私・神成は書類づくりをしながら、相棒の神矢と話していた。
「神楽先輩、最近元気ないよな。」
「ほんとにね。何かあったのかな。聞いても話してくれないし。」
「ま、無理に聞き出すのもよくねーだろ。」
「それもそうだね。」
私は書類づくりに没頭することにした。
「神利…。」私・神楽はここ数日ずっと神利のことを考えていた。なんで、悪神のところにいたのか。どうして私と戦ったのか。神利は少し決断力がありすぎて困るところはあったけどいい人だったし、優しかった。とても悪神の所で人鏡神、人の鏡に映したように悪いところを司る神になるような奴じゃなかった。なのに、なんで…。
「神楽も大変だろうに、よく仕事をしているよね…。」私・流神は神楽と神利のことを考えていた。2人とも私が育てたけどまさか、神利がこんなことになっていたとは。神楽もただでさえ、神利がいなくて1人で2人分の仕事をしなきゃならないのにあんなことがあっても仕事をしてる。正直、心が壊れてしまわないか心配だね。そろそろ、私の相棒のことも話すべきかな。私は神楽を呼んだ。
私・神楽は流神様に呼ばれて流神様の部屋へ向かった。
「よく来たね、神楽。今日は少し、大事な話がしたくて呼んだんだ。」
「大事なは…?」
神楽が言い終わる前にバリーン!!という、大きな音がした。
「今の音って…。」
「結界が壊されたみたいだね。」
「いったい誰が…」
「時空神が作った結界を壊せるのは時空神だけだよ。」
「ってことは…!」
最後に流神様は「神楽、あなただけで外に行きなさい。私はほかにやることができてしまったわ。」と告げてどこかへと姿を消した。
私が外に出るとすでに神成と神矢は戦っていた。結界を壊したのは、案の定、神利だった。
「あなた、誰よ?」神成が神利に問いかける。
2人が来る前に神利は失踪したので2人は神利のことを知らない。私も流神様も話さなかったからだ。
「お前こそ誰だ?初めて見るが…。あっ、神楽、いるじゃん。いねぇのかと思ったぜ。神楽、この間の続きをしに来た。早くやろうぜ。」
「続き…?」
「言っただろ。次は全力でやりあおうって。」
私と神利の会話に神成と神矢が割って入る。
「神楽先輩、あいつ、神楽先輩の知り合いなんですか?」
知り合い…
「そんなとこだね。今は一旦、敵でいいよ。でも絶対に殺さないこと。あと、基本は手出しは無用だよ。」
「えっ、なんでですか?」
「あいつは強い。それに、これは私とあいつの問題なの。」
「おいおい、会話何て余裕だな。てか、先輩っつーことは、そいつら、お前の後輩ってことだよな?」神利が挑発気味に問いかける。
「だったらなに?」
「いやー、人質ぐらいにはなりそうだと思ってな。」
私が返す前に
「こんな風に。」
気が付くと、近くにいた2人の姿はなく、空中で時が止まったように動かない。時の能力だ。多少空の能力も必要なのに、ここまで使いこなすって…。
「お前…!」怒りが先に感情となって出て私は神利をにらみつける。でも神利は笑っている。
「神楽、選ばせてやるよ。10秒後、こいつらを同時に落とす。どっちか助けたい方を助けたらいい。両方助ける時間はないと思うぜ。落とすときにどっちも落ちるスピードを速くさせるから。」
「…!」
どっちかしか助けられない…?あの高さから落ちたら確実に死んでしまう。助ける方法。片っぽの空間を固定して…。どっちにしろその空間の時間が動いたら意味がない。最大スピード出して2人とも受け止める?間に合わない。どっちかは助けられない。時の能力を使う?いや、本職の時の神の力には負ける。
助けられない…?