アビドス高等学校の校舎の屋上で赤い服を着たアンダーボス、アルクが夜風を浴びていた。
「ここにいたんだねアルク」
ふと背後から声が聞こえアルクは声のした方へ振り向く。そこにいたのは長いブロンドの髪をなびかせ黒いスーツを着た背の高い女性であった。彼女はアルクの横に腰掛ける。
「あぁ先生か、どうかしたかい?」
「ちょっとね、とりあえず明日ゲヘナにホシノを助けに行くための協力を申し出ようかと思っててね。アルクはどうするの?」
「少し気になることがあるから個人的に探し物をしてくる予定だ」
「そっか…ねぇアルクなにか隠してることがあるんじゃない?別に言いたくないなら良いけどさ」
先生はいたずらっぽく微笑みながらそう問いかける。アルクは何も答えない。
「ふーん…答えてくれないんだね。ま、いいけどさぁ…」
先生は少し残念そうな表情を浮かべた後その場を後にする。アルクは再び一人になったことを確認し独りごちる。
「言えるわけ無いだろ、アンタだけには絶対」
そういうアルクの手の中には一つの銀色のロケットペンダントが握られていた。
現在アルクはブラックマーケットに来ていた。なんでも現在ブラックマーケットには未来を見られるアイテムがあるというのだ。
(未来を見られるアイテム…もしかしたらヴァレンチーナが使っていたという遺物かも知れないな。私には必要ないが敵の手に渡っては厄介極まりない、だから早めに回収しておきたいが…)
アルクがそんな事を考えながらブラックマーケットを歩いていると一つの奇妙な扉を見かける。その扉はその場には似つかわしくない古びた木製の扉であった。
アルクは少し悩んだ後にドアノブに手をかけその奥へと歩を進めていく。扉の奥は5つのライトに照らされたショーケースがあった。アルクはその中の1つに目を奪われていた。それは眼のような機械からコードが伸びたような見た目をしたものであった。
「当たりだったか、予見眼、おそらく不完全なものだがそれでも回収はしておこう」
アルクはそう言って予見眼をショーケースから取り出し支払いを済ませる。
(とりあえず最悪な事態は回避できそうだな…)
659:都市のアンダーボス ID:24ndjIQlu
これなーんだ?
(眼のような機械とそれのレシートの画像)
660:名無しの転生者 ID:2mJCaa41H
は?予見眼じゃねぇか!?
661:名無しの転生者 ID:49PqTpfY/
え、なんでこれあんの?
662:名無しの転生者 ID:g2wgNz+dm
てかどこで買ったんだよ
663:名無しの転生者 ID:FNwNkeqka
どうせブラックマーケットだろ
664:都市のアンダーボス ID:24ndjIQlu
>>663正解。5アンダーボスポイントをプレゼント
665:名無しの転生者 ID:o7OWTg3gJ
それ貯めたらどうなるんだよ
666:都市のアンダーボス ID:24ndjIQlu
100ポイントで俺とのタイマンで訓練する権利がもらえるぞ
667:名無しの転生者 ID:BscaLC+oQ
いらねぇ!!
668:名無しの転生者 ID:ksDt6ILxb
寄越すなそんなもん
669:都市のアンダーボス ID:24ndjIQlu
あ、なんか先生から連絡きたわ。多分ゲヘナとの協力が取り付けられたのかな?
670:名無しの転生者 ID:8/59S7jC7
となるとそろそろカイザーにカチコミするかな?
671:名無しの転生者 ID:+BRQvmjV2
カチコミするなら配信してくれよー
672:都市のアンダーボス ID:24ndjIQlu
ふむふむ、話を聞いてる感じみんなはカイザーの基地に正面から襲撃を掛けつつゲヘナの風紀員の援護を受ける感じで俺が大回りしてカイザー側の防御が手薄になったところを叩く感じね
673:名無しの転生者 ID:wGdmX3AvE
先生は攻撃能力が高いイッチを回したか、まぁそうするわな
674:名無しの転生者 ID:ZRzyBIHnU
唯一の不安要素があるとすれば…
675:名無しの転生者 ID:fDOOxs8s5
例の仕返し帳簿の持ち主か
676:名無しの転生者 ID:bl/WEEI1x
おそらくこの作戦中、遅くても作戦終了時には仕掛けて来るよな
677:名無しの転生者 ID:tgmdUO4EU
いくらアビドス組に後から援軍が来るとはいえイッチ抜けるのはキツイだろ
678:名無しの転生者 ID:ecijvYqe0
まぁこればかりはイッチに任せるしかないか
679:システム
配信が開始されました
アルクは現在ホシノ救出メンバー達と別れカイザーの基地の後方に向かっている。このままいけばもうすぐ目的地に到着する、そんなタイミングでカイザーの基地の方角からまるで大砲のような轟音が響いたかと思った次の瞬間人間大の影が高速で接近してくる。アルクは素早く銃槍を投擲し迎撃しようとするがすんでのところで回避される。その影はその勢いのままアルクのいる位置に急襲してくる。アルクは攻撃を食らう寸前にバックステップで距離を取り回避する。直後まるで爆破したかのような揺れと轟音が鳴り響き砂煙が巻き上がる。
砂煙が晴れるとそこには両腕に金色の鎖を巻きつけ胸元を開けたワイシャツの上に紫のファーコートを羽織り図鑑くらいの大きさはあろうかという本をぶら下げ、その全身に大量の刺青を刻んだ黒髪オールバックの男が現れた。
「待ってたぜアルク…テメェをぶちのめせるこの日をよぉ!!」
男はそう言うと地面を大きく踏み抜き神速のストレートを叩き込んでくる。しかしアルクはそれをアッサリと躱しカウンターの蹴りを鳩尾に叩き込む。男は軽く血を吐きながら数m吹き飛ばされるがあまり聞いている様子はない。
「いってぇなぁ…」
「…久しいな、キンク」
アルクは複雑な表情を浮かべながらも怒気のこもった声をキンクにぶつける。キンクはどこか愉快そうな表情を浮かべながらもパンチと蹴りを繰り返し続ける。
「あの日以来だなぁ…テメェがまだカポだった時に俺の歓迎パーティに突然襲撃してきてその場にいたほとんどの中指構成員を殺しやがった…忘れたとは言わせねぇぞ。あの時の恨みを晴らさせてもらわねぇと俺の気がすまねぇんだよ!!それに聞いたぜ?お前殺しに抵抗があるんだろ?俺等の家族を殺しておきながらそんな甘いことが許されると思ってんのかよあぁ!?」
キンクはそういいながらアルクのコートの襟を掴み膝蹴りを食らわせようとする。アルクは咄嗟に姿勢を落としながらコートを脱ぎ捨て足払いを叩き込む。キンクは体制が不安定になり地面に倒れそうになるが片腕を地面に当てると同時に蹴りをアルクに叩き込む。アルクは即座に心を展開しダメージを最小限に抑える。
「どうやら本当らしいな、殺しに抵抗があるって噂は。はっきり言うがお前が殺す気なら俺なんかとっくに3回は死んでるぞ?」
「そうか…なら今からは都市の流儀に則ってお前を倒す」