ポケットモンスター 〜The Legend of Master〜【完結】   作:マイマイ

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カントーリーグ・セキエイ大会、準々決勝一回戦、確執を持つカイリとケイジのバトルが始まった。

序盤から激しいバトルを繰り広げ、エレキブルが見事シザリガーを撃破。

しかしケッキングのパワーの前に、スピードで対抗する為にカイリはゾロアークを繰り出す……。


第50話 激闘バトル〜カイリ対ケイジ!!〜

「ケッキング、すてみタックル!!」

ビルドアップによりパワーアップしたケッキングが、ゾロアークへと向かっていく。

まともに受ければ、大抵のポケモンは一撃で戦闘不能にされる攻撃はしかし。

 

――ゾロアークに当たる事はなく、フィールドにある岩の塊を粉砕しただけだった。

 

(速い………!)

『ゾロアーク速い、ケッキングの一撃を避けるだけでなく、容易に後ろへと移動した!!』

「シャドークロー!!」

漆黒の爪を展開し、ケッキングへと向かうゾロアーク。

それを迎え撃とうと身構えるケッキングだが。

気がついた時には、ケッキングの身体にシャドークローによるダメージが刻まれていた。

 

「連続でシャドークローだ!!」

再び猛撃するゾロアーク。

「ケッキング、アームハンマー!」

姿を捉え、アームハンマーを叩き込むケッキング。

しかし――その攻撃は見事に空を切る。

その代わりと言わんばかりに、ゾロアークの攻撃は面白いくらい命中していく。

 

「あれ? ケッキングって結構遅いのかな?」

「違うよ、ゾロアークが速すぎるんだ」

パワーでは劣っているが、スピードでは圧倒的にゾロアークが勝っている。

現に、ケッキングは先程から一度たりともゾロアークを完全に捉える事ができないでいた。

 

「ケッキング、ねむる!」

「させるかよ、はかいこうせん!!」

眠って回復しようとするケッキングを、ゾロアークが放ったはかいこうせんが見事阻止する。

ダメージが大きかったのか、ケッキングの身体が大きくぐらついた。

「よしっ! ゾロアーク、そのまま畳み掛けろ!」

「ケッキング、まもる!」

まもるが発動し、シャドークローを弾き返す。

 

「戻れ、ケッキング」

その隙に、ケイジはケッキングをボールへと戻した。

(ちっ……惜しいな)

このままダメージを与え続ければ、厄介なケッキングを戦闘不能にできたのだが……。

「――サンダース、出ろ」

『ケイジ選手、三体目のポケモンはサンダースだ!!』

 

「サンダース……イーブイの進化系だよね」

「かなり素早いわよ、それに電気技もかなり厄介だし……」

(さあカイリ、どう戦うんだ?)

 

「サンダース、でんこうせっか!」

「ゾロアーク、こっちもでんこうせっかだ!!」

縦横無尽にフィールド中を駆け抜けながら、激しくぶつかり合うゾロアークとサンダース。

『なんという素早い攻防でしょうか! どちらも一歩も譲らず激しい戦いを繰り広げています!』

 

「速い、ね……」

どうにか目で追っていけるが、ちょっとでも見逃すとあっという間に姿が見えなくなってしまうほどだ。

「……今の所は、互角か」

「いや……僅かにサンダースが有利だな」

ぽつりと呟くロストに、全員が視線を向ける。

 

「パワーはほぼ互角のようだが、スピードではサンダースが勝っている。

 それに……どうやらサンダースの特性がゾロアークに及んでしまったようだ」

「特性……?」

「――せいでんき、ね」

「えっ、もうそんな季節だっけ?」

「…………」

決してボケたわけではない、カグヤは本気で言っているのだ。

しかし、それでも……拳を握りしめられずにはいられない。

 

「直接攻撃をした相手を一定確率でまひ状態にする特性だよ。この攻防で、ゾロアークはその特性によってまひ状態になってる。

 今は持ち前のスピードでなんとかなってるけど……」

瞬間、サンダースにミサイルばりを撃たれ、ゾロアークが地面へと倒れ込んでしまった。

 

「ゾロアーク!!」

「サンダース、かみなりだ!」

「くっ……まもる!」

すぐさま指示を出すカイリ。

しかし、まひ状態になったゾロアークは技を繰り出す事ができない―――!

