TS竜天使娘になったので魔法大学に通いながらダンジョン攻略します 作:Revak
土曜日。ダンジョン前にアストレア、陽斗、大地、カーラの四人が集まった。
それぞれ動きやすい服装を着用し武装している。
アストレアと陽斗は前に駆った大鎌と斧を。大地は魔法のグローブを着用しカーラは両手に大盾を持っている。
「それじゃあ、今からダンジョン探索をします!」
配信を開始しつつアストレアが宣言する。
「人も増えたし自己紹介から行きましょう! 私が一応リーダーのアストレアで、ポジションは前衛で大鎌使いです! 歳は十九です!」
次に陽斗が自己紹介をする。
「俺は陽斗、歳は十六で確立を操作する魔法が使える! 武器は斧だ!」
「俺は大地、俺も前衛? でまぁ空手家だ。身体能力強化は得意だ」
「最後に私だな。私はカーラ。防御系の魔法に特化している。ヘイトを集めるのも得意だ。みんなを守るのは任せてくれ」
【二人も一気に増えたな】【美男美女しかいねぇ!】【前衛三人ってバランス悪くね?】【ダンジョンなら盗賊必要じゃね】
「ま、まぁシーフはまた今度、という事でダンジョン探索やっていきます!」
おー! と四人は雄たけびを上げた。
ダンジョン第三層にて。
「ふんぬらばっ!」
アストレアが雄たけびと共に斬りかかる。
カーラが盾で押さえているゾンビ相手に大鎌を振るい斬りつぶした。
ゾンビは活動を停止、死んだのだ。
「いい感じだね!」
カーラがどこか興奮しながら言った。
「はい。順調です!」
「敬語は要らないよ。仲間なんだからね」
「そ、そうで……そうか! じゃあもっと行こう!」
それに待ったをかける者がいる。大地だ。
「もう一時間も休みなしで進んでる。休憩した方がいいんじゃないか?」
それに賛同するのは陽斗とカーラだ。
「そうだな。ここらで一回休憩した方がいい」
「私も賛成だ。慣れない連携で疲労も出ているだろう」
「三人が言うなら……わかった。次のセーフエリアでいったん休憩しよう」
そうして少し進むと丁度良くセーフエリアにつく。先客は居なかった。
セーフエリアにはソファに机、自動販売機もある。
自動販売機で飲み物を買ってから四人はソファに座る。
「で、俺たちの連携はどうだった?」
陽斗が先輩であるカーラに問いかける。
「うーん。及第点ってところかな」
【三人とも戦闘初心者なのが目に見えてわかるわ】【まぁ元一般人が戦闘こなれてる方が怖いわな】【ゲームみたいにはいかんわなぁ】
コメント欄もまぁまぁ出来てない方だという意見で埋まる。
視聴者数は二十人ほど。コメントしてるのはその半分程度だ。
「この状態でボス戦挑んだら負けますかね」
「まぁ、数の暴力で勝てはするだろうけど、あんまりよくはないね」
カーラはそう苦笑しながら言った。
「なら、もう少し連携強化してからボスに挑もうか」
アストレアはそう言い三人とも頷いた。
「そう言えば、みんなはゴールデンウィークの予定はどうなってる?」
アストレアが三人に聞く。
「特に予定はないなぁ」
「俺も」
「私も」
三人そろって予定はなかった。
大学にもゴールデンウィークが適応され五日間休みになる。
これは教師側も休みたいという理由からだ。そのため大学の機能は停止する。
「じゃあ、みんなで五日間ダンジョンに籠ろうぜ!」
アストレアが笑顔でそう提案する。
それに対し三人は笑顔で了承する。
「それじゃあ、連携についてそれぞれ反省点を──」
この後めちゃくちゃ会議した。
■
約一週間が経った。
五月四日。その日アストレアたち一行は第五層への階段前に集まっていた。
各々更に装備を更新している。
