TS竜天使娘になったので魔法大学に通いながらダンジョン攻略します   作:Revak

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第16話

 

 七月十日。朝の九時ごろ。

 

 アストレアは久しぶりに外の世界に来ていた。

 

 いるのは千葉県Y市のある町の神社だ。

 アーカディアの街に張られている結界は出入りのさい面白いことが起こる。

 それは特定の場所に出ようとすると転移し出させてくれるのだ。

 そのためやろうと思えば地球上ならばアーカディアの街を経由することでどこにでも行けるのである。

 

 魔法大学一年生はかおりの家で勉強会をすることになり、七人揃ってかおりの家である神社に来ていた。

 

「でっけぇ」

 

 陽斗がそう呟いた。

 

 着いた先は大きな神社だ。

 御社殿自体が非常に大きく見ごたえのあるものだ。

 

「おぉ、よく来たの」

 

 御社殿の中から巫女服を着たかおりが出てくる。

 

「ささ、中に入れ」

 

「靴外で脱いだ方がいいか?」

 

 大地が臆することなくそう尋ねる。

 

「いや、中に入ると異空間でそこに玄関があるからそこで脱いでくれ」

「わかった」

 

 そうして大地とサラ以外びくびくしながら入っていく。

 襖を開けて中に入ると其処は一般的な家の玄関だ。ただし広いが。

 

 全員靴を脱いで玄関に上がる。

 

「こっちじゃ」

 

 かおり案内の元家の中を進む。

 和室に入ると中央には長い机が置いてある。

 

 それぞれ背もたれのある置き椅子に座る。

 

「どれ、茶を持ってくるから待っておれ」

 

 そうしてかおりが部屋を出て行く。

 

「なぁ、もしかしてかおりって結構いいところの人なのかな」

 

 陽斗がそう隣に座る大地に問いかけた。

 男女に別れ座っている。

 

「まぁ、聞いた話じゃ神様の娘らしいからな。いいとこの出ではあるだろ」

 

 神とは言うが神話の時代の神やヴィクトリア・フォン・シュタイエルには当然足元にも及ばない存在だ。

 たまたま神社に住み着いたら神様呼ばわりされたのでまぁ神でもいいかと神に就職しただけの存在である。

 

「またせたのじゃ」

 

 そうしてかおりが人数分の麦茶を持ってくる。

 

「それじゃあ、勉強会始めましょうか」

 

 そうして勉強会が始まる。

 

 

 各々、真面目に勉強をする。

 アストレアはよく聞かれそれに対し答えていく事が多い。

 アストレアの体のスペックはいい方だ。中の人は悪い方だったが記憶力や頭の回転速度が上がっている為知能指数は上がっている。

 そのためこの中では二番目に頭が回る。一番はサラだ。

 

 と言ってもアストレアもわからないことが無いわけじゃない。この作品の作者の気持ちを答えろとかは苦手とする。

 

 楽しい楽しい勉強会は続く。

 

 一時間ほど勉強会をし、勉学を進めていると部屋に第三者が入ってくる。

 

「おぉ、皆さん頑張っているわね。お茶菓子はどうかしら」

「母上、もう帰って来たのか」

 

 出て来たのはかおりの母狐塚典子だ。

 身長は百七十五センチ。胸はでかく腰は細くケツはでかい。端的に言えばエロイ体をしている。

 狐顔の女であり金髪赤目で頭上には狐の耳が生え尻からは狐の尻尾が生えている。

 

 典子は異空間収納の魔法から今川焼を取り出す。一人二個だ。

 

「ありがとうございます!」

 

 陽斗が元気な声で礼を言う。

 

「勉強頑張ってね~」

 

 そう言うと典子はほほほとほほ笑みながら去っていった。

 

「貴女のお母さん結構若いのね」

 

 サラがそう話題を口に出す。

 それに対しかおりは苦い顔をする。

 

「外見年齢は二十代前半程度じゃが実年齢四百歳を超えてるぞ」

「とてもそうは見えなかったけどな……」

 

