酒寄彩葉に泣かされる優柔不断で悪いモブの話【完結】   作:ゴリラ皇子

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後日談その3です
本作を既読された方向けとなります

細かい設定等矛盾があるかもしれませんが雰囲気重視でお楽しみください


その4と分けたかったので短めですが、是非ご覧ください


後日談3

ヤチヨの正体が判明して暫く経ったころ

ツクヨミ内ヤチヨの自宅にて

 

 

ヤチヨは芦花に膝枕され頭を撫でられていた

彩葉は予定があり後から合流、かぐやは配信中、真実は恋人とデート中なので

ヤチヨは芦花へ思う存分甘やかされることにしたのだ

 

ヤチヨはかぐやが芦花に膝枕されていたのを見てから

隙あらば自らもと膝枕チャンスを虎視眈々と狙っていた

そのチャンスがこうして巡ってきたのだ

 

「ヤチヨちゃん髪サラサラ~」

「ふふん~ヤチヨは歌姫なので、実は結構気を使っていたり~?」

 

 

穏やかな時間が流れる

 

 

ヤチヨと芦花の関係はモブちゃん時代はそう深いものではなかった

しかし、ヤチヨの正体が判明した後から急速に2人の仲は縮まった

 

可愛いもの好きでどちらかと言えば甘やかしたい方の芦花と

寂しがり屋でどちらかと言えば甘えたい方のヤチヨ

 

2人は恐ろしく相性が良かった

 

同じ人を好きなことも…もしかしたら関係あるかもしれない

ヤチヨはそう思っていたりもした

 

「ヤチヨちゃん美人だね~」

「雨アラモード~芦花も美人さんだってヤチヨは思うよ」

「ふふっありがと」

 

2人は特に飾らずふにゃふにゃとたわいもない会話を続ける

折角2人きりなのでヤチヨは気になっていることを芦花へ聞いてみることにした

 

 

「芦花は、ヤチヨのこと好き~?」

 

 

かぐやの様に悪戯っ子の様な顔で芦花へ尋ねる

芦花は少し目を丸くすると、直ぐにくすくすと笑った

 

「好きだよー」

「おぉ~じゃあ、かぐやは~?」

「かぐやちゃん?」

 

次の質問があると思っていなかったのか軽く首を傾げる

 

「かぐやちゃんも好きだよー」

「じゃあね~」

 

最後に1番聞いてみたかったことを聞いてみた

 

 

「彩葉のこと、好き?」

「…」

 

 

芦花は目を見開くと質問の意図を理解したのか

ヤチヨを見ながら苦笑をこぼす

 

 

「…気づいちゃった?」

「ヤチヨは伊達に八千年生きていないので、えっへん!」

「はぁ~…歌姫様にはお見通しかぁ…」

 

 

芦花はヤチヨから視線を外すと、どこか遠くを見るように顔を上げた

少し赤くなったその横顔はヤチヨの大好きな表情に似ていた

 

 

「好きだよ、大好き」

 

 

それはどっからどう見ても恋する乙女のもので…

本っ当、彩葉って人たらしだよね~とヤチヨは内心誇らしいやら、将来が心配やらで少しだけ複雑だ

 

「いつから好きなの~?」

「分かんない…気づいたら、かな?」

 

「彩葉って無理してても平気な顔してるじゃん、何とかしてあげたくて…」

「分かるぅ~☆」

 

「彩葉とちゅーしたいとか?」

「ちゅ!?…うん、したい…」

「キャー♡」

 

2人でする恋バナは盛り上がりまくった

キャーキャー言いながらする恋バナ程楽しいものはない

少し落ち着いてきたところで改めて芦花へ尋ねてみる

 

 

「芦花は彩葉に告白しないのかな?」

 

 

芦花はその綺麗な顔を少し曇らせると

俯いたまま呟く

 

「できないよ…」

 

ヤチヨは柔らかく微笑むと

できる限り優しい声で尋ねた

 

「…どうして?」

 

複雑な感情が渦巻いているのだろう

芦花は俯いたまま絞り出すように声を出す

 

 

「ヤチヨには…」

 

 

そこまで言って口をつむぐ

ヤチヨには芦花が飲み込んだ言葉の苦さが分かってしまった

 

ーヤチヨには分かんないよ

 

本当に芦花は優しい子だなぁ

ヤチヨには言ってもいいのに…

でもそれが、この子の強さでもあるんだろう

 

よいしょっと身を起こすと

芦花と目線を合わせて座った

 

「芦花は『好きな人が笑っていられるなら、自分も幸せ』だと思う?」

「え?…うん、そう思う」

「ヤチヨとおんなじだね~」

「ヤチヨちゃんも…?」

 

 

突然の質問に芦花はキョトンとした顔で答えた

 

 

「うん…ヤチヨもずっとそう思ってたんだ〜」

「なら…」

「でもね『好きな人と一緒に笑い合えたなら、もっと幸せ!』ってヤチヨは教えてもらったんだ」

「…」

 

大好きな2人にそう教えてもらったから

 

だから良いんだよ芦花

もっと我儘になっちゃって

あなたよりもっとずっと我儘なお姫様がここにいるんだよ

だから、ね?

 

 

「だからね…一緒に幸せ、なろ?」

「ずるいよ…その言い方…そんな言い方されたらさ…私…」

 

 

彩葉やかぐやにしてもらったように

芦花の頭を優しく撫でる

 

 

「いっそヤチヨと結婚しちゃう?」

「ぶっ!?け、結婚!?」

「ヤチヨは彩葉と結婚するし~かぐやとも結婚するから~芦花とも結婚OKなのです☆」

「あははっ…!なにそれ…ヤチヨちゃんめちゃくちゃじゃん~!」

 

 

そう言ってひとしきり笑った後

涙を拭って微笑んだ芦花は本当に綺麗で

思わず見惚れてしまった

 

 

「分かった、私…彩葉へ告白する」

「…うんっヤチヨは応援するよ~」

「万が一駄目だったら、責任取って結婚してね?」

「駄目じゃなくても結婚OKだよ~」

「あははっありがと!」

 

ヤチヨは本気なんだけどな~

 

ま~彩葉は結構ニブチンだけど~?

好意には好意で返せる人だし

芦花のことを憎からず想っているから心配いらないんだけどね

 

ヤッチョが保証しちゃう!

 

 

「ごめん、遅くなった!」

 

 

噂をすればなんとやらかな?

愛しの彩葉がツクヨミへとログインしてきた

 

挨拶もそこそこに、お邪魔虫は配信でもしよ~と立ち上がると

去り際に芦花へそっと耳打ちした

 

 

「(この部屋、ちゅーOKだから…がんばってね♡)」

「(えっ)」

 

 

芦花の声にならない絶叫を背に、ではでは~と退出する

 

 

あくる日

顔を赤らめた彩葉と芦花に「大事な話がある」と声をかけられるなどしたけど

それはまた別のお話なのでした

 

めでたし、めでたし

 




感想と高評価、並びにお気に入り登録ありがとうございます!
神々の皆様が楽しんで読んでいただけていることが何よりの救いです

感想・評価、引き続きよろしくお願いいたします


強めの幻覚を見たので明日の17時にもう1話投稿します

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