守るべきもの、怒るべきもの、斬るべきもの、喰うべき謎   作:ギアっちょ

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集合場所に、最初に来ていたのはキラ・ヤマトだった。

手には旅程表。
肩には荷物。
足元には保冷バッグ。
そして、その保冷バッグの中には、例の乳酸菌飲料が数本、静かに収まっている。

キラは時計を見た。

「……今回は、余裕を持って行動できそうだ」

そう呟いた直後だった。

「キラくーん!」

桂木弥子が、大きなバッグを抱えて走ってきた。

そのバッグは、どう見ても一泊二日の荷物の大きさではない。

キラは少しだけ目を細めた。

「弥子ちゃん、その荷物……」

「着替えと、お菓子と、非常食!」

「非常食?」

「海に行くんだよ? お腹空いたら困るじゃん!」

「港町に行くんだけどね……」

弥子はそこで、ポケットから小さなチョコレート菓子を取り出した。

「そうだ、キラにこれ買ってきたよ!」

キラは受け取る。

「え?」

弥子はパッケージを指差した。

「ストレス低減? とかだって!」

キラはしばらく黙って、それから少し笑った。

「ありがとう?」
「でも、気遣いの仕方がズレてる……」

弥子は胸を張る。

「会計担当はストレス多いでしょ!」

「それはそうだけど……」
キラはチョコを見つめる。
「食べ過ぎると糖分もあるから、少しずつにするね」

「真面目!」

そこへラクスが来て、穏やかに微笑んだ。

「弥子さん、ありがとうございます」
「キラ、乳酸菌飲料もチョコレートも、一度にたくさんではなく、少しずつにしましょうね」

キラは素直に頷いた。

「うん」

弥子は小声で言った。

「ラクスさん、強い……」

キラも小声で返した。

「うん」


岸辺露伴は潮騒を聞く その3

次に現れたのは、泉京香だった。

 

両手には資料。

バッグには旅館の予約確認書。

スマホには旅程表。

そして表情には、すでに少し疲労がある。

 

「おはようございます……」

 

弥子が手を振る。

 

「泉さん、もう疲れてる!」

 

「先生が朝から“灯台に先に寄れるか”ってメッセージを送ってきたの……」

 

キラが静かに言った。

 

「まだ出発前ですよね」

 

「そう。まだ出発前」

 

その後ろから、岸辺露伴が現れた。

 

「泉くん、灯台に寄る順番は検討したか?」

 

泉は振り返る。

 

「先生、まず旅館に着きましょう」

 

「灯台は逃げない」

 

「なら後でいいじゃないですか!」

 

「後で行くために、今から考えているんだ」

 

「それを休養とは言いません!」

 

露伴は当然のように答えた。

 

「取材は休養になる」

 

「なりません!」

 

そのやりとりを聞いて、弥子が小さく笑った。

 

「いつもの泉さんだ」

 

キラも頷く。

 

「本物ですね」

 

泉は遠い目をした。

 

「本物判定が苦労でされるの、まだ納得してないんですけど……」

 

______________________________

 

少し離れたところから、カイエン、アウクソー、ソープが歩いてくる。

 

カイエンは軽い荷物。

アウクソーは必要なものが整ったバッグ。

ソープは、どこか楽しそうに港町の観光パンフレットを見ている。

 

「おはよう」

 

ソープが言った。

 

弥子は即座に聞く。

 

「ソープさん、塩ソフト行きますか?」

 

「行くよ」

 

キラが反射的に言った。

 

「個人負担です」

 

ソープは笑った。

 

「分かってるよ」

 

カイエンがそれを見て言う。

 

「坊や、今日は会計の反応が早いな」

 

キラはチョコを見せた。

 

「弥子ちゃんからストレス対策をもらいました」

 

カイエンは少し笑った。

 

「会計准将への補給物資か」

 

キラは困った顔をした。

 

「その呼び方、やめませんか……?」

 

