もうすこしだけハッピーエンドへ 作:彩葉って最高だよな!
やりたいことこねくり回して書いたので深く考えずに読むと吉とでます。
※ちょくちょく微修正
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今は昔……ではなくて、超未来……でもなくて、大昔でも超未来でもない、ちょっと未来……ですらなくて、すこしだけ昔のとある世界。神と呼ばるるものありけり。
自由きままであり、なんでもできるその姿は、まさに神の如し。そんな神は、面白い人間を見つけてしまいました。よく学び、よく動き、よく祈り、よく怪しいことをしていました。
神はその人間に興味が湧き、なぜそんな事をするのかと聞いたのです。至極真面目な表情のその人間の答えを聞いた神は大層笑い、気まぐれにもその人間のことを気に入りました。
そうして神はひとつの力を授け、軽ーい頼み事と制約をし、望み通りその世界におけるその人間の存在を完全に消してしまいました。めでたしめでたし。
ほんとにめでたかったかって? そりゃめでたかったよ。だってこのチャンスが無ければこの世界に来れなかったと思うよ? 古今東西色々試してたけどなかなか成功しなかったから……いよいよトラックか電車かって時期だったんだよ。
そりゃ存在が消えるってヤバいけど、まあ、それだけで済んだとも言えるし。何がなんでもを良くない形で貫いてしまっただけのことだから。真似するなよ? ほら、そんなことより見なよ、あの彩葉を。
「それではこの問題を……酒寄さん、お願い出来る?」
「はい。ここでのこの式は――」
「――はい、その通りです」
いつもの如く突然指名されては、完璧とも言える解答をするのだ。その姿の凛々しく、美しきことこの上ない。そして何より……可愛い。
この光景を見て周囲は毎度ざわつき、囃し立てるような動きを見せる。もれなくそれに便乗しているが、実際のところ本人はどう思っていたんだろうか。いつか聞いてみたいことリストの内の1つである。
放課後。粛々と帰り支度をしている彩葉の元へ向かった。出会った時からなるべく続けているものの、思うほど会えるわけではない。いつも何かしら忙しくしているからだ。
それでも話しかけるなり手伝うなりなんなり、行動し続けないとならない。人と親しくなるってのは難しいものだ。同性なら……削ぎ落としたせいでいないわ。あれ? 俺って友人がほぼいない? おい、そんな目でこっちを見るな。そんな目で見られるほど困ってないから。
「おつかれ様、酒寄」
「おつかれ様、月笠」
忙しすぎて眠れてないけどまさか寝不足なことに気づかれる訳にはいかないから誤魔化した彩葉の顔……といったところか。正面から見るのは当時16時間振りぐらいだな。
俺が彩葉と出会ったのはいまから20……いや、直接には1年前とかか。俺にとっては昔の出来事だが、君にとっては多分、少し前の出来事だ。全然違う? それもそうか。厳密には時の流れが違うみたいだし。
「相変わらずの活躍だったが、大丈夫か? 今日も今日とて寝不足だろ? 意識飛んでたっぽいし……」
「あー、やっぱり月笠にはバレるかぁ……他のみんなには内緒にしてね?」
首を少し傾げながらそう言ってくる彩葉。少々あざとすぎるのではないかと何度も自問するが、返ってくるのは天然で女誑しで彩葉だからという自答である。
一挙一動が可愛すぎるかつイケメンなのだ。あんまりこちらを向いて笑いかけないで欲しい。いややっぱり笑いかけて欲しい。彩葉ニウムの過剰摂取で倒れるなら本望だ。
「もちろん、酒寄の嫌がることはしないけども。そもそも毎回黙ってるし。でもまあ? 倒れそうだったら無理やりにでも休ませるけどな」
「あはは、それは大丈夫……多分」
「多分じゃないから言ってるんだが……? 今まで何回綾紬と諫山に連行されてるんだよ」
「あー、あれはまあほら……ほんと優しいよね」
