アンダーボスはキヴォトスへ   作:ただの紅茶好き

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9スレ目/都市の禁忌

「いやーすまなかったね。まさか試験用のドローンが爆発するとは…」

 

「あはは…まぁ全員無事なら問題ないよ…」

 

 アルクが爆発を喰らった少し後、アルクはエンジニア部の部長、白石ウタハと共に出されたお茶を飲みながら軽い世間話をしていた。

 

(アビドスのみんなと行動していた時も感じていたがこの世界の学生達はやたら頑丈だな…アビドスのみんなの話的に強化施術は存在しないらしいが何故だ?)

 

 アルクがお茶を飲みながらそのようなことを考えているとウタハが思い出したように話を切り出す。

 

「そういえば君が噂のシャーレの先生って人かな?噂だと女性だって聞いたんだけど…」

 

「違うな、俺はシャーレの顧問代理人、まぁ簡単にいえば先生の補助役だな」

 

「そうか、それじゃあ君のことは代理人と呼ばせて貰うよ。それで代理人、先程のドローンの爆発は代理人が受けたのは扉越しとはいえ扉が吹き飛ぶレベルの物だったが代理人は見たところ無傷のようだが何故だい?見たところヘイローもないように感じるが…」

 

 ウタハはそう言いながらアルクの頭の上あたりを指さしながら疑問符を浮かべたような表情をしながら質問してくる。

 

「ヘイロー?ってのはよく分からないがまぁ俺はほぼ全身に強化施術を施してるからな。えーっと確か覚えてる限りだと両眼は強化義眼にしてて四肢には人工筋肉を入れてて…あーあと背骨と肋骨にも人工骨格入れてるな」

 

(まぁそれだけじゃ不安だから心も纏ったんだけどこれは黙っとくか)

 

「そ、そうなのか…あぁ、ちなみにヘイローというのはね…」

 

「それについては私が説明しましょう!」

 

 ウタハが戸惑いながらもアルクの知らないヘイローについて話そうとすると横から黄色い髪の 個性的な(とてつもない)格好の生徒、豊見コトリが乱入してくる。

 

「ヘイローとは私達学園都市キヴォトスの生徒達全員の頭上にある物のことで個人差はあれど基本的に私達はあくまでもヘイローがあるのか否かしかわかりません。ちなみにヘイローは基本的に頭上にありますがこれは私達が気絶や睡眠などで消灯するらしいです!ちなみに睡眠状態でヘイローが消えたからと言って…」

 

 その後かなりの時間をかけてコトリからヘイローについての説明を受けていたがウタハがいい感じのタイミングで持ち場に戻らせて行った。

 

「オホン、話が逸れたが代理人は一体どう言った要件でこのエンジニア部に来たのかな?」

 

 ウタハは先程までの少し弛んでいた気配から技術者としての気配に切り替えるとこちらの目を見つめてくる。

 

「あーそうだった、今回はとある依頼がしたくてここに来たんだよ」

 

 アルクはそう言うと腰の刀型のガンブレードを抜き、胸ポケットから黒い布に包まれた物を机の上に置く。ウタハはそれを興味深そうに覗き込む。アルクがゆっくりと黒い布を捲るとそこには腰から抜いた折れたガンブレードの断面とピタリと合う黄金の様な色の刀身が現れた。

 

「少し触ってみてもいいかな?」

 

「どうぞ」

 

 ウタハはアルクがそう言うのを確認すると手袋をつけ、慎重にガンブレードと折れた刀身を持ち上げ注意深く観察する。

 

「かなり軽いが恐ろしいくらい頑丈だな…機械に通したわけではないから詳しいことはわからないが硬度も密度かなり高い、素材はなんだ?タングステンか?モリブデン?もしくはレニウムか…いやもしかしたら別の合金かもしれないな…しかもかなり特殊な構造だな、弾丸を入れる弾倉はあるが射出口がない。まるで弾丸を撃ち出すのが目的ではないみたいだ…あぁなるほど、そう言う構造か…」

 

 ウタハはガンブレードを見つめながらぶつぶつと独り言を発し続ける。

 

「すまないがこの武器を機械に通してみても構わないかな?」

 

「好きにしてくれて構わないよ。俺的には武器が直せそうかどうかのが気になるからね。直すために必要だと思うことなら何をしてもいいよ」

 

「感謝するよ代理人。コトリ、ヒビキ、今すぐに検査機を動かせる様に準備してくれ。」

 

 ウタハがそう言ってコトリとヒビキに指示を出して急いでガンブレードと折れた刀身を様々な機械に通す。

 

「代理人、すまないがしばらく時間がかかりそうだからミレニアムの色んな部活でも見て回ってくれないかな?1〜2時間くらいで解析は終わると思うけど待たせるのもアレだからね」

 

「分かった」

 

 ウタハのその言葉を聞くとアルクは席を立ち、エンジニア部の部室を後にする。

 


 

120:都市のアンダーボス

えーしばらく暇になったので何をしようかな。美甘ネルを探すには1〜2時間は短すぎるからなぁ…

 

121:名無しの転生者

じゃあゲーム開発部にでもいけば?