露伴がメモした。

 

「キラ会計准将」

 

「露伴さんも書かないでください」

 

アウクソーは静かに言った。

 

「キラ様、会計補助が必要な場合はお申し付けください」

 

キラは心から安心したように言った。

 

「ありがとうございます、アウクソーさん」

 

弥子が小声で言う。

 

「アウクソーさん、今回も頼もしい」

 

アウクソーは一礼する。

 

「必要なことです」

 

______________________________

 

 

全員がそろったと思ったところで、露伴が何気なく言った。

 

「承太郎は?」

 

泉の顔が止まった。

 

「あっ」

 

その一言で、空気が止まる。

 

キラの会計表も止まる。

弥子の海鮮丼妄想も止まる。

カイエンが少しだけ面白そうに泉を見る。

 

そこへ、低い声がした。

 

「……俺の部屋は?」

 

全員が振り向く。

 

空条承太郎が、いつの間にか少し離れた場所に立っていた。

 

帽子を深くかぶり、荷物は最低限。

まるで最初からそこにいたような自然さである。

 

泉は青ざめた。

 

「承太郎さん……!」

 

アウクソーが静かに一歩前へ出た。

 

「承太郎様のお部屋は、既に宿へ連絡済みです」

「ご安心ください」

 

泉が両手を合わせた。

 

「アウクソーさん……!!」

 

弥子も感動した。

 

「さすが!!」

 

キラも心底ほっとした顔をする。

 

「助かりました……」

 

カイエンは笑う。

 

「こういう時、本当に抜かりないな」

 

アウクソーは静かに言った。

 

「必要なことです」

 

承太郎は短く頷いた。

 

「……そうか」

 

露伴がすかさず言う。

 

「ちなみに僕の一人部屋は?」

 

アウクソーは即答した。

 

「露伴様の一人部屋追加分は、個人負担として処理済みです」

 

露伴は少し眉を動かした。

 

「処理が早いな」

 

泉が言った。

 

「先生が逃げないようにです」

 

弥子が笑う。

 

「もう旅館着く前から会計処理されてる!」

 

キラは小さく呟いた。

 

「処理できるところは先にしておかないと……」

 

会計准将の目は、すでに遠くを見ていた。

 

______________________________

 

 

一行は列車に乗り込んだ。

 

窓の外には、少しずつ街並みが流れていく。

やがて建物が低くなり、山影が遠ざかり、空が広がり始める。

 

弥子は窓に張りついた。

 

「海、まだかな!」

 

ネウロが向かいの席で笑う。

 

「ククク……まだ山だ」

 

「分かってるけど!」

 

「騒音娘、海鮮への欲で視力まで早まったか」

 

「そんな能力ない!」

 

キラはその横で会計表を確認していた。

 

ラクスがそっとチョコを差し出す。

 

「キラ、一粒だけにしましょう」

 

「ありがとう」

 

弥子がそれを見て言う。

 

「キラくん、ちゃんと管理されてる」

 

ラクスはにこりと微笑む。

 

「健康も会計も、継続が大切ですわ」

 

カイエンが感心したように言う。

 

「その言葉、坊やには効くな」

 

キラは苦笑した。

 

「効きますね……」

 

______________________________

 

少し離れた席では、露伴がスケッチブックを開いていた。

 

泉が隣で警戒する。

 

「先生、もう描いてるんですか?」

 

「移動中の顔は、旅の本質が出る」

 

「それっぽいこと言ってますけど、また全員描く気ですよね?」

 

「当然だ」

 

「当然じゃないです」

 

露伴はまず弥子を描いた。

 

窓の外に海を探す顔。

食欲と期待が混ざった表情。

 

次にキラ。

会計表とチョコレートと乳酸菌飲料に囲まれた、若干の緊張。

 

カイエンは、すでにスマホで釣り場情報を見ている。

アウクソーがそれに気づいている。

その構図も描いた。

 