 

サンダースのかみなりが、ゾロアークの身体を包み込む。

『まともに受けてしまったー!! はたしてゾロアークは無事なのか!?』

苦しげなうめき声を上げながらも、ゾロアークはどうにか立ち上がる。

『なんとゾロアーク、あれだけの攻撃を受けながらもまだ立ち上がりました。なんというタフネスでしょうか!!

 しかし、かなり苦しそうです!』

(くそっ……!)

もう長くは保たない、ゾロアークの様子を見ればすぐにわかる。

しかし、そんなゾロアークに無慈悲にも攻撃を仕掛けるサンダース。

 

「トドメを刺せサンダース、チャージビーム!」

「頑張れゾロアーク、まもるだ!!」

苦しげに顔を歪ませながらも、ゾロアークはどうにかまもるを発動させサンダースの攻撃を防ぐ。

だが――まだサンダースの攻撃は終わらない。

 

「ミサイルばり!!」

四方八方からゾロアークを連べ打ちにしようと発射されるミサイルばり。

「イチかバチかだ……ゾロアーク、ナイトバースト!!」

 

――暗黒が広がる。

波紋状に広がる闇が、全てのミサイルばりを弾き飛ばしていく。

 

「シャドーボール!!」

「かわしてかみなりのキバ!!」

ゾロアークのシャドーボールを回避し、その隙を狙ってかみなりのキバを突き立てるサンダース。

決まった、サンダースは勝利を確信し笑みを浮かべるが。

 

――その慢心が、命取りとなる。

 

掴まれる身体。

ゾロアークによって拘束されたと気づくのに数秒。

しかし、それはあまりにも遅すぎる反応だった。

サンダースに向かってニヤリと笑うゾロアーク、その表情にサンダースは言いようのない恐怖を感じた。

 

「ゾロアーク、そのまま飛び上がってギガインパクトだ!!」

推進剤を使ったかのような跳躍で、空高く飛び上がるゾロアーク。

必死でもがき脱出しようとするサンダースだが、がっちりと掴まれている為に抜け出せない。

「かみなり!」

ケイジの声に反応し、特大のかみなりを放出するが……それでもゾロアークの拘束は解かれずそして。

ギガインパクトによる衝撃、サンダースの全身へと襲いかかる。

 

『ゾロアーク、なんとサンダースを抱えたままギガインパクトで強引にダメージを与えた!!

 確かに効果はあったみたいだが、これではゾロアークにも相当なダメージが行き渡ったはずだ!』

「……ゾロアーク」

噴煙で、互いのポケモンの状態を確認する事はできない。

そして、ようやく視界が晴れた時には……。

 

「ゾロアーク、サンダース、両者共に戦闘不能!」

『なんという事でしょうか、まさかのダブルノックアウトだぁっ!!』

 

「……たいしたものだな、あのゾロアーク」

「ええ、まひ状態のままでよく相討ちまで持っていけましたよ」

これでカイリは一体、そしてケイジは二体のポケモンが戦闘不能になった。

数の上では今の所カイリが優勢だが、バトルの優劣を完全に決める要素にはなり得ない。

 

「――行け、グライオン」

「ゴウカザル、お前の出番だ!!」

グライオンとゴウカザルが、同時にフィールドに顔を出し睨み合う。

 

「れんぞくぎり!」

先に仕掛けたのはケイジ、グライオンの両腕が光りゴウカザルへと向かっていく。

「ゴウカザル、マッハパンチだ!!」

それを、スピードで勝るマッハパンチで迎え撃った。

(くっ……あのグライオン、はえぇっ!!)