 アストレアが女の年齢はわからんと口にする。

 

「そういや昼飯はどうする?」

 

 大地がそう尋ねた。

 

「近所のファミレスでいいんじゃないか?」

 

 陽斗が答えた。

 

「いや、どうせなら流しそうめんでもしようと思っているんじゃがいいか?」

 

 かおりがそう答え、それに対し全員テンションを上げる。

 流しそうめんなど数年ぶりである。

 

「ならその分気合入れて勉強しないとね」

 

 そうサラが言い、そうだな、と全員苦笑しながら勉強をつづけた。

 

 

 ■

 

 

「これぞ流しそうめんセットじゃ!」

 

 かおりの家の神社の裏手に流しそうめんのセットがあった。

 ただの流しそうめんではない。竹こそ使っているがその実魔道具だ。

 勝手にそうめんを生成し流してくれる優れもので最下層まで落ちればそうめんは消滅するという代物である。

 そしてでかい。三十メートルはある。

 

「でっけぇな」

 

 大地がこれよほどの理由がないと使えんだろと思いながらつぶやいた。

 

「薬味はいろいろあるぞ~」

 

 そう言いながらかおりが薬味セットをお盆に載せて持ってくる。

 

 中にはしょうがやネギはもちろん、みょうがにごまに海苔などいろいろあった。

 

「それじゃあ流すよ~」

 

 典子がそう言い魔道具を起動し、流しそうめんが始まる。

 

 楽しい楽しい食事会だ。

 

 アストレアの隣に翔がやってくる。

 

「なぁ、ダンジョン配信してるらしいけどどれくらい儲けあるんだ?」

 

 少し小声で翔はそう尋ねた。

 

「ん-、平均は三時間で二万円、多いときは十万円かな」

「十万?! すげぇな?!」

「わ、声大きい」

 

 翔は大きな声で叫んだ。

 日当十万など闇バイトぐらいでしか聞いたことない額である。

 

「俺もダンジョンいけっかな」

「年齢制限とか無いからいけると思うよ。なんなら私のパーティ入って一緒に配信する?」

「いや、配信はちょっと……ネットに顔晒すの怖いし」

「そっか、けど暇なときは手伝えるから読んでね」

「おう、夏休みバイトの代わりに行ってみるわ」

 

 そう話しているとサラが話しかけてくる。

 

「ちょっといいかしら」

「ん、なんだ?」

「貴女、ダンジョン攻略してるのよね……てことは探索系の魔法使いと仲間、てことよね」

「そうだけど、何か探してほしいものでもあるの?」

 

 アストレアがそう尋ねるとサラは苦い顔をしながら「そうなのよ」と答えた。

 

「実は、うちの実家の物置に隠し扉があって、魔法の迷宮が見つかったのよ。ただトラップ魔法とかいろいろあって私一人じゃ探索しきれないのよ」

「トラップ魔法がある物置ってそれ物置っていうのか?」

 

 翔が苦い顔をした。

 それは人はダンジョンと呼ぶ。

 

「そう、それで私一人じゃ探索できなくて……専門家に見てもらいたいけど学生じゃコネもないでしょ? だからアストレアに探索してもらえると助かるんだけど……」

「配信はしていいかな?」

「それは駄目ね。何が映るかわからないから」

 

 それに対しアストレアはしょぼんとした顔をした。

 だがすぐに気を取り直し笑顔になる。

 

「いいよ。ただ仲間にも聞くから……八月ぐらいになるかな。テストもあるし」

「大丈夫よ。ただイギリスに行くから国外旅行になるわ。まぁアーカディアの街経由で転移して行けなくもないけど」

「流石に不法入国するのはちょっと……」

「よね。だから今からパスポートとか用意しておいた方がいいわ。よろしくね」

「おう、任せろ」

 

 それじゃあ流しそうめんに集中するかと三人は食事を再開した。

 

 

 

 

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