうだ、この状況に自分は諦めかけていた。
でも――カイリは諦めていなかった。
本来ならば彼にとって関係ない、一方的に巻き込んでしまったというのに、我が事のように一生懸命になってくれる。
そんな彼を、自分は身勝手な理由で裏切ろうとしたのだ。
「だから、もう逃げないよ兄さん。
私の力は、今この瞬間に使われる為に存在してるんだ。
――必ず、あなたを止めてみせる!!!」
溢れる決意
今度こそ、兄を、カイリを、そして自分を裏切らない為に。
カノンは、ずっと目を背けてきた力に、初めて自らの意思で向き直った。
「はぁぁぁぁ………!」
(なっ……何だよ、あのとんでもないパワーは……!?)
視覚でも確認できるほどの強大な力。
それが、カノンの身体から伝わってくる。
「…………」
それを目の当たりにしたせいか、初めてラティオスから戸惑いの感情が感じ取れた。
――無闇に攻めれば、こちらがやられる。
感情などないデッドポケモンと化したラティオスが、カノンを見て攻め倦ねているのだ。
「カ、カノン……」
「……マスター、あなたが私を信じてくれたように……私も、私自身を信じてみます」
「…………」
背を向けたまま、そう告げるカノン。
だがその背中は、ただ一言「信じてほしい」と語っていた。
それを感じ取り、カイリの口元には笑みが浮かぶ。
「――よっしゃ、それじゃあお前の兄貴を黙らしちまえ」
「はい。キツいお灸を据えてやります!!」
冗談めかした声でそう叫び――カノンは勝負に出る。
溢れるパワーを自身に乗せ、小細工なしでラティオスへと突っ込んでいくカノン。
(ギガインパクト……?けど、それだけじゃラティオスには……)
通用しない、それはカノンとてわかっているはずだ。
だというのに、カノンが繰り出したのは単なるギガインパクト。
確かに大技ではあるものの、それだけではラティオスには通じないとわかっているのに何故……。
「っ、くぅ………!」
ラティオスもギガインパクトを繰り出し、激しくぶつかり合う両者。
だが…やはり押し負けたのはカノンであり、苦悶の声を上げながら吹き飛ばされる。
「カノ――っ!!?」
彼女の名を呼ぼうとしたカイリだったが。
驚愕が、それを途中で止めてしまった。
(………笑ってる?)
確かにカイリは見た。
吹き飛ばされながらも、カノンが確かに笑みを浮かべていたのを。
まるで、自分の勝利を確信したかのように……。
――そして、カイリの予想は現実のものとなる。
「なっ―――」
驚愕は、カイリの口から放たれる。
……アレは何だ?
まず初めに浮かんだのは疑問。
ラティオスの囲むように、光り輝くカノンが彼へと向かっていっている。
それも――三体もだ。
もちろんそれはカノン自身ではない、あれは彼女の姿をした高エネルギー体であり。
先程、カイリが感じ取ったカノンの凄まじいパワーの一部。
「――――」
息が詰まる。
カノンは、確かにギガインパクトを放った。
しかし、彼女は同時に4発ものギガインパクトを一度に放ったのだ。
まず自身の攻撃、その後に高エネルギー体による波状攻撃。
一撃だけでも強大なギガインパクトを、同時に4発などもはや夢を見ているとしか思えなかった。
ラティオスは避けれない。
ギガインパクトの反動により、向かってくる攻撃を回避する事など到底できずに……。
凄まじい爆音と共に、カノンの攻撃がラティオスを沈めた。
(今だ………!)
腰にある空のモンスターボールを手に取る。
そして、煙の中から気絶したラティオスが落ちていく姿を視界に捉え、モンスターボールを投げつけた。
それは見事命中し、ラティオスがボールの中へと入った瞬間に、見事キャッチに成功する。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
薄れていく意識。
強すぎる力を一度に解き放った反動により、カノンの意識は殆ど薄れていっていく。
しかし、その表情はとても穏やかで安らいだものになっていた。
(よかっ、た……)
ぐらりと身体が揺れ、カノンは水中へと落ちていく。
自分の名を呼ぶカイリの声を聞きながら、カノンは今度こそ意識を闇へと堕としていった……。
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――カイリ達が死闘を繰り広げている間。
ヒメカとミカンも、ゾロアーク相手に死闘を演じていた。
「ハク、ストーンエッジ!!」
「ドータクン、ジャイロボール!!」
同時に放たれる攻撃。
しかしその瞬間、ゾロアークの姿が風切り音と共に消え——ハク達にダメージを与えていく。
(速すぎる………!)
先程からヒメカのハクの攻撃も、ミカンのドータクンの攻撃も、ゾロアークには掠りもしていなかった。
ハク達が遅いわけではない、ゾロアークの動きが速すぎて攻撃が当たらないのだ。
おまけに向こうの攻撃も見切れず、先程から一方的な戦いを強いられていた。
幸いにも威力はそれほどではないものの……このままではハク達は保たない。
そして、ハクとドータクンが敗れればヒメカ達に戦う力を殆ど失ってしまう。
――現在、戦いの場は水中のフィールドのように水しか存在しない。
足場がない以上、ヒメカが戦えるのは空を飛べるハクしかおらず、ミカンもドータクンとジバコイル、そしてエンペルトだけだ。
しかしエンペルトはミカンを守る事に集中しなければならないし、こんな海水に浸かっている状態で、でんきタイプであるジバコイルを戦わせる事などできない。
ゾロアークはその凄まじい脚力を利用し、壁から壁へと移動しながら戦っているが……ヒメカ達のポケモンにそんな芸当など望めなかった。
故に、この戦いではハクとドータクンに全てを懸けるしかないのだ。
だが――このままではハク達もゾロアークに敗れ去る。
どうにかしてこの事態を変えなくてはならない、ヒメカとてそれはわかってはいるのだ。
わかってはいるが、それを打開する手立てが見つからない。
(諦めたらダメよ!! このまま諦めたら全部台無しになる!!)
