「お、ショッピングモールだ。」
少女は巨大なショッピングモールを見つけた。
目を凝らすと、かなり大きいものであることが分かる。
こういう大規模な店の売り物は大抵全滅していることが多いが……
「やっぱ探検したいよね。ああいうのは!」
少女は好奇心に満ちた目でショッピングモールへ足を運んだ。
◆◆◆◆◆◆
ショッピングモールの中は、もはや別世界の様相を呈していた。
あちこちで草が生い茂っており、木もちらほら見える。
色んな動物達がいるようで、そこかしこからさえずりや鳴き声が聞こえる。
店の中は荒れている場所もあれば、意外にもそこまで荒れていない場所もあった。
少女が店の中を進んでいくと、ある店でそれを見つけた。
「あれ、これってカメラってやつでは?」
少女はカメラを手に取り、自分の力で電気を流して電源を入れてみる。
すると、なんと起動した。
「お、動いた〜!ラッキー!」
少女は軽く写真を1枚撮ってみた。
悪くない感じだ。
「これから私のお供になること決定〜!」
新たな旅のお供に巡り会えた少女は相棒を首にぶら下げてショッピングモールを歩き回った。
食料が残っていたらそれを回収しつつ、見慣れないもの……つまり周りの全てを
写真に収めていった。
しばらく歩き回って、不思議な場所を見つけた。
「おぉ〜……随分高いなこの木…」
かつての大広場と思しき場所の中心にある噴水……から生えている巨大な樹木を見上げた。
樹高は少なくとも50mはありそうだ。
そして何より、幹が随分太く、枝も様々な方向に枝分かれしていて、
広場の一種の天井になっている。
そしてその木には多くの生物が確認できた。
枝で求愛を披露する蛾、木に開けた穴から顔を出す小さなコウモリ、枝の途中でとぐろを巻いて
寝ている毛深いヘビ、枝の上で仲間と寝ているヤマネコ、木全体にヴェールのように被さっている
巨大なグローワームの糸……
その光景はどれもが初めてみるもので、少女の目はカメラのフラッシュのように輝いている。
「すっっっっご!!!!!
カメラ持ってて良かったぁ〜!」
会ったばかりの相棒に感謝を告げながら少女は初めてみる景色を1つ1つ丁寧に
レンズに写していく。
◆◆◆◆◆◆
あれこれ撮影したり、偶然出会った空飛ぶヘビと親睦を深めていたら、
すっかり夜になっていた。
夜になるとグローワーム達が一斉に光り輝き、大樹がまるで星の木のような姿になった
あまりの神秘的な光景に少女の相棒1号から鳴るシャッター音が止まらない。
少女のそばを浮遊していたヘビも幻想的な光景に飛ぶのも忘れて少女の肩から
大樹を見上げている。
周りにも動物達が集まってきている。
その全員が恐らく別々の思考を持つだろうし、何より会話すらできない。
「でも、これだけは確実に言えるよね。」
少女は呟く。
「私たちは今、確かに同じ景色を見ている。」
◆◆◆◆◆◆
一通り支度を済ませて少女はショッピングモールを後にした。
ただ、行きと違うのは荷物が増えたことと、もう1匹の旅仲間が増えたことだ。
グローワーム好きなんですよ。
厳密に言えばオーストラリアに生息しているヒカリキノコベバエの
幼虫のグローワームが好きです。
もうあれ星空でしょ。