「……わかってないな、やっぱり」
苦笑いしながら誤魔化す彩葉。もちろん誤魔化しきれていないが、つついたところで更に誤魔化される。挙句の果てに逃げられる。そろそろ何かしら出してくれてもいいのにと思う反面、1年以上時間があったとしても、俺の力じゃこの辺りが限界かとも思ったものだ。
この1年間と少しの間、強制的に休ませることになったことは何度もある。芦花真美コンビに感謝。あの二人がいなかったら彩葉ってどうなってたんだろうか。……恐ろしすぎてなるべく考えたくないな。
「それはそうと、今日はバイトあるのか? 無いならテストあるし、勉強会でもと思ったんだが」
「あーごめん、バイトなんだよね。また今度お願いするよ。私も数学で気になってるとこあるし」
申し訳なさそうな表情の彩葉。見てるこちらも申し訳なくなってくるが、この回答は想定通りだった。この少し前に家で予定表見せてもらってたし。
いや違うって、不法侵入じゃないって。ちゃんと彩葉がいいって言ったから入っただけだしそもそも彩葉週5でバイト入れてるからバイトじゃない日の方が少ないしなんなら芦花なら多分もっと把握してるし疚しいことは何も無いからその振り上げた拳を降ろして? てかなんでそんな嫉妬してんの……最近そんなのなかったのに。
断られたものの、そのまま一緒に下校する。いつもならもう2人ほど居るのだが、今日は用事があるらしいので久々に彩葉と2人きりの下校だ。テンション上がるな。
「そうか……仕方ない。勉強しつつご飯でも作って待ってるわ」
「いやいや、そんな事しなくていいから。何回も言ってるけど、ちゃんとやり繰り出来てるっての」
「へえ? 言いたいことは山ほどあるし、始めからそこは心配してなかったけど、改めて安心だな。俺も、今日もたまたま晩ご飯を作りすぎてしまう予定ってだけだ」
「それたまたまじゃなくて故意じゃん。今日もって言ってるし、予定って言ってるし」
「まあまあ落ち着いて。そんなにツッコまなくても分かってるから」
「尚更タチ悪い」
コロコロと表情を変える彩葉。素晴らしい。他愛もない話……かは置いておいて、これぐらい強引にいかなければ干渉すら出来なかった。優等生彩葉ガードは高く、分厚く、やり過ぎなぐらい堅かった。かなりギリギリのラインを攻めたつもりではある。
でも、ほんとにヤバいんだよな 。学費と生活費をなるべくバイトで稼ぎ、尋常ならざる勉強量で成績を維持し、先生や他の生徒の頼み事もいつの間にかどこかでこなし、授業態度は完璧で、音楽や体育といった勉強だけではどうにもならないはずの教科でさえ優秀。
その裏で、栄養バランスなんてこれっぽっちも考慮されてない食事に、ショートスリーパーもかくやという睡眠時間。唯一の癒しと言わんばかりの推し活。改めて並べると異常さがよく分かるな……。
確かにやり繰りは出来ているかもしれないが、問題はそこじゃないだろそこじゃ。
でも俺が無理に休ませるのは、下手したら余計悪化しそうなんだよな。親密度と理由が足りない。健康でいて欲しいだけなのに、休ませることひとつ満足に出来ないとは。
「そりゃ、助かってる部分はあるけど……とにかく、ご飯おすそ分けとかやらなくていいからね!」
「はいはい、わかりましたよ」
「ほんとにわかってるのかな……じゃあまたね」
「おう、バイトがんばれ」
訝しげな表情の後、ふっと微笑みながら別れの言葉を伝えてくる彩葉。それを網膜と脳裏に焼き付けつつ、バイト先へ向かう彩葉に手を振る。彩葉が見えなくなるまで振り続ける。半分気絶していたような気がしないでもない。その辺の記憶曖昧だし。
「ただいまどれーぬ」
「おかえりーふぱい」
おそらく皆が何度も見たことがあるであろう程々に古そうなアパートの一室に帰宅する。そう、彩葉が住んでいたあのアパートである。
