さらば平凡な日常
「異世界転生って本当にあるんだな……」
彼、
今、彼の周りは白一色の何も無い空間で、目の前には机とその上に1枚の紙とペンが置いてあり、そこには
『ようこそ!幸運な転生者様!そんな幸運な貴方様には転生特典と転生する世界を決定していきたいと思います!
以下の欄に詳細をお書きください。
【転生特典】
【転生先の世界】
※転生する世界に他作品の要素が入る場合はその作品に関連する事象が転生先の世界に還元されます。
P.S.各世界に転生者は一人しか居ませんので踏み台転生者等になる心配はございません。そもそもそういう考えを持つ者にはメールは届きません』
と書かれていた。
「異世界転生物のプロローグかよ。いや、マジでそうなのか………」
どうしてこんな事になったかと言えば、夜白は両親を無くしてからは金の無心に来る親戚から離れて一人暮らしをし、当たり障りのないごく普通の日常を過ごしていた。そんな時、スマホのメッセージアプリに『異世界転生のご案内』とかいうメールが届いており、何かのアプリか漫画の告知だと思って開いたらまさかのマジモンの異世界転生だったのだ。
そして、机の上の紙を見て、数分間放心し、最初の心情になった訳だ。
「転生特典何にしよう………」
放心から戻った夜白はは一先ず転生特典を考える事にし、悩んだ末に思い付いたこの3つに決め、転生特典の欄に記入した。
【転生特典】
・オリジナルユニークスキル
・オリジナル種族
・
彼が転生特典の欄に記入したのは、あの大人気のライトノベルにして、アニメやゲームにもなった作品『転生したらスライムだった件』のユニークスキルだ。エクストラスキルでもよかったが、やはり貰えるなら強い方が良い。
オリジナル種族は原作で出て来た種族では被ったりして味気ないので、原作に出ていないような種族がいいのでこれにした。
武器である刀剣の階級を伝説級にしたのは
「転生特典はこんな感じか……あとは転生する世界か……何処にしようか……」
転生特典の欄に記入した内容を確認し終えた夜白はは次に転生する世界について考え始めた。
転生特典の内容だと戦闘物の物語が良いだろう。
(俺が知ってて且つ大体内容を覚えてるのは……)
【ポケットモンスター】
転生特典に合わない。除外。
【ハイスクールD×D】
仮に覚醒した時の神や悪魔の名前のスキル名で色々ありそう。除外。
【ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか】
【ハイスクールD×D】と同じく、神の名前のスキル名で色々ありそう。除外。
【呪術廻戦】
宿儺や五条悟が怖い、特に高羽が未知数過ぎる。除外。
【デート・ア・ライブ】
ウェストコットや崇宮澪辺りが怖い。除外。
【FGO】
キャラは魅力的だが藤丸立香じゃないと駄目な所が多い。除外。
【僕のヒーローアカデミア】
スキルと合わない。除外。
【原神】
ストーリーを知っているものの、自分が知ってる部分から先が分からない為、念の為除外。
思い付く物語が尽く転生特典に合わないか敵がやばい作品ばっかりだな……。
(あっ、でも知り過ぎてても面白くないな)
そこでストーリーを知り過ぎてても面白くないと考え、思考を切り替えた。自分が名前を知っていてそこまでストーリーを知らない・転スラの要素が入っても問題なさそうな物語…………。
そんな物語があるかと考え込んでいた夜白はの脳裏にとあるゲームのシリーズのタイトルが過ぎった。
「あっ、そうだ。
アレならストーリーを詳しく覚えてないし、頭を過ったタイトルのゲームにしようと決めた夜白は転生先の世界の欄にこう記入した。
【転生先の世界】
・ライザのアトリエ
「これで良し」
【ライザのアトリエ】……『アトリエシリーズ』の21作目で、『常闇の女王と秘密の隠れ家』『失われた伝承と秘密の妖精』『終わりの錬金術師と秘密の鍵』の3つの通称【秘密シリーズ】と呼ばれるゲームで、夜白が偶々見つけ、興味本位で見た実況動画を見てやってみようと思い、3作品を一気買いする為に金を貯めていた所でもあった。
「で……この後どうしたら?」
転生特典と転生先の世界を書き終えた俺はこの後どうすればよいのか分からず、念の為に何か指示が書いていないかと記入用紙を上から下へとゆっくり見返した。
「あっ、右下にチェック欄あった」
よく見ると記入用紙の右下の所に
『記入が完了致しましたら、下の欄に✓を入れてください。
と書いてあった。
「………よし、これで間違いないな」
念の為に書き間違えや脱字が無いか確認し、□に✓を入れた。
その瞬間、ピンポンパンポーンと大きなチャイムが流れ、驚いた俺は大声を上げた。
「うぉ!?何だ!?」
『これより転生を開始します。尚、転生してから数年は記憶が無く、記憶はある程度成長したら戻ります』
「何だ、アナウンスか」
どうやら転生を開始する前のアナウンスだったようで、驚いて緊張した事に溜め息を吐き、いよいよ転生するのだと分かると胸がドキドキを高鳴っている。
「とうとう始まるのか異世界転生」
夜白は胸は高鳴りを抑え、気合を入れる為に右拳を左の掌に打ち付けて叫んだた。
「待ってろよ異世界!!」
どんな物語を紡ぐかは彼次第。