考えろ……考えるのだ。
水中の為足場はない、かといって壁から壁に移動しながら戦うなどという規格外な戦法は不可能。
無闇に攻撃を仕掛けても避けられ、反撃されるだけ。
「くっ、足場さえあればまだ上手く戦えるのに………!」
悔しそうなミカンの声がヒメカの耳に届く。
それは彼女とて同じ気持ちだ。
足場があれば、まだゾロアークの動きを封じる手立てが……。
(……………足場が、あれば?)
そうだ、足場があればゾロアークを打倒できるのだ。
しかし足場はない、ならば。
(足場を――“作ってしまえばいい”!!)
腰に装着しているモンスターボールを2つ取り出し、投げると同時にヒメカは指示を出す。
「フィー、“自分の足元に”リフレクターを展開しなさい!!」
「えっ……!?」
ヒメカの指示に、ミカンはおもわずそちらへと視線を向ける。
中から出てきたのは、フィーとヒノ。
フィーはすぐさま指示通り、自分の足元にリフレクターを展開する。
すると――フィーの身体が空中で静止した。
(違う……リフレクターの上に乗っているんだ………!)
そう、防御技であるリフレクターを足場代わりにして、フィーは何もない所に足場を作り出してしまったのだ。
その上にヒノも着地し、それと同時にヒメカは似体に指示を出す。
「フィー、シャドーボール!! ヒノはかえんほうしゃよ!!」
リフレクターの足場に乗りながら、ゾロアークに攻撃を仕掛けるフィー達。
しかし、その変則的な攻撃すらゾロアークは回避してしまう。
だが、そんな事は想定内だ。
「ドータクン、サイコキネシス!!」
回避したとはいえ、まともにバランスを崩し隙を見せたゾロアークに、ドータクンのサイコキネシスが命中し動きを止めた。
「フィー、もう一度リフレクターよ!!」
指示を出しつつ、再び腰のモンスターボールに手を伸ばし投げつける。
「カイン、リーフブレード!!」
カイン――エンジュシティでの死闘の際にゲットしたジュプトルが場に出た瞬間、フィーが展開したリフレクターがゾロアークへと向かって道を作っていく。
それを跳び進み、ゾロアークと間合いを詰めていくカイン。
そして、リーフブレードが見事ゾロアークを捉える。
命中すると同時に、素早くカインとヒノをボールに戻し、別のボールを取り投げつけるヒメカ。
「ロール、トドメのスカイアッパー!!!」
そして――全ての力を込めたロールのスカイアッパーが叩き込まれ、ゾロアークは壁に叩きつけられた。
「今だ!!」
それを見届けた後、カイリは空のモンスターボールを投げゾロアークをボールの中へと入れる。
多少の抵抗はあったものの……すぐさまボールはおとなしくなり。
それが、この死闘の幕が降りた事を告げる合図となった。
「………ふぅ」
おもわず安堵のため息をついてしまうカイリ。
「カイリ!!」
「早く脱出しましょう!」
「そうだな、頼むぜフローゼル!!」
ゾロアークの入ったボールを腰に取り付け、フローゼルの身体に抱きつくカイリ。
ヒメカとミカンも、それぞれカメックスとエンペルトの身体に掴まり息を止めた。
………。
「―――ぷはっ!!」
間一髪、沈みゆく潜水艦から脱出したカイリ達は、近くの小島へと辿り着く。
「はぁ……今回ばかりはマジで死ぬかと思ったぜ」
「まったく……上手く行ったからよかったものの、どうしてあなたはいつもこうやって無茶な事をするのかしら?」
「うっ……」
ヒメカにジト目で睨まれ、小さくなるカイリ。
「ま、まあまあ……全員無事だったんですからいいじゃないですか」
苦笑しながらもミカンが間に割って入り、緩衝材の役割を果たそうとするのだが……。
「……ミカン、あなた随分カイリと親しくなったわね?」
今この瞬間も、ミカンはさりげなくカイリの手を握っていたりする。
「えっ、あ、そ、それはその……」
途端に恥ずかしそうに俯くミカン、その仕草は同性であるヒメカですら可愛いと思えるような女の子らしい仕草だった。
しかし、ちゃっかり彼の手は握ったままなので、ヒメカのこめかみに青筋が浮かぶ。
「カイリ、わたしと離れ離れになってた間、一体何があったのか教えてもらいましょうか?」
「……ヒメカ、なんでそんなに怒ってんだ?」
「怒ってなんかいないわよ、いないから……さっさと言いなさい」
まるで獲物を狩るような目つきで、カイリを問いただすヒメカ。
(うっ……)
そんな彼女に、カイリなんかが太刀打ちできるわけもなく……。
この後、無人島で起きた事を説明した所。
――その事実にブチ切れたヒメカが、暴れまわったのはまた別の話である。
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