ソープは観光パンフレットの塩ソフト欄に丸をつけている。

 

承太郎は、帽子を深くかぶったまま黙って座っている。

移動中でも、場を締めている。

 

露伴は小さく呟いた。

 

「いい」

 

承太郎が帽子の奥から低く言った。

 

「書くな」

 

露伴は即答した。

 

「もう描いた」

 

「やれやれだぜ」

 

泉はため息をついた。

 

「旅が始まった感じはしますね……」

 

______________________________

 

 

列車が長いトンネルを抜けた時、窓の向こうに、青いものが見えた。

 

弥子が叫ぶ。

 

「海!!」

 

全員の視線が窓の外へ向いた。

 

遠くに広がる、光る水面。

きらきらと反射する陽射し。

港へ向かう細い道。

海沿いの家々。

 

泉も少しだけ表情を緩めた。

 

「きれいですね……」

 

ラクスは静かに頷く。

 

「ええ、とても」

 

キラも、少しほっとしたように笑った。

 

「来てよかったかも」

 

その時、ネウロが低く笑った。

 

「ククク……」

 

弥子が嫌な顔をする。

 

「何、その笑い」

 

ネウロは海を見ながら言った。

 

「魔界の海は、波が岸を削るのではない」

「岸が、波を喰う」

 

泉が即座に顔をしかめる。

 

「また始まった……」

 

弥子が言う。

 

「普通に海を見させて!」

 

ネウロは楽しそうに続ける。

 

「魔界の浜辺では、貝殻が耳に囁く」

「拾った者の秘密を、翌朝には砂に書き出す」

 

キラが真面目に言う。

 

「それ、かなり嫌ですね……」

 

カイエンが乗った。

 

「ジョーカー太陽星団の浜辺では、砂浜が騎士の足運びを覚える」

 

泉が振り向く。

 

「それは本当ですか?」

 

ソープは笑った。

 

「今のは七割嘘だね」

 

カイエンは平然と言う。

 

「三割は本当だよ」

 

泉は頭を抱えた。

 

「三割あるんですか……」

 

露伴は猛烈にメモしていた。

 

「魔界の海、ジョーカー太陽星団の浜辺、比較文化――」

 

泉がすぐ止める。

 

「先生、旅館に着く前から変な取材を増やさないでください!」

 

弥子は窓の外を見ながら言った。

 

「普通の海、最高!!」

 

それは、かなり正しい感想だった。

 

______________________________

 

 

列車を降り、さらにバスで少し進むと、港町に着いた。

 

潮の匂い。

遠くから聞こえる船のエンジン音。

防波堤に並ぶ釣り人。

干された網。

小さな市場の看板。

旅館へ続く坂道。

 

弥子は深呼吸した。

 

「海の匂い!」

 

ネウロが言う。

 

「魚と塩と人間どもの欲の匂いだな」

 

「おいしそうって言って!」

 

カイエンは防波堤の方を見ていた。

 

「いい堤防だな」

 

アウクソーが即座に言う。

 

「マスター、釣り具購入は事前申請制です」

 

「見てるだけだよ」

 

「現在、購入検討の視線です」

 

「視線まで管理するのかい」

 

「必要なことです」

 

ソープは別方向を見ている。

 

「塩ソフトの店、旅館から近いね」

 

キラが言った。

 

「個人負担です」

 

「分かってるよ」

 

弥子は市場の看板を見つけた。

 

「海鮮丼!」

 

キラの顔色がわずかに変わる。

 

「旅館の夕食があるから、昼は軽めに……」

 

弥子が振り返る。

 

「港町に来て昼を軽め!?」

 

キラはチョコを一粒食べた。

 

「落ち着こう……」

 

ラクスが優しく言う。

 

「キラ、まず旅館に荷物を置きましょう」

 

「うん……」

 

カイエンが小声で言う。

 

「会計准将、初戦から苦戦だな」

 

キラは聞こえていた。

 