スピードで勝るはずのマッハパンチでも、グライオンの攻撃のスピードと互角だった。

飛び上がり、グライオンと距離を離すゴウカザル。

 

「グライオン、ストーンエッジ!!」

「ゴウカザル、かえんほうしゃだ!!」

グライオンのストーンエッジを、ゴウカザルのかえんほうしゃが全て灰と化す。

 

「なっ―――」

その瞬間、グライオンは既にゴウカザルの前にまで移動し。

「――どくづき」

毒を込めた腕を、ゴウカザルの腹部に叩き込む。

「ウッ、キィ………!」

苦しいのか、ゴウカザルの声にも先程までの元気はなかった。

 

「……拙い、毒状態になってる」

「ああ。どくづきの追加効果が発生してしまったようだな」

「そんな………!」

 

「ゴウカザル、戻れ!」

ボールにゴウカザルを戻すカイリ。

毒状態を治す事はできないものの、これでゴウカザルのダメージを極力減らす事ができる。

次にゴウカザルを出した時は……。

『さあ、カイリ選手のポケモンは――』

「フローゼル、頼む!!」

少し表情を強ばらせながらも、フローゼルはフィールドに出ながらグライオンを睨む。

 

「……カノンはまだ出さないのか」

グライオンは空中に浮いている、地上のフローゼルでは僅かに狙いづらい。

極力カノンは最後にしたいのか……それとも、何か別の理由があるのか。

 

「グライオン、シザークロス!」

フローゼルに突進していくグライオン。

「フローゼル、アクアジェット!!」

それをアクアジェットで迎え撃ち――両者共に大きく吹き飛ばされる。

 

「れいとうビーム!!」

「何―――!?」

しかし、吹き飛ばされながらも無理矢理れいとうビームを発射するフローゼル。

さすがに避けられず、グライオンはまともに受け地面へと落ちていく。

それと同時に、受け身ができないままフローゼルも地面に叩きつけられた。

 

『フローゼル、無理な体勢で見事反撃を果たしましたが、両者共にダメージが行き渡る!!』

「フローゼル、ふぶきだ!!」

素早く立ち上がり、地面に倒れているグライオンにふぶきを叩き込む。

れいとうビームのダメージが大きかったのか、グライオンは立ち上がれずふぶきによって壁際まで吹き飛ばされた。

(やったか……!?)

………だが。

 

『おーっと、グライオンまだ立ち上がった!!』

「くっ………!」

れいとうビーム、そしてふぶきの連続攻撃を受けたというのに、グライオンはまだ戦闘不能になっていなかった。

………フローゼルも、そろそろ限界だ。

 

「グライオン、ギガインパクトだ」

「なっ!?」

拙い、この状況でそんな大技を受ければ間違いなくやられる。

「フローゼル、グライオンを止めろ! れいとうビームだ!!」

ギガインパクトを止めるため、再びれいとうビームを放つフローゼル。

しかし、紙一重で避けられてしまい。

 

「焦ったな。グライオン、ギガインパクト!!」

ギガインパクトが発動し、れいとうビームを放ったばかりで動けないフローゼルに向かっていく。

凄まじい衝撃音と共に、フローゼルの身体が地面に投げ出された。

「フローゼル、戦闘不能! グライオンの勝ち!」

『グライオン、ギガインパクトで見事フローゼルを倒しました!!

 しかし、グライオンの体力も残り僅かになってしまったようです!!』

 

「……並ばれたな」

「カイリ……」

おもわず、唇を噛みしめるヒメカ。

 

「……フローゼル、ありがとな」

フローゼルをボールに戻し、次のポケモンを取り出すカイリ。

(……ジャローダやエレキブルじゃ不利だ、けどゴウカザルは毒状態……あと残っているのは)

ラティアス―――カノンのみ。

 

(………仕方ねえ!!)