……いや、いやいや待ってください。その石みたいなものを投げないでください。そんな邪なものでもないし、まさかまさか同じ部屋な訳でもなしに。流石に隣の部屋ですよ、知ってるでしょ? へへ(焦)。
まあ確かに? 今日に至るまで色々やって来ましたよ? 例えば彩葉と同じ高校に入るために片っ端から学校の制服を調べて、学校の大体の位置と学力レベル照らし合わせて見つけたり、このアパートどこかなって近辺をひたすら歩き回って探したり……普通に大変でした。この学校でなくても同じことやらされてたみたいだけど。
一人暮らしするためにやらされたってのがありましてぇ……おかしくはないけどどこかおかしい祖父母でしたとさ。
部屋の中については大分簡素で、いざという時に2、3人匿えるぐらいを目指した。机にあるPCはハイスペックだし、布団も多めにご用意。調理器具や調味料、備蓄は一般のご家庭より豊富に揃えてあります。ツクヨミ様々である。
ツクヨミを始めとしたVR系統にバイトとして入り込めたことと、超簡易的なライバー活動を成立できたことが大きい。これのお陰で更に稼げるようになって、諸々揃える資金になったからな。サンキューヤッチョ。
……ちなみに、どこからともなく聞こえてきたのは音声アシスタントである。なぜかノリよく返事をしてくれる。中に
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香ばしいしょうがとニンニク、そして油の弾ける音を背景に、最終確認を行う。そう、原作開始までもう残り少ない頃合いである。
来るXデー。月より来るかぐやは、死に体の彩葉がもう少しで家に着くというタイミングですぐそこにある電柱で発見される。
そこからなんやかんやある訳だが、ここで準備しておくべきはまずベビー用品と各種料理、そしてスマコンだろうか。脅威の成長力のおかげでそこまで量は必要ないし、この分のお金が浮くのは彩葉にとってもかなり嬉しい事だろう。無論、お金を使ってもらったというところに彩葉が引っかかりまくるのは承知の上だ。
ただし、どこまで影響が出るか分からない部分はある。やりすぎて鍵を逃すことはないようにしなければならないため、量や質は減算しておく。言い訳も考えておかなければならないのは辛いところか。
えー、その後どうなっていくか……彩葉のことは完璧に覚えてるけど、それ以外が薄れつつあって……一言一句完璧な暗唱が出来なくなりつつあるんだよな。たまに抜け漏れが出るというか、ニュアンスは完璧でも言葉が少し違うというか。
そう、近くある連休。いよいよ物語が本格的に進み始める。ドキドキワクワクの3日間が待っているのだ。ただ、その次の日のあれってテスト終了祝いと女子会兼ねてて参加出来なかったような。これじゃリアルタイム視聴(現実)もできない。
大人しく家で待つか、あの辺りを散歩でもするか。放課後の出来事だし、時間調整をすればなんとか……? 厳しそうな気はしている。それこそ突発で仕事が入ったら終わりだ。かぐやが変なこと話し始めたら収拾つかなそうだし。
少し気分が下がりつつも、背景だった料理を完成させ、彩葉へのおすそ分けの準備を始める。今日のおすそ分けはシンプルにチャーハン。それと適当なものをブレンドしたオリジナル野菜ジュース。味と栄養素は調整済です。
カレーとかシチューとかの方がそれっぽいけど、割と最近おすそ分けしたばかりだから捻ってみました。このままいけば彩葉特製オムライスが食べれたり……しないか。食べれても特製パンケーキか。
あれ、彩葉の手作りだから食べられたけど、彩葉の手作りじゃなかったら食べられなかったな……はちみつとかジャムとか、肉とか野菜とかを少し奮発して買うとか……そもそも材料の配分とか……料理下手な訳でもないのにどうしてあの味になるんだろうか。
普通にこれ書き切るまでに考えすぎて疲れました。昔の自分はどうやって二次創作を書いてたんだろうか……。