「その呼び方、定着させないでください……」

 

露伴は港を見渡していた。

 

海。

市場。

旅館。

灯台は、まだ遠くに小さく見える。

 

その白い塔が、青い空と海の境目に立っていた。

 

露伴の目が輝く。

 

泉はそれに気づいて、先に言った。

 

「先生、まず旅館です」

 

露伴は少しだけ不満そうにする。

 

「分かっている」

 

「本当に?」

 

「本当に」

 

「その返事が不安なんです」

 

______________________________

 

 

旅館は、港を見下ろす高台にあった。

 

大きすぎず、小さすぎず、落ち着いた佇まい。

玄関には潮風で少し色褪せた木の看板。

ロビーの窓からは、海がよく見えた。

 

弥子が感動したように言う。

 

「海見える!」

 

泉も少し嬉しそうだった。

 

「いいところですね」

 

ラクスは窓の外を見て微笑む。

 

「本当に」

 

キラも、ようやく少し肩の力を抜いた。

 

「ここなら、少し休めそうですね」

 

その言葉に、ネウロが笑う。

 

「ククク……それはどうかな」

 

泉が即座に振り向く。

 

「言わないでください!!」

 

仲居が部屋の案内を始める。

 

アウクソーは予約内容を確認し、全員の部屋割りを静かに整理していく。

 

「女子部屋は、弥子様、ラクス様、泉様、私」

「男子部屋Aは、キラ様、カイエン様、ソープ様」

「男子部屋Bは、承太郎様、ネウロ様」

「露伴様は一人部屋、追加分は個人負担にて処理済みです」

 

露伴は何か言いかけたが、言わなかった。

 

承太郎が短く言う。

 

「……問題ない」

 

ネウロが愉快そうに笑った。

 

「ククク……寡黙な男と魔人の部屋か」

 

承太郎は低く言った。

 

「余計なことをするな」

 

「面白い」

 

「するな」

 

泉が小声で言う。

 

「この部屋も別の意味で怖い……」

 

アウクソーはさらに続けた。

 

「夕食は十八時半。大浴場は十五時から。露天は海側にございます」

「なお、館内売店は二十一時までです」

 

弥子が即座に反応する。

 

「売店!」

 

キラが即座に反応する。

 

「別会計!」

 

弥子が口を尖らせる。

 

「早い!」

 

ソープは微笑んだ。

 

「よく訓練されてるね」

 

キラは遠い目をした。

 

「経験です……」

 

______________________________

 

荷物を置くため、それぞれの部屋へ向かう。

 

女子部屋は窓から海がよく見えた。

 

弥子は畳に荷物を置き、すぐ窓へ走る。

 

「すごい! 海!」

 

ラクスも窓際に立つ。

 

「波の音が聞こえますわ」

 

泉は旅程表を取り出しながら言った。

 

「まず荷物を整理して、それから軽く港を散策、夕食前に戻る流れで……」

 

アウクソーは頷く。

 

「妥当です」

 

弥子は振り返る。

 

「市場は?」

 

泉が苦笑する。

 

「軽く見るだけね」

 

「海鮮丼は?」

 

「夕食前だから、軽くね」

 

弥子は真剣に言った。

 

「軽い海鮮丼ってあります?」

 

泉は言葉に詰まった。

 

アウクソーが静かに言う。

 

「弥子様、夕食は舟盛りつきです」

 

弥子は両手を胸の前で握った。

 

「我慢します!」

 

泉は小声で言う。

 

「舟盛り、強い……」

 

______________________________

 

 

男子部屋Aでは、カイエンが窓から堤防を見ていた。

 

「釣り人がいるな」

 

キラが荷物を置きながら言う。

 

「カイエンさん、夕食前に釣り具屋へ行く予定は……」

 

カイエンは笑った。

 

「見るだけだよ、坊や」

 

ソープが言う。

 

「それ、だいたい買う人の言い方だね」

 

カイエンはソープを見る。

 

