TS竜天使娘になったので魔法大学に通いながらダンジョン攻略します   作:Revak

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第11話

 

ダンジョン近くのファミレスにて。

 

「五層ボス討伐を祝して!カンパーイ!」

 

アストレアが音頭を取る。

 

「「「乾杯!」」」

 

三人とも飲み物を掲げる。

乾杯とは言うが中身は酒ではなくジュースだ。

この中で成人しているのはカーラだけなのでアルコールは駄目なのである。

といっても魔法世界に未成年飲酒に関する法律なんてものは無いので酒を飲んでも誰にも怒られないししょっ引かれないがそれでも成人するまで駄目だろうという事で禁止した。

因みにアストレアは炭酸も飲めないので一人オレンジジュースである。

 

飲み物を飲み、食べ物に舌鼓を打ちつつ今後について話す。

 

「ダンジョン配信金曜と土曜にしようかと思うんだ」

「これまではどうしてたんだ?」

「月水金土」

「それはちょっと多いな」

「そう、それに鍛錬する時間も欲しいからさ、やっぱ素の戦闘力は高めといて損はないじゃん?」

「そうだなぁ、俺もレグルス先生に見て貰ってるけど、魔力操作による身体能力強化は重要だからな」

「魔力だけに頼らず魔力や魔法を使わない筋肉も重要だぞ。私が良いジム紹介しようか?」

「ジムか……いいかもな。ダンジョン配信でお金はあるし」

 

ワイワイと話す。

そうしていると大地がアストレアに話しかける。

 

「そう言えばダンジョン配信してるがバズったりしないのか?今のところ登録者は何人だ?」

 

それに対しアストレアは苦い顔をする。

 

「えっとね、登録者五十人。配信の視聴者は二十人かな」

 

その答えに大地は苦笑して返した。

 

「……零細配信者だな」

「まぁ、そもそも魔法世界事態人口が少ないからな。更に最近できたばかりのサイトだから利用者数も少ないのだ。それを考えれば五十人というのは多い方じゃないか?」

 

フォローするようにカーラが言った。

 

「てかさ、普通にyoutubeで配信するのは駄目なん?」

 

陽斗がそう問いかけた。

 

「いや、駄目でしょ。魔法は秘匿しないといけないし……」

 

それに対し待ったをかけるのはカーラだ。

 

「今の時代、VRMMOの配信なんてのもある……なら、超リアルなゲームのダンジョン攻略という事にすればいいんじゃないか?」

「それ通用するか?」

 

それ駄目だろと大地が苦い顔をする。

 

「取りあえず五賢人の板倉さんにラインで聞いてみるか」

「板倉様とライン交換してるの?!」

 

カーラが驚いた。

 

「まぁ、うん。ちょくちょく話すよ」

 

その言葉にカーラは驚いて手を止めた。

 

アストレアはその間にラインを送る。

youtubeでダンジョン配信していいか、と。

五分ほど待つと『シエロとアオスに聞いたけど別にいいって』と帰って来た。

 

「許可とれたよ」

「おっじゃあ早速アカウント作ろうぜ」

 

四人はネクサスギアの画面共有機能を使いyoutubeにチャンネルを作る。

 

「チャンネル名どうする?」

「頭文字とるのはどう?」

「それだと変じゃね」

 

ワイワイ話しながらチャンネル名を決める。

チャンネル名は最終的にシリウスになった。

 

「アカウントの管理は誰がする?」

「私が魔法世界側の管理するからyoutube側は別の人がいいかな」

「それじゃあカーラさんはどうかな、俺たちまだネットに触れるには若いし」

「ん、いいよ。チャンネル運営は任せてくれ」

 

こうして魔法世界のネットとyoutueb両方で配信することが決まったのだった。

 

 

 

 

五月十日。晴れの日の午後一時。アストレアは運動場に居た。

レグルス監修の元特訓だ。

 

「さて、一周走れるかな?」

「うごごごごごご」

 

アストレアはゆっくりと動く。それは走ってるとは言えなかった。

だが、それでも動けている。

 

(才能はある方だな。半年もすれば走れるようになるな)

 

魔法初めて一、二か月程度でここまで出来るとは末恐ろしいとレグルスは思う。

魔法の勉強を一年してから実践に移るのが常識だ。

それを考えれば今年の一年生はどれも才能を持っている。入学時点で魔法を使えているのだから。

 

ゆっくりとだが着実に動いて行くアストレアを見て若いっていいなとレグルスは笑みを浮かべる。

 

 

十分かけアストレアは一周を終えた。

 

「お疲れ!」

 

レグルスはアストレアにかけた重力魔法を解除しつつ声をかけた。

 

「ど、どうも……」

 

アストレアは汗だくになりつつ返答する。

 

「その疲労、回復魔法で治せるな?治せ」

 

疑問を感じながらアストレアは回復魔法を使い治した。

 

「よし、いっちょ私と模擬戦するぞ」

「え、模擬戦?なんで?」

 

それに対し唐突な模擬戦にアストレアは疑問を隠せない。

 

「何、今の自分がどこまでできるか知るのも大事だろう?武器の使用も当然魔法の使用もありだ。来い」

「……わかりました」

 

模擬戦なら変なことにはならないだろう。そう思いアストレアはアイテムボックスから普段使いの大鎌を取り出す。

 

「よし、じゃあ行くぞ!」

 

アストレアの心構えもなっていないのにいきなり突撃される。

咄嗟に大鎌を構えることでガードだけはした。

 

