お前は部品(パーツ)だ!(おかのした!)   作:黙々睦模目

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12 やめてよね!?僕を崇めるの!

 

 …数年前

 

 とあるホロウの中

 

 「誰か…助けて…お願い…私を忘れ…ないで…」

 

 ホロウの中…瓦礫に埋もれ…身動きの取れない黒髪の女性…"サラ"は来るかもわからない助けを待っていた

 

 「お願い…だれ…か…助け…」

 

 彼女の願いも悲しく…近くには誰も居ない…

 

 「お願い…します…誰か…!お願い…!」

 

 最後の力を振り絞るように片手を上げた…しかし誰もそれに気づかなかった…。既に体にはエーテル侵蝕症状も出ており…もう長くはない…

 

 「あ、あぁ…」

 

 そして彼女の片手は力無く…少しずつ下へ降っていく…だがそんな彼女の手を掴む者が現れた

 

 「大丈夫かい?お嬢さん?」

 

 「ぇ…」

 

 自身の手を掴んでくれた存在に慌てて顔を上げて…その姿を目に焼き入れようとする…

 目の前にいたのはアッシュグレイの髪の青年…だがその青年の背後には大きな白い翼があった…

 

 「遅くなってごめんね…?もう大丈夫…僕達が君を助けてあげるから…安心して」

 

 するとなにかの機械に乗ったボンプ達が身動きを封じていた瓦礫を取り除いていき…彼は私をその背にある翼で包み込み…その手をそっとサラの頭に乗せ…ゆっくり…ゆっくりと子供をあやすようにそっと撫でた

 

 「辛かったね…苦しかったよね…誰もいなくて…寂しかったよね…心細かったよね…でも"僕が来たよ"」

 

 すると体に出来ていた傷も侵蝕症状もまるで"最初からなかったように"消えていった…

 

 「え…嘘…なんで…どうして…」

 

 「…どう?…元気になったかな?」

 

 「ありえない…こんなの…人が…できる訳が…!」

 

 現在の技術で侵蝕症状を完全に消し去る事なんてできない…まして…傷を癒す事も…!

 

 「"できるよ"…」

 

 そう言う彼の目を見ると金色に輝いていた…なにもかもが…わからない…直した力も…天使のような白い翼…慈愛に満ちた微笑み…なにもかもが…人ではない…

 

 「これが…神…」

 

 「僕は…そういうの嫌いだな…神なんて都合のいい存在なんて居ない…でも皆が求める理想の偶像が…神と言われるだけ…でもそうまでしないと…彼等、彼女等は再び自身を立ち上がらせる事ができなくなってしまう…」

 

 そう言う彼は自身をまとっていた翼を収め…ただ空を見上げていた…その姿は本当に神々しかった…

 

 「それは勿体ないじゃないか…?雛鳥が巣から飛び立てないように…人も一度折れてしまうと支えがないといけない…」

 

 そして彼は再びこちらへ目を向ける

 

 「彼等、彼女等の言う神にはなれない…でもそれを支えてあげる柱にはなってあげられる…それは本当に素敵な事だと思わない…?」

 

 すると彼は先ほどと変わらぬ笑みをこちらに向けてくれた…あぁ…これこそが…本当の神…祈って…縋っても現れない名前だけの神共とは違う…"本物の神"…

 

 「…そろそろ、こんな…酷く寂しい場所から出ようか…この人をお願いね…?僕はまだ助けを呼ぶ人の呼び声に応えてあげないと…」

 

 するとボンプ達が私を掴みホロウの外へ向かうと彼は私達とは反対方向へ歩みを進めていく

 

 「待って…!せめて…名前だけでも…!」

 

 私の声に反応してか…"神"はこちらに目を向ける…だが歩みは止める事はなかった

 

 「"カヲル"…"渚カヲル"…君は疲れてるんだ…だからゆっくり休むといいよ…」

 

 そう言い彼は正面に目を戻し"神"は口ずさんだ

 

 「Lux aeterna luceat eis, … Requiem aeternam dona eis, et lux perpetua luceat … Requiem aeternam dona eis, et lux perpetua luceat eis…aeternam habeas requiem.」

 

 それを聞き終えた私の意識は反転し…気がついたら病院のベットで眠らされていた…

 