 

122:名無しの転生者

あーまぁいいんじゃない?イッチの世界の時間次第だけどそろそろアリスを連れて帰ってくる頃じゃないかな?

 

123:名無しの転生者

まぁ俺らはとりあえずゲーム開発部に行ってみるのを勧めるぞ

 

124:都市のアンダーボス

そっかぁ…まぁじゃあ行ってみるか

 

125:名無しの転生者

行ってらー

 

126:名無しの転生者

……行ったか?

 

127:名無しの転生者

多分行ったな

 

128:名無しの転生者

案外疑われなかったな

 

129:名無しの転生者

いやぁ俺はあえて黙ってるけど誰かしら教えてやらんくてよかったん?

 

130:名無しの転生者

ん?どういうことや?

 

131:名無しの転生者

あーそういや詳しくない奴に都市のとあるルールについて説明してなかったな

 

132:名無しの転生者

>>130はアリスが分類的には人工知能になることは分かるな?

 

133:名無しの転生者

おん、それくらいはなんとなく分かるで

 

134:名無しの転生者

都市には頭って言うまぁクッソ偉い法的機関があるんやけどな、そんな頭の定めた規則にはこんな項目があるんや

 

135:名無しの転生者

人工知能倫理改正案

人間と寸分違わないAIの設計及び作成を禁じる。

 

136:名無しの転生者

なるほどな…もし破ったらどうなるん?

 

137:名無しの転生者

簡単な話や、殺されるんや。頭が派遣する都市最高の武力、爪と調律者によってな

 

138:名無しの転生者

イッチはまだ銃弾が鉄を貫く姿は見てないから銃規制については薄々察しててもまだ確信はないやろうけど…流石にアリスを見たら気づくやろな、アリスが都市の禁忌だっけてことに

 

139:名無しの転生者

ワイらはその時のイッチの様子が見たいんだけなんや

 

140:名無しの転生者

とりあえずイッチにバレない様にレス進めるか。どうしよ…まぁ最強フィクサー談義でいいか。当然赤い霧は殿堂入りな

 

141:名無しの転生者

なら俺はローランを推薦させてもらうわ

 


 

 現在アルクは受付でゲーム開発部の部室の場所を確認をし終え、考え事をしながら部室へ向かっていた。

 

(そういえばなんかさっきのスレ民達の反応、まるで何か隠してるみたいな雰囲気があったな…まぁとりあえず乗ってみたが一体なんなんだ?)

 

 そんなことを考えながらミレニアムの廊下を歩いていると受付で聞いた部屋の前までやってきた。アルクはノックをしたのち声をかける

 

「っと、ここか。先生ーアルクです。居ますかー?」

 

「あーアルク?…今周りに誰も居ない?居ないなら入ってきていいよー」

 

 アルクは先生からの返事を聞くとゲーム開発部の扉を開け、部屋に入る。中にはゲームのソフトやゲーム機が散乱しており先生以外には猫耳型のヘッドホンをつけた双子の生徒、才羽モモイと才羽ミドリ、ブカブカのコートを羽織った赤い髪の生徒、花岡ユズ、そして長い黒い髪のミレニアムの制服を着た生徒、天童アリスが居た。

 アルクはアリスを見た瞬間全身の血の気が引いた様な感覚に襲われた。頭では理解している、ここは都市ではないと、頭の規則はないと、人工知能は禁忌ではないと、仮に頭が居ても自分は処罰されることはないとも。だが長年の経験によって染みついた肉体が思考より早く動いた。アリスから素早く距離を取り腰に掛けていた銃槍を抜き穂先のついた管をずらし銃槍をライフル銃に変形させ構える。

 それは親指にとって、アルクにとって最も慣れた行為、彼の身体は自身の思考とは別にアリスを粛清しなければと動いてしまったのだ。

 

「アルク!?何してるの!?」

 

 先生のその叫びもアルクには届かない。無理もない、アルクの頭の中にあるのはたった2文字の単語。それでも都市に生きる者、生きてきた者達は絶対に考えたくもない2文字。

 

 調律という2文字が、彼の身体を支配していた。




ガンブレードの素材
X社の合金30%
⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎タイト15%
⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎メタル10%
タングステン5%
レニウム3%
モリブデン2%
その他の合金35%
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