大鎌にレグルスの拳が当たる。

拳と刃、普通に考えれば負けるのは拳だが魔力操作で強化された拳は負けずに打ち勝つ。

レグルスは一発が防がれたことを気にもせ連撃。拳の雨がアストレアに襲い掛かる。

アストレアはそれに対し優れた動体視力で攻撃を予測し防御する。

拳と金属のはずなのに硬い金属同士がぶつかったような硬質的な音が響く。

 

「守るだけか!」

 

次にレグルスは足払いをする。

それを受けてしまいアストレアは体勢を崩し地面に転がった。

転がったアストレアの頭を踏みつぶそうとレグルスはスタンピングを放つがアストレアは回転することで回避。

セットしておいた転移魔法で距離を取る。

 

二十メートル離れた地点に転移したアストレアは立ち上がって姿勢を構える。

その瞬間アストレアの腹にレグルスの拳が来た。

 

(えっ)

 

回避も防御も当然間に合わず拳を腹に受けた。

 

「おべっ」

 

変な声と共にアストレアは腹を抑えた。

 

「ほら、回復魔法使え」

 

言われるがままアストレアは回復魔法を使い折れた肋骨を治した。

 

「痛い!」

「痛くせねば覚えんだろう」

 

昭和の人間か、と思ったが実年齢百歳を超えている相手なので実際そうかもしれないので辞めておいた。

 

「ふむ。基礎を疎かにしないというその姿勢はいいがな、もっと魔法を使え」

「というと?」

「私が普段使う自己強化の魔法……名をエンハンスとというのだが、それを使ってみろ。コピー出来るんだろ?」

「はい、わかりました」

 

魔法のセットには十秒かかる。

セットし発動する。

 

「発動しました」

「その状態で斬りかかってみろ」

「了解です!」

 

アストレアは言われるがまま斬りかかる。

 

音速を超えた速度をたたきだした。

時速に換算するならば二千四百キロである。

アストレアのコピー魔法は相手の魔法の熟練度まで含めてコピーする。強化された肉体に追いつかないなんてことはない。

そのまま首をはねそうになった時、レグルスも強化魔法で首の皮一枚のところで避けた。

 

「お、おぉ。すごいな」

 

思ったよりすごいとレグレスは冷や汗を流した。

普通は強化された身体能力に追いつかずこけたりするのが普通だが、熟練度もコピーしたためそうしたことにはならなかった。

 

「お前、魔法を幾つもコピーして使えるんだろう?なら魔力操作だけじゃなく魔法を使って戦うと良い。魔法使いなんだからな」

「……はいっ!」

 

アストレアは笑顔で返事をするのだった。

 

 

 

 

 

五月二十二日土曜日の朝九時。

アストレア一行はダンジョン前に来ていた。

全員ネクサスギアを装備しyoutubeのアカウントのコメランを開いている。

 

「それじゃあ配信開始しまーす!」

 

そうして九時一分に配信が始まる。

 

【始まった】【youtubeでもようやるわ】【うぽつ】

 

配信開始と同時に視聴者が二十人ほど来る。これは魔法世界のサイトの視聴者がそのまま来たのだ。

魔法世界のサイトでも配信はするがコメントは拾えないと事前告知しているのでやはりyoutubeに行く。

 

「はーい、このパーティシリウスのリーダー、アストレアです、女の子にTSした大鎌使いの魔法使いです!」

 

アストレアを皮切りに自己紹介をしていく。

 

「前衛の陽斗だ、武器は斧でクリティカルばっか出せるぜ!」

「同じく前衛の大地だ。素手の戦闘に長けてると自負してる」

「タンクのカーラだ。みんなは私が守る!」

 

【初見です。これ何の配信?ダンジョン攻略?って何?】

 

そうして自己紹介を終えると初見が来る。

それに対しアストレアが反応した。

 

「お、初見さんいらっしゃい!この配信は不死王の墳墓っていうダンジョンを攻略していく配信だよ!といっても既に別サイトで配信しちゃってて今は最初からやる感じだね!」

 

【なんかのゲーム?角生えてるけど】

 

流石に魔法世界が実在とすると言いふらすわけにはいかないのでそこらへんはごまかすことに決まっている。

 

「まぁ、ゲームみたいな感じです!それで、不死王の墳墓はある魔法使いが作ったダンジョンで全百層。五層ごとにボスが居ます!」

「私たちは既に五層まで攻略ずみで、今から第六層に行く訳だ」

 

【ダンジョン攻略か面白そう】【自分じゃやる気でないけどこうやって他人がやるのを見るのも楽しいよな】【わかる】

 

コメントはそこそこ盛り上がっている。

 

「それじゃ第六層に転移します!テレポート!」

 

魔法名を唱える必要はないが唱えたかったので唱え、第六層に転移した。

 

「ここが第六層です!」

 

でん!とアストレアは第六層を映す。

そこには北海道のような平原と青い空、白い雲に太陽が映っていた。

そして草原を歩くのは多種多様なゴーレムたち。

有名ゲームに出てくるゴーレムそのもの。何かの騎士っぽいゴーレム。ガーゴイルに似た形のゴーレム。ゴリラ。美少女人形などだ。

 

【画質すっごいリアルでゲームとは思えないんだけど】

 

「気のせいです!それじゃあダンジョン攻略やっていこー!」

 

おおー!と一行は雄たけびを上げ、ゴーレムに襲い掛かった。

 

 

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