アストレアは大鎌に合わせ軽装鎧を纏っている。スカート型の鎧で動けばパンツが見える白い鎧だ。
陽斗は斧に合わせ革の鎧を纏っている。
大地は白い空手着を着ている。
カーラは全身黒い鎧を着ているが顔は晒している。
どれも魔道具で能力を向上させたりする物だ。
「よし、行くぞ!」
四人はカーラを先頭に階段を降り、第五層へと降りた。
第五層の中央には前と変わらず河岸なとりが居た。
「おっまた来たんだね。また私のコペルニクスでぎったんぎったんにしてあげるよ!」
わーっはっはと笑いながらなとりはコペルニクスを召喚する。
なとりはコペルニクスに搭乗する。
「行くぞ!」
カーラがそう叫びカーラと陽斗が突撃する。
カーラがヘイトを集める魔法を使いコペルニクスからタゲを取る。
コペルニクスの拳がカーラの盾に当たる。
だが、ダメージにはならない。カーラの防御力の高さ故にすべて防がれる。
攻撃した瞬間の隙を狙い陽斗が斧で攻撃する。
前以上の傷がついた。
陽斗も土日にアストレアやレグルスに頼み重力トレーニングを積んでいるのだ。能力は徐々に上昇している。
「ふふん! 私のコペルニクスは無敵だ!」
なとりはそう笑いながらブースターをふかしカーラに突撃する。
それに対しカーラは真正面から受け止め、コペルニクスを止めた。
アストレアが跳躍しカーラの頭上からコペルニクスに接近。大鎌を振るう。
大鎌が直撃し深い傷を与えた。
「おろっ?!」
瞬間アストレアは引き、その代わりに大地が突撃する。
大地はアストレアが付けた傷に追撃を加える。
「ふんっ!」
大地が全力で正拳付きをする。
コペルニクスが吹っ飛び十メートルは飛んだ。
「うそでしょ?!」
搭乗しているなとりが信じられぬと叫んだ。
コペルニクスは魔法で軽量化しているとはいえ五トンはくだらないのだ。
これが熟練の魔法使い相手ならば兎も角相手は魔法大学に通っている一年生だ。到底信じられないが実際に起こった事である。
「フルバースト!」
ならばとなとりは四つの砲門からミサイルを放つ。
「ボレアレス!」
使うのはあらゆる攻撃を引き寄せる魔法ボレアレスだ。
四人それぞれにタゲが向いていたはずのミサイルが全てカーラ一人に向かう。
ミサイルが全てカーラに着弾。仲間たちはそれを気にせずコペルニクスを攻撃する。
爆炎が上がる。爆炎の中から無傷のカーラが出て来た。その表情はどこか歪んだ笑顔に見えた。
(くぅっ……一方的に攻撃されるのはやはりいい!)
カーラはMだった。
虐められるのが好きで攻撃を受けて痛みを感じるのも好きなタイプのMだった。
だから攻撃を受ける役であるタンクを受け入れ攻撃をたくさん受けれそうという事でアストレアの誘いに乗りダンジョンに来たのだ。
カーラに爆炎が起こるが他の者たちは無視して攻撃に移る。
アストレアが後方から魔法を行使する。コピーしておいた魔法だ。
オリヴィアの奥の手の魔法。魔力によるレーザー砲を放つ魔法アルゲティだ。
黒い魔力のレーザーがコペルニクスの腹を貫いた。
だが、相手はゴーレム。外見的損傷は行動に支障を齎さない。
「まだまだいっくよー!」
なとりがそう叫びゴーレムに対し強化魔法をかける。
身体能力の強化は魔力操作以外にも魔法で強化可能だ。倍率は魔法のが上である。
ゴーレムにのみ効果を絞った強化魔法で威力を底上げし遠距離役であるアストレアを潰そうと動く。
「させん!」
その間に入る様にカーラが動き攻撃を受け耐える。
「
アストレアがオリヴィアからコピーした魔法二つ目を行使する。
四つの魔力で出来た漆黒の魔法弾が生み出されコペルニクスに向かってホーミングし飛んで行く。
一発一発の威力も戦車砲クラスに高い弾を四発放つのを九回繰り返す魔法だ。
