ポケットモンスター 〜The Legend of Master〜【完結】   作:マイマイ

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激闘が続くレイジとカイリのフルバトル。

ルギアが破れたものの、ヒカリの新技によりカノンを撃破。

そして、電気技対策の為にエレキブルを繰り出したカイリだったが……またしてもヒカリの新技でダメージを受けてしまった……。


第60話 激戦〜レイジ対カイリ!!〜

「エレキブル、メガトンパンチ!!」

「でんこうせっか!」

迫り来る拳の乱打を、でんこうせっかで回避する。

 

「アイアンテール!!」

「かみなりパンチ!!」

ヒカリのアイアンテールを受け止める、エレキブルのかみなりパンチ。

「エレキブル、左でかわらわりだ!!」

「っ、ヒカリ、逃げるんだ!!」

だが、アイアンテールがかみなりパンチで止められているヒカリでは回避できない。

エレキブルのかわらわりを受け、ボールのように大きくバウンドしながら地面に叩きつけられた。

 

「ヒカリ、大丈夫!?」

「ピ……カッ!!」

立ち上がるヒカリだが、やはりダメージが大きいのか身体がふらついている。

「ヒカリ、戻って!!」

するとレイジはヒカリを戻し、別のボールを投げつける。

 

「アクセル、お願い!」

『レイジ選手、ここでルカリオにチェンジ!!」

「エレキブル、かみなりパンチ!!」

「アクセル、きあいパンチ!!」

 

――激しい連打。

どちらも一歩も退かず、互いの技をぶつけようと拳を繰り出す。

 

「――今だエレキブル、捕まえろ!!」

エレキブルの尻尾が、アクセルの腕を掴み上げた。

「あくのはどう!!」

「かみなり!!」

すぐさまあくのはどうを放とうとしたアクセルだが、エレキブルの方が一瞬速い―――!

 

〈ぐぁぁぁぁぁっ!!〉

「アクセル!!」

「かわらわり!!」

かみなりを受け苦しむアクセルに、とどめのかわらわりを………。

 

「とびひざげり!!」

しかし、かみなりの直撃を受けているというのに、かわらわりをとびひざげりで弾き――右手をエレキブルの頭に添えた。

「はっけいだ!!!」

刹那、弾丸のように吹き飛ぶエレキブル。

壁に叩きつけられ、それがトドメとなったのか。

 

「エレキブル戦闘不能!ルカリオの勝ち!!」

〈ぐ、お………〉

審判がそう告げた瞬間。

アクセルも膝をつき、その場に倒れ込んだ。

 

「――エレキブル、ルカリオ、共に戦闘不能!」

『ルカリオ善戦しましたが、結果は相討ちとなってしまったー!!」

 

「……これで、カイリの手持ちは残り二体」

「そして、レイジくんの手持ちは三体……」

数では有利、しかしダメージの大きさを考えると……レイジの有利とは言えない。

 

「……レイジ」

「何?」

「お前、今楽しいか?」

「――うん。少なくとも僕は凄く楽しいよ」

絶対に負けられない大事なバトル、けれど……今だって凄く胸が踊る。

 

「そうか……俺もよ、今すっげえ楽しいんだ。

 お前には絶対に負けたくねえって思ってるけど……こんなにワクワクした楽しい勝負を、ずっと終わらせたくないと思ってる」

「僕もだ………!」

叶うならば、もっともっと戦いたい。

けれど勝負は終盤、終わりは確実に近づいていた。

 

「この後、大どんでん返しで逆転してやるぜ、レイジ!!」

「やれるものなら、やってみろ!!」

「いくぜ! 来い、ジャローダ!!」

「ティナ、お願い!!」

『続いての対決はジャローダ対サーナイト、はたしてどのような勝負となるのでしょうか。目が離せません!!』

 

実況の言う通り、観客の誰もが2人の戦いを食い入るように見つめていた。

どちらが勝ってもおかしくはない、そして同時にこのバトルはこの大会最高峰の戦いだ。

見逃す事など、できるわけがなかった。

 

「ジャローダ、はっぱカッター!!」

「ティナ、フレイムセイバーで間合いを詰めるんだ!!」

〈はいっ!!〉

走りながら、ティナは炎で作られた剣――フレイムセイバーを両手に握りしめる。

 

〈っ〉

 

痛みで顔をしかめてしまうが、今度ばかりは先程のような失態は見せられない。

相手はジャローダとゴウカザルのみ、ダメージが大きいとはいえここで確実にどちらかを倒さなくては……。

はっぱカッターを斬り裂きながら、あっという間にジャローダとの間合いを詰める。

 

――上段からの振り下ろし。

 

「リーフブレード!!」

それを、両手で展開したリーフブレードで真っ向から受け止める。

すぐさま、左の剣による横薙ぎの一撃がジャローダを捉えた。

「つるのムチ!!」

しかし、迫る剣をティナの左手ごとつるのムチで捕らえるジャローダ。

 

「ふぶき!!」

「リーフストーム!!」

至近距離からのぶつかり合い、互角の威力を見せ両者共に弾き飛ばされ――――てはいない!!