「君の塩ソフト文化調査と同じにするな」

 

「僕は買うよ。個人負担で」

 

キラはすぐに会計メモへ記入した。

 

「ソープさん、塩ソフト個人負担」

 

ソープは少し肩をすくめた。

 

「信用回復への道は遠いね」

 

カイエンは窓の外を見たまま言った。

 

「坊や」

 

「はい?」

 

「寝られる時に寝ろよ」

 

キラは少し驚いた後、笑った。

 

「はい」

 

ソープはそのやり取りを見て、小さく笑う。

 

「本物のカイエンだね」

 

「何だい、それは」

 

「雑だけど優しい」

 

カイエンは顔をしかめた。

 

「やめろ」

 

______________________________

 

男子部屋Bでは、承太郎が静かに荷物を置いた。

 

ネウロは窓から海を見ている。

 

「ククク……良い音だ」

 

承太郎は帽子を置く。

 

「何がだ」

 

「潮騒だ」

「人間どもはあれを癒やしと呼ぶが、吾輩には腹の虫にも聞こえる」

 

承太郎は短く言った。

 

「くだらねぇ」

 

ネウロは笑う。

 

「貴様は相変わらず、沈黙の質が重いな」

 

承太郎はネウロを見た。

 

「何の話だ」

 

「以前、怪盗が貴様を装った時の話だ」

 

承太郎は少しだけ目を細める。

 

「……次に見つけたら殴る」

 

「ククク……そう言うと思った」

 

部屋は静かだった。

 

ただし、かなり圧のある静けさだった。

 

______________________________

 

 

露伴の一人部屋。

 

露伴は荷物を置くなり、窓を開けた。

 

潮風が入ってくる。

 

遠くに、灯台。

 

さらに遠くに、水平線。

 

耳を澄ませば、波の音が聞こえる。

 

露伴はメモ帳を開いた。

 

潮騒。

波の反復。

記憶の残響。

港町は、来た者より、帰らなかった者を覚えている。

 

そこへ泉からメッセージが入る。

 

先生、まず荷物整理です。勝手に灯台へ行かないでください。

 

露伴は少しだけ眉をひそめた。

 

そして返信する。

 

善処する。

 

数秒後、泉から返事。

 

その返事は禁止です。

 

露伴は少し笑った。

 

______________________________

 

 

荷物を置き終えた一行は、ロビーに集まった。

 

これから、夕食前に港を軽く散策する。

 

弥子はすでに元気いっぱいだ。

 

「市場! 港! 海!」

 

キラは会計表を片手に言う。

 

「夕食前なので、軽くです」

 

「軽く!」

 

「本当に軽く」

 

ラクスが微笑む。

 

「まずは景色を楽しみましょう」

 

カイエンは堤防を見ている。

 

ソープは塩ソフトの看板を探している。

 

露伴は灯台の方を見ている。

 

泉はその三方向の視線を確認して、深く息を吐いた。

 

「全員、勝手に別方向へ行かないでくださいね」

 

アウクソーが静かに言った。

 

「集合時間を決めて行動するのがよろしいかと」

 

承太郎が短く頷く。

 

「そうしろ」

 

ネウロは海の方を見て、低く笑った。

 

「ククク……」

 

弥子がすぐ聞く。

 

「また何?」

 

ネウロは答えた。

 

「潮騒が聞こえる」

 

弥子は胸を張る。

 

「そりゃ海だからね!」

 

ネウロは笑った。

 

「ただの波音ならな」

 

泉が青ざめる。

 

「やめてください。今、まだ到着したばかりです」

 

露伴は目を細めた。

 

「いい」

 

泉が即座に言う。

 

「よくないです!」

 

外では、海が静かに光っていた。

 

港町は穏やかだった。

 

少なくとも、今は。

 

潮騒は、ただの波音のように聞こえる。

 

だが、岸辺露伴はもう耳を澄ませていた。

 

 

 

 

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