巻き込まれてはたまらないと陽斗と大地は回避しカーラはワンちゃん当たらないかなと思いつつタゲを取っておく。
重低音が何度も響く。
コペルニクスの腹、腕、足が壊れていく。
「私のコペルニクスがぁ?!」
搭乗しているなとりがあらわになり絶叫した。
コペルニクスにも少ないながら金をかけているのだ。普通自動車ぐらいには。
もはやボロボロになり原形をとどめていないコペルニクスに対し陽斗と大地が接近する。
「あっヤバイ!」
何をされるか察したなとりが跳躍しコペルニクスから脱出した。
「「止め!」」
二人して最高の一撃を与え、コペルニクスは木っ端みじんに霧散するのだった。
「あぁ……さようならコペルニクス……今度はマークツーにして復活させてあげるからね……」
くすんとなとりは涙を流した。
それに対しアストレアたち四人は集まり武器をしまう。
そしてハイタッチ。喜びを分かち合った。
「ボス撃破だー!」
うぉぉぉぉと雄たけびを上げる。
「いやー負けちゃったよ。ちえ」
なとりがそう言いながらアイテムボックスの魔法がかかった魔道具から宝箱を取り出す。
他の宝箱と比べると豪華な作りの宝箱だ。
「……それ、ミミックとかトラップだったりしない?」
アストレアが疑問の目で見ながら問いかけた。
「いやそう言うの無いよ。これまでの宝箱でトラップかかってるの無かっただろ? トラップあるのは下層からだよ」
「そうか……ならいいや。誰が開ける?」
「あ、じゃあ俺開けたい」
陽斗がそう言い陽斗が開けることになった。
地面に置かれた宝箱を陽斗が開ける。
「おぉ……豪華だ」
中には金の延べ棒が四本と斧が一つ入っていた。
「斧魔道具だね。解析する?」
アストレアがそう提案し陽斗が了承する。
アストレアが解析を完了した。
「効果としては魔力を消費することで一撃の威力を高める効果があるね。結構威力あるよ。大砲クラスの威力は出せる。陽斗の武器にちょうどいいんじゃない?」
「え、俺が貰っていいのか? 他のみんなの分はないけど……」
「仲間の強化はみんなの強化につながるからいいと思うよ。みんなも……いいよね?」
アストレアはちょっとこれ言い方悪かったかな、と思いつつ仲間に問いかける。
「別にいいと思うぞ。陽斗が強くなれば効率も上がるしな」
「私も賛成だ。武器はどんどん良くしていこう。予算の許す限りな」
二人とも了承したことで陽斗が「ありがとう」と言いながら斧を手に取った。
「よし、この調子で第六層行こうぜ!」
「探索はまだだ、まずは転移魔法の登録だけだぞ」
陽斗のその台詞に水を差すようにカーラが言った。それに「はーい」と間の抜けた返事をするのだった。
なとりに礼を言いつつ四人は奥の扉を開け階段を降りていく。
降りた先にも扉があり扉を開けて中に入る。
「……ナニコレ」
そこは一面の草原だった。
北海道にでもありそうな草原であり、のどかな光景である。
更には空がある。太陽もあれば雲もあり空は青い。
「え、魔法ってこんなことも出来るの?」
陽斗が驚きながら言った。
カーラ以外全員口をぽかんと開けて驚いている。
「まぁ、このダンジョンを作ったのは五賢人だ。この程度出来るだろうよ」
「えぇ……魔法の頂点すご……」
遠くを見ればそこには動く石像が居た。
四メートルほどの人型であり姿はいってしまえばドラクエのゴーレムに酷似している。
「敵に見つかる前に転移魔法で戻ろうか」
カーラがそう言い呆けていた三人は正気を取り戻す。
「あ、じゃあ配信ここで終わります。ご視聴ありがとうございました!」
そうして配信を切ってから転移魔法でダンジョン前に転移するのだった。