水の廃都と滅びた世界   作:がくしゃ気取り

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私の好きなショッピングモールはピンクのアレです。


#3 ショッピングモール

「ん、ショッピングモール」

 

 少女は巨大なショッピングモールを見つけた。

 目を凝らすと、かなり大きいものであることが分かる。

 こういう大規模な店の売り物は

 大抵全滅していることが多いが……

 

「やっぱり探検したいよね。

 ああいうのは」

 

 少女は少しの好奇心に満ちた目で

 ショッピングモールへ足を運んだ。

 

◆◆◆◆◆◆

 

 ショッピングモールの中は、

 もはや別世界の様相を呈していた。

 あちこちで草が生い茂っており、

 木もちらほら見える。

 色んな動物達がいるようで、

 そこかしこからさえずりや鳴き声が聞こえる。

 店の中は荒れている場所もあれば、

 意外にもそこまで荒れていない場所もあった。

 少女が店の中を進んでいくと、ある店でそれを見つけた。

 

「ん、これってカメラかな」

 

 少女はカメラを手に取り、近くの店で電池を手に入れ、

 中に入れて電源を入れてみた。

 すると、なんと起動した。

 

「お、動いた。

 ラッキー」

 

 少女は軽く写真を1枚撮ってみた。

 悪くない感じだ。

 

「これから私のお供になること決定かな」

 

 新たな旅のお供に巡り会えた少女は相棒を

 首にぶら下げてショッピングモールを歩き回った。

 食料が残っていたらそれを回収しつつ、

 見慣れないもの……つまり周りの全てを

 写真に収めていった。

 しばらく歩き回って、不思議な場所を見つけた。

 

「おぉ……随分高いね、この木…」

 

 かつての大広場と思しき場所の中心にある噴水……

 から生えている巨大な樹木を見上げた。

 樹高は少なくとも50mはありそうだ。

 そして何より、幹が随分太く、

 枝も様々な方向に枝分かれしていて、

 広場の一種の天井になっている。

 そしてその木には多くの生物が確認できた。

 枝に求愛を披露するナナフシ、

 木に開けた穴から顔を出す小さなコウモリ、

 枝の途中でとぐろを巻いて寝ているヘビ、

 枝の上で仲間と寝ているヤマネコ、

 木全体にヴェールのように被さっている

 巨大なツタ科の植物……

 その光景はどれもが初めてみるもので、

 少女の目は少しだけ輝いて見える。

 

「すごい……

 カメラ見つけれて、よかった」

 

 会ったばかりの相棒に感謝を告げながら

 少女は初めてみる景色を1つ1つ丁寧に

 レンズに写していく。

 

◆◆◆◆◆◆

 

 あれこれ撮影したり、

 偶然出会った白い犬と親睦を深めていたら、

 すっかり夜になっていた。

 夜になると木に飛んできたホタルが一斉に光り輝き、

 大樹がまるで星の木のような姿になった

 あまりの神秘的な光景に少女のカメラから鳴る

 シャッター音が止まらない。

 少女のそばをウロウロしていた白い犬も

 幻想的な光景に大樹を見上げている。

 周りにも動物達が集まってきている。

 その全員が恐らく別々の思考を持つだろうし、

 何より会話すらできない。

 

 ただし、

 

 今この瞬間だけは、

 

 確実に。

 

 この場の全員が、同じ景色を見て、

 同じ景色に感動していた。

 

◆◆◆◆◆◆

 

 一通り支度を済ませて少女は

 ショッピングモールを後にした。

 カメラ用の電池を持って、犬にお別れを告げた。

 

 しばらく歩いて、少女は一つの施設を見つけた。

 入り口の門に何かが書いてある。

 

 「えっと……連邦…捜査部……シャー…レ?」




ホタルとかグローワーム好きなんですよ。
厳密に言えばオーストラリアに生息しているヒカリキノコバエの
幼虫のグローワームが好きです。
もうあれ星空でしょ。
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