酒寄彩葉に泣かされる優柔不断で悪いモブの話【完結】 作:ゴリラ皇子
後日談その4です
本作を既読された方向けとなります
細かい設定等矛盾があるかもしれませんが雰囲気重視でお楽しみください
ヤチヨのYC型との同期実験も順調に進み
アップデートを繰り返した結果、無事にお出かけができるようになった頃
月見ヤチヨは、とある商業施設前で1人立っていた
今日は彩葉との2人っきりでのデート当日
待ち合わせからやりたい!というヤチヨのお願いで彩葉は少し遅れて家を出発していた
木の陰で少し俯いて待っているヤチヨは楽しそうに微笑んでいて
長い白髪も相まってまるで絵画の様だった
おっと、いつまでも見惚れてヤチヨを待たせるのも申し訳ないか
ヤチヨの元へと真っすぐ歩いていく
歩いている途中でヤチヨが私に気づき
彼女はパァっと花が咲いたような笑顔を見せた
「「「ぐふっ」」」
その笑顔を視界に入れてしまったのだろう
私の後ろにいた人達の方からドサドサと倒れるかのような音が聞こえた
分かる、私も初見だったらそうなっていた自信がある
私のヤチヨが可愛すぎてつらいわ~
「お待たせ、待った?」
「ううん今来たとこ…えへへ、なんだか照れちゃうね」
ぐふっ!?
わ、私のヤチヨが可愛すぎてつらいじゃないのよ…心が豊かになっていくじゃないのよ…
ふー今日はヤチヨとのデートだからここで倒れるわけにはいかない
歯を食いしばってギリギリ耐えた
「今日の服も可愛いね、よく似合ってる」
「ありがとう〜!彩葉もと〜っても素敵だよ♪」
ヤチヨは白いオフショルダーに赤いカーディガンを羽織り、下は茶色のロングスカートに黒いブーツと…本当にどこに出しても恥ずかしくない美人さんだ
「じゃあ、行きましょうかお姫様」
「ええよろこんで、私の王子様♪」
そう言って手を取って腕を絡ませる
最初の目的地はお姫様御所望のふわふわパンケーキのお店だ
「ふわぁ~♡」
パンケーキをひと口食べてとろけているヤチヨ
本っ当に美味しそうに食べるなぁ~
見てるこっちまで幸せな気分になってくるよ
「美味しい?」
そんなの分かり切っていることではあるんだけど
ヤチヨの顔を見ているとつい聞いてみたくなる
「おいひぃ~♡」
「ふふっなら良かった」
「このままでも美味しいんだけど…ねぇ彩葉~?」
ヤチヨが目を閉じて顔を私に向ける
キスのおねだりじゃないし…これはあれかな?
「あーん」
「あ~ん♡」
うん、どうやら正解のようだ
外でやるのは恥ずかしいものがあるけど
お姫様のご要望なら仕方がないか
「ん~♡」
「くそ恥ずいんだが~?」
「だってぇ~彩葉に食べさせてもらうのが1番美味しくてぇ~」
全く…そんなことを言っているけどヤチヨも顔赤いじゃん
ごまかすようにパンケーキを食べ進めてるし
って、焦って食べるからクリームついちゃってる
しょうがないなぁ
「ほらクリームついてる」
ちょっとはしたないけど指をヤチヨの口横へ持っていき
クリームをぬぐってあげる…うん、甘い
「ん?どうしたの?」
「彩葉のえっち…」
「なんですとっ!?」
腹ごなしを兼ねて近隣の商業施設を2人で軽く散策する
「さっきのぬいぐるみ買わなくて良かった?」
「う~ん迷ったんだけどねぇ、ヤチヨ的にはもう少し大きい方が好みかなーって」
身振り手振りで説明してくれる彼女の愛らしさに癒されつつ
最後に今日の目的でもある店へ向かうことにする
「足疲れてない?大丈夫?」
「ヤチヨは大丈夫だよ~」
「良かった、じゃあ最後に1件だけ付き合ってよね」
