あいつと初めて会ったのは10年前だった。あいつの名前は神利。時間を司る時空神だ。あいつも流神様に名付けられた私の同期で相棒だ。流神様に教わりながら一緒に仕事をした。楽しかった。神利と一緒にいたら、何でもできる気がした。私は空間、あいつは時間。この離れることができず、縛られた関係ともいえる関係でいれることがどこか嬉しかったぐらいにあいつといると楽しかった。2年間修業をしてそこから4年一緒に仕事をした。でもある日のことだった。別にその日が特別な日だったとかじゃなかった。普通の毎日の一角。でもそんな日に神利は消えた。当然探した。あいつが行きそうな場所には全部行った。行ったことがある場所にも全部行った。でもあいつは見つからなかった。どれだけさがしても、見つからなかった。その後、私は空間と時間、どちらもの仕事をするようになった。いつか、あいつが戻ってくることを信じて、時間の神の肩書はまだ神利のままにしてある。してあったのに…
「どうして…?」
わけがわからなかった。だって4年前に消えた相棒が目の前にいて。やっと救えた任務対象がいるのに時間を戻して。こっちを見て笑っているんだから。
「どうして?会いに来てやったんだよ。お前に。」
神利はそう答えた。間違えなく神利の声だった。
「違う!それもそうだけど、今までどこに行ってたの?!そして何で時間を戻したの?!」
「落ち着けって。おれは今まで悪神様のとこにいたんだ。それに時空神・神利の名はもう捨てた。今は人鏡神だ。」
「人鏡神…?」
人鏡神のことは聞いたことがある。最近現れた悪神の手下で、人を絶望におとしいれることをしているとか…。まさか、それが神利?そんなわけない。神利はそんなことするやつじゃない。それが本当だとしてもなんで悪神なんかの所に…?
「今回はテストみたいなもんだよ。オレがちゃんと人鏡神の力を使えるかどうかっていう。」
神利は言い終わるかその直後位のとにかくすごいスピードで攻撃を仕掛けてきた。
「っ!」
何とか受けたけど、危なかった。確実に4年前より強くなってる!
「驚いたか?悪神様のとこで人鏡神の力だけじゃなくて単純な剣術なんかも学んだからな。4年前と一緒だと思ってると危ないぜ?」
全ての攻撃を受け流すことはできるけど、なかなか攻撃に移せない。それに…私だって強くなってる。神利も強くなっているけど、もし攻撃のあたりどころが悪かったら…。神様っていったって所詮は人間の肉体。多少は強化できるけど普通に命を落とす。でも、今の神利は手加減できる相手じゃない。やるしかない。タイミングは、いつもの神利の癖。攻撃をした後は左足から後ろに下がる。それがわかってるんだから、そこを攻撃すればいい!
「はっ!」
浅い!やっぱり、手加減しちゃダメか…!
「ちっ!」
でも、攻撃はきいたらしく、神利は左足をかばいながら後退する。と思ったら、突然、頭を押さえて苦しみだした。
「神利?!」
今までだったらすぐに駆け寄ったけど今はだめだ。もしかしたら演技かもしれない。
「ちっ、今日はここまでだ。次会うときは全力でやろう。お互いにな。」
神利はそう言い残すと、時空時計をかざしてどこかへと消えた。
「神利、だったんだよね…?」
ふと気づくと時間は神利が巻き戻す前、つまり任務対象が助かった状態にもどっていた。
安堵と混乱で倒れそうだったけど、なんとか時空時計を取り出して神界に戻った。
「はぁ、はぁ。」
自分でも分かるぐらいに呼吸が荒い。
「流神様!神利が!」
「神楽、おかえり。わかっているよ。神利のことだね。まさか悪神のもとにいたとは…。」
流神様はこんなときでも冷静だ。
「神楽、疲れていると思うし、書類づくりはもう神成と神矢に任せて休みなさい。」
「…はい。」
私は自分の部屋に戻ってベッドに倒れこんだ。
投稿が大変遅くなってしまい、申し訳ございません。これからも、数か月あくことなどがあると思いますが、よろしくお願いします。