 

〈あっ………!〉

 

引っ張れる感覚に、ティナはおもわず両手の剣を落としてしまった。

……つるのムチが、まだティナの左手を拘束したままなのだ。

対処が一瞬遅れてしまったため、空に放り投げられてしまう。

そして下では――ジャローダが必殺の一撃を放とうと身構えていた。

 

「リーフブレイカー!」

矢のようなスピードで、ティナへと迫るジャローダ。

「テレポートで逃げるんだ!!」

〈くっ………!〉

指示通り、テレポートでその場からいなくなるティナ。

しかし――カイリにそんな行動は通じない。

 

「読んでたぞその動き!」

「えっ……!?」

「ジャローダ、そのまま下にリーフストーム!!」

リーフブレイカーを空中で解除し、一回転してから地面目掛けてリーフストームを放つジャローダ。

そこには、ちょうどテレポートを終えたティナが現れ――

 

「ティナ、逃げるんだ!」

〈えっ……?〉

レイジの声も虚しく、最高のタイミングでのリーフストームがティナに直撃した。

煙が巻き起こり、それはすぐさま晴れたものの。

「サーナイト戦闘不能!ジャローダの勝ち!!」

たまらず、ティナは戦闘不能に陥ってしまった。

 

『なんという事でしょうか!! レイジ選手の切り札ともいうべきサーナイトが、ここでダウンしてしまったー!!』

「す、凄い……! ジャローダがティナを……」

「…………」

これで並んだ、しかし圧倒的にレイジの不利だ。

ティナという存在を失った、それにより動揺は計り知れない。

(レイジくん、ここまでなの……?)

ショックを受けた表情のレイジを見つめながら、シロナは唇を噛みながら心の中で彼に問う。

 

「…………」

 

黙ってティナを戻し、うなだれるレイジ。

……ティナが負けた。

今の今まで、自分と一番歩んできた彼女が、負けた。

それは当然の理ではあるものの、いつからかレイジの中でのティナへのイメージはまさしく負け知らずといったものになっていたのだ。

そんな彼女が敗北したという事実を目の当たりにし、動揺しない方が無理な話だ。

 

………。

 

――だが、それでも。

彼は、自分を見失う事はなかった。

 

(……負けないと、誓ったんだ)

 

共に戦ってきてくれたみんなと、約束した。

たとえ何があろうとも、最後の最後まで諦めずに自分を見失わずに戦う、と。

その約束は破れない、破るわけにはいかない。

だってそんな事をしたら、今まで戦ってくれたみんなの思いが全て無駄になる。

未熟な自分をただ信じてくれたみんなに、応える事ができなくなる。

そんな事は――絶対にしたくなかった。

 

「――ソウル、お願い!」

そして、何よりも……。

「カイリ、まだまだこれからだ!!」

自分との戦いを望んでくれた、カイリの為にも!!

 

「かかってきやがれ、レイジ!!」

「ソウル、シャドークローだ!!」

「ジャローダ、はっぱカッター!!」

はっぱカッターを回避しつつ、シャドークローを繰り出すソウル。――しかし。

 

「つるのムチ!!」

レイジは、再び同じ過ちを繰り返していた。

 

『あーっと、ジャローダのつるのムチが再びレイジ選手のポケモンを捕らえた!!』

「レイジくん、どうして同じミスを………!」

 

「そのままリーフストームだ!!」

「ソウル、今だ!!」

リーフストームが発動する瞬間、ソウルはつるのムチを絡んでいる右手で自分から掴み。

 

――立ち上がり、力任せに引っ張り上げた。

 

「なっ!?」

明後日の方向に飛んでいくリーフストーム。

「四足歩行だからって、二足歩行できないなんて思わない事だ!!」

そのまま地面に叩きつけ、同時につるのムチがソウルから離れた。

だが、ソウルは尚もムチを掴みもう一度ジャローダを地面へと叩きつけた。

 

「ジャローダ、リーフブレードでつるのムチを斬るんだ!!」

このままではダメージを負い続けるだけだ、だからカイリはジャローダにそう指示を告げる。

言われた通り、つるのムチをリーフブレードで斬り難を逃れるジャローダ。

「逃がすなソウル、ふぶき!!」

「リーフストーム!!」

追い討ちを掛けようとふぶきを放つが、空中でバランスをとったジャローダがリーフストームを放つ。

互いの技がぶつかり合い、爆発が起こる。

 

「つるのムチ!!」

「っ、ソウル、気をつけて!!」

煙によってジャローダの姿が見えない、警戒を促すレイジだが……。

「…………」

衝撃が、ソウルの腹部に叩き込まれる。

警戒をしていなかったわけではない、しかし……。

 

(地面、から……)

真下からの襲撃には、対処できなかった。

一度地面につるのムチを埋め、死角になる足元から攻撃したのだ。

「ソウル!!」

つるのムチはソウルの腹部を殴った後、瞬く間に身体を拘束し宙に吹き飛ばす。

「ジャローダ、リーフブレイカー!!」

そこに、ジャローダ必殺の一撃が迫る―――!