「もっちろん~!」
今回のデートで絶対に寄ろうと決めていた店
その場所へヤチヨと共に歩いた
到着したその店を見た彼女は大きく目を見開いた
「えっ…ここって…」
「うん、そろそろかなって思ってさ」
ヤチヨを連れてきたのはとある宝飾店
ここは様々な装飾品を扱っているお店だ
もちろん婚約指輪も
そもそもの発端はかぐやが「指輪ほしい~!」と言い出したことなのだが
私も丁度良い機会だと思っていたし、渡りに船と乗っかったのが始まりだ
その時いたかぐやと芦花に「指輪買いにいく?」と聞いたら「「ヤチヨが最初で!」」と言われて今回のデートと相成った
ほーんとヤチヨは愛されてるねぇ~
「サプライズで贈ろうとも考えたんだけど…ヤチヨと一緒に選びたいなって思ってさ」
「いろは…」
呆気にとられていたヤチヨはその綺麗な瞳から大粒の涙をこぼした
「えっちょヤチヨっ!?」
慌ててヤチヨへ駆け寄るも
ヤチヨ自身なぜ泣いているのか分かっていない様子だった
「ち、ちがうの…かなしいわけじゃなくてね」
「…うん」
「うれしすぎて…しあわせすぎて…なみだがとまらないの…」
一生懸命に言葉を絞り出すヤチヨ
私は彼女の涙が止まるまで
彼女をただ抱きしめ続けた
「ヨヨヨ…ご迷惑をおかけしました~」
暫く経って落ち着いたヤチヨは、恥ずかしそうに頬を赤らめていて可愛い
店の人達へも謝ったのだけど「いえいえ~」と微笑ましそうに見られてしまった
店内へ入った彼女は目を輝かせて指輪を選んでいて
その楽しそうな様子を見れただけで、連れてきたかいがあったというもんですわ
でも1つだけ困ることがあって
それはー
「彩葉~どれが似合うかなぁ♡」
どの指輪も最強に似合ってしまうってことかな
後日、研究所にて
ヤチヨは彩葉が珍しいことに家へお弁当を忘れてしまったので
研究所まで届けに来ていた
「あれ、ヤチヨちゃん?所長になにか用事?」
「どうも~彩葉の忘れ物お届けに来ました~☆」
研究所のアイドルと化しているヤチヨは、あっという間にスタッフ達に囲まれる
所長がくるまでの間で軽く世間話に花を咲かしていると…
スタッフ達はいつにもましてご機嫌なヤチヨの様子に気が付いた
「ヤチヨちゃん今日はいつもよりご機嫌だねー」
「あはは~バレちゃったか~」
そう言ってヤチヨはいつもの癖で両手を胸の前へ持ち上げた
そんなヤチヨの『左手薬指に輝く指輪』を見つけてスタッフ達は戦慄する
「「「(所長のヤツ…ついにやりやがったッ!!)」」」
そんな中…1人の勇者がヤチヨへと尋ねた
心なしか身体が震えていたように思う
「や、ヤチヨちゃん…そ、その指輪は…?」
スタッフの問いかけに、ヤチヨは嬉しそうに頷くと
その綺麗な顔を赤らめスタッフ達へこう言った
「酒寄彩葉の妻になりました…酒寄ヤチヨです…♡」
ヤチヨが忘れ物を届けに来てくれたと聞いて
迎えに来たのだけれど
「い、彩葉ぁ~!」
そこで彩葉が目にしたのは…
胸を抑えたまま倒れているスタッフ達と
それを見て慌てている愛しのヤチヨの姿だった
「いや、どういう状況?」
なお、結婚指輪は4人お揃いの物を購入しました
彩葉とヤチヨが指輪を買いにいく話は“ある”と思います。
どなたかイラスト描いてください、私が危篤なんです。
後日談は次で最後の予定となります
最後まで感想・評価の程、よろしくお願いいたします!
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