 

 

 

 

 ……

 

 数年後…

 

 新エリー都 某所の教会…

 

 「主よ…我らに導きを…」

 

 「「「我らに導きを…」」」

 

 教会の中では多くの人々が椅子へ座り…両手を合わせ…老若男女問わず…知能構造体であろうと…シリオンであろうとボンプであろうと…祈りを捧げている。

 …その先にある巨大な大きな翼と司祭服を模したように彫られた石像に向かって…だがその石像には頭部がなかった…

 

 「主よ…どうか、私達に祝福を…」

 

 「「「祝福を…」」」

 

 そんな空間の中で一際目立ち…純白の司祭服に身を包んでいるのは"サラ"であった

 

 「さぁ…我らの祈りが神へ届いてくださることを祈りましょう…では皆の我らが神との出会いを語らいましょう…」

 

 するとある男性は言った

 

 「私は神にエーテリアスからの凶刃から守ってもらい…ホロウの外へ送っていただきました…!」

 

 とある老人は言った

 

 「ワシと孫に降り注ぐ瓦礫を振り払い…命を救っていただきました…!感謝してもしきれません!」

 

 とある女性は言った

 

 「私はホロウレイダーの暴漢から救っていただきました…!救っていただけてなかったら…どうなってた事やら…」

 

 とある知能構造体は言った

 

 「ホロウの中で四肢をエーテリアスにもがれ…死を待つばかりだった私を助け…更には四肢の修復をまでして頂きました…」

 

 とある少年は言った

 

 「神様が僕を助けてくれたんだ!僕は怖くて動けなかったんだけど…神様が僕を背負ってホロウの外まで送ってくれたんだ!」

 

 とあるボンプは言った

 

 『ンナ!ンナンナ!ンナンナ!(ホロウの中でご主人様とはぐれた僕をご主人様の元まで送ってくれたんだ!)』

 

 するとサラは満面の笑みで言う

 

 「えぇ…!えぇ…!そうでしょう…!何故なら我らが神は慈悲深いのです…!我らの為に力を出し惜しむことなく!救い…導いてくださるのですから!」

 

 するとサラの言葉に賛同するように教会内には拍手が鳴り響いた…その場にいる皆が笑みを浮かべ拍手する光景は異質であった…

 

 そんな光景を教会の窓から恐る恐る覗き込む…1人の青年の姿があった…

 

 「ふ、ふ〜ん…」

 

 (え…待って…これ普通に前世で言うカルト宗教なのでは…?え…なに…僕こんな感じで拝まれてるの…?嫌なんだけど〜…いや…でも〜…あの場には入りたくないし…拝むなって言える度胸もないしな〜…)

 

 なんとか表情には焦りは出ていないが心の中では冷や汗だくだくの青年…カヲルであった

 

 (えぇ〜…あれ嫌なんだけどなに…ほんと…前あの石像の頭吹き飛ばしてもうやめてねって言ったのに…どんどん僕を神聖視しないで〜!?やめてよね!?僕あのゴミ共みたいな信者できるの!?やだ!!!)

 

 そう心の中で悶々としている後ろから声が掛かった

 

 「主よ…如何なさいましたか?」

 

 声を掛けてきたのは筋骨隆々の治安官の服を着た男…"ブリンガー"である…今では治安局の長官という…エリートである新"エリー都"の"エリート"だけに!☆

 

 「うわ…さむ…」

 

 「主様…?」

 

 「あいや何でもな…いよ…?」

 

 (自分でもわかる滑っていた…いや〜…声に出して無くてよかった〜…ふぁぁぁ〜!13号達と今接続してなくてよかった〜!危うく冷笑される所だった…)

 

 「それより…我が主よ…何故、この教会の中へ入られないのですか…?ッ!?もしや…!なにか気に入らない事でもありましたでしょうか!?」

 

 「いや…ちが…違うよ?僕がいるとみんな仰々しくなるでしょ…?だから素の彼等を見てみたかったんだ…?」

 

 「なるほど…そう言う事でしたか…安心いたしました…なにか…気に入らない事があるのかと…」

 

 「いいや…?ないよ?だって彼らが僕を信仰するのはそれぞれの自由だから…それを否定しても反発が残るだけでしょ?なら彼らの好きにさせてあげるべきだよ…だから僕はそれぞれの意思を尊重するよ…」

 

 「そう言う事でしたか…!」

 

 「あはは…」

 

 (うわ…どうしよ…適当にそれっぽい事言って誤魔化しただけなのに…なんでそんなに目が輝いてんの…!?嘘です!そんな事考えてない!誤魔化しだだけ!気づいて!ブリンガー!おい!気づけ!)