 

「ソウル、ギガインパクト!!」

回避する事はできない、瞬時にそう判断したレイジは、相殺する為にソウルに指示を出す。

ダメージにより顔をしかめながらも、空中でギガインパクトを発動させるソウル。

そして――ジャローダとソウルが空中で激しくぶつかり合う!!

爆発が起こり、煙の中から2つの影が凄まじいスピードで現れ地面を削りながら吹き飛んでいく。

 

「ジャローダ!!」

「ソウル!!」

互いに自身のポケモンを呼びかけるが、返事がない。

両者共に戦闘不能か、誰もがそう思った瞬間。

『アブソル、ジャローダ共に立ち上がりました!』

勝負は、未だ決着を見せてはいなかった。

互いに荒い息をしながらも、確かに立ち上がっていた。

 

『なんという凄まじい戦いでしょうか!! どちらが勝利するのかまったく予想がつきません!』

(でも……まだカイリの方が優勢よ………!)

 

「負けるなジャローダ、ドラゴンテール!!」

「ソウル、避けて!!」

相殺する力はもはや残されていない、だからそんな指示しか出せないのが歯がゆかった。

ソウルも震える脚を叱咤し、ジャローダのドラゴンテールを回避する。

 

「逃がすなジャローダ、続いてはっぱカッター!!」

「ソウル!!」

ドラゴンテールは避けられたものの、やはりダメージが大きすぎたのか、はっぱカッターをまともに受けてしまう。

倒れ、動かなくなるソウル。

 

『アブソル、今度こそ戦闘不能か……!?』

倒れ込んだソウルに近づく審判。

……ソウルは動かない。

審判がソウルの戦闘不能を告げようとした瞬間。

 

「アブソル戦闘――」

〈―――やめなさい!!〉

「っ!!?」

驚愕は、レイジとカイリ、そして審判の口から。

 

(今のは……)

なんと——ジャローダが審判を止めるように大声を上げたのだ。

そして、ソウルに視線を向けジャローダは更に口を開く。

 

〈立ちなさい。あなたの力はそんなものだったの?

 まだ終わってない、それなのにこんな結末を迎えるの?

 あなたのマスターはまだ戦ってる、それなのにこんな所で終わる事は許されないはずよ!!〉

「――――」

この言葉は、レイジにしか届いていない。

他の者が見れば、ジャローダが鳴き続けているようにしか見えないだろう。

けれど……レイジには確かに聞こえた。

ジャローダが、ソウルに対してそう言っているのが。

 

〈立ちなさい!! 立ってわたくしと戦いなさい!! 限界を超えて、立ち向かってきなさい!!〉

「……ジャローダ」

 

彼女は、ソウルと戦う事を望んでいる。

お前の力はまだこんなものではないと。

だからまだ立ち上がれると、必死に訴えている。

……その声が届いたのか。

 

『な、なんと……アブソル、立ち上がりました!!!』

今にも再び倒れそうながらも、ソウルはジャローダの声に応えるように、再び立ち上がった。

 

〈まったく……敵であるわたくしから激励を受けてどうするの?〉

〈なら、黙っていればよかったんじゃないかな?〉

〈馬鹿言わないで、こんな勝負をみすみす簡単に終わらせる方がおかしいのよ〉

〈……君って面白いね〉

〈カイリが、まだあなたのマスターと戦いたがっているから、そうしただけよ〉

 

少しだけ気恥ずかしそうに視線を逸らすジャローダに、ソウルはにっこりと笑みを浮かべる。

 

〈こんな所で終われない、か……。

 うん、そうだね……確かに、こんな所では終われないよ〉

〈当たり前よ。あなたの力……もっと見せてみなさい〉

「…………」

不敵に笑うジャローダと、新たな闘志を燃やすソウル。

そう光景は、とても美しく……とても尊く映っていた。

 

「……レイジ、ジャローダはソウルを励ましてたのか?」

「うん……よくわかったね?」

「んー……ああ、なんとなくではあるけど……ジャローダがそう言ってるのかなってさ……。

 けどジャローダ、敵であるソウルを助けるなよな、せっかくリードすると思ったのに」

〈うるさいわね。もう一度倒すから文句を言わないでよ〉

「……なんか、理不尽に怒られたような気がする」

「……当たりだよ」

「ったく……まあいいけどな、もう一度倒せばいいんだし!!」

「さーて……そいつはどうかな?」

 

「――ジャローダ、リーフブレード!!」

「ソウル、シザークロスだ!!」

互いに踏み込み、同時に技を繰り出す。

弾かれ、再び向かうジャローダ。

それを受けながら、反撃のシザークロスを放つソウル。

互いに一歩も譲らない、近接戦闘が続く。

 

「みずのはどう!!」

「グラスミキサー!!」

技がぶつかり合い、吹き飛ばされる両者。

しかし――そこでソウルが着地と同時に膝をついた。

 

「ソウル!?」

やはりダメージが深刻なせいなのか。

「今だジャローダ、リーフブレード!!」

そこに、ジャローダのリーフブレードが迫る!!

 

「ソウル、立つんだ。立ってくれ!!!」

〈っ、くっ………!?〉

 

 

 

 

To.Be.Continud...

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