非公式東方二次創作 『紅魔縁結譚 〜スカーレット・ダイアル』   作:スマラカタ

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この物語は、紅魔館メンバー+一部の同行者が異世界で縁結びをするコメディ的な物語です。
どうか気軽に楽しんでいただければ嬉しいです。なお、あらすじは咲夜が書いた体で書きましたので、そちらも楽しんでくださると幸いです。
それでは、ゆっくりしていってください!


第一話 紅き吸血鬼の為のプレリュード

 ここは幻想郷でも屈指の名館とも称されることも多い紅魔館。今日も今日とて、『永遠に紅い幼き月』とも呼ばれる紅魔館の主たるこの私、レミリア・スカーレットはあまりの平和ぶりに嘆息していた。

 

「……退屈ねぇ。」

 

 私がため息をつきながら言うと、お付きの『完全で瀟洒な従者』である十六夜咲夜も同様に頷いていった。

 

「……そうでございますね。お嬢様。」

 

 私の言葉に、咲夜はいつものように落ち着き払った返事だった。……相変わらず冷静沈着ねぇ。まぁ、それが彼女のいいところなんだけど。本当ならもう少し合わせてほしいところね。

 まぁ、そんな愚痴は頭の片隅に置いておいて、咲夜にどこか面白いネタでもないかと期待のまなざしを向けた。あの咲夜のことだ。きっと、私の知らない合間に幻想郷中で素敵な話をいくつか仕込んでるに違いない。ちょうどあの『伝統の幻想ブン屋』とも呼ばれる天狗の新聞記者の射命丸文みたいなノリで。

 

「……咲夜。何か面白いことでもないかしら。こう、なんというか、赤い霧の時みたいな感じじゃなくて、人的被害のならない祭りとかやりたいのよ。すこぶる退屈なのよ。」

 

 私が退屈そうにあくびをしながら言った後、上目づかいで見上げた。……私がこうすれば、咲夜は動いてくれるもの。

 

「……ねぇ、咲夜。私が活躍できて、こう、祭りになりそうなことはないかしら。しかも、ちょっと派手な感じので。」

 

 私がそう言うと、咲夜は少し考えてから、そういえばと言わんばかりの表情でこう言った。

 

「……時に、お嬢様。先日、パチュリー様が妙な石を拾いになったのはご存知でしょうか?」

 

 咲夜がそう言うと、私は首を傾げながら言った。あ、パチュリーと言うのは、『動かない大図書館』とも呼ばれている私の友人である大魔法使い、パチュリー・ノーレッジのことよ。

 

「妙な石? それってどんな石よ。」

 

 すると、咲夜が私にこんな素敵な話を教えてくれた。

 

「なんでも、任意の場所に何度も転移できる石なのだとか。」

 

 ……あぁ、そうなの? でも、それだけだと便利なだけね。どうせこういう時って、『楽園の素敵な巫女』と呼ばれている博麗霊夢や、『スキマ妖怪』とも呼ばれる八雲紫にバレてるってのがオチよ。

 

「へぇ……結構便利そうね。で、それがこの話と何の関係があるのよ?」

 

 すると、咲夜が待ってましたと言わんばかりの表情をしながらこう言った。

 

「……お嬢様。この石、どんな世界の、どんな場所にも任意で転移できるそうなのです。パチュリー様

が確認して、ドラキュラ伯爵の城に着いたそうです。その上で、霊夢さんにもバレてないそうです。」

 

 それを聞いた私は、素でかなり大げさに驚いて叫んでしまった。

 

「ちょっと! それを先に言いなさいよ! それは結構面白そうなことだけど……ん? でも、それだけじゃ、私と咲夜が異世界に降臨するだけになるわよ?」

 

 私が内心呆れつつそう言うと、咲夜が続けてこう言った。

 

「えぇ、まぁ、確かにそうですね。……ですが、お嬢様。この話には続きがあるのです。」

「え、続き?」

 

 私が怪訝そうな顔でそう言うと、咲夜はにやりと笑いながらこう言った。

 

「……お嬢様。異世界で縁結びをやりませんか?」

 

 私はそれを聞き、思わず自分の耳を疑った。……あの咲夜が縁結び? いや、縁結びですって? 普段なら絶対言わないはずよ、あの子。

 

「え、縁結び? 異世界で?」

「えぇ、そうです。お嬢様の能力は“運命を操る程度の能力”。幻想郷では、それを縁結びに使っても百合にしかほぼなりませんが……」

 

 私はそれに対し、咲夜に思わずツッコミを入れてしまった。

 

「そりゃそうよ! 幻想郷じゃ主要人物は女の子だらけなのよ! 偏りすぎて意味ないじゃない! いや、男なら霖之助と雲山がいるけども!」

 

 ちなみに、森近霖之助は『香霖堂店主』とも呼ばれる『香霖堂』という古道具屋の店主で、雲山は『大山鳴動の大入道』とも呼ばれる入道で、よく『守り守られし大輪』とも呼ばれる修行僧の雲居一輪と一緒にいる雲のことだ。まぁ、どうでもいい補足かもだけど。

 すると、咲夜がなんということか。冷静な顔をしながら妙な言いわけをしてきた。

 

「だからこそ、お嬢様。異世界で縁結びをするのです。幻想郷では主要人物だけでですと、百合しかほぼできませんが……異世界なら関係ありません。男女比もかわりますし、男同士、女同士、はたまた、新たな恋愛のあり方……などなど様々な縁を結べるはずでございます。悩める少年少女の恋の後押しという面白……失礼、甘酸っぱい青春を観ることが可能です。」

 

 咲夜がそう言ったのを聞き、私はまあ耳を疑った。……気のせいかしら。いや、そんなわけないわよね。

 

「今、貴女。何となくだけど、面白いと言おうとした?」

「いえ、何も?」

 

 ……し、しらばっくれたわね。まぁ、こういう時は問い詰めても意味ないし、聞かなかったことにしましょう。

 それから、私は少しばかりため息をついてから立ち上がることにした。咲夜がこう言ってきたのだ。たまには、そういう悪ノリに付き合うのも悪くないのかもしれない。

 

「……まぁ、いいわ。どうせ退屈だったからね。そういうのもたまには悪くなさそうね。行くわよ。咲夜、恋の後押し大作戦決行よ。」

「お嬢様の仰せのままに。」

「パチェも巻き込みましょ。ラブコメとかそういうの読んでそうだし。」

 

 こうして、私と咲夜による大作戦の幕を開けるため、二人で紅魔館の大図書館へと足を運ぶことにした。




一話目をお読みいただきありがとうございます。
今後もゆっくりと更新してまいりますのでどうかよろしくお願いいたします。

レミリア「さて……。これから異世界に行くのだけれど、この中ならあなたはどの世界を“最初に”覗いてみたいのかしら?」

  • 剣と魔法の世界
  • 学園青春の世界
  • 闇と因縁の世界
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