 

 するとブリンガーの無線が鳴る

 

 「ちっ…こんな時に…失礼します…我らが主、こちらブリンガー…どうした?…なに?本当か?…わかった。一度切る」

 

 するとブリンガーは神妙な顔をする。なんだよ…僕にも分かりやすく説明してよ…僕には聞こえてないよ…!

 

 

 「すいません…主様、これから仕事に向かいます…」

 

 「そっか…僕が手伝おうか?少しなら僕も暇だから…君が問題ないのなら…だけどね」

 

 するとブリンガーは頭を90度下げた

 

 「御一緒できるのであれば光栄の至りです…!」

 

 (うわ、はや…僕じゃなきゃ見逃しちゃうね)

 

 「そっか…ならついて行こう…早めに行こうか…もう夜も遅い…手早く終わらせよう」

 

 「はっ!」

 

 (だから…速いって…少しは考えなよ…君立場あるでしょうよ…僕これでも結構不審者だけど…)

 

 「ちなみに聞くけど…どこが問題起こしたの…?僕が知っている所かな?」

 

 「あぁ…それは…その…」

 

 するとブリンガーは出し惜しむ

 

 「僕は怒らないよ…ほら気楽に言って…?」

 

 「それが…」

 

 「うん…?」

 

 「実は…"ヴィジョン"で問題が…」

 

 「うんうん…え?あの"ヴィジョン"?」

 

 「はい…あのヴィジョンです…我が主の出資していた"ヴィジョン"です…ホロウ工事の爆破解体する圏内にまだ民間人が多く取り残されていた模様です…」

 

 (おいおい…まじかよ…やってんね…ほんまにやってくれたね〜…僕出資したって言っても彼らが貢いできたから…取りあえず適当に投資した会社だったんだけど〜…あかん…非常にまずい…まずいまずいまずい!)

 

 「…今の内に株の方は売り払っておいてくれない?」

 

 「かしこまりました…ですが、勝手ながら既に手配しておりました…申し訳ございません…」

 

 「いいや…寧ろありがとう…僕は先に問題の起きてる…ホロウの方に行くね?まぁ…大丈夫だろうけど…」

 

 「かしこまりました」

 

 「さてさて…どうしたものかね…」

 

 僕は翼を広げ…空に羽ばたかせる

 

 (ほんまにどうしよ…責任取れないよ…ほんと僕なんかに貢いだ良い人…ほんとごめん…今度から考えてから投資とかするね…ほんとごめんよ…)

 

 ……

 

 「貴方、何者…!」

 

 「なんだ!?そこの兄ちゃん!なんでこんな所にいるんだ!?」

 

 「誰よ!?この優男は…!」

 

 『貴方は…この前の…』

 

 すると目の前にいる銀髪の女性と猫のシリオンはナイフを僕の方へ向け…知能構造体の男?は二丁拳銃を構え…その後ろに隠れるようにボンプがおり…桃髪の女性はアタッシュケースをこちらに向けている

 

 (え…アタッシュケース?まさかそれで殴ってくるの…?まじぃ?見た目と違って…意外とバーサーカー?ゴリラかな…危ない口に出る所だった…)

 

 「…そうだね…なんて答えたらいいかな?久しぶり?かな?それとも初めまして…?…まさか君達と会うことになるとは思わなかったよ…想定外だよ…」

 

 (よりにもよって…この子達と出会っちゃうか…ほんと僕って運が壊滅的だな〜…)

 

 

 

 

 





 2日に一回は投稿できたらいいな〜と思っていた作者です…はい…間に合いませんでした…三日坊主です
 一回投稿できるまで書けてたんですけど没にしたので…はい…自分の計画性がないからです…はい…はい…
 後9話の内容1行だけ修正すると言って忘れてたのも僕です…はい…すいません…はい…
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