エレキブルが入ったボールを戻し、カノンが入ったボールを手にする。

「頼むぜ……カノン!!」

そして、遂にこの大会で初めてカノンを場に出した。

『カイリ選手、五体目はなんとラティアスだ!!』

一気に加速していく観客達。

ラティアスという伝説のポケモンが出てくるとは思わなかったのか、中にはどよめく者も。

 

「……ラティアス」

さすがのケイジも、カノンの存在には僅かな驚きを見せた。

「カノン、頼む!!」

「はい、マスター!!」

『ラティアス、グライオンと同じく空へと上がります。どうやら空中戦を行うようです!!』

「グライオン、シザークロス」

「カノン、ドラゴンダイブだ!!」

ほぼ同時に技を繰り出し、ぶつかり合うカノンとグライオン。

だが、圧倒的な威力でカノンはグライオンを地面へと叩きつけた。

 

「グライオン、戦闘不能! ラティアスの勝ち!」

『凄まじい威力だー!!なんと僅か一撃でグライオンを倒してしまったぞ!!』

しかし、それはフローゼルがグライオンに対しダメージを与えていたからこそだ。

ボールに入ったフローゼルに、改めて感謝の言葉を口にするカイリ。

 

「――フライゴン、次はお前だ」

 

「フライゴンか……」

「じめんとドラゴンタイプだよね……」

「だとしたら、カイリさんのカノンが有利ですよ!」

「だが、それと同時にフライゴンも有利ということになる」

 

「カノン、ドラゴンクロー!!」

「フライゴン、こちらもドラゴンクローだ!」

空中で、激しく交差しながら互いのドラゴンクローを叩き込んでいくカノンとフライゴン。

パワー、スピード、どちらをとっても互角だった。

(カノンと互角かよ……あのフライゴン、凄すぎだ……)

伝説のポケモンであるカノンと互角に戦うフライゴンは、やはり驚愕に値する。

でも――絶対に負けるわけにはいかない!!

 

「はがねのつばさ!!」

「まもる!」

カノンのはがねのつばさが、フライゴンのまもるによって弾き飛ばされる。

「ソーラービーム!」

すかさずソーラービームを発射するフライゴン。

はがねのつばさを弾かれバランスを崩したカノンは、まともに攻撃を受けてしまった。

 

「カノン!!」

「だ、大丈夫です!!」

「よし、ミストボール!」

「りゅうのはどう!!」

ミストボールとりゅうのはどうがぶつかり合い、噴煙が巻き起こる。

 

『噴煙により、どちらも互いの姿が見えなくなりました』

「見えなくてちょうどいいさ」

「えっ……」

「フライゴン、すなあらし!!」

噴煙を消し飛ばし、フィールド中を包み込むような強大な砂嵐が巻き起こった。

 

「しまった!?」

「くっ……」

先程の噴煙と同じく、フライゴンの姿を捉える事ができない。

「れんぞくぎりだ」

「えっ―――きゃあっ!?」

背後からの奇襲。

慌てて後ろを向くが、既にフライゴンの姿はなく。

 

「うぐっ!!?」

再び背中を攻撃され、苦しげな声を上げるカノン。

その後もフライゴンの姿を捉える事ができず、どんどんダメージだけが蓄積していく。

 

『ラティアス、フライゴンの攻撃を避けられずダメージを負い続けております!!

 このまま勝負を決めてしまうのか!?』

「カノン、すなあらしから脱出するんだ!!」

「させるか。りゅうのいぶき!」

上空に飛んで脱出を試みるカノンだが、それが隙を生み出しフライゴンの攻撃をまともに受け地面へと落下していった。

 

「う、く……」

地面に倒れ、苦しげに息を吐くカノン。

「ラティアスといってもたいした事はないな。フライゴン、トドメのドラゴンクローだ!!」

砂嵐から飛び出し、倒れているカノンへと向かっていくフライゴン。

「カノーーーン!!!」

カノンの名を呼ぶカイリの声が、戦いの場に木霊する。

 

 

 

――絶体絶命の中、迫り来るフライゴン。

果たして、カイリとカノンはこのピンチを抜け出す事ができるのか……。

 

 

 

 

